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沢田研二が自らプロデュースして01年にスタート、文芸作品から探偵もの、人情喜劇など、さまざまな舞台を作り上げてきた「沢田研二音楽劇シリーズ」が、ついに幕を降ろす。
その最終公演は、マキノノゾミが新作として書き下ろす『音楽劇 大悪名』。勝新太郎主演で映画化もされた今東光の小説が原作で、マキノノゾミが作・演出を手がけ、ミュージシャンのcobaが音楽を、南流石が振付を担当する。そして、音楽劇シリーズのファイナルとあって、これまで出演した俳優たち総勢32名が、沢田のためならと大結集した。
公演は、5月6日に初日を開けたシアター1010を皮切りに、6月7日〜18日の東京芸術劇場プレイハウスまで、大阪や関東各地を巡演中だ。

今回の物語の背景は、前作『悪名』から29年後のブラジル・サンパウロ。桜咲く日本人街で、沢田扮する朝吉親分が孤児たちのために大活躍する。アコーディオン奏者cobaの書き下ろし曲、そしてcoba率いる5人編成のBANDの大迫力の音楽にのせての大団円となる。そんな記念すべき作品に参加する土居裕子に話を聞いた。 

謙虚さと器の大きさは本当の大スターだからこそ

──土居さんはこのシリーズは、08年の『ぼんち』(山崎豊子原作)に出演されましたね。
早いものでもう10年です。この「音楽劇シリーズ」がなくなるというのは本当に寂しいです。
──初めて出演した時の沢田さんの印象はいかがでした?
私はこの世界に入る前に、テレビでジュリーの歌を毎日のように聞いていたので、稽古場で聞かせていただくのを、本当に楽しみにしていたんです。初めて生で聞いた歌声はさすがというか、以前よりさらに艶やかになって、ボリュームも増していて、どうやってこの声を保っているんだろうとびっくりした記憶があります。
──公演の座長としての沢田さんはいかがです? 
親分肌です。美味しいものとお酒がお好きなので、旅先で良いお店を見つけるのがお上手だそうです(笑)。『ぼんち』のときのエピソードですが、新宿の紀伊國屋サザンシアターで公演がありまして、同じ頃、私の郷里宇和島の鯛めしのお店が劇場近くに出店したんです。それをぜひ食べていただきたいと思って、皆さんをご招待したら、沢田さんはその後も何回かお一人でいらしてくださったらしいんです。宇和島の味を好んでくださって本当に嬉しかった。
──すごくフラットで素敵な方ですね。俳優としての沢田さんについては?
とにかく真面目で謙虚で一生懸命。あれだけの方なのに全てを演出家に委ねている感じです。その信頼関係は、以前森光子さんとご一緒した時にも感じたことでした。やはり本物の大スターだからこその、器の大きさを感じます。

見どころはジュリー、ジュリー、ジュリーです!

──今回の物語で土居さんの役はシスター役だそうですね。
サンパウロで孤児たちのための施設を持つ教会のシスターです。その施設が建っている土地がマフィアのもので、追い出されそうになるんです。それを知った朝吉さんが闘おうとするのですが、実は朝吉さんは出家していて、シスターの南野(陽子)さんと、絶対に暴力を振るわないという約束をしているんです。でも「闘わないとみんなを救えない」と最後に立ち上がります。
──昔の任侠映画みたいなカッコよさですね。
カッコいいです! 乱闘シーンもありますし、マキノ(ノゾミ)さんらしいエンターテインメントになっています。
──音楽もいつも楽しみなのですが、土居さんも歌われますね?
孤児院のイベントで子供たちと一緒にゴスペル風の曲を歌います。南野陽子ちゃんとのデュエットもあります。それからテーマソングの「永遠の旅人」という曲を、全員でオープニングに歌うのですが、その曲が朝吉の生き方を反映しているようなとてもいい歌なんです。
──新曲ですか?
全て新曲です。cobaさんの曲とマキノさんの歌詞がどこか懐かしくて、グループサウンズ全盛時代の頃のフレーズを思わせるような音楽に胸がキュンキュンきちゃいます(笑)。
──ますます楽しみになってきました。最後に見どころをぜひ。
もちろん見どころはジュリー、ジュリー、ジュリーです!(笑)。そしてそのジュリーを愛している沢山の仲間たちが、このファイナルを盛り上げようと集まりました。見応えのある作品になると思いますし、きっとすごいステージになると思います。

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どいゆうこ○愛媛県宇和島市出身。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。1984年から4年間NHK「なかよしリズム」の歌のお姉さんを経て、88年から96年まで音楽座の主演女優として活躍。その後は歌手、女優、声優などマルチに活躍中。主な出演舞台は『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』『星の王子さま』『タン・ビエットの唄』『紙屋町さくらホテル』『サウンド・オブ・ミュージック』音楽劇『わが町』『ショウ・ボート』『マンザナ、わが町』など。

〈公演情報〉
15 のコピー

沢田研二50周年記念特別公演2017
『音楽劇 大悪名 The Badboys Last Stand!』
作・演出◇マキノノゾミ(「悪名」/原作:今東光 脚色:依田義賢より)
音楽監督◇coba
振付◇南流石
出演◇沢田研二 南野陽子 いしのようこ 土居裕子 土田早苗 那海 野田晋市 加納幸和 茂山宗彦 山崎イサオ 若杉宏二 田中隆三  松永玲子 他  BANDを含め総勢32名が出演
●6/7〜18◎東京芸術劇場プレイハウス 
●5/6〜6/3◎千住、大阪、栃木、神奈川、八王子、千葉、甲府、東京 
〈お問い合わせ〉ココロ公演事業部  03-3355-7393(12:00〜17:00)
http://www.co-colo.com/live/2017daiakumyou/daiakumyou.html




【取材・文/宮田華子 撮影/安川啓太】




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