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2001年に初演され、瞬く間に多くのファンを魅了した方南ぐみの舞台『あたっくNo.1』。脚本・演出の樫田正剛の伯父が、戦地に向かう潜水艦内で書き綴った日記に着想を得たという作品で、樫田の代表作として、幾度となく再演を重ねてきた。今回は、新キャストを交えた11名によって、6月2日(金)から11日(日)まで銀座の博品館劇場で上演される。
役者陣はフレッシュな顔ぶれが並ぶ。『チア男子!!』や『スタミュ』など話題作に事欠かない高野洸、舞台初出演になる「THE RAMPAGE」の岩谷翔吾と藤原樹、劇団プレステージの太田将熙、劇団Patchの近藤頌利、また戸谷公人、橋本真一、諒太郎といった若手で勢いのある役者たちが、潜水艦の乗組員を演じる。さらに、味のある演技で定評のある扉座の岡森諦、自らの作品では脚本・演出も務める水谷あつし、THE CONVOYで卓抜なダンスを披露する瀬下尚人が、上官として脇を支える。

【あらすじ】
「見送る者は無言の自然のみ。行く先は何処ぞ…」。1941年11月18日。男たちは行き先も目的も告げられることなく潜水艦伊18号に乗艦した。祖国を離れた2日後、艦長が全員に告げる。行き先はハワイ真珠湾。敵はアメリカ。「敵に不足なし」艦内に若者たちの咆哮が爆音と共に鳴り響く。男たちの青春が今ここに炸裂する──。

豪華俳優陣で演じるこの感動的な作品について、キャストの高野洸、岩谷翔吾、藤原樹が、稽古で忙しい合間に熱く語ってくれた。

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岩谷翔吾・藤原樹・高野洸

樫田正剛さんの熱意に必死で喰らいついていく
 
──いよいよ6月2日に初日が開きます。ここまでの稽古の手応えを。
高野 作・演出の樫田正剛さんが熱意を持って演出してくださっているので、僕らはそれに必死についていって、それ以上のものを出せるように頑張っています。全員にこの舞台を成功させたいという想いがあるので、毎日とても熱い稽古で、楽しみつつも、緊張感をもって稽古をさせていただいています。
藤原 僕は初舞台で、普段はパフォーマーなので演技は初めてになります。本稽古前のプレ稽古から参加させていただいて、とにかく樫田さんのおっしゃることを吸収し続けました。それに応えられるように、自分にできる最大限の意識を演技に集中して、他の方々の熱意に負けない気持ちで、稽古をやらせていただいています。
岩谷 僕も初舞台です。わからないことばかりですから、僕と樹は気合いで歯を食いしばって頑張ることしかできない。体育会系の稽古なので、とにかく負けないように必死に食らいついていきたいという気持ちでいっぱいです。プレ稽古をさせていただいた時も、体ひとつでぶつかっていくので、あまりに激しすぎて、1メートルぐらい鼻水が(笑)出ました。涙もとめどなく出てきて、涙と鼻水でぐちょぐちょになりながら、感情を爆発させる稽古をしていました。
──その『あたっくNo.1』について、持っていた印象は?
高野 初めて台本を読んだ時に、凄まじい作品だなと。今回、関わることができて幸せです。これまであまり知らなかった戦争のことや、真珠湾に向かう潜水艦のことを知ることができて、こんな切迫した人生もあったのかと驚き、とても感動して、僕も頑張らなくてはと思いました。
藤原 この舞台は、自分たちの先輩である「EXILE TRIBE」のみなさんも多く出られている舞台だったので、いつかこの作品に出たいという気持ちがありました。そういう意味では、『あたっくNo.1』は「EXILE TRIBE」の登竜門に近い作品になっていると思いますし、「THE RAMPAGE」から僕と翔吾さんが参加できることは嬉しいです。
岩谷 僕たちの先輩であるEXILEの方たちから、「『あたっくNo.1』はやばいよ」と何回も聞いていました。僕は、2013年と2015年に実際に観させていただいたのですが、観劇しながら泣くという体験は、この作品が初めてでした。ものすごく感情移入して、1941年の潜水艦に入り込んだ気分になるほどリアルな作品だと思いました。今回この作品に携われてテンションが最高潮になっています。
──2001年に初演、その後何度も再演を繰り返す人気作で、書籍化もされています。本当に多くの方に観ていただいている作品ですね。
高野 これまでの方々が成功されているので、プレッシャーがあります(笑)。それを超えられるように頑張って、「今回も観てよかった」と言ってくれる方がいらっしゃったら嬉しいです。『あたっくNo.1』という、ずっと受け継がれる作品に携われる幸せをひしひしと噛み締めながら、これからも大事にしてもらえる素晴らしい舞台にしたいです。
藤原 今回で100公演目を迎えるそうです。記念すべき舞台を僕たちが演じさせていただけるのはありがたいですね。洸も言いましたが、錚々たる方々がやっていらっしゃるので、比べられるプレッシャーはありますが、前回を超えたいという気持ちでやっています。
岩谷 樫田さんが本当に大切にしてきた舞台で、すごい熱量で取り組んでいる姿勢を毎日見ていると、さらに燃えてきますし、もっともっと良いものにしたいなと思います。キャスト一同、みんな試行錯誤しながら、もがいてもがいて頑張っているので、「過去イチ」の『あたっくNo.1』にしたいですね。
 
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潜水艦に乗っているように朝から晩まで一緒の仲間
 
──樫田さんから具体的に学んだことはありますか。
高野 本当にたくさんあります。プレ稽古では早口言葉で演技をしました。そうすることで、感情の変化の付け方、樫田さんへの要望に応える姿勢、どの演技が正解だったのか少しずつわかってきました。ただ、本読みになると「読みが弱い」と言われる。そうして、台本と向き合って、一文字一文字を大事にしながら演技を磨いてきました。また、立ち稽古では、樫田さんが、視線の持って行き方や、視界の邪魔にならないような動きを細かく指導してくださいます。
藤原 樫田さんから、お客様に言葉で伝えることを意識しろと言われました。そこから自分の言葉で感情を伝えることにフォーカスして話すようになりました。僕たちはパフォーマーなので、今後の舞台の経験や、ダンスをするときに役立つと思っています。毎日成長させてもらっているし、今は役に立つことばかりですね。
岩谷 樫田さんはとても愛のある人で、稽古が終わるとご一緒にお食事させてもらうのですが、最初の時に、「この1ヶ月半を11人のメンバーで過ごすのだから、腹を割って話せ」と言っていただきました。実際に潜水艦に乗っているように、朝から晩までみんなと一緒で、稽古もみんなで頑張るという生活をしてきました。そのおかげで仲間意識がとても高くなりました。それだけではなくて、最初に来たらトイレ掃除をするとか、稽古場への意識も変わりました。芝居以前の人として生きる姿勢を教えてくださいます。
──それぞれ、役への取り組み方を教えてください。
高野 上官に対するときは姿勢をきちっとするなど、軍人としての基本をまず自分の中に叩き込む必要があるので、1941年の軍人の生き方を、どんどん勉強して取り込んでいけたらいいなと思っています。上官の不条理な命令に反対意見を言うような場合でも、潜水艦の環境を変えたい、日本を変えたいという強い意思を持っているような、それを個性として前面に出せたらと思っています。
藤原 例えば、この物語では勝杜という人物が出てきます。勝杜は樫田さんの伯父さんがモデルで、『あたっくNo.1』は、その方の書いた日記を元に作られています。この人物はめちゃくちゃ明るくて、お調子者で、人懐っこい性格です。下士官と上官の中間の立場で、下士官には話しかけて可愛がるし、上官からは可愛がられるという存在です。実はこの物語に出てくる人物は、そのほとんどが実在の人物がモデルになっていますので、その方々に失礼の無いように自分を高めていければと思っています。
岩谷 実は稽古が始まる前に、樹と2人で『あたっくNo.1』の舞台になった広島の呉や、横川一等兵のモデルとなった方の出身地である鳥取に行きました。潜水艦を見たり、資料館に通ったり、当時の琴浦はどんなところなのか、肌で感じて役を膨らませていきました。僕と樹はとにかく今は、樫田さんの指導にがむしゃらに食らいついて、頭がパンクするぐらい考え抜くことしかできないので、体ひとつで戦いながら役を作っていけたらと思います。

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高校の同級生2人が東京で同じ仕事で再会して
 
──みなさんは年齢も近いですが、お互いにどのような印象を持っていますか。
高野 樹とは福岡で同級生だったんです。彼は高校2年ぐらいで東京に上京しましたが、それまではずっと仲の良い集団で、食堂で昼食を一緒に食べていました。あまり喋らなくて静かだけど安心感があります。一緒にいると心地いいんです。同じ舞台に出るので楽しみにしていましたが、仕事の時は目つきが違いますね。さすがだなと思います。これからもお互い高めあっていけたらいいなと。岩谷くんはダンスやっている時と雰囲気が違って、ミュージックビデオを観てすごいなとびっくりしました。
岩谷 まさか?観てくれたんだ(笑)。
高野 明るくてまっすぐという印象です。2人からは『あたっくNo.1』に対しての熱意を強く感じますね。
藤原 洸が言ったとおり、福岡の学校では休み時間もずっと一緒にいるぐらい仲が良かったんです。何年か経て、東京で一緒に仕事をしているのは運命のようで不思議な感じがしますね。洸も芸能界で活動しているから刺激をもらえる存在です。僕は「THE RAMPAGE」をやっていますが、洸はいろいろな舞台で活動したり、Dream5というグループでダンサーをしていたこともあったので、会えばダンスや演技の話になるんです。これからも一緒にキャリアを積んで上達していきたいし、刺激しあえる関係でいたいですね。翔吾さんとは小学生の時に「EXPG(EXILE PROFESSIONAL GYM)」で、EXILEのサポートダンサーとして一緒に踊っていました。翔吾さんはすごく真面目でまっすぐなので、軍人という役に合っていますね。
岩谷 なんか照れ臭いな(笑)。もともと、樹から洸は同級生だと聞いて、会うのを楽しみにしていました。プレ稽古で一緒になった時に、僕と樹は、大声を出すと次の日には声が枯れてしまうんです。でも洸はへっちゃらで稽古場に現れる。喉も強くて、さらっと器用にセリフをこなすので、すごいなと思っています。樹とは長い付き合いなので、改めて言葉にするのは恥ずかしい(笑)。潜水艦の乗組員は上下関係なく親しいという事なので、プライベートからお互いの関係性が出来上がっていることで、演じることもやりやすいし、遠慮なく意見を言い合える。樹は普段は無口ですが、役に入ると結構おちゃらけで、正反対だから驚いて見ています(笑)。
藤原 (笑)。

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プレッシャーに負けず「過去イチ」と言われる舞台に!

──藤原さんと岩谷さんは、EXILE TRIBEの「THE RAMPAGE」で活動していますが、これまでの経験は活きていますか。
岩谷 パフォーマーをしていてよかったのは最初のシーンですね。スローで走るシーンがあって、そこはダンス的な要素があるので、リズムや間の詰め方がわかるので、胸を張って誰よりも負けねえぞと堂々と動いています(笑)。それから、『あたっくNo.1』の稽古を少しお休みして、「THE RAMPAGE」としてライブをしたことがあったのですが、その時に稽古で培った表現が、ライブの中に自然と活かされていてびっくりしました。『あたっくNo.1』の稽古で気付かされたことは、「THE RAMPAGE」の活動にも確実に活きています。
藤原 「THE RAMPAGE」は2014年に結成されて、そこから3年間かけてようやくメジャーデビューにたどり着きました。その中で、全国をパフォーマンスして回る武者修行やチーム力を上げるための強化合宿もあったり、きつい思いをたくさんしながら、いろいろな試練や壁をみんなで乗り越えてきました。この『あたっくNo.1』の稽古は、先輩方にも「人生で一番きつくて、一番追い込まれる」と聞かされていた通り、精神的に追い込まれますし、たくさんのことを考えなくてはいけない。ただ、「THE RAMPAGE」で乗り越えてきた経験があるので、自分を信じて頑張ろうと思えるんです。
──高野さんは2人を見ていかがですか。ご自分もこれまでの舞台経験は今回の舞台でも活かされていますか。
高野 僕は、プライドをぜんぶ捨てて、樫田さんがおっしゃってくださることを全部吸収しするようにしていますが、2人もそれは同じで、例えばダンサーの方の中には、お芝居でもキレに重点を置いてかっこよく動く人もいますが、樹と岩谷くんはダンサーのかっこよさを捨てて、普通に人間らしい動きをするんです。最初のダンスのシーンはびっくりすると思いますよ。だから僕も余計なものをかなぐり捨てて、2人に仕切ってもらっています(笑)。
──博品館劇場は歴史ある劇場です。そこにこの若さで真ん中に立つことは、とてもすごいことだと思いますが?
高野 僕は19歳ですが、年齢を気にせず、先輩方にも負けたくないと思っています。同級生もいるし頑張るぞ!(笑)
藤原 初舞台で歴史ある博品館劇場に立てるのは、すごいことだなと感じています。そのぶん、もっと頑張らないといけないという無言のプレッシャーがありますね(笑)。
岩谷 あーだこーだ言わずに(笑)、ただ真っ直ぐやるしかないよね!
──最後に公演への意気込みをぜひ。
高野 みんなで素敵な舞台を作り上げられる座組みだと思っているので、最後までしっかり樫田さんについていきたいです。『あたっくNo.1』を知っている方にも、すごかったと言っていただけるように、立派に役を生きていけたらと思います。
藤原 今までやってこられた「EXILE TRIBE」の先輩方に負けない、恥じない演技をしたいですね。樫田さんの指導に食らいついて、「過去イチ」と言われる舞台を作れるように全力で頑張りたいです。
岩谷 『あたっくNo.1』という素晴らしい作品に恥じない舞台にしたいです。取り組む姿勢を含めて、稽古は厳しくもありますが、愛があるこのカンパニーで、全員で一丸となって素敵な舞台にできたらと思っています。
 
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 岩谷翔吾・藤原樹・高野洸
 
たかのあきら○1997年生まれ。福岡県出身。2009年、NHK教育『天才てれびくんMAX』が開催したオーディションに合格し、Dream5のメンバーとなる。2016年、『フライングパイレーツ〜ネバーランド漂流記〜featuring GUY'S』で初舞台。『ROCK MUSICAL BLEACH 〜もうひとつの地上〜』、Live Performance Stage『チア男子!!』、ミュージカル『スタミュ』などに出演。

ふじわらいつき○1997年生まれ。福岡県出身。2011年から2013年まで、GENERATIONSのサポートメンバーとして活動。現在「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」のメンバー。今作が初舞台となる。
 
いわやしょうご○1997年生まれ。大阪府出身。2011年から2013年、GENERATIONSのサポートメンバーとして活動。現在「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」のメンバー。2016年、ミュージックビデオ「GENERATIONS from EXILE TRIBE『AGEHA』」、映画『HiGH&LOW THE MOVIE』に出演。今作が初舞台になる。
 

〈公演情報〉
 0000000075462

方南ぐみ企画公演『あたっくNo.1』
脚本・演出◇樫田正剛 
音楽◇三沢またろう
出演◇岩谷翔吾 太田将煕 岡森諦 近藤頌利 瀬下尚人 高野洸 戸谷公人
橋本真一 藤原樹 水谷あつし 諒太郎(50音順)
●6/2(金)〜11(日)◎博品館劇場
〈料金〉¥6,500(全席指定・税込)
〈お問い合せ〉方南ぐみ info@2017attackno1.info
 


【取材・文・撮影/竹下力】




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