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日本三大怪談として「四谷怪談」や「番町皿屋敷」とともに挙げられる「牡丹燈籠」。
原作は三遊亭圓朝によって創作された落語の怪談噺。若い女の幽霊が恋する男のもとへ通ってくるという幽霊話に、仇討や殺人、母子再会などの事件や登場人物を絡ませて仕立てあげた一大ドラマだ。その作品が『怪談 牡丹燈籠』として、森新太郎の演出で7月14日から上演される。(30日まで。すみだパークスタジオ倉)
この舞台で、幽霊のお露と相思相愛になる萩原新三郎を演じるのが、シェイクスピアから三好十郎まで幅広い作品で活躍する柳下大。その柳下が、初めて日本古典と森新太郎演出に挑む抱負を語った「えんぶ6月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

純愛の若者たちと欲にまみれた大人たち

──この作品への出演が決まったときはいかがでした?
もともと時代劇が好きですし、原作を読んだら、最初は人間関係が複雑で難しいかなと思ったのですが、後半になってそれが一気に繋がっていく。その繋がりが面白いですし、今の時代でも納得できる話だなと思いました。
──柳下さんは新三郎役ですが、どんなふうに演じようと?
新三郎は23歳で、僕より若いのですが、当時は精神年齢が今の若い人たちに比べて大人ですから、自分に近い感覚でいいのかなと。そして、恋には奥手で初めて出会ったお露に一目惚れして、その想いをずっと持ち続けるところは純粋で、亡くなったはずのお露が訪ねてくると、幽霊とは思わずに喜ぶところなどは、ちょっと滑稽にも思いました(笑)。ただ、2人の愛はすごく美しいし、美しいからこそ怖いし、そこがゾッとしていただけるところだと思います。
──幽霊と愛し合うという設定は理解できますか。
一見あり得ないことのように思えますが、2人の思いが通じ合っていて、普通の感情を1つ超えたところで繋がっていたら、あると思います。常識を超えたところで結ばれている、そういう大恋愛を、幽霊と人間を使って描いているのかなと。今は会いたいときにすぐ会える時代で、幽霊になってまで会いたいとか、そこまで人を想う気持ちは持てませんよね。だからこそ、これほどの愛があることを伝えたいです。
──2人の純愛は若いお客様には感情移入しやすいでしょうね。登場する大人たちは色と欲に溺れていますから。
すごく人間っぽいですよね(笑)。でもそこも面白くて、意外とそちらの人たちに感情移入する人もいる気がします。そういう相対する人間模様がうまく描かれていて、だから名作なんだと思います。

胸の中をぐちゃっと掴まれるような森演出

──柳下さんは、昨年から多彩なジャンルの舞台に積極的に出演していますね。
有り難いことに沢山チャンスをいただいています。だからこそ1つ1つの現場で、求められる以上の結果を出していくことが大事で、1つ1つに120%の力を出し切って取り組んで、柳下ならこのくらいは出来るだろうという、その何歩先まで行けるかだと思っています。
──演じる役も様々ですが、いつもアプローチはどんなふうに?
たとえば新三郎なら、自分とほとんど共通部分がないので、まず資料を調べてバックボーンを考えます。そのうえで自分と重ねられるものを探します。人を愛する気持ちは現代でも同じですが、表現のしかたは時代や地位などで違ったりするので、背景は体に染みこませておきたいんです。
──確かに時代が違うと愛情表現も違うでしょうね。
そこを演出の森さんが、柳下大という人間を使ってどう表現されるのか。僕の中になかった表現とか、なかった感覚を沢山引き出していただきたいですし、また新しい自分になれるのが楽しみです。
──森さんの演出の印象は?
去年『BENT』を拝見して、なんか胸の奥をぐちゃっと掴まれたような、いやーな感覚になりました(笑)。でもそういう感覚は嫌いじゃないです。正直、恐さもありますけど、意地でも付いていきたいです。 
──では最後に意気込みを。
森さんが、今までにないような『牡丹燈籠』にするとおっしゃっているので、新しい感覚の舞台になると思います。ちょっと笑えて、切なくて、すごく怖い、色々な感情を抱ける作品で、こういう怪談噺をまだ読んだことがない若い方たちにも、これを機会に興味を持ってもらえればと思っています。

 

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やなぎしたとも○神奈川県出身。06年俳優デビュー。以降、映像や舞台で活躍中。主な出演作品は、ドラマはNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』舞台は『真田十勇士』(13・15)・『オーファンズ』(演出:宮田慶子)『御宿かわせみ』(演出:G2)『浮標(ぶい)』(演出:長塚圭史)ミュージカル『手紙 2017』主演(演出:藤田俊太郎)。また、現在放送中のNHK土曜時代ドラマ『みをつくし料理帖』にも佐兵衛役にて出演中。

〈公演情報〉
27 のコピー

オフィスコットーネ 
プロデュース
『怪談 牡丹燈籠』
原作◇三遊亭円朝 
脚本◇フジノサツコ
演出◇森新太郎
プロデューサー◇綿貫凜
出演◇柳下大 山本亨 西尾友樹 松本紀保 太田緑ロランス 青山勝 松金よね子 他 
●7/14〜30◎すみだパークスタジオ倉
〈料金〉前売 5,500円 当日 5,800円 シードチケット(25歳以下)
4,000円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉オフィス コットーネ 03-3411-4081 



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