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ミュージカル「しゃばけ」弐 〜空のビードロ・畳紙〜が、9月2日、紀伊國屋ホールで開幕した。(9月10日まで)
本作は、昨年、畠中恵による人気ファンタジー時代小説『しゃばけ』(新潮社刊)のシリーズ15周年を記念し、ミュージカル「しゃばけ」として上演され、大好評を得た。今回はその第2弾となる。

内容は、江戸を舞台にめっぽう身体の弱い一太郎ぼっちゃま(通称:若だんな)と、妖(あやかし)たちが繰り広げる愉快で不思議な人情推理帖シリーズで、今回はその中から、「空のビードロ」(『ぬしさまへ』所収)、「畳紙」(『おまけのこ』所収)の2つのエピソードをもとに、ストーリーが展開する。
 
前作に続いて、脚本を神楽澤小虎、演出・音楽を浅井さやかが手がけ、「空のビードロ」は一太郎の腹違いの兄・松之助役の平野良が、「畳紙」は屏風のぞき役を演じる藤原祐規が、それぞれ物語の中心をつとめる。シリーズの主人公である一太郎は、昨年のミュージカル「しゃばけ」でこの役を演じた植田圭輔が声で出演している。

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【あらすじ】

「空のビードロ」(『ぬしさまへ』所収)
──松之助は八つのときから奉公に出され、寂しく貧しい生活を送っていた。
じつは、日本橋の大店である廻船問屋兼薬種問屋・長崎屋の若だんなとは腹違いの兄弟であったが、とうに縁を切られ、実の母とは死に別れ。
義理の父とは折り合いがあわず、孤独な身の上だった。
そんな松之助が奉公している桶屋・東屋で、犬猫が殺されるという不可解な事件が次々と起こる。
最初は気味悪く思っていただけだったが、やがてその事件が、 松之助の人生を変えることとなり……。

「畳紙」(『おまけのこ』所収)
──紅白粉屋・一色屋のお雛は、見る人が驚くほどの厚化粧だった。
左官の漆喰のようだと陰口を言われても、素顔で人と接することが怖くて、 どうしても厚化粧をやめることができず、一人で悩んでいた。
そんなお雛が、ひょんなことから長崎屋の妖(あやかし)・屏風のぞきに悩みを打ち明けることになる。
普段から憎まれ口ばかりを叩いている屏風のぞきは、
「化粧を落とすなんてわけないことだろ」と言い放つのだが、お雛の心は頑なで……。

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舞台の前半は、厚化粧のお雛(岡村さやか)の頑かたくなな心を解きほぐしていく妖の屏風のぞき(藤原祐規)の話で、岡村の美しいソプラノと、藤原の軽やかな笑いのセンスと心のこもった優しい語り口が印象的。

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後半は、幼い頃から苦労して生きてきた松之助が、また困難に突き当たるというストーリーで、松之助を演じる平野良の実直さや誠実さ、そして必死に生きる切なさが心に沁みる。また奉公先の東屋の人々、それぞれの陰影に富んだ人間模様も見どころだ。

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ミュージカルならではの音楽の美しさ、楽しさがこの舞台の聴きどころで、前作に続いて登場する妖の佐助(犬神)を演じる滝川英治や守狐の福井将太が、ダンスや歌でも大活躍。鳴家(やなり)という幼い妖を演じる子供たちとともに、舞台を賑わせている。

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【囲みインタビュー】

紙〜 公式フォトセッション画像
後列/福井将太、石井智也、齋藤健心、田宮華苗
前列/美木マサオ、朝倉伸二、岡村さやか、藤原祐規、平野良、滝川英治、山崎千恵子、あきつ来野良

この公演の初日を前に、公開舞台稽古が行われ、平野良、藤原祐規、石井智也、岡村さやか、福井将太、田宮華苗、齋藤健心、山崎千恵子、朝倉伸二が抱負を述べた。

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平野良(松之助)
今回初参加なのですが、とても美しい世界観というか、時代は違えど人の心にある悩みだったり苦悩だったり、押し込めている感情だったり、そういうものが題材になっていて、観終わったときに、スッキリと、晴れやかな気持ちになれるような作品になっていると思います。そして、観た方の人生というか世界が変わるような作品だと思っていますので、沢山の方のお越しをお待ちしています。

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藤原祐規(屏風のぞき)
第1弾から参加させていただいて、原作を読んで屏風のぞきという役は可愛らしい役だなと思って、ひたすら僕の思うの可愛らしさを追求した結果、第2弾でなんとメインということになりました。責任を感じるとともに、原作を読んだらとても綺麗なお話ですので、これはがんばらなければいけないなと思って稽古に励んでまいりました。早いものでもう初日なのですが、千秋楽まで、この物語の綺麗なところをお客様にお届けできるよう、より良いものを目指してがんばっていきたいと思います。

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滝川英治(佐助)
前作から引き続いて演じています。今回若だんながいないこと、(相棒の)仁吉がいないので、そのプレッシャーもありますが、妖代表といいますが、最初のセリフ「我ら妖(あやかし)」という、その責任を背負いながら、がんばっていきたいと思います。人というのは変わる生き物なのだなあという、妖と人間が絡んでいって、そこで起きる化学反応を感じていただければ。またミュージカルということや、小さな子供たち(やなり)も出るなど、エンターテインメント要素の強い舞台ですので、早く沢山の方に観ていただきたい気持ちでいっぱいです。

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石井智也(与吉)
この素敵な作品をこの素敵なキャスト・スタッフの皆さんと一緒にできることを、たいへん嬉しく思っております。この紀伊國屋ホールは、僕が幼少期からロビーとかで、他の役者さんに遊んでもらったりしていて、父親が劇団に所属していましたので、この劇場を使っていて。やっと今日、僕はこの劇場に立てて、父親や憧れの先輩方と同じ景色が見られるんだなと思うと、本当にうれしくて感無量です。この劇場を目に焼き付けて、一生懸命舞台をつとめたいと思っております。

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岡村さやか(お雛)
私自身がこの作品の中のキャラクターに元気をもらっているように、観た方にも共感していただいて、ちょっとでも元気になって、明日からまたがんばっていただければと。本当に原作から、そして稽古をすればするほど元気をいただいているので、そのエネルギーをお客様に少しでも届けたいと思います。楽日までケガなく、精進してまいりたいと思います。

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福井将太 (守狐)
今回の作品は「孤独」についてで、人間は最初から最後まで孤独だといいますが、でも1人では生きていけないので、誰かに支えて貰っているという、その仲間を探す物語かなと思っています。そこで皆さんに何かを持って帰ってもらって、元気になっていただければと思っています。

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 田宮華苗 (おみつ)
本当に魅力的な原作、それが和物で、素晴らしいキャストの皆様で、ミュージカルの枠を超えた舞台となっています。色々な方に観ていただきたいと思っております。

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齋藤健心 (平太)
これから初日を迎えるのですが、ああ、始まるのだなという気持ちです。平太はミュージカルのオリジナルキャラクターということで、平太の意味などをちゃんと考えて、初日に全力を出し切って、この最高の作品を皆様にお届けしたいと思っています。

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山崎千恵子(お染)
この作品、非常にメッセージ性の強いものでして、観ていただく方ひとりひとりの心のどこかに、きっと感じるものがあるのではないかと思っております。私たちみんなチーム一丸となって、魅せるお芝居、感じていただくお芝居、伝えるお芝居をお届けしたいなと思っております。

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朝倉伸二 (徳次郎)
この「しゃばけ」という原作の面白さを、観にきてくださったお客様に、伝えて楽しんでいただければと思っています。僕の役は真面目に生きてきた徳次郎が、人間が一面だけではないということがその面白さが伝わるといいなと思っております。楽日まで一生懸命にやりたいと思っております。


〈公演情報〉
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ミュージカル「しゃばけ」弐 〜空のビードロ・畳紙〜
原作◇畠中 恵「しゃばけ」シリーズ(新潮社刊)より『ぬしさまへ』所収「空のビードロ」/『おまけのこ』所収「畳紙」
演出・音楽◇浅井さやか(One on One)
脚本◇神楽澤小虎(MAG.net)
出演◇平野 良 藤原祐規 石井智也 岡村さやか 福井将太 田宮華苗 齋藤健心 山崎千恵子 朝倉伸二 滝川英治 植田圭輔(声の出演) ほか
●9/2〜10◎紀伊國屋ホール
〈料金〉一般席¥6.900(税込)¥10,800[前方エリア席/特典付](全席指定・税込)

挿絵:柴田ゆう c2001 畠中恵/新潮社 c2017 CLIE





【取材・文/榊原和子 写真提供/CLIE 撮影/鏡田伸幸】




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