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黒柳徹子主演の海外コメディ・シリーズとして2011年と2014年に上演され、好評を博した『想い出のカルテット〜もう一度唄わせて〜』が、9月29日からEX THEATER ROPPONGIで、3年ぶりにアンコール上演される。(10月15日まで)
 
物語の舞台になるのは、引退した音楽家たちが入所できる老人ホーム。そこで、かつてオペラで共演したことがある4人が再会。ヴェルディ生誕を祝うコンサートで、再び四重唱を披露しようとするが…。 
輝いていた頃の自分たちをもう一度取り戻そうと奮闘する4人に、黒柳徹子、茅島成美、団時朗、鶴田忍が扮し、『リゴレット』の有名な四重唱にも挑戦!観る者に最高の笑いと感動を与えてくれる傑作コメディだ。
 
この作品で、黒柳扮する元プリマドンナのジーンに振り回される昔の仲間、シシー、レジー、ウィルフを演じる茅島成美、団時朗、鶴田忍に、この作品の見どころとコメディエンヌ黒柳徹子の魅力を語ってもらった「えんぶ10月号」インタビューを別バージョンの写真とともにご紹介。

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団時朗・茅島成美・鶴田忍
 
本格的な衣裳を着てアカペラで朗々と

──皆さんの役名とキャラクターを教えてください。
団 僕の役はレジナルド・バジェット、みんなにはレジーと呼ばれていて、とても真面目な男です。黒柳さんのジーン・ホートンとはかつて婚姻関係にあったのですが、気の多い女性で(笑)、バスだのテノールだの他の歌手と浮気をするので、9週間で離婚しました。
鶴田 僕はウィルフレッド・ボンド、ウィルフです。おしゃべりな男性で、いろいろな登場人物の名前がカタカナなので、それがまあ〜たいへんで、舌を噛まないようにしないと(笑)。年齢は4人の中で一番上です。
茅島 私はこの作品は今回初めて出演します。一番若いセシリー・ロブソン、愛称がシシーという女性を演じます。
──今度で3度目の上演ですが、この作品が観客を惹きつける理由は?
 このコメディ・シリーズのお客様は、徹子さんと同じような年齢で、人生経験の豊富な方が多く来られるんです。それもあって最近の作品はわりと深みのある人間ドラマが多く、この作品も老人ホームの話ではあるのですが、とても希望の持てる結末が描かれています。全員どこか調子が悪くて、まだら痴呆の人もいたりするんですが、4人が最後に一緒に、もう一度みんなで歌おうという1つの目的に向かっていく。歌う場面は本格的な衣裳を着て、アカペラを朗々と歌う。そこはとても感動しますし、この作品の素晴らしさだと思います。また、そこの鶴田さんがとても素敵でね。
鶴田 いや、団さんがいるからこそです。マントヴァ公爵の衣裳を着た姿だけでも絵になりますから。
茅島 また、よくお似合いになるの!
鶴田 階段から降りてくる姿があんなに様になる人はいないですから。あそこの四重奏は、二重の素敵さがありますね。音楽の素敵さと、文字通り「もう一度唄わせて」という思いで歌う素敵さと。
 設定が元音楽家専用の老人ホームというところが、いいですよね。イタリアにはこの作品のモデルになった、ヴェルディの作った音楽家のための老人ホームが本当にあるんです。
茅島 舞台には出てこないのですが、すごく個性豊かな人たちが入っていて、そのエピソードが、私たちのおしゃべりの中には出てきます。
 スピンオフでやりたいような面白い人たちばかりでね。

どんなハプニングもなんとかしてしまう徹子さん

──茅島さんは今回、シシーをどう演じようと?
茅島 以前は阿知波悟美さんがされていた役で、阿知波さんは達者な女優さんだし、4人しか出ないお芝居だから、私にできるかなと最初は不安でした。
 本読みでは素晴らしかったですよ。
鶴田 本当に!  シシーのままで。
茅島 まだら痴呆という状態が難しいんですよね。台詞が交錯するので、そのやり取りをこれからちゃんと覚えていかないと。
 大丈夫ですよ。キャラクター的には茅島さんご本人に近いと思いますから。
茅島 「豊満で天真爛漫」という設定で、たしかに豊満ですけど(笑)。

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──皆さんは黒柳さんと他の作品でも共演していますね。女優・黒柳徹子の素敵なところを語っていただければ。
茅島 団さんが一番沢山共演していらっしゃいますよね。
 そうですね。一番すごいなと思うのは、毎日の放送などで鍛えていらっしゃるから臨機応変で、何があろうと動じないんです。僕など稽古したものからちょっとでもはずれたら不安になるんですが、黒柳さんは、どんなハプニングもなんとかしてしまう。だから一緒に仕事していて安心ですね。
鶴田 僕は迷惑をかけたことがあって、やはり生ものですから突然、セリフが飛んじゃうこともあるんです。そういうとき必ず拾ってくれるんです。「全然説明になってないじゃないの」とか突っ込みながら(笑)、うまく進めてくれる。
 以前、芝居の最中にけっこう大きな地震があって、そのときお客様が立ち上がりかけたら、黒柳さんがアドリブで「これくらいなんてことないわ!」とかセリフを作って、お客様を落ち着かせてしまったんです。

人間の喜怒哀楽が深く描かれている作

──このコメディ・シリーズは、もう31弾になりますが、ここまで続いてきた理由はどこにあるのでしょう?
 やはり演出家の高橋昌也さんが、黒柳さんに合う海外の戯曲を次々に見つけてこられたからだと思います。日本語にしたらどうなるかという読み解きもされたうえで上演されていましたから。2014年に昌也さんが亡くなられてから新作が作れなくなったのがとても残念ですね。
鶴田 僕は喜劇をやる俳優として、ずっとこのシリーズを拝見していて、いつも素晴らしいなと。ですから誘われたときは本当に嬉しかったです。黒柳さんには毎回教わることばかりで、舞台でやり取りしていて、すっと入ってくるんです。こちらの余計な計算とか思惑なんかどっかに行ってしまうような、自然で柔らかな演技なんです。喜劇は笑わせようとしたら笑ってくれませんよね。人間の普通の暮らしの中にあるおかしみで、ふっと笑わせる。この作品でも、まだら痴呆になったシシーとレジーのやり取りとか、涙が出そうになりますからね。僕のウィルフなんかも、下品なことばかりしゃべったりするんですが、人に言えない思いを抱えていて、バカを言うことで救われているんです。
茅島 だから自分の台詞ではないところも、読んでいてとても胸にくるし、感動するんですね。本当に隅々まで完成されている戯曲だなと思います。楽しいところも悲しいところもあって、人間の喜怒哀楽が深く描かれている。その人が長く生きてきただけの意味がちゃんと書かれているんです。
──最後に改めて見どころを。
 黒柳さんは最初は出てこないんです。約20分くらい経って登場します。そこまで僕ら3人でおしゃべりしているわけですが、そこを我慢して(笑)、観ていてくだされば、あとは黒柳さんが一気に引っ張っていってくれます。老人ホームの話ですが、恋愛も性の話も出てきますし、とても人間らしい部分が描かれている作品だと思います。それから『リゴレット』の四重奏を、ぜひ楽しみにしていてください。
茅島 あの場面は衣裳も素敵ですね。私も新参加ですが精一杯がんばります。
鶴田 見どころは階段を降りてくる団さんのマントヴァ公爵です。見逃さないでください!(笑)
 

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団時朗・茅島成美・鶴田忍
 
かやしまなるみ○東京都出身。60年東映第六期ニューフェイスとして映画『白馬童子』でデビュー。以後、映像を中心に活動。近年の主な出演作品は、ドラマ『3年B組金八先生』『隠れ菊』『逃げる女』など、映画は『おとうと』『東京家族』『オケ老人!』など。黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズには『ルーマーズ』(06、12、15)に出演。
 
だんじろう○京都府生まれ。68年CMでデビュー。71年TV『帰ってきたウルトラマン』(TBS)に主演、人気を博す。舞台、TV、映画で活躍中。近年の主な出演作品は、ドラマ『銀二貫』『信長協奏曲』『べっぴんさん』『京都人の密かな愉しみ』シリーズなど。舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』『ヴォイツェク』、黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズは『ブロンドに首ったけ』(02)から『レティスとラベッジ』(16)まで5作品に出演。来年3月、4月『ロマーレ〜ロマを生き抜いた女』が控えている。

つるたしのぶ○東京都出身。劇団俳優座養成所第16期生。66年俳優座に入団、71年退団。TV、映画を中心に活躍中。近年の主な出演作品は、映画『釣りバカ日誌』シリーズ、ドラマ『子連れ信兵衛』『レッツゴー!永田町』『浅見光彦〜最終章〜』『警視庁捜査一課長』など。舞台は『屋根の上のヴァイオリン弾き』『最後の恋』『三婆』、黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズは本作品と、『ルーマーズ』(12,15)に出演。


〈公演情報〉
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黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズ第31弾
『想い出のカルテット』
作◇ロナルド・ハーウッド
訳◇丹野郁弓
演出◇高橋昌也
出演◇黒柳徹子 茅島成美 団時朗 鶴田忍
●9/29〜10/15◎EX THEATER ROPPONGI
〈料金〉一階席9,800円 
二階席6,500円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (全日10:00〜18:00)
http://www.parco-play.com/web/program/quartet2017/




【取材・文/宮田華子 撮影/岩村美佳】


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