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フィンランド国立歌劇場公演より cKaren Stuke

新国立劇場の開場20周年記念となるワーグナー「ニーベルングの指環」4部作、その掉尾を飾る『神々の黄昏』が、10月1日、ついに開幕する。(17日まで)
この『神々の黄昏』上演によって、2015年から3シーズンにわたり新制作上演している飯守泰次郎の指揮、ゲッツ・フリードリヒの演出による大型プロジェクト、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」(「指環」)が完結することになる。

楽劇「ニーベルングの指環」は、ワーグナーが26年にわたって創りあげたオペラ史上最大級の作品。ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」や北欧神話を題材に、ワーグナー自身が台本を手がけ、全体は、序夜『ラインの黄金』、第1日『ワルキューレ』、第2日『ジークフリート』、第3日『神々の黄昏』の4部から成っていて、上演に4日間、延べ約15時間を要する。
物語は権力の象徴である黄金の指環をめぐって、神々と人間が三世代に渡って争いを繰り広げ、最後に世界が崩壊するまでが描かれていて、ワーグナーは台本を『神々の黄昏』から物語を遡る形で書き、作曲は『ラインの黄金』から上演順で行った。全体を通して多数のライトモティーフ(示導動機)が使用されており、長大な作品全体に統一感を与えている。
またワーグナーは『指環』の理想的な上演のためにバイロイト祝祭劇場を建設。その地で毎年夏に開催されるバイロイト音楽祭は、ワグネリアンの聖地とされている。世界中の歌劇場にとって、「指環」の上演はチャレンジングな取り組みであり、新国立劇場では、2001年~2004年、2009年~2010年に上演、今回は新演出での3度目の「指環」上演となる。

今回上演される『神々の黄昏』は、ハーゲンの策略によるジークフリートの死、ブリュンヒルデの自己犠牲と世界の救済、そして神々の終焉が、巨大な管弦楽で圧倒的な迫力を持って描かれていて、「ジークフリートのラインへの旅」「ジークフリートの葬送行進曲」「ブリュンヒルデの自己犠牲」など聴きどころも多い。
出演者は錚々たる顔ぶれが集まった。ジークフリート役はこのシリーズで主要テノール4役出演という偉業に挑んでいるステファン・グールド。ブリュンヒルデ役にはワーグナー歌手として絶頂期にあり世界各地で活躍するペトラ・ラング。ハーゲン役には同役をバイロイト音楽祭でも歌い、2016年『ワルキューレ』フンディングで鮮烈な印象を残したアルベルト・ペーゼンドルファーを迎える。さらにオペラ界の頂点に君臨し続ける名歌手ヴァルトラウト・マイヤーが、ヴァルトラウテ役で出演するのも大きな話題で、まさにドリームキャストによる『黄昏』となる。

演奏は新国立劇場のオーケストラピットに初めて入る読売日本交響楽団。また新国立劇場合唱団の迫力ある歌唱にも期待が集まる。

【あらすじ】
序幕/運命の女神ノルンが綱をなううちに綱が切れてしまい、運命に見捨てられたと嘆く。ジークフリートとブリュンヒルデが現れ、夫は妻に指環を与えてから旅立つ。
第1幕/ギービヒ家。家長のグンター、妹グートルーネ、異父弟ハーゲンがジークフリートの噂をし、ハーゲンはグンターにブリュンヒルデとの結婚をしきりに勧める。そこにジークフリートがくる。忘れ薬を口にした彼は過去を忘れ、目の前のグートルーネに惹かれる。グンターは彼に「ブリュンヒルデを自分の妻として連れてきたら、妹を嫁にやる」と告げる。ブリュンヒルデの前にヴァルトラウテが現れ、指環をラインの乙女たちに返すよう説得するが、彼女は応じない。ジークフリートが隠れ頭巾で変装してブリュンヒルデから指環を奪い、彼女を連れ去る。
第2幕/ハーゲンの夢に父アルベリヒが現れて「指環を乙女たちに渡すな」と告げ、ハーゲンは指環奪還を誓う。ブリュンヒルデを伴って現れたグンターは、「自分と彼女、妹とジークフリートの結婚式だ」と宣言する。ブリュンヒルデは驚愕、ジークフリートの指にある指環を目にし復讐を誓う。怒りと絶望の中、彼女はハーゲンに「ジークフリートの急所が背中にある」と教えてしまう。
第3幕/ラインの乙女たちがジークフリートに指環の恐ろしさを教えるが、彼は理解しない。ハーゲンとグンターが現れ、ハーゲンが隙をついてジークフリートの背中を槍で突き殺す。人々は遺骸をギービヒ家に運ぶ。ハーゲンは指環を要求し、グンターを殺す。ブリュンヒルデが現れ火葬のための薪を用意させ、夫の遺骸から指環を抜き取り、愛馬に跨って炎の中に突き進む。ライン河が炎に流れ込み、乙女たちは指環を取り戻し、ハーゲンは水中に引きずり込まれる。炎は天上のヴァルハル城も焼き尽くす。

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フィンランド国立歌劇場公演より c Stefan Bremer

〈公演情報〉
新国立劇場開場20周年記念
リヒャルト・ワーグナー
楽劇「ニーベルングの指環」第3日
『神々の黄昏』
●10/1、4,7,11,14、17◎新国立劇場オペラパレス
〈料金〉 S席27,000円 A席21,600円 B席15,120円 C席8,640円 D席5,400円 Z席1,620円(全席指定・税込)
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10〜18時)


【資料提供/新国立劇場】


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