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宅間孝行が仕掛ける極上のエンターテイメント「タクフェス」の第5弾『ひみつ』が、10月19日の鹿児島市民文化ホールを皮切りに、12月まで東京、大阪ほか全国10ヵ所を巡る。
 
宅間の4年ぶりの新作書き下ろしで、主人公の女性漫才師・渚を演じるのは戸田恵子、その弟で漫才の相方・五郎を宅間が演じ、劇団EXILE松組の松本利夫が、彼らのマネージャーで末弟の八郎に扮する。タイトルにもあるように、主人公の女性が背負ったある「ひみつ」をめぐって、姉弟、母娘、そして地域の人々の愛に溢れた、心温まる純愛物語だ。

派手なステージ衣装が映える漫才師コンビの戸田・宅間コンビ、すでにマネージャーらしい佇まいを見せる松本という3人に、本作品への取り組みと抱負を話してもらった「えんぶ10月号のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。
 
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このまま漫才師としてデビューできそうな2人

──今回の作品は、漫才という華やかな世界を描きながら、かなり社会的な問題を扱っているのですね。
宅間 実はかなり前から冤罪をテーマにした作品を作ろうと思っていて、今回、やっと形にできたかなというところです。『くちづけ』(2010年初演)もそうですが、書くモチベーションとして、世の中にある理不尽なことへの怒りみたいなものがあって、その中に冤罪もあって、ニュースやドキュメンタリーで見るたびに、21世紀になってもこんな酷いことがあるんだという衝撃もあって、色々調べるようになって。今回、戸田さんが出てくださるというので、戸田さんなら何でもできる方なので。
戸田 それはないです! きっとびっくりすると思います。あまりにできなくて。
宅間 いえいえ。とにかくどんな内容もありだなと思ったので、色々な可能性を欲張りにも全部詰め込んだ感じになってます。
──戸田さんと松本さんは、台本を読んでいかがでしたか?
戸田 タイトルも『ひみつ』というくらいなので、言えないことが沢山あるのですが(笑)。姉弟の漫才師で、もう1人の弟がマネジメントをしているという家族の話で、非常に面白い役をいただいたなと思います。私は一人っ子なものですから、家族とか姉弟の感覚を味わえるのは嬉しいです。思ったのは、男女の漫才って夫婦はよくありますけど、姉と弟の漫才コンビってあまりいないですよね。   宅間 そうですね。
戸田 珍しいから、このまま私たち漫才師としてデビューしたら売れるんじゃないかなと(笑)。そういうちょっと新しい形に挑めるのも面白いなと思っています。
松本 僕の役はマネージャーですが、台本の中ではそんなにマネージャー業の部分は出てこないので、家族としての面をうまく見せられたらと。僕はずっと宅間さんのファンで、タクフェスもずっと拝見していて、宅間さんの色というか味というかそれが好きなので、台本もサーッと読めたし、絵が浮かんでくるんです。お二人が漫才をやっている絵もすぐ浮かんできました。
──戸田さんを漫才師にしたのは、『なにわバタフライ』という芸人さんを演じた代表作があることからですか?
宅間 いや、実は堤幸彦監督の発案というか、戸田さんの番組に僕がゲストで出たとき、監督がコメントを寄せてくださって、「ぜひタクフェスで戸田さんと一緒にやってください。夫婦漫才の芝居なんかどうでしょう、それが評判になったあかつきには僕に映画を撮らせてください」みたいなことが書かれていて。確かに戸田さんと夫婦漫才みたいなことができたら面白いだろうな、というのはあったので。
戸田 確か2、3年前ですね。
宅間 今回ご一緒できるとなったとき、新作なのでアイディアが二転三転する中で、やっぱりちょっと重いテーマが出てきたり、親子や家族の愛が中心にあるので、そういうことと一番遠いところにある漫才が入ると、この作品がうまくエンターテインメントになるんじゃないかと思ったんです。

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還暦初舞台だからいたわってほしい

──戸田さんは、これまで宅間さんにどんな印象が?
戸田 ドラマなどで拝見していた感じと、舞台での印象が違うのでびっくりしました。とくにカーテンコールで熱く語るじゃないですか。今時、こんな熱い人いないというくらいに(笑)。でもお芝居の中では、ちょっと好いたらしいというか(笑)、色っぽさみたいなものを醸し出していて、カッコいいなと。作・演出家としては、どの登場人物を見ても共感できるし、最後はほろっさせて、観る人の気持ちを浄化させてくれる舞台を作る方だなと。
松本 舞台の宅間さんは、本当に色気みたいなものがありますよね。一言でいうと「ずるい」(笑)。
宅間 ふふふ(笑)。
松本 表現者としても良い意味のずるさが魅力だなと。それに僕も、熱い人だなと思います。それはきっと自分がプロデュースして、演出して、自分も出て、誰よりも作品に熱い思いを持っているからだろうなと。『歌姫』(2014年・劇団EXILE)のときは共演できなかったので、今回すごく楽しみで、色々盗みたい(笑)。戸田さんのお芝居も全部盗ませていただいて。
戸田 私には何にもないですよ。というか、お姉ちゃんなのでいたわってほしい(笑)。私、もう還暦になるんです。
松本 えーっ?
宅間 ほんとに?!
戸田 これが還暦初舞台です!(笑)輝かしき舞台なわけですから、みんなにいたわってもらおうと思ってますからね(笑)。きっと「はあ〜お姉ちゃん疲れたよ」ってなるから、大事にしてもらわないと(笑)。

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今までのタクフェスで一番良かったと

──戸田さんの役柄は、タイトル通り「ひみつ」を抱えていますが、影のある役も明るく見せられる女優さんかなと。
宅間 最初に痴呆症の老人みたいな感じで出ていただいて、ハワイの話とかするんですが、それは冤罪事件で拘禁症になって「自分はハワイ出身で」と言っていた方がいて、そういうところも戸田さんなら面白く演じられるだろうな。
戸田 どうしましょう! 今は私にはすべてが未知で、未知って楽しいけれど、第一歩がすごく恐ろしいので。それにだんだん勇気も薄れてきて、石橋を叩いて叩いて渡らない、みたいな(笑)。叩いて渡るための勇気がすごく要るんです。
松本 僕から見ると、お二人とも今までの経験値のすごさがあって、それはお金では絶対に買えないものだなと。それを稽古場や、食事とかご一緒できる機会があれば、そこで教えていただきたいし、宅間さんと戸田さんについていきたいですね。
──最後にこの作品への抱負をいただければ。
松本 今回、タクフェスに出させていただけるので、素晴らしいキャストの方々、スタッフの方々と一丸となって頑張らせていただきたいという思いと、色々な場所に行けるので、全国の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。ぜひよろしくお願いします。
戸田 ほとんどの方と初めて舞台の上で共演することになりますが、タクフェスならではの味わいが出せたらと思っています。それから最近私は地方公演が少なくなっていたのですが、この作品は色々なところに行くので、その場所の方々からすでに声が届いていて、それも嬉しいです。色々挑戦しなければいけないことはありますが、出演する限りは、今までのタクフェスで一番良かったねと言われるように、宅間さんにも私たちが出て良かったと思ってもらえるように、頑張りたいです、と「今」は思っています(笑)。なにしろ還暦なので(笑)。
宅間 今回、4年ぶりの新作ですが、前回の『わらいのまち』のフィナーレ挨拶で、「戸田さんとMATSUくんとご一緒します」と言った時の反応がすごかったんです。そういう意味では、今までとはまた違った新しいタクフェスを、戸田さんとMATSUくんと、そして他のキャストの皆さんとともに作っていきたい。「タクフェスがまた一歩、先に行ったね」と言ってもらえるように、良い作品にしたいと思っていますので、ぜひご期待ください。
 
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たくまたかゆき○東京都出身。脚本家、演出家、俳優。1997〜1999年『東京セレソン』その後、2012年までは、劇団「東京セレソンデラックス」、以降は「タクフェス」を主宰。作家・演出家・監督・俳優として映像や舞台で活躍、辻本茂雄とのユニット「つじたく」でも活動中。俳優としての主な作品は、朝の連続小説『つばさ』『新選組血風録』大河ドラマ『花燃ゆ』『嵐の涙-私たちに明日はある-』など、映画は『くちづけ』(原作・脚本・出演)『海難1890』『団地』『嫌な女』『全員、片想い』内の短編「サムシング・ブルー」(監督)など。
 
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とだけいこ○愛知県出身。『中学生日記』で女優デビュー。薔薇座を経て、女優として活躍。「アンパンマン」など声優としても知られている。映画では日本アカデミー賞優秀助演女優賞、演劇では芸術祭賞演劇部門賞、紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞最優秀女優賞など多数受賞。最近の舞台は『嵐が丘』『星屑の町 完結編』ミュージカル『わがまま』『不信〜彼女が嘘をつく理由』など。9月8日〜10日に60歳記念の戸田恵子60th Anniversary Live Show『Happy Birthday Sweet 60』を品川プリンスホテル クラブXで開催した。
 
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まつもととしお○神奈川県出身。2001年よりEXILEのパフォーマーとして活躍。俳優としても劇団EXILE公演や松本利夫ワンマンSHOW「MATSUぼっち」などに出演。2015年をもってEXILEのパフォーマーを卒業。2016年より自身が組長を務める劇団EXILE松組を始動させる。最近の舞台は劇団EXILE公演『歌姫』、劇団EXILE 松組 旗揚げ公演『刀舞鬼 -KABUKI-』松本利夫ワンマンSHOW『MATSUぼっち 04』-DOORS-、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』など。

この公演の記者会見レポートはこちら
http://kangekiyoho.blog.jp/archives/52034947.html 

〈公演情報〉
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タクフェス第5弾『ひみつ』
作・演出◇宅間孝行
出演◇戸田恵子/福田沙紀武田航平 赤澤 燈 岡本あずさ山崎静代 (南海キャンディーズ) 東風万智子松本利夫(EXILE)ベンガル宅間孝行 他
●10/19◎鹿児島市民文化ホール
●10/24◎北國新聞赤羽ホール
●10/26◎富山県教育文化会館
●10/28◎りゅーとぴあ・劇場
●10/31〜11/12◎サンシャイン劇場
●11/16◎足利市民プラザ
●11/19◎周南市文化会館
●11/24〜11/26◎刈谷市総合文化センター
●12/1〜12/2◎道新ホール
●12/6〜12/10◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 

〈料金〉東京公演  S席8,500円 タクフェスシート5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京公演 サンライズプロモーション東京 
0570-00-3337(全日10:00〜18:00)






【取材・文/宮田華子 撮影/岩村美佳】


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