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古典落語を若手実力派俳優が演じ、落語で引き付け、声で聞かせ、演技力で魅了する『ハンサム落語』。「二人一組」の掛け合いで行う独自のスタイルが人気のシリーズ。その第九幕目が10月11日、新宿・シアターサンモールにて開幕した。(22日まで)

今作は脚色に川尻恵太が初参加。演じられるのは「後生鰻」「猫の皿」「寝床」「幾代餅」の4演目の古典落語。初日前の公開ゲネでは、足立英昭、伊崎龍次郎、松村龍之介、和合真一によるマスコミ向けの通し稽古と、磯貝龍虎、林 明寛、平野 良、宮下雄也による場当たりに加え、出演者(反橋宗一郎はスケジュールの都合で欠席)のフォトセッションと挨拶が行われた。

【通し稽古レポート】 

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足立英昭、伊崎龍次郎、和合真一、松村龍之介

艶やかな色合いのステージに男花魁をイメージした色とりどりの着物姿の4人、足立英昭、伊崎龍次郎、松村龍之介、和合真一がポージングして登場し、早速2人1組になり高座に座り、丁寧にお辞儀をして、落語を始める。

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まずは、足立英昭と松村龍之介による「後生鰻」。
大変な信心家で殺生が大嫌いな大家が、鰻屋のおやじが蒲焼きをしようとしている鰻を金で買って助けてやる。それに味をしめた鰻屋が、どじょうやすっぽんを同じ手で売りつけようとする。そんなやり取りが、スピード感のある中で展開する。
 
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続いては、伊崎龍次郎と和合真一の「猫の皿」。
江戸の道具屋(いわゆる古物商)が旅の途中の茶店で見つけた猫の餌皿が、実は異国の骨董品と知り、その皿を安く手に入れようとする。2人の掛け合いが、タヌキの化かし合いのようなテンポで進む、スリリングな古典だ。
 
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次は、足立英昭と松村龍之介の「寝床」。
下手な義太夫に凝っている商家の旦那が、嫌がる長屋の連中を集めて聴かせようとするのだが…。人が集まらない理由を嘘八百並べる小僧と、それに騙される旦那。どこか滑稽な人間の本質を味合わせてくれる落語だ。

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最後は、伊崎龍次郎と和合真一の「幾代餅」。
貧乏な職人が錦絵の花魁に一目惚れ。花魁の名は、幾代太夫。彼は恋わずらいになり、金を貯めて幾代太夫に会えることになったが…。廊噺だが、男のピュアで真っ直ぐな性格が心に沁みるストーリーとなっている。

それぞれ高座の前の「マクラ」から工夫もあり、ペアがそれぞれ息もぴったりで楽しい。落語好きで、本格落語を楽しんでいる人にも存分に聴かせられる舞台だ。毎公演ごとに演じる組み合わせも変わったり、役も変わることで、それぞれに声や演じ方の違いで、噺もまた違う表情を見せる。そして、なんといっても“ハンサム”ということで、ビジュアルから楽しめるのは間違いない。古典落語の新たな楽しみ方を見つけられる舞台となっている。

【出演者コメント】

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後列/足立・伊崎・寺山・松村・和合
前列/磯貝・平野・宮下・林

公開ゲネのあと、出演者(反橋宗一郎はスケジュールの都合で欠席)のフォトセッションと挨拶が行われた。後列に並ぶ足立、伊崎、寺山、松村、和合は第九幕目が初出演。前列の磯貝、平野、宮下は第一幕から出演していて、林は5回目の出演となる。

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足立英昭

今回は初めて『ハンサム落語』に参加させていただくのですが、前列に並んでいるレジェンドと呼ばれる方々と、新メンバーの方と、いろんな方とご一緒できて、今回僕は落語も初挑戦なのですが、精一杯取り組んで皆さんに楽しんでいただけたらと思います。
 
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伊崎龍次郎

フレッシュさを一本槍に据えて頑張りたいと思います。
 
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寺山武志

僕も初参戦なんですが、なぜか前列のレジェンドと呼ばれる方々との組み合わせしかなくて、とんでもない戦場にぶち込まれたなと思っています。なんとか死なずに終えたいです。
 
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松村龍之介

僕も初めての参加なのですが、新しいメンバーたちと新人なりに『ハンサム落語』を盛り上げられればと思っています。
 
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和合真一

僕が役者になったばかりの頃から聞いていた『ハンサム落語』という息の長いコンテンツに今回出演させていただけることを本当に嬉しく思っていますし、古典芸能ということでお客様にも落語に興味を持って帰っていただけるような作品を提供できればと思っています。
 
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林 明寛

今回初めて寺山くんとやるのですごく楽しみです。
 
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宮下雄也

こないだ32歳になりまして、『ハンサム落語』初演の頃は20代だったんですが、最近汗がネバネバするようになりまして、『ハンサム落語』もいよいよ潮時かなと思っています(笑)。汗がネバつくやつは出ちゃいけないんじゃないかと(笑)。サンモールは初演と同じ劇場なんですが、初演の時はほぼお客さんいなかったんですよ。なので、いろいろ悔しい思い出があるんですが、またこの場所に戻ってこれて嬉しいです。
 
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平野 良

第九幕ということで先ほどもあったように第一幕以来のこのシアターサンモールでの公演なんですが、いろいろ一幕から変わった部分もありつつ、成長や成長したが故に凝り固まってしまった部分もあるので、今回は後列の(初参加のメンバーの)新しい風がどのように『ハンサム落語』を爽やかにしてくれるのか期待しております。我々(前列の)四人は好き勝手やらせていただきますので、それでいいんですけども、この作品はむしろ後列の皆さんが作ると言ってもいいと思いますので是非後列の皆さんをよろしくお願いいたします。
 
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磯貝龍虎
『ハンサム落語』は第一幕からやらせていただいていておりますが、この何年間いろんなことがありました。いろんなものを背負って、日々人は強くなっていくんだなと思いました。『ハンサム落語』もいろんなものを背負い込んで、いろんな思い出を乗り越えていい作品にできればと思います。

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磯貝龍虎、宮下雄也、林 明寛、平野 良
 

〈公演情報〉
s_『ハンサム落語 第九幕』キービジュアル
 
『ハンサム落語 第九幕』
《演目》後生鰻 猫の皿 寝床 幾代餅
演出◇なるせゆうせい
脚色◇川尻恵太(SUGARBOY)
出演◇足立英昭、伊崎龍次郎、磯貝龍虎、反橋宗一郎、寺山武志、林 明寛、平野 良、松村龍之介、宮下雄也、和合真一(五十音順)
●10/11〜22◎シアターサンモール



【取材・文/竹下力 撮影/鏡田伸幸 ⒸCLIE】

 




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