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「演劇で関西から全国を元気に」をテーマに、2012年に旗揚げして約5年、在阪No.1の動員数を誇る劇団となったPatchが、11本目の本公演で遂に東京公演を果たす。
記念すべき東京初進出の作品として選ばれたのは、疾走感溢れるクレイジー忍者旅物語(ニンジャーニーストーリー)。迫り来る敵襲と困難の数々を退けて旅する忍者たちの物語を、未だ見ぬ目標「東京進出」に向けてひた走る劇団Patchが重ねて届ける。またこの公演は、虹バージョンと霧バージョンの初の役替わり公演となる。
演出は、観客とのライブ感や、一体感が得られる熱い作品作りにより、東京小劇場界で20年に渡ってエンターテインメントを生み出し続けている劇団「偉人舞台」の演出家、我孫子令。数々のエンターテインメントショーで、MCや俳優指導も任せられる我孫子が描く“ショーパフォーマンス”との融合で、今まで以上に「魅せる芝居」として、劇団Patch渾身の意欲作となる。今回は虹バージョンについてのレポート、そして松井勇歩、納谷健からのコメントをお届けする。

【あらすじ】
陰謀渦巻く戦国戦乱の世、大小様々な国が入り乱れる中、浪花と安須真(アズマ)の二大強国が西と東に君臨し、長きに渡り敵対関係を続けていた。浪花に対し強烈な憎悪を抱く安須真は幾度となく隠密攻撃を浪花に仕掛けるが、それをことごとく撃破する浪花無敵の忍がいた…その名は恵比三(えびぞう)。自らを最強最悪と謳うその忍に与えられた使命はある一人の僧侶の守護と、敵国・安須真への文書の送達であった。「ついに浪花が天下を取る時が来た!」と息巻く恵比三、そして手渡された一本の巻物「〜浪花忍法帖〜」。恵比三は震える手で秘伝の巻物を受け取り、安須真城を目指すのだが…その行く手には安須真最強の忍・毘沙丸(びしゃまる)が立ちはだかるのだった。迫り来る敵襲、毘沙丸との対決の行方、旅を共にする謎の僧侶…果たして恵比三は困難の数々を退けて遠く離れた安須真城へ辿り着くことが出来るのか!? そして、この旅に隠された真の目的とは!?
 
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襖の開け閉めだけで舞台を転換させるシンプルな舞台装置。だからこそ、役者の息吹、役者の演技を、Patchの存在感をぶつけようとする並々ならぬ熱気が漂っている。始まりは浪花の忍者が屋敷に忍び込み、主人を殺そうとするのだが、それで変わり身の術によって現れるのは、自らを最強の忍者だと謳っている恵比三(納谷健)。敵との斬り合いは役者の肉体の鼓動がリアルな殺陣だ。そして恵比三は、簡単に敵を斬り捨ててしまう。

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シーンは変わり、密偵の役割りが恵比三に告げられる。すでに安須真に向かっている僧侶の布丁(星璃)と合流して守護すること。そして敵国・安須真への文書を送達すること。それはこの世の最強の忍術が書かれているという一本の巻物「〜浪花忍法帖〜」。

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彼は、一人で十分と意気揚々と安須真に向かうのだが、様々な困難が彼に立ちはだかる。恵比三に家族を殺されたと思い込んで彼を憎む影使いの忍者・弁才(松井勇歩)。さらには浪花の刺客で妖虫使いの忍者の寿(瀬戸佑飛)、火炎使いの大角(吉本孝志)、安須真最強の忍・毘沙丸(三好大貴)が立ちはだかる。

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苦難のすえ、ようやく布丁に巡り会えたものの、お前は殺生をするなと言われる恵比三。そして、仲間になった弁才、村を焼き払われたという怪我をした少年・達磨(田中亨)、弟弟子で水術の使い手の禄郎(尾形大悟)たちと助け合いながら、唯我独尊だった彼が次第に成長していく。

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これは劇団Patchの、そして生まれ変わった恵比三に巡り会える成長譚でもあるのだ。出演者はわずか8人だが、個性豊かで、仲間と手を取り合いながらめくるめく壮大な忍者ストーリーを奏でる。そうこれはまるで、在阪人気NO.1となった劇団Patchの高らかな東京進出宣言でもあるのだ。

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脚本・構成・演出の我孫子令は、その意思を受け継ぎ、時には大阪のノリをギャグを多用しながら、ステージをひたすら盛り上げて行く。シンプルな装置の中で、家族の離反、兄弟の愛などディープなテーマを、役者の肉体だけで表現していくのは相当な覚悟がいったはずだが、劇団Patchのメンバーはその覚悟に応えて、演技に、台詞に、ギャグに、躍動していた。役者の息づかいが届くようなスペースだからこそ、彼らの熱、意気込みがこの舞台には脈々とあふれていた。この東京公演で目の離せない劇団としての存在感を焼き付けた劇団Patch。次回公演がますます楽しみになった。


【コメント】
 
この作品の初日を迎えて、キャストたちからのコメントが届いた。
 
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松井勇歩

劇団Patchが結成されて6年が経ち、今までたくさんのことを経験させていただき、たくさんの方に応援していただき、たくさんの方に支えていただき、止まることなくこれまで進み続けて来られました。そして、劇団Patchとして、初の東京公演が決まり、また新たに大きな一歩を踏み出すことが出来ました。ややこしいことは考えず、とにかくこの作品の良さを、劇団Patchの良さを、舞台上から届けます! 全身でバッチバチで感じてください。僕らが劇団Patchです!!

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納谷健
劇団Patchで東京公演。劇団Patchが目指して来たもの、これから辿っていく道が、『JOURNEY』から始まっていくと思うと自然と背筋が伸びます。“Patchの旗を全力で振り回す”背負うんじゃなく、先輩方を信頼し、支えと想いを背中に感じて、メンバーとスタッフさんを巻き込んで東京も全力疾走してきます!

〈公演情報〉
 
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 Patch stage vol.11
『JOURNEY-浪花忍法帖-』
原案◇劇団Patch
脚本・構成/演出◇我孫子令(劇団偉人舞台)
出演◇松井勇歩、納谷健、三好大貴、星璃、尾形大悟、瀬戸佑飛、田中亨、吉本考人
●10/21・22◎東京  新宿シアターモリエール
〈料金〉前売4200円 当日4700円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)





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【取材・文/竹下力 写真提供/ワタナベエンターテインメント】