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劇団スタジオライフが三原順原作の『はみだしっ子』を初舞台化。10月20日に東京芸術劇場シアター ウエストにて開幕した(公演は11月5日まで)。 『はみだしっ子』は1975年に少女漫画雑誌「花とゆめ」に連載され、熱狂的なブームを巻き起こした作品。 親に見捨てられて、この世の「はみだしっ子」となった4人の少年たち、グレアム、アンジー、サーニン、 マックスがいつの間にか身を寄せ合い、旅をする中で愛を探し求める姿を描く。 ステージ上には、街灯がただ一つ。今作の公演ビジュアルに使われている、三原自身が描いた街灯を忠実 に再現している。階段状になっているシンプルでモノトーンな舞台(舞台美術:乘峯雅寛)に照明が当た ると、4人の少年たちの姿が浮かび上がる。少年たちは「恋人」を待っているという。子猫たちが可愛がっ て連れていってくれる「恋人」を待っているのと同じように......。孤独な少年たちの内面が浮かび上が る、印象的な幕開きだ。

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スタジオライフが三原作品を取り上げるのは2001年の『Sons』に次いで2作品目。脚本・演出を担当する倉田淳が『はみだしっ子』 の舞台化を『Sons』上演時から熱望し、今回の上演となった。本作では、原作漫画の最初の部分にあたる「動物園のオリの中」「だ から旗ふるの」「階段のむこうには...」をストーリーの中心に据える。少年たちがときにぶつかり、ときにはつながり合いなが ら、思いを重ねていく様子をきめ細かく描く。

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舞台版『はみだしっ子』ではなぜ少年たちが身を寄せ合っているのか、彼らの過去を丁寧に取り上げた。グレアムは父親から高圧的 に扱われ、アンジーは母親に育児放棄される。サーニンは母を亡くし父親により監禁され、マックスは父親に殺されかけた。少年 たちの過去を丹念に描くことによって、彼らの心の孤独が浮き彫りになり、だからこそ互いに身を寄せ合う4人の関係性がはっきり と見えてくる。

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原作漫画では少年たちの視点が貫かれるが、舞台では 大人たちがリアルな息吹で演じられることによって、大人たちの視点か らも物語を見つめ直すことができたのも新たな発見だ。4人の少年たちを 一時的に受け入れるレディ・ローズを演じる曽世海司の演技にはリアリティ があり、グレアムのいとこのエイダを演じる松本慎也がグレアムに対す る複雑な思いをにじませて、ドラマを盛り上げる好演。 愛を求め続ける少年たちの心の旅を追った作品。終幕には、舞台に輝く 街 灯が象徴するように、希望の光が差してくるのが感じられた。

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今回は原作の最初の部分の舞台化だが、この続きも舞台化して、連作として上演していけば、スタジオライフの新たな財産となるだ ろう。4人の少年たちの心の旅をこれからも追っていきたい。 なお、劇場ロビーには『はみだしっ子』セレクション展を開催。単行本未収録・原画行方不明の絵を中心にセレクトした雑誌掲 載 時の扉絵や雑誌掲載のイラストコラムをパネル展示。当時の雑誌やグッズも展示されている。 (文/大原 薫)


〈公演情報〉
スタジオライフ 舞台版「はみだしっ子」

公演画像


作◇三原順
脚本・演出 ◇倉田淳

出演◇
〔TRK〕
グレアム:岩崎大/アンジー:山本芳樹/サーニン:緒方和也/マックス:田中俊裕
〔TBC〕
グレアム:仲原裕之/アンジー:松本慎也/サーニン:千葉健玖/マックス:伊藤清之(Fresh)
〔BUS〕
グレアム:久保優二/アンジー:宇佐見輝/サーニン:澤井俊輝/マックス:若林健吾

曽世海司  船戸慎士  牛島祥太  吉成奨人  鈴木宏明(Fresh)  前木健太郎(Fresh)  藤原啓児

※TRKチーム(=トランクチーム)とTBCチーム(=タバコチーム)とBUSチーム(=帽子チーム)のトリプルキャスト公演になります。
※Freshは劇団スタジオライフ研究生です。
※出演者は全公演に出演いたします。
※出演者は都合により変更になる場合がございます。予めご了承ください。

・10/20~11/5◎東京芸術劇場 シアターウエスト
〈料金〉全席指定:5,800円 ヨンキューステージ:4,900円  など(価格は全て税込)

詳細▶http://www.studio-life.com/stage/hamidashi2017/index.html


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