DSC_4882
 
伝説のカルト・ロック・ミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』が、11月7日、Zeppブルーシアター六本木で開幕した(12日まで)。このあとサンシャイン劇場公演を行い、東京公演ののちは北九州、仙台、松本、大阪と巡演、12月31日まで公演を行う。

世界中で観客を熱狂させるこのミュージカルの初演は1973年のロンドン。ロイヤル・コート・シアターにある小劇場のシアター・アップステアーズで、座席はわずか63席。しかし、チープで、セクシャルで、アナーキーで、グラム・ロックな音楽がきらめく舞台は瞬く間に大ヒット。イギリス・カンパニーを引き連れた日本初上陸は75年、同時期に映画化もされ、『ロッキー・ホラー・ショー』ブームが巻き起こり、以来、さまざまなカンパニーで上演され、今回は5年ぶりの上演となる。

DSC_4794

【あらすじ】
友人の結婚式の勢いに乗せられ、自分たちも婚約してしまったブラッド(小池徹平)とジャネット(ソニン)。ふたりは恩師に報告しようと、嵐の夜、車を走らせていた。しかしタイヤがパンク。助けを求めた彼らは、人里離れた荒野に建つ古い城にたどり着く。困り果てた二人の前に現れたのは、不気味な執事リフラフ(ISSA)と使用人のマジェンタ(上木彩矢)やコロンビア(アヴちゃん)たち。その異様な雰囲気に呑まれて戸惑う二人をそっちのけに、城の中ではノリノリのパーティーが始まる。
さらに、黒いガーター&ストッキング姿も妖艶な城の主・フランク“N”・フルター(古田新太)が登場。いかにも性倒錯者然の彼は、この城で秘密の実験をしている科学者であるという。その実験とは、人造人間を創り出すこと。まさにこの夜は、彼の輝かしい実験が最終段階を迎えようとしていたのだった…。

主人公のフランク・フルターに、2011年の劇団☆新感線版に引き続いてこの役をつとめる古田新太。演出は、いのうえひでのりからバトンを渡された河原雅彦。“ロッキー・フリーク”を自称してはばからない2人が新タッグを組む。
さらにキャスト陣として、ミュージカル界でも活躍目覚ましい小池徹平とソニン。抜群のダンスと歌唱力を誇るISSA。アーティストでもある上木彩矢。注目のバンド女王蜂から舞台初挑戦となるボーカルのアヴちゃん。新感線きっての肉体派吉田メタル。舞台・ドラマ・バラエティーと幅広く活躍する武田真治など、グラム・ロックの香りも濃厚な多彩な顔ぶれが集まった。 

DSC_4984

舞台はシンプルで、ピンクの極彩色の壁に映画でも話題になった半開きの唇がいたるところにプリントされている。サイケな雰囲気だ。化学室を模したのか、骸骨も吊り下げられている。舞台上段には生バンド。演奏は、女王蜂(ギターのひばりくん、ベースのやしちゃん、ドラムのルリちゃん)、キーボードのながしまみのりと大塚茜。時にはサックスで武田真治、ギターでROLLYが参加する。

公開されたシーンは、ブラッド(小池徹平)とジャネット(ソニン)が古い城にたどり着くところから始まる。車のトラブルがあって、ブラッドが電話を貸してくれと言うのだが…。
そんなことはお構いなしにショーが始まっていく。早速披露されるのが、ブラッド、リフラフ、ジャネット、マジェンタ、コロンビア、ファントムたち(東京ゲゲゲイ)、ナレーター(ROLLY)があの名曲「タイムワープ」を演奏して2人を歓迎する。

音楽監督のROLLYは、ロック色が強いグラム・ロックとインタビュー(参照サイト:http://kangekiyoho.blog.jp/archives/52038268.html)で語っていたように、ソリッドで超がつくほどロッキン。キレのあるギターやサックス、叩きつけるようなキーボード、ベースラインは骨太でグルーヴィー、8ビートのドラム。思わずノリノリになることは確実だ。そこに乗っかるリフラフ(ISSA)のヘンテコな容姿と歌のギャップがかっこいい。
 
DSC_4868

そのあと、黒いガーター&ストッキングにモジャモジャ頭のフランク(古田新太)が登場、圧倒的なオーラで物語に君臨する。彼の下僕であるリフラフ、マジェンタ、コロンビア、ファントムたちがブラッドとジャネットの歓迎の挨拶をするのだが、その様子が胡散臭い。そして披露されるのが「スイート トランヴェスタイト」。フランクのシャンソン的な歌に強烈なドラムが乗っかる曲。曲の終盤では女王蜂のアヴちゃんのコロンビアがみせる。中性的な歌にめくるめくダンスと色とりどりのライトの洪水。グラム・ロックかく有るべしと言わんばかりだ。グラムといったら欠かせないのが、古今東西の歴史ある音楽がチープでノリのいい曲になることだ。オペラ、シャンソン、クラシック、それらはすべてロックの名の下に平等になってしまう。 

DSC_4959

そしてフランクが人造人間を作り出したので見てくれということになり…。生まれたのがロッキー・ホラー(吉田メタル)。金髪で筋骨隆々の彼が登場すると「ダモクレスの剣」「オトコにしてあげる」「熱いぜ青春」とギターがギュンギュン鳴る生演奏のロックナンバーが矢継ぎ早に続いて会場を盛り上げていく。スピード感が半端じゃない。そこに出て来て演奏するエディ役・武田真治のサックスのソロは鳥肌ものだ。そしてロックに欠かせない8や16を刻むリズムがかっこいい。
 
古田新太がペンライトや鳴り物を持ってきてほしいと語っていたように、ロックショーのように盛り上がれるステージ。最後は笑って帰ることができること間違いなしだ。
 
【囲みインタビュー】

DSC_4641
河原雅彦、武田真治、ソニン、古田新太、小池徹平、ISSA、ROLLY
 
この初日を前にプレス用にフォトコールと囲みインタビューが行われ、古田新太、小池徹平、ISSA、ソニン、武田真治、ROLLY、河原雅彦が登壇した。

──初日を迎えた気持ちを。
古田 とりあえず危険がいっぱいある舞台なので、怪我と風邪が流行っていますから喉に気をつけて。
小池 ミュージカルとしては尺が短いタイプの作品。ただし濃厚です。みなさんも汗だくで騒いでいただいたらなと。
ソニン 『ロッキー・ホラー・ショー』初参戦。これは、お客さんと一体型のミュージカルだと思っています。ライブでどう変化するのかとてもドキドキしています。

DSC_4655
 
ISSA こう見えても好青年役で、はちゃめちゃなミュージカルなので、僕らも楽しみながらやりたいと思います。
武田 こんなかっこいいミュージカルでかっこいいメンツと一緒に大晦日まで走り抜けられることを幸せに思います。
ROLLY 『ロッキー・ホラー・ショー』に参加させていただいて22年になりますが、今回は一番グラム・ロック度が高く、バンドが大活躍します。スピード感があってとにかく楽しめる舞台です。

DSC_4656
 
河原 バカバカしいことや、かっこいいことを、とても練習しました。ミュージカルよりも出し物だと思っているので、とにかく、出し物はお客さんが入ってもらって、お客さんの熱量が加わって、初めて完成なので、やっと見せられるという喜びでいっぱいです。
──稽古はどれくらいでしたか。
河原 1ヶ月半ですね。2時間ないお芝居なのに。
──座長の古田さんからご覧になって、チームとして初日を迎えた仕上がりは。
古田 みんな非常に真面目なメンバーなので信頼できますね。安心してフィーバーしていただきたいですね。

DSC_4651

──座長の古田さんについてはいかがですか。
武田 僕の出ないシーンで古田さんを観させていただいて、本物のフランクだと思いました。古田さんの2011年のバージョンも観ているので、今この人と一緒に舞台に立つというワクワク感でいっぱいです。
河原 稽古中に絶対本番でやっちゃいけないことをやるんです。それが見せられなくて残念。
古田 今、やれって言われたよ。
河原 やばいやばい(笑)。危険がいっぱいなのは古田さんのことです。

DSC_4650
──古田さんは『ロッキー・ホラー・ショー』がお芝居を志すきっかけだった。
古田 はい。もともとミュージカルをやろうと思ってこの世界に入ったんです。しかも『ロッキー・ホラー・ショー』みたいなおバカな作品をやりたいと思っていた。前回のROLLYさんと一緒にやった『ロッキー・ホラー・ショー』で、全然間違いなかったな、と思いました。こういう作品を新たなに作れないかなと思います。
──年内の公演は12月31日までです。体力的にはいかがですか。
古田 厳しいでしょ。昨日リハーサルで足がガクガクになっていましたからね。地方も回るので美味しいものを食べれば大丈夫ですけど。

DSC_4653
 
──古田さんはお酒を飲むんですよね。
古田 お酒はクールダウンするものなので、火照った体や上がったテンションを鎮めるために必要なお薬です。
──古田さんのお芝居と素のときは。
ソニン 楽しいですね。何が飛び出てくるかわからない。私とは人種が違うと思うぐらいたくさんの引き出しが出てくるのが楽しいです。
──楽しそうですね。
古田 楽しいほうが楽しくないより偉い。きついステージなので、なるべく楽しめるように、にこやかに朗らかに終わりたいですね。
──ここを見ていただきたいというポイントは。
古田 ソニンのおっぱいかな。

DSC_4652
 
ソニン やめてくださいよ。そんなプレッシャーかけるの。 
武田 これ本当なんですよ。
河原 クオリティーが高いおっぱいなんです。 
ソニン それを存分に活かしてもらう衣装だったり、ネタもありますので、惜しみなく出したいです。
古田 そこしかないのかい!
小池 フォローします。衣装がものすごく派手で早替えも大変なので、その辺の驚きは伝わるかなと思います。

DSC_4654

──衣装の着心地は。
古田 胸は暑いし、肩は寒いし、カツラは暑いし、足は寒いし大変です。風邪ひかないようにしないと。
ソニン 薄着の人が多いですからね。
──家から何か持って行ったらいいものはありますか。
古田 定番通りのグッズで遊ぼうと思っているので、ペンライト、それから新聞紙。英字新聞が良いとされていますが、日本の新聞で大丈夫です。鳴り物とか、色々あると思いますけど、劇場でも販売していますから、楽しみにしてください。目立ちたいと思う方は特殊なものを持ってきてくださいね。今日から『ロッキー・ホラー・ショー』が始まります。今度はいつやれるかわからないので、ぜひこの機会にきて一緒に暴れましょう。コスプレ大歓迎です。この間のハロウィンの衣装をしまってなかったら着て来てください。一緒に踊りましょう。

DSC_4643
 
〈公演情報〉
PARCO presents 
RICHARD O'BRIEN'S『ロッキー・ホラー・ショー』
脚本・作詞・作曲◇リチャード・オブライエン
演出◇河原雅彦
訳詞・音楽監督◇ROLLY
振付◇牧宗孝(MIKEY from 東京ゲゲゲイ)
出演◇古田新太 小池徹平 ISSA ソニン 上木彩矢 アヴちゃん(女王蜂) 吉田メタル 東京ゲゲゲイ(BOW・MARIE・YUYU・MIKU) 戸塚慎 若井龍也 佐藤マリン ROLLY 武田真治
演奏◇女王蜂(ひばりくん、やしちゃん、ルリちゃん)ながしまみのり、大塚茜

●11/7〜12◎Zeppブルーシアター六本木
〈料金〉11,000円 U-25チケット6,000円〈観劇時25歳以下対象・当日指定席引換・要身分証明書〉(全席指定・税込)
●11/16〜12/3◎サンシャイン劇場
〈料金〉S席11,000円 A席9,000円 U-25チケット6,000円〈観劇時25歳以下対象・当日指定席引換・要身分証明書〉(全席指定・税込)
●12/9・10◎北九州芸術劇場 大ホール
〈料金〉S席9,500円 A席7,000円 ユース5,000円〈24歳以下・枚数限定・要身分証提示〉 高校生チケット1,500円〈枚数限定・窓口前売りのみ取扱い・購入時/入場時用学生証提示〉(全席指定・税込)
●12/16・17◎仙台サンプラザホール
〈料金〉S席10,000円 A席8,500円 U25チケット5,500円(全席指定・税込)
●12/23・24◎まつもと市民芸術館 主ホール
〈料金〉S席9,500円 U18チケット7,000円(全席指定・税込)
●12/28〜31◎森ノ宮ピロティホール
〈料金〉12,500円(全席指定・税込)

〈お問い合わせ〉東京公演/パルコステージ 03-3477-5858(月〜土11:00〜19:00/日・祝11:00〜15:00)
〈公式HP〉http://www.parco-play.com/




【取材・文・撮影/竹下力】




『えんぶ8号』
kick shop nikkan engeki