ラッキィ池田 決定_3124

天下泰平を謳歌する江戸の町に現れる謎のインド人たち。その正体は…。
映画『踊るマハラジャ』で知られるインド舞踊のボリウッドダンス。その華やかな踊りを取り入れたエンタテインメント作品『江戸のマハラジャ』が、劇団扉座と人気振付家ラッキィ池田とのタッグで上演される。
扉座公演をはじめ、横内謙介が外部で作るミュージカル作品でも振付を担当、四半世紀の付き合いというラッキィ池田が、初めて提案して実現したという今回の企画。熱い思いを込めたこの作品について、ラッキィ池田に語ってもらった。

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アングラのギラギラのエネルギーに魅せられて

──ラッキィさんが横内さんと作品を作るようになったきっかけは?
最初に一緒の仕事をしたのは、たぶん『洒落男たち〜モダンボーイズ〜』(1994年)だったと思います。河毛俊作さんの演出で木村拓哉さんが主演の浅草の芝居小屋の話で、僕は振付をしました。もともと演劇は好きで、初めて演劇に触れたのはアングラなんです。友達に連れて行かれた花園神社の唐十郎さんの公演や高田馬場のガード下のつかさんの芝居で、あのギラギラのエネルギーに魅せられて、それをきっかけに新劇だとか紀伊國屋ホールの公演とか、面白いとか言われているものを観るようにしていたんです。
──そのギラギラのエネルギーはラッキィさんの踊りにも影響を与えたのですね。
アングラでは音楽とか踊りを奇抜に使ったり、驚かしに使ったり、言わば邪道に近いことをするんですが、そこの部分が好きで、普通のミュージカルで綺麗にまとまっていると、何故わざわざそこで歌と踊りの意味があるんだろうと思うんです。そういう中で、横内さんとの仕事はちょっと違っていて、たとえば『ドリル魂』(2007年)という作品は、ただ建築をドタバタ建てるだけの話なんですが、すごくバカバカしい感じなのにエネルギーが溢れていて泣けてくる!こういうのこそミュージカルだと思ったんです。

ああいうカオスの世界を舞台で作ってみたい

──そんなお付き合いの中で、今回、ラッキィさんから、ボリウッドダンスを舞台化したいと提案したそうですね。
映画の『踊るマハラジャ』を見た時に、昭和の香りがしたんですよね。昔の日活映画とかで見ていたエネルギーが、フィルムの向こうから押し寄せてきて、ああいうカオスの世界を舞台で作ってみたいと。横内さんに提案したら乗ってくれまして、江戸を舞台にした『江戸のマハラジャ』という作品を書いてくれることになりました。
──その中でどんなボリウッドダンスが出てくるのでしょう?
ボリウッドダンスは今では世界的に流行っていて、ハリウッド化して新しくなっている部分もあるので、どのあたりの踊りを見せたらいいのか、そこは日本でボリウッドダンスを教えているSPICE侍というグループと相談しながら作っています。新しいテイストを取り入れつつ、皆さんが知っている『踊るマハラジャ』のイメージも残しつつ、江戸も感じさせないといけない。でも面白いダンスを見ていただけると思います。
──横内さんとは長いおつきあいですが、ラッキィさんが一番刺激を受けている部分は?
僕がすごいなと思う部分は、全ての芝居の最後の10分、そこでとてつもないものをぶつけてくるんです。それまでは客席が観やすいように色々アレンジして、でもそこの10分は何ものにも迎合せず、僕が打ち出したいのはこれなんだというところをドーンと出してくる。これが演劇だなと思いますし、横内さんはテレビや映画の脚本も書けるだろうけど、やっぱり好きな舞台を守っているんだという、その芯の深さを感じますね。
──そんな2人で作る舞台の見どころをぜひ。
人間の持つエネルギーですね。人と人が出会った時に無限になる勢い、エネルギー。そして演劇には、これを観てどう感じてくれてもいいですよという自由さがあって、それによって観る側も心が解放される。そういう自由さとエネルギーを、この舞台から感じてほしいです。
 

【プロフィール】
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らっきぃいけだ○東京都出身。80年代より独創的な発想の振付で注目を浴び、テレビ番組、CM、映画、舞台などの作品を数多く手がけている。アニメ『妖怪ウォッチ』の「ようかい体操第一」「ゲラゲラポーのうた」が子どもたちに爆発的人気に。NHK・Eテレ『いないいないばあっ!』『にほんごであそぼ』の振付レギュラー。作詞、雑誌連載、吉本総合芸能学院(NBC)の講師などでも活躍。俳優としても『オーシャンズ11』(14年)などに出演している。

〈公演情報〉
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厚木シアタープロジェクト ネクストステップ第7回公演
劇団扉座第61回公演『江戸のマハラジャ』
作・演出◇横内謙介
振付◇ラッキィ池田・彩木エリ
出演◇岡森諦 中原三千代 有馬自由 伴美奈子 犬飼淳治 高橋麻理/篠山輝信 花柳輔蔵  ほか
●11/25・26◎厚木市文化会館 小ホール
11/29〜12/10◎座・高円寺1
〈料金〉
【厚木公演】前売券4200円/当日券4500円 特別割引学生券1500円(扉座・厚木市文化会館でのみ取り扱い。当日学生証持参)(全席指定・税込)
【東京公演】前売・当日共4500円 学生券3000円(扉座でのみ取り扱い。当日学生証持参)(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉劇団扉座 03-3221-0530





【取材・文/宮田華子 撮影/岩田えり】



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