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男性エンターテインメント集団として活躍を続けるDIAMOND☆DOGS(D☆D)結成15周年アニバーサリーシリーズの一環である、LOVE LOVE de SHOW Vol.5『White Labyrinth』が天王洲の銀河劇場で上演中だ(21日まで)。

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LOVE LOVE de SHOW はリーダー東山義久を除く、D☆Dのメンバーが、実力派のダンサー&シンガーをゲストに迎え、和楽器奏者を交えた、クロスオーバーな音楽によって繰り広げられるショーケース。これまで10年の歳月をかけて、季節ごとに展開されてきたステージが、今回の「冬」『White Labyrinth』で完結するにあたって、リーダーの東山が初参加。ゲストに大山真志、植木豪、DANIEL、法月康平という、D☆Dに所縁の深い面々が集い、和太鼓の橋口隆之、津軽三味線の-KIJI-、尺八の岩田卓也も、演奏だけでなく様々な形で舞台に参加しての、盛りだくさんなショーが展開されている。

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ACT1は、月の輝く冬の夜に見た幻想のようにステージが進んでいく。日本を代表する詩人の1人中原中也の「生い立ちの歌」のナレーションが流れ、モノトーンの世界の中で、多彩なダンスと歌が綴られる様は、タイトル通りまるで迷宮のようだ。そこには基本的なSTORYがない訳ではないが、決してそれを深く説明しようとはせずに、謂わば感性に訴えってくる。

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そんな舞台を創った構成・演出・振付の森新吾は「理性、作為を遮断する。意識的に作品を作らない。偶然性に見出すカタチ。意識的に作品を作らないのなら、無意識下で作ればいい。集合的無意識が正しければ、無意識の美しさは今回の舞台にとって普遍的な美しさかもしれないのです」とパンフレットに書いていて、白いキューブを縦横無尽に組み立て、壊し、組替えながら進んでいく舞台は、確かにまるで偶然が重なったように、姿を変えていく。

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D☆D1人1人のそれぞれに特色ある色合いはもちろん、植木豪のブレイクダンス、DANIELのバレエダンサーならではの美しい回転と跳躍、大山真志と法月康平の鮮やかに異なる個性と豊かな歌が、1つのショーの中で全く浮かずに、すべてが必要で必然に感じられて流れ続ける美しさには、格別なものがある。水を思わせる布、降りしきる雪、哀切の響きの和楽器。まるで夢幻のようなLabyrinthを創り出す森が、クリエーターとしてつけた力が、ここには詰まっている。

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特に、この15年間ひと時も止まらずに走り続けてきたD☆Dは、本年7月4日をもって、半年以上の充電期間を設けるという発表がなされている。更にこの7月4日に、小寺利光とTAKAがD☆Dを卒業することもまた、発表されている。初期の数年間こそメンバーの入れ替わりを繰り返していたD☆Dだが、現在の7名のメンバーが固定して10年の時が経つ間に、メンバー個々の力量も役割も日増しに大きくなっていった。歌手も踊り、ダンサーも歌い、構成・演出・振付・音楽をメンバーで創ることができる優れたパフォーマンス集団として、彼らは進化し続けて来た。だからいつしか、D☆Dは未来永劫このメンバーで、やがて渋いナイスミドルのメンズチームになり、いつかシルバーグレーのヤンチャなオヤジたちになり、ほとんど毎月のようにステージがある日々が続くことを、信じて疑わなくなっていた。15周年アニバーサリーで長く続いてきたシリーズ作品が次々に完結するのも、15周年の節目を飾る為で、新しいステップがまたはじまると思い込んでいた。 
もちろん新しいステップははじまる。ソロの仕事も元々多かったD☆Dだから、個々の仕事を追っていれば半年以上などあっという間に経つだろう。それぞれが蓄えてきた力で、またD☆Dはきっと大きくなっていく。それもとても楽しみだ。

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ただ、そこに小寺利光とTAKAはいないんだな、と思った時、やはり寂しくなるなという方が無理な話だ。小寺の端正なマスクの優しい笑顔と、1場面を堂々と担える卓越したタップダンスは、間違いなくD☆Dの華の1つだったし、咲山類とTAKAの、異種格闘技的なデュエットは、D☆Dでしか聞けないものだった。実際、クラシックの声楽家とロックシンガーが共にハーモニーを作るのは、思うほど簡単なことではない。その稀有な成功例がD☆Dの舞台には当たり前のようにあった。そんなデュエットが聴けるのもあと半年…と思っている時に、まるで卒業のためにあるような、美しい別れの歌いあげられると、どうしたって胸がつまる。
 
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でも、そんな美しくも悲しみを湛えたACT1が終わった後、突然、賑やかにはじまるACT2のお祭り騒ぎには、さっきまでセンチメンタルになっていたのは誰だ?とばかりに大声で笑わせてもらっていた。そう言えば新年だったよな、と、妙に納得させられる場面もあれば、東山、大山、植木、法月、森、と揃えばさてなんでしょう?と、D☆Dを愛する人たちになら、あまりにも平易過ぎる連想ゲームから、よくぞここまで馬鹿馬鹿しいことを思い付くものだと(褒めている)、呆れかえるような場面もある。

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でもだからこそ、クラシックバレエのプリンシパルが、こんなにはっちゃけて大丈夫なのかと、心配になるほどノリにノッて楽しそうに舞台上を跳び回っているDANIELを含めて、D☆Dと共に、そんな大人の悪ふざけを大真面目でやっている面々が愛おしく感じられてならない。彼らとD☆Dは間違いなく仲間でソウルメイトなのだから、7月4日が過ぎて行っても、形は変わっても、D☆DはD☆Dだし、小寺利光とTAKAもD☆Dの仲間で、ソウルメイトなことは変わらないだろう。きっとまた、もっと大きくなったD☆Dの輪に出会えるだろう。

そう確信できた『White Labyrinth』はLOVE LOVE de SHOW の掉尾を飾るに相応しい、オシャレで楽しいショーケースだった。このメンバーで観られる最後のLOVE LOVE de SHOW。迷宮に迷い込んだあと、思いっきり楽しい扉が開く、今ここにしかないWinter Party。是非1人でも多くの人に体感して欲しいステージだ。

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〈公演情報〉
DIAMOND☆DOGS(D☆D)15周年アニバーサリーシリーズ
LOVE LOVE de SHOW Vol.5
『White Labyrinth』
構成・演出・振付◇森新吾
出演◇東山義久 大山真志 植木豪 DANIEL 法月康平/DIAMOND☆DOGS(森新吾 小寺利光 中塚皓平 和田泰右 咲山類 TAKA) 橋口隆之(和太鼓) -KIJI-(津軽三味線) 岩田卓也(尺八)
●1/17〜21◎天王洲銀河劇場
〈お問い合わせ〉公演事務局 03-3492-5300(平日14時〜18時)




【取材・文・撮影/橘涼香】



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