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1969年開場以来、劇団青年座の創造活動の中心にあった青年座のスタジオ、青年座劇場がビルの老朽化に伴う建て替え工事のため、本年3月をもって劇場としての役割を終えることになる。
そこで、昨年7月から、演劇界で注目される劇作家の新作を青年座劇場において連続上演してきた。古川健作『旗を高く掲げよ』、太田善也作『真っ赤なUFO』、中津留章仁作『断罪』に続く第4弾が長田育恵作『砂塵のニケ』。そして、これが青年座劇場最終公演となる。
 
本作『砂塵のニケ』の作を手がける長田育恵(てがみ座主宰)は、評伝劇の旗手として注目されている。膨大な資料を読み込み、丁寧な取材を積み重ねて生み出される評伝の完成度の高さから、彼女自身が師事する故井上ひさし氏の後継者とも評される。しかし、今回青年座が依頼した新作は、市井に生きる一人の女性(美術修復家)とその親たちを巡る創作戯曲。演出の宮田慶子と打ち合わせを重ねた結果、人類が本能的に、次の世代に託すもの、そして引き継ぐもの、つまり「遺伝」をテーマにした物語を創作することになった。「遺伝子を残す」ことを「芸術家が作品を残す」ことになぞらえ、主人公の女性が、絵画の修復作業を通して、封印されていた過去を知ることになり、ついに自らの出自までたどり着く。
タイトルにあるニケとは、ギリシャ神話に登場する勝利の女神。エーゲ海サモトラケ島で発見され修復された大理石像は、大きく翼を広げ力強く優美であるが、そこに頭部と両腕はない。この女神像に頭部があったら、何を語るのだろうか。
 
【ものがたり】
ある日、美術修復家の緒川理沙は、ある絵画の修復を手掛けることになった。それはパリの風景を描いた一枚の絵。夭逝した天才画家加賀谷直人が遺したものだ。
修復とは、時代を遡って過去の痕跡をたどり、創作の原点を明らかにすること。
理沙は、手掛かりとなるその景色を求めてパリへと飛び立つのだった――。

一枚の絵が「過去」と「現代」を結び、「親」と「子」をつなぐ。親が子に託すもの、親から子が受け継ぐもの、そして未来に渡すもの…。
悠久の時の流れの中、二つの世代を旅しながら、現代に生きる一人の女性が自らの存在理由(レゾンデートル)を探る。
 
【キャスト】
緒川理沙…………………………………那須凜
緒川美沙子(理沙の母)………………増子倭文江
陣内敦夫(美術品のバイヤー)………横堀悦夫
津村拓郎(理沙のパートナー)………久留飛雄己
篠田美玲(キュレーター)……………野々村のん
市來さおり(未玲のアシスタント)…清瀬ひかり
加賀谷直人(夭逝した天才画家)……綱島郷太郎
笹本譲治(考古学者)…………………松川真也
佐久間勉(アパルトマンの大家)……山野史人

主演の女性修復家に那須凜。劇団入団3年目の若手を抜擢した。その親の世代に、増子倭文江、横堀悦夫、綱島郷太郎を配し、山野史人、野々村のんがしっかりと脇を固める。青年座劇場公演の掉尾を飾るに相応しい舞台となるにちがいない。

〈公演情報〉
劇団青年座 231 回公演
『砂塵のニケ』
作◇長田育恵(てがみ座)
演出◇宮田慶子
出演◇山野史人 横堀悦夫 綱島郷太郎  松川真也 久留飛雄己 増子倭文江 野々村のん 那須凜 清瀬ひかり 
●3 /23〜31 ◎青年座劇場
〈料金〉一般 4,500 円 U25(25 歳以下)3,000 円(全席指定・税込)
★初日割引(3/23)3,000 円
〈一般前売開始〉2月14日(水)11:00〜 
〈お問い合わせ〉劇団青年座 0120-291-481(チケット専用 11:00〜18:00、土日祝日除く)
〈青年座ホームページ〉http://www.seinenza.com





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