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竹中直人と生瀬勝久のタッグによる “竹生企画”、その第三弾となる作品『火星の二人』が、日比谷、シアタークリエにて、4月10日に開幕した。(25日まで)
この作品は、生瀬勝久が憧れの俳優、竹中直人に声をかけ、2人の企画として立ち上がったもので、これまで『ヴィラ・グランデ 青山〜返り討ちの日曜日〜』『ブロッケンの妖怪』の2作品を上演している。今作ではヒロインに上白石萌音を迎え、高橋ひとみ、前野朋哉、池岡亮介と話題のキャストが集合した。

舞台初日を直前控えた当日、マスコミ向けの会見と、舞台シーンの一部公開が行われた。(舞台のシーン公開では、冒頭の1場から2場までを上演。)
 
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物語は、都内にある大学教授・朝尾(竹中直人)の家のリビングに集う人々のシーンから始まる。朝尾と妻・素美(高橋ひとみ)、大学生の息子・正哉(池岡亮介)、とその恋人?のさやか(上白石萌音)、そしてそこに訪れた、志波(生瀬勝久)という男がいる。
志波は、朝尾に聞きたいことがあるらしい。朝尾は、一年ほど前、遊園地で起きたジェットコースターの事故で、奇跡的に生き延びた乗客の一人。以来、朝尾は事故のことを語りたがらず、自身の内側にばかり向くように人柄も変わってしまった。影響を受けたかのように、俳優をめざしていた正哉もその夢をあきらめてしまい、つき合っていたさやかとも別れたいと言い出し、さやかは理由もつかめず正哉につめよる。
そんな中、朝尾に事故の事を聞きたいとやってきた志波。朝尾にとっては、忘れたい過去だが、素美はこれをきっかけに朝尾が変わってくれればと、志波を家に入れる。

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何かを抱え込み鬱々としている朝尾の、淡々とした中にある心の揺らぎを鮮やかに演じる竹中直人。竹中の軽さと深みを行き来する魅力が光る。いきなり訪れた部外者で家族の事情に踏み込んでくる志波の、遠慮のなさと憎めなさを、生瀬勝久が巧みに演じる。

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上白石萌音の透明感のある演技が、恋人の心変わりの理由を理解できずもがきながらも、どこかあっけらかんとしているさやかの人物像を絶妙に見せている。 
そして、父親の事故以来自分も夢を捨ててしまった、朝尾の息子、正哉を演じる池岡亮介は、誰にも理解されないであろう悩みを押し込めた鬱屈を滲ませる。今回の公演で池岡は、竹中と生瀬も同席のオーディションで役を勝ち取り、確かな演技でその期待に応えている。

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そして高橋ひとみは、夫や息子の様子を気遣い一見穏やかに見えるが、突然突飛な言動をする素美を、チャーミングに演じている。
そんな朝尾家に、さらにチンピラ風味の男・楠見(前野朋哉)が現れ、事態は思わぬ様相を呈していく…。
実力派俳優たちによってテンポよく運ばれる、緻密に組まれた倉持裕のセリフが心地よく、少しビターで、シニカルな大人のコメディ、であっという間の2時間だ。

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【会見】
会見は、竹中直人、生瀬勝久、上白石萌音が参加し、和やかなムードで行われた。

竹中直人 
まず、(この竹生企画を)続けてこられた事が凄いなと思っています。そしてまたこの作品が終わっても、3回で終わらせたくない、また次も出来たら、そういう思いが自分の中にあることが良いことだなと思っています。生瀬さんは、僕とは全く違うタイプの俳優さんだと思いますが、素晴らしい、エネルギーの塊のような俳優さんで、僕も負けそうになりつつ、一緒に創れている感じが本当に面白いです。今回の作品で、新たな倉持裕の世界を感じました。

生瀬勝久 
僕は竹中さんに憧れてこの世界に入ってきた人間なので、2011年この竹生企画が実現できてから、今でもまだ照れくさいところがあるのですが、舞台では同じ板の上で楽しく過ごせる時間がありますので、とても至福の時間です。今回の作品は、初めて観る方にとっては、難しい芝居ではなく、サスペンスのあるコメディと考えて頂けたらと思います。第一弾、第二弾をご覧になった方も、新しい倉持ワールドができたと思いますので、楽しみにいらして頂けたらと思います。 

上白石萌音 
前回の竹生企画『ブロッケンの妖怪』を観劇に行き、第三弾はどんな作品なんだろう、絶対観に行こう、と思っていたら、まさか自分が出ることになるとは思っていませんでした。倉持裕さんの作品が大好きですし、竹中さんとも初主演の映画でご一緒して舞台も一緒にやろうね、と言って頂いていたので、(今回の出演は)本当に嬉しかったです。共演者の方々のエネルギーやお芝居を観て、こんなにお芝居って深いんだと改めて感じまたした。スポーツ選手が競技をしているととても簡単に見える瞬間がありますが、それと同じように、稽古場では共演の皆さんが、すごく自然に演じられるので、私もすぐ出来るものだとと思ったら全然できなくて、ああ何が違うんだろう、と思いながら、毎日落ち込んで帰っていました。帰っていました。本当に楽しくて学ぶことが多すぎて、溢れてしまいそうな稽古場でしたが、きっと公演中もそういった気持ちが続いていくんだろうなと思っています。 
 
『火星の二人』は日比谷・シアタークリエを皮切りに、6月2日の福岡まで全国15箇所を巡演するツアーを行う。 

〈公演情報〉
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『火星の二人』
作・演出◇倉持 裕
出演◇竹中直人 生瀬勝久 上白石萌音 池岡亮介 前野朋哉 高橋ひとみ
●4/10〜25◎シアタークリエ
〈料金〉9,000円(全席指定・税込) 
●全国公演◎大阪、愛知、富山、石川、長野、宮城、岩手、栃木、新潟、香川、広島、鹿児島、長崎、福岡にて公演予定
〈お問い合わせ〉キューブ 03-5485-2252(平日12:00〜18:00)


【資料提供/キューブ 撮影/桜井隆幸】


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