OneGreenBottle(c)Helen Maybanks (2)

野田秀樹の近年の傑作『表に出ろいっ!』の英語バージョン『One Green Bottle』が、4月30日、ロンドンのソーホー劇場で開幕した。(5月19日まで)
この『One Green Bottle』は、昨年11月に東京芸術劇場シアターイーストで公演を行い、そののちソウルの明洞芸術劇場で上演されている。今回のヨーロッパ公演は、ロンドン公演の後、「シビウ国際演劇祭 2018」にも参加、6月8日・9日にルーマニア国立ラドゥスタンカ劇場で上演される。
演劇の本場・ロンドンの中でも、大小の劇場が立ち並び、世界中からの演劇ファンが集まるウエストエンド。その中心にあるソーホー劇場は、わずか150席の小さな劇場でありながら、常にチャレンジングな作品を上演し、感度の高い若者を中心に人気を誇っている。ロンドンの演劇界に新風を巻き起こしているこの場所で、以前上演された『THE BEE』と『THE DIVER』は、目の肥えたロンドンの観客から大絶賛を受けた。まさにロンドン演劇界に野田秀樹の名前を大きく知らしめることとなったそのソーホー劇場で、約10年ぶりに満を持して、NODA・MAPの英語版最新作が上演されることとなった。

【ストーリー】
これは、父、母、娘の三人家族の物語。その夜、三人はそれぞれ絶対に外出しなくてはならない理由があった。しかし、飼い犬が出産間近とあって、誰かが家に残り、面倒を見なくてはならない。嘘、裏切り、あの手この手を使って、それぞれが他の二人をあざむき、なんとか家を抜け出そうとする。やがてそれぞれの「信じるもの」が明らかにされ、互いの中傷、非難、不寛容が、事態を思わぬ方向へと導いていく。果たして彼ら三人に、救いはもたらされるのか?

OneGreenBottle(c)Helen Maybanks

濃密な劇場空間は、野田の最新作が上演されるとの噂を聞きつけた観客が詰めかけ、すでに立ち見が出るほどの大盛況の中、初日が開幕した。序盤より、野田、キャサリン、グリンの丁々発止の台詞の応酬に客席は大きな笑いに包まれた。野田が英語で書き下ろしただけでなく、日英ハーフの若手脚本家・ウィル・シャープと文化的な翻訳を行い練り上げられた台詞や、歌舞伎の型を取り入れた独特な身体表現、田中傳左衛門の鼓の生演奏などの演出は、ロンドンの観客に大いに受け入れられ、後半の息をのむ展開には客席は水を打ったように静まりかえる。幕が下りるやいなや割れんばかりの大きな拍手や感嘆の声が沸き上がり、小さな劇場空間を揺らす大反響となり、熱気あふれるヨーロッパ公演の幕開けとなった。

★One Green Bottole Pressnight㈪
初日プレスナイト風景(カーテンコール)

【コメント】

初日の幕が下りた終演直後の興奮冷めやらぬ野田秀樹のコメントが届いた。

野田秀樹  
今日の初日は、舞台に出た瞬間から観客の反応がとても良かった。イギリスでプレスナイトは、目の肥えたプロが観にくる日なので、観客の反応が固いことがあるんですが、ロンドンで上演してきた今までの作品のオープニングの時と比べても、今日の観客の反応には十分な手応えを感じることができました。まだ、(劇評がでていないので)これから何が起こるかわからないけれど、自分の中では、いい芝居だった。と思います。いい始まりになったと思います。

★One Green Bottole Pressnight㈰

公演情報〉
作・演出・出演◇野田秀樹
英語翻案◇ウィル・シャープ
出演◇キャサリン・ハンター/グリン・プリチャード
演奏◇田中傳左衛門
●4/30〜5/19◎ロンドン ソーホー劇場
 ※4/27、28 プレビュー公演
●6/8・9◎シビウ ルーマニア国立ラドゥスタンカ劇場
 
【ロンドン公演舞台写真  photo by Helen Maybanks】




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