全体
齋藤雅文、春本由香、河合雪之丞、喜多村緑郎、今井清隆秋山真太郎

新派130年六月花形新派公演『黒蜥蜴―全美版—』が6月2日から23日まで東京・三越劇場で上演される。公演に先駆けて、4月中旬、日本橋三越本店内にて記者懇親会が催された。
 
昨年2017年、新派版『黒蜥蜴』は、江戸川乱歩の世界観を見事に描き、喜多村緑郎と河合雪之丞のコンビが織りなす華麗なトリックや早替わり、変装など観るものを圧倒させた。その初演から1年、装いを新たに「完全で申し分ないこと」を意味する「全美版」としてさらに磨きをかけて登場する。
登壇したのは松竹株式会社の安孫子正取締役副社長、名探偵・明智小五郎役の喜多村緑郎、女盗賊・黒蜥蜴役の河合雪之丞、岩瀬家一人娘・岩瀬早苗役の春本由香、黒蜥蜴の手下・雨宮潤一役の秋山真太郎、警部・波多野十三郎役の今井清隆、脚色・演出を手掛ける齋藤雅文。
「新派は130年で記念すべき年。これから新派をどういうふうに引っ張っていこうかという喜多村緑郎さんと河合雪之丞さんの作品への思いが結集している作品です」という我孫子正取締役副社長の作品への期待を込めた挨拶から始まった会見。さらなる高みを目指し、作品にかける思いと抱負をそれぞれが語った。

齋藤雅文
脚色・演出の齋藤雅文は「昨年の初演は緑郎さん、雪之丞さん、由香たちで新しいものを作るとどうなるかという賭けのようなところもありました。わたしも含めて冒険しました。再演は作品が自分たち自身に返ってくることなので、深めることが大事になり、ハードルが高くなると思います。3月にサンシャイン劇場で自主公演『怪人二十面相〜黒蜥蜴二の替わり〜』をやらせていただき、ずいぶん遠くまできたと感じました。心に残る、感動できるドラマを作るのが夢です。ぜひ、それを実現したいと思います。努力します」と気を引き締めた。

喜多村緑郎2
明智小五郎を演じる喜多村緑郎は、初演でたくさんのお客様が来てくれたことが再演に繋がったと感謝を述べ、再演にあたって新メンバーの今井清隆さんについて「(ポスターを指しながら)イタリアマフィアが絵から抜け出てきたような(笑)、今井さんという強力な助っ人にご出演いただけることは本当に心強いこと」と今井と目を合わせてうなずく。「明智小五郎もインド、イギリス帰り、波多野警部もイタリア帰りということで、『黒蜥蜴』の世界も、よりワールドワイドになって「全美版」として帰ってきます」と再演への期待を膨らませた。

河合雪之丞
女盗賊・黒蜥蜴役の河合雪之丞は、初演を振り返り「あのとき一生懸命、がむしゃらに作り上げてきたことが、実を結んでよかったという思いでいっぱいです」と再演を喜び、「今回は、完全なものをお見せできるのではないでしょうか。初演をご覧になった方にも、もう一度楽しんでいただける作品にしたいです」と抱負を述べた。

春本由香
岩瀬家一人娘・岩瀬早苗役の春本由香は、再び演じられる嬉しさにあふれ「秋山さんと共演できること、そして、あの今井さんと共演させていただけることを嬉しく思っております。再演にあたり、早苗という人間をより理解して、また違う早苗の一面をお見せできるようにバージョンアップしていきたいです」。今井清隆とのダンスシーンについては「緊張しかない」と語るが、「足を引っ張らないようにがんばっていきます」と気合いを込めた。

秋山真太郎
初演同様に「緊張している」と言う、黒蜥蜴の手下・雨宮潤一役の秋山真太郎は、「また新たな気持ちで挑戦したいです。共演者の皆様にご指導いただき、深く役を作り上げていけたら」と語り、再演にあたっては「初演では、日本語の美しさを客席に届けようという思いがあった。僕は、音や感情の色を大事にしますが、今回も日本語のすばらしさを大事にしながら、作っていけたらと思っています」と意気込む。

今井清隆
新派初登場の警部・波多野十三郎役の今井清隆は「わたしの舞台人生において、まさか新派の舞台に立つとは、夢にも思っていませんでした。自分の新しい部分も見つけ出されるのではないかという期待で、胸いっぱいです」。今回、今井の出演によって歌のシーンが増えたことについて「初日にそのシーンがカットになっていないように(笑)がんばっていきたいと思います」と笑いを誘い、一気に会場が和む。劇団新派については「みんな和気藹々と、カンパニーの結束を感じたので、この仲間と一緒にやれることが嬉しい」と喜んだ。

緑郎と雪之丞

「全美版」として再演することについて齋藤は「基本的に僕はあて書きするので、明智のライバルの刑事役に今井清隆さんが来てくださったことは、明智と黒蜥蜴、早苗との関係性も前回と変わってきます。そして今井さんに3曲歌ってもらい、由香とのダンスシーンもあります。初演を踏まえ、冷静になってセットチェンジも含めて、全体をくっきり立ち上げて、深いところにいけるようにしたいです。新作と言われたところから、新派のレパートリーの一つと言われるように熟成をさせていきたいです」とさらなる展望を語った。

〈公演情報〉
20180216_01
 
六月花形新派公演『黒蜥蜴─全美版─』
原作◇江戸川乱歩
脚色・演出◇齋藤雅文
出演◇喜多村緑郎 河合雪之丞 
春本由香 伊藤みどり 秋山真太郎(劇団EXILE)  今井清隆 ほか
●6/2〜23◎三越劇場
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉
チケットホン松竹 0570-000-489(10時〜18時)
三越劇場 0120- 03-9354 (10時〜18時30分)
チケットweb松竹(24時間受付)
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2018_kurotokage/



【取材・文・撮影/今村麻子】



 
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