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『ワンピース』の脚本・演出などでおなじみの横内謙介が主宰する劇団扉座。その劇団公演『リボンの騎士−県立鷲尾高校演劇部奮闘記2018−』が、6月に厚木と高円寺で上演される。
本作品は、手塚治虫の「リボンの騎士」を上演しようとする高校演劇部の熱く涙ぐましい奮闘を描くドラマで、横内謙介が20年前に旧セゾン劇場に書き下ろし、井ノ原快彦主演、河毛俊作演出で評判となった。今回はオーディションによって選抜した若き俳優たちと扉座メンバー、そして横内自身の演出で、2018年版として上演される。 
弱小演劇部が一念発起、手塚治虫の「リボンの騎士」を部員たちで上演しようとするが、次々と襲いかかる困難に打ちのめされていく…。
現実の厳しさを噛みしめつつ、友情を結び合い、淡い恋に揺れながら、少しずつ大人になっていく高校生たち。その姿を「リボンの騎士」の登場人物たちと交錯させながら描き出す青春群像劇だ。
この公演で中心メンバーとして参加する扉座の人気俳優2人、高木トモユキと砂田桃子に、本作にかける抱負を語ってもらった「えんぶ6月号」のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。

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高木トモユキ・砂田桃子

扉座のよさプラス
新しい何かを見せたい

──この作品についてはどんな形で知っていましたか?
高木 扉座の公演ではなかったのですがオーディション公演というのが2011年にあって、それに扉座の役者も何人か出ていたので、その時に観ています。横内さんの作品らしくマンガのキャラも出てきて、メインは演劇部の子たちの話でみんなで作品作りをするんです。僕もまだ若手でしたから、演劇部の生徒に感情移入しながら観ていました。
砂田 劇団のオーディションには毎回この『リボンの騎士』が入ってて、演劇部の主人公の女の子の長台詞があるんです。私はオーディションでは他の作品の台詞を選びましたが(笑)、横内さんの授業で『リボンの騎士』の長台詞にも挑戦しました。主人公の想いが詰まった良い台詞で、その分とても難しかったのを覚えています。
 
──今回はお二人が座組を引っ張っていく立場ですね。
高木 そうですね、自覚はあります。いつも扉座はゲストが必ずいるのに、今回は僕らと若手、あとは高校生役のオーディションで受かった人たちだけです。かなりの人数が出ますし、ほとんど初めて会う人ばかりですが、そういう人たちから受ける刺激で、いつもの扉座のよさプラス、新しい何かを見せられればいいなと思います。できれば先輩たちに「俺たちにはできないものを作ったな」と言ってもらえるようにしたいなと。
砂田 私は劇団の若手公演には、一度も出てないんです。だから今回は本公演でも若手公演的な新鮮さがあるので、すごく楽しみです。

責任ある立場を任され
これから劇団の主軸に
! 

──お二人の演劇歴も伺いたいのですが、高木さんは扉座に入ってもう14年目になりますね。
高木 まさにホームです。扉座でなかったら役者をやってないと思います。サッカーをしていて、そこから役者になったのですが、演技とか全然わからなくて困っていたら、ある先輩に扉座の研究所に入るように薦められて。何もわからない僕を一から育ててくれたのが扉座で、これからその恩返しをしていきたいと思っています。
 
──その中で役者として変化した大きなきっかけなどありますか?
高木 『夜曲』という作品で虎清役をさせてもらったときですね。本番で死んで倒れていたら、お客様の泣いてる声が聞こえてきたんです。それまでお客様の声なんて耳に入らなかったので、びっくりしたし嬉しかったですね。自分のやっていることでお客さんが感動している。演劇をやってよかったと思いました。
 
──砂田さんはまだ4年目ですが、なんと大学の工学部卒なんですね。
砂田 そうなんです。高校演劇をやっていて、大学時代は地元の社会人劇団で活動していました。東京で演劇をやりたいけど、どこに入ったらいいのかわからなくて。それで知り合いの裏方さんに相談したら、扉座に横内謙介という天才がいるからそこがいいよと。それまで扉座公演は観ていなかったんですけど、受けようと決めて、親の反対を押し切って上京したんです。
高木 反対されたんだ! 
砂田 地元で就職すると思ってたみたいで。研究所には入れたのですが、もしそのあと扉座に残れなかったら富山に帰ろうと決めていたんです。でも残してもらえて、そのうえこうして色々な役をつけてもらって、本当に幸せだなと思います。
 
──最後に改めてこの公演への抱負を。
高木 今回の公演で責任ある立場を任されましたが、これからも主軸にならなくてはいけないという意識を持って、劇団の底上げになるような役者を目指していきたいです。
砂田 トモ(高木)さんがいてくださると稽古場の雰囲気が全然違うんです。先輩後輩関係なく、がんばれよと声をかけてくれるので。私も今回は、オーディションメンバーや扉座の劇団員など、高校生役をやる子たちがみんな年下で。
高木 先輩だ!(笑)。
砂田 いつも先輩方に支えられていたので。今回は皆さんの支えになろうと思っています。
高木 演劇も団体競技なので、ちゃんと同じ方向を向いていることが大事で、それが強ければ強いほど、この作品の言葉が刺さると思います。お客様と一体になって、会場を盛り上げていきたいですね。

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高木トモユキ・砂田桃子 

たかぎともゆき○静岡県出身。02年扉座研究所入所。04年扉座入団。劇団公演だけでなく外部出演や映像など、俳優としての活動の場を広げている。最近の外部舞台は、『かたき同志』(明治座、15年)『おトラさん』(明治座、16年)ミュージカル『刀剣乱舞』〜幕末天狼傳〜(17年)、ミュージカル『刀剣乱舞』〜結びの響、始まりの音〜(18年)など。
 
すなたももこ○富山県出身。金沢大学工学部物質化学工学科を卒業後、12年扉座研究所入所。14年扉座入団。扉座での主な出演作品は、『おんな武将・NAOTORA』(14年)、『いとしの儚-100 Days Love-』(15年)、『郵便屋さんちょっと2016』『歓喜の歌』(16年)、『郵便屋さんちょっと2017〜P.S.I love you〜』『江戸のマハラジャ』(17年)など。

〈公演情報〉
#26

手塚治虫 生誕90周年記念公演
横内謙介 劇作生活40周年記念公演 第1弾
劇団扉座第62回公演
『リボンの騎士−県立鷲尾高校演劇部奮闘記2018−』
脚本・演出◇横内謙介 
原作◇手塚治虫 
作品提供・協力◇手塚プロダクション 
振付◇ラッキィ池田・彩木エリ(イカキック)
出演◇小笠原彩、小川蓮、加藤萌朝、KAHO、河北琴音、菊地歩、北村由海、紺崎真紀、白金翔太、菅野亜未、砂田桃子、中嶋紗耶香、野田翔太、藤川泰汰、松本旭平、三浦修平、安田明由、八尋由貴、山川大貴、吉田美佳子 / 新原武、高木トモユキ、伴美奈子
●6/16・17◎厚木市文化会館 小ホール
〈料金〉前売4,200円/当日4,500円 学生券1,500円(全席指定・税込)
●6/20〜7/1◎座・高円寺 
〈料金〉前売・当日共4,500円 学生券2,000円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉扉座03-3221-0530(平日12:00〜18:00/土・日・祝休・公演中12:00〜16:00 6月28日休)



【取材・文/宮田華子 撮影/安川啓太】
 

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