1.段田安則 (奥左から)木場勝己、佐藤誓、吉沢梨絵、高田聖子
木場勝己、佐藤 誓、段田安則、吉沢梨絵、高田聖子

井上ひさしが東京裁判と戦争の真実を問う『夢の裂け目』が、6月4日、新国立劇場 小劇場で開幕した。(24日まで)

本作『夢の裂け目』は、01年に新国立劇場の「時代と記憶」シリーズのひとつとして書き下ろされ、続いて、03年『夢の泪』、06年『夢の痂』と、市井の人々の生活から東京裁判、そして戦争の真実を問う「東京裁判三部作」が生まれた。その後、10年に「人はなぜ戦うのか」をテーマに三部作を一挙連続上演。改めて、風化させてはならない記憶、国家と国民の関係を描き、今新たに「日本人とは」ということを問いかける作品として高い評価を得た。そして新国立劇場開場20周年シーズンを迎えている今、劇場の財産として継承すべき1本として、この『夢の裂け目』が上演されることになった。
 
今回はキャストをほぼ一新、段田安則、唯月ふうか、保坂知寿、木場勝己、高田聖子、吉沢梨絵、上山竜治、玉置玲央、そして佐藤 誓と実力派の俳優たちが顔を並べている。
演出は2004年、2010年とこの作品を手がけてきた栗山民也が、今回も担当している。

2.(左から)段田安則、保坂知寿
段田安則、保坂知寿

【ものがたり】
昭和21年6月から7月にかけて、奇跡的に焼け残った東京、根津の紙芝居屋の親方・天声こと田中留吉に起こった、滑稽で恐ろしい出来事。ある日突然GHQから東京裁判に検察側の証人として出廷を命じられた天声は、民間検事局勤務の川口ミドリから口述書をとられ震えあがる。家中の者を総動員して「極東国際軍事法廷証人心得」を脚本がわりに予行演習が始まる。そのうち熱が入り、家の中が天声や周囲の人間の〈国民としての戦争犯罪を裁く家庭法廷〉といった様相を呈し始める。そして出廷の日、東条英機らの前で大過なく証言を済ませた天声は、東京裁判の持つ構造に重大なカラクリがあることを発見するのだが…。

演出・栗山民也  ―開幕によせて―】
井上ひさしさんは、いつも多様な笑いを生み出しながら、世の中の動きに対し、素直に怒ることを教えてくれました。敗戦のあくる年の焼け跡を舞台に、国の責任、個々人の責任を問うこの作品が、まるで2、3日前に書きあがったかのように、今の壊れゆくこの国の姿をくっきりと映し出しています。まさに、私たちが今、向き合うべき「記憶についての劇」でしょう。 

笑いと音楽をふんだんに盛り込んだ、深くて面白い井上流・重喜劇、新生『夢の裂け目』の誕生である!
 
〈公演情報〉
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新国立劇場 開場 20 周年記念  2017/2018 シーズン
夢の裂け目
作◎井上ひさし
演出◎栗山民也
出演◎段田安則 唯月ふうか 保坂知寿 木場勝己 
高田聖子 吉沢梨絵 上山竜治 玉置玲央 佐藤 誓
●6/4〜24◎新国立劇場 小劇場
〈料金〉 A席6,480円、B席3,240円、Z席1,620円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉 新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00〜18:00)
http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009665.html



【写真提供/新国立劇場 撮影/谷古宇正彦】



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