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ろりえの徳橋みのりが桃尻犬と共同製作して、7月6日(金)〜8日(日)下北沢OFFOFFシアターで『熊ん子リバーバンク』を上演する。作・演出は桃尻犬主宰の野田慈伸で“ギリギリでテンパりきってる人の群れの中で生きてる、なんかやばい感じ”のバイオレンスコメディ!になるという。桃尻犬の前回作品『メロン農家の罠』にいたく感動して、雑誌”えんぶ”でカラー6Pの特集を組んでしまった張本人えんぶ編集長が、公演立ち上げまでの経緯や作品の中味に興味津々! 企画発案者で主演(?)の徳橋みのりと、作・演出を担当する野田慈伸(桃尻犬主宰)に、インタビューを敢行した!


とにかく、野田慈伸作品に出たい!

——この企画はどういういきさつで始まったんですか?
徳橋 桃尻犬の前回公演『メロン農家』に出演して、すごく面白かったので、「次、いつやるんだ?」「またやりたい!」とはちょくちょく言ってたんですけど、野田さんは「そうだねー」みたいなこと言って1年経ってしまったので。「あ、これはすぐにはやらないぞ」と思って。で、「とにかくどうしたらやってくれるんだ?」って訊いたら「劇場を取ってくれたらやる」って言われたんで、年明けに下北沢の喫茶店に呼び出して、その場で劇場の空き状況を聞いて、劇場を取って。それから企画の内容を話をしました。
——小劇場っぽいエピソードですね(笑)。
徳橋 とにかく、野田さんに作・演出をやってもらおうっていうのと、それに自分も出してもらおうっていう魂胆でした。


今回は例外的な作品

——劇場を取って、下北沢の喫茶店でどんなお話をされたんですか?
徳橋 まず桃尻犬の公演にするのか、2人の企画公演にするのかっていうのを話して。わたしは野田さんにやって欲しいので、それだったら、桃尻犬の方が繋がるのでみたいな感じで。こう、ひとつずつ決めていきました。
野田  公演期間が仕込みから全部で3日しかないので。
徳橋 のりうちです。
野田 桃尻犬はけっこう舞台を建て込んだりしてるんですけど、今回はそれができないので。少人数で、抽象的というか、素舞台でやれる芝居にしようかな、と。
徳橋 最後にぼんやり誰呼ぶ? みたいのも話して、その日は解散した気がします。
——いつも作品を作るときは出演者から考えていくんですか? 
野田 いや、僕が作品を作る場合、先に決めるのは物語ですね。だから今回は例外的です。

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テーマはずっとやりたかった「暴力」

——イメージはできているんですね?
野田 テーマ的は、暴力についてずっとやりたかったんですけど、それだけで1時間半とか2時間近くやると、作品として難しいかなというのはずっと思っていて。だから今回は、ちょうど尺も短いし、少人数でできるんで。テーマにも合うし、ちょうどいいかなと。
——いつもとは少し違う作り方になるんですね。
野田 そうですね。最近、ちょっと怖くて(笑)。世の中が。普通に生活していても、そこらへんにいる人とかが、怖いなーって思う瞬間がけっこうあって。これって、皆そうなんじゃないかなって思っていて。だからそこで共感が得られるんじゃないかなと思った部分はありますけど。台本は、まだ、その、・・・手を付け始めみたいな段階ですが。(編注:このインタビューは6月2日に行われました)

勝手に「バイオレンスコメディ」に

——企画書にはバイオレンスだけど、コメディとも書いてあるりますね。
徳橋 わたしが勝手に書いたんです。
——(笑)。
野田 でもコメディにはなるかなぁと。
——コミカルな部分はいつも出てきているように思いますよね。
徳橋 野田さんが興味を持つことが、暴力とかちょっと性に寄ったりしているので。普通の方に薦めるときに、そのまま出しづらい。宣伝、つらいぞと思って。許可を取らずに「バイオレンスコメディ」って言いました。
野田 今回、表現の出し方としては笑いになると思うんですけど、それをお客さんに受け入れてもらえるように落とし込むのは、挑戦だなと思っていますね。

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今回の作品で何か現状を表せたら

ーー具体的に頭の中にあるお話は?
野田 ・・・。具体的にはあんまり決まってないんですけど、まだ(笑)。普通の生活をしている人達のところに、急に人が訪ねてきて、その人達によって、理不尽に暴力に巻き込まれるっていう話に、しようかなって思ってますが・・・。それとあと、なんかあんまり最近、自分がうまく行ってないので、いろいろ(笑)。
徳橋 そうなの、何が? 
野田 人生?(笑)。
徳橋 30歳だしね。
野田 そうそう、今年30歳になったんで。色々思うところがあって。そういううまくいかないことも、肯定にしろ、否定にしろ、今回の作品で何かできていればなぁとは思います。
——まぁ30歳でうまくいく人いたら気持ちが悪いですよね。
野田 そうですかね(笑)。
——正しい人生を歩んでいるんじゃないんですか?
徳橋 順調に(笑)。


ギリギリの状態が書けさえすれば

——作品の中で、今、考えてる見所や、具体的にこんなことがしたい、みたいなことはあるんですか?
野田 えっと、リバーバンクっていうタイトルなんですけど、川岸。背水の陣みたいな。川岸に追い詰められてる人たちの、なんか。で、川の中に熊がいるイメージなんですけど(笑)。ギリギリの状態が書ければなと思います。ギリギリの状態が書ければ、それは、その状態だけでおもしろいと思うんですけど。そこが書ければなぁと思ってます。
——徳橋さんは追い詰められる人? 追い詰める人?
野田 たぶん、両方ですね。みんな追い詰めながら追い詰められるみたいな感じになれば面白いんじゃないかなと思うんですけど。
——どうですか?
徳橋 企画者なんですけど、客みたいな意識もあるんで、どういうふうにしてくるんだ? っていう。何を出されても多分、喜んでしまう気がするので。・・・がんばってください(笑)。物さえあれば、あとはどうにでもがんばれます。


熊ん子って?

——言い足りないこととか何かありますか?
野田 熊ん子っていうのはご存じですか?
——えっ、
野田 日本で2個目に売り出された電動こけしの商品名らしくて。
——あー!
野田 すごい、100万個くらい売れたらしくて。めちゃくちゃ大ヒット商品らしいですよ。一番始めに売り出された電動こけしの名前は、踊るアラビア女っていう名前だった。
——じゃあ、いいタイトルですね。なおさら面白そうですね。徳橋さんはいかがですか?
徳橋 色々あるんですけど、企画書を書いたりとか、こんなに自分の名前を前面に出して公演をすることはないので・・・、思っていることを包み隠さず全部言ってるんで、本当に面白いと思いますので、ぜひ観に来てください!
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野田慈伸(桃尻犬)  徳橋みのり(ろりえ)
【公演情報】

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桃尻犬 みのりの公演『熊ん子リバーバンク』
作・演出◇野田慈伸(桃尻犬)
出演◇徳橋みのり(ろりえ) 海老根理 小林義典(クロムモリブデン)
橋爪未萠里(劇団赤鬼) 野田慈伸(桃尻犬)
7月6日(金)〜8日(日) 下北沢OFF・OFFシアター
問い合わせ momoziriken@gmail.com

【取材・文/坂口真人 撮影/矢崎亜希子】
 


『あなたの初恋探します』


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