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今公演をもって充電期間に入るDIAMOND☆DOGS (D☆D)の、15周年記念公演シリーズFINAL『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION 2018』が銀座の博品館劇場で上演中だ。

『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION 』は、ミュージカルの名場面、ビッグナンバーをD☆Dならではのダンスシーンも盛りだくさんに、ミュージカルコンサートを超えたミュージカルショーとして、ゲストを含めた全員で歌い踊る、D☆Dのショーステージの中でも、大きな特色のある人気公演として回を重ね、今回が4回目のステージとなる。この間多彩なゲストと共にD☆Dが創り上げてきた『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION 』は、演出・振付を手掛ける森新吾の場面から場面への流れが少しも途切れない流麗な展開と、遊び心と、何よりD☆Dメンバーの卓越したダンス力が加わって、ミュージカルの名場面・名曲の数々が、全く新しいD☆Dならではのここにしかないショーとして生れ出る醍醐味が、常に大きな興趣をもたらしてくれるものになっていた。

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ただ、今回の『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION2018 』にはもうひとつとても大きな意味があった。言うまでもなく、様々な活動を展開していたD☆Dが、この公演を持って一時充電期間に入り、同時に小寺利光とTAKAがD☆Dを卒業する、現メンバーでのファイナルステージになったことだ。正直この発表がなされた時にはかなり動揺した。初期にこそメンバーの入れ替わりを繰り返していたD☆Dだが、2010年に和田泰右が加入して以来、7人のメンバーがガッチリ固定して8年が経とうとしている。その間にD☆Dは破竹の勢いで様々なチャレンジを続け、メンバーの役割も個々大きくなり、いつしかD☆Dはずっと今のD☆Dのままで、歌って踊れるチョイ悪オヤジのカッコいいグループとなっても、活動し続けてくれるのだろう。と、こちらがうっかり思い込んでしまっていたから、充電、卒業という発表がほとんど寝耳に水の気分だったのだ。だから今のD☆Dのラストステージが『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION 2018』に決まった時には、あのミュージカルショーがまた観られる!という喜びと、その日がこなければ良いのになという気持ちが複雑に混ざり合ったものだった。
けれども、D☆D誕生の謂わば聖地である銀座博品館劇場で開幕した『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION2018 』に接して、そうした寂しさがある意味昇華されていくのを感じた。それほどこのステージは魅力的で、これまでの年月にD☆Dが培ってきたものと、これから見据えていくものとが共にそそり立つものに仕上がっていた。

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登場するたくさんのミュージカルナンバーが、D☆Dらしいテイストで再構築されていくのはもちろんなのだが、その数々の場面で彼ら1人ひとり個の力が大きく育っているのが如実に感じられる。彼らの先頭を走ってきた東山義久のカリスマ性にのみ頼らなくても、メンバーそれそれが素晴らしい瞬間を創り上げてくれる。全体を俯瞰している森新吾が、野性的でちょっと棘のある強烈な個性だけでなく、しなやかな柔軟性をも手にしていること。素晴らしい跳躍力で背中に翼があるかと思わせてきた中塚皓平が、芝居心を深めよりロマンチックな場面も担えるようになったこと。咲山類の伸びやかな歌唱力が、演技経験、ダンス経験を経たことで更に表現力を増したこと。ヒップホップダンスのやんちゃな躍動感が魅力の和田泰右が、エレガントなシーンにもきちんと対応できるようになったこと。そして、今回卒業する整った容姿とタップダンスで魅了してきた小寺利光が、より華やかに場面全体を率いる力を得ていること。触れたら傷がつきそうなほどにシャープなロックシンガーだったTAKAが、芝居にダンスにと陽気さ、明るさを前面に押し出していること等々。それぞれに進化を遂げたメンバーは眩しいばかりだし、そんな彼らに背中を見せながら尚、先頭をいくリーダー東山義久が、今回『ミス・サイゴン』のエンジニアのナンバー「アメリカン・ドリーム」を歌うことに象徴される、新たなステージに向かおうとしているD☆Dのステップアップが『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION2018 』には詰まっている。

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だから、D☆Dにとって卒業する小寺とTAKAを含めて、このステージは終わりでもお別れでもなく、はじまりなのだと信じることができた。特に2幕冒頭『ライオンキング』の「サークル・オブ・ライフ」の見事な表現は必見の美しさと躍動感に満ちていて、ここからはじまるD☆Dのサークル・オブ・ライフに期待を抱かせる出色の場面となっていた。

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ここに『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION2018 』ではすでにおなじみの顔となったイ・ヒョンが、抜群の美声だけでなくリズミカルに弾む歌も聞かせたばかりか、言葉の壁を超えたデュエットソングを披露いるのにはにはゾクゾクさせられる。D☆Dステージの常連ゲストである法月康平も、持ち前の歌唱力は言うに及ばず、ダンス力演技力で舞台を弾ませてくれる。紅一点の木村花代はイ・ヒョンとのデュエットの『オペラ座の怪人』や『レ・ミゼラブル』の「夢やぶれて」等で見せる正統派プリンセスの歌声はもちろん、『ウィキッド』の「ポピュラー」『メリー・ポピンズ』の「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」等、チャーミングに弾む楽曲も一手に引き受ける大活躍。何より今回初参加となる泉見洋平のマリウスと東山のアンジョルラスという、実際に帝国劇場の舞台で『レ・ミゼラブル』を演じた二人が中心となった『レ・ミゼラブル』コーナーは圧巻。この舞台全体を引き締めるハイライトになっただけでなく、更に木村とのデュエット『ミス・サイゴン』の「世界が終わる夜のように」や、『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」等、鉄板ミュージカルのロマンに溢れた場面も展開したのは、『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION2018 』全体の印象を高める大きな効果となっていた。

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そんな休憩込み2時間半のステージで繰り広げられたのは、40曲以上のミュージカルナンバーで、きっとこれから、このステージで歌われた数々の楽曲をまたどこかで耳にする度に、この『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION2018 』のステージを、現メンバー7人のD☆Dがいた夏を思い出すに違いない。珠玉のミュージカルナンバーが詰まったステージだけに、これまでもそうだったように映像として残すことは難しいだろう。だからこそこの7月4日までの特別な舞台を1人でも多くの方に観てもらいたい。それほど素晴らしいミュージカルショーを創り上げた彼らに敬意を表すると共に、彼らがそれぞれに進むこれからの道でどんな出会いが待っているのか、その明日にも期待している。

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〈公演情報〉
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DIAMOND☆DOGS 15周年記念公演シリーズ FINAL
『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION 2018』
構成・音楽監督◇宮誠
演出・振付◇森新吾
出演◇泉見洋平/東山義久、法月康平、イ・ヒョン/木村花代 
DIAMOND☆DOGS (森新吾、小寺利光、中塚皓平、和田泰右、咲山類、TAKA )
●6/27〜7/4◎博品館劇場
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉博品館劇場 03-3571-1003
http://theater.hakuhinkan.co.jp/pr_2018_06_27.html



【取材・文・撮影/橘涼香】




『あなたの初恋探します』



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