幕末3人全身

つかこうへい生誕70年にあたる今年、命日でもある7月10日を挟み、つかの本拠地、紀伊國屋ホールで生誕70年記念特別公演として『新・幕末純情伝』FAKE NEWSが、7月7日から紀伊國屋ホールで上演されている。(30日まで。近日中に舞台写真も掲載! )

幕末の京都を舞台に「新撰組の沖田総司が実は女だった」という、つかこうへいのユニークな着想で、1989年8月渋谷のPARCO劇場で幕を開けて以来、『熱海殺人事件』『飛龍伝』と並ぶつかの代表作の1つとして、幾度となく上演され続けてきた。
今回は演出に、日本のトレンディドラマの産みの親である河毛俊作を迎え、紅一点の沖田総司役にはNGT48元キャプテンの北原里英が初舞台として挑戦している。
そんな新しい『新・幕末純情伝』に向けて、坂本龍馬役の味方良介、土方歳三役の小松準弥、桂小五郎役の田中涼星に熱い抱負を語り合ってもらった「えんぶ8月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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小松準弥・ 味方良介・田中涼星


台本を読んでいると
石田龍馬の顔が出てくる

──味方さんは前回は桂小五郎役で、今回いよいよ坂本龍馬役です。
味方 嬉しかったんですけど、前回、石田(明)さんの龍馬をそばで観ていて、その記憶が頭にこびりつきすぎて(笑)。台本を読んでいても石田さんの顔が出てくるし(笑)、石田さんにも「俺は泥臭さの最高峰を行ったと思ってる。味方がどうくるか楽しみだ」と言われて。でもタイプは違うので、味方流の龍馬ができればと思っています。とにかくゼロスタートです。
──そして、つか作品に初参加のお二人ですが。
小松 僕は4年ぐらい前に初めて『新・幕末純情伝』を観て、まだ演劇経験も浅かったので、すごい迫力で熱い芝居だなという印象しかなかったんです。でも、そんな僕でも「つかこうへい」という名前は知っていて、その方の作品に出させていただくという緊張はありますが、今後の自分の糧にしていきたいと思っています。演じる土方歳三は、人間の弱さとかダメなところが集約されているような人物で、それこそ泥臭さの極みを出したいと思っているので、そこに挑戦したいですね。
田中 僕はつかさんの作品はまだ観たことなくて、でもこれまで凄い方々が出演されているので、そのプレッシャーもありつつ楽しみでもあります。味方さんが前回されていた桂小五郎役を演じますが、台本を読んだら「わっ」と衝撃を受けて。
味方 どこに衝撃を受けたの?
田中 やっぱり「じゃりじゃり」ですね(笑)。
味方 砂を食べるんだよね(笑)。桂は超体力を使う役で、ゼロからいきなりトップギアで、袖から出ていって、戻ってきたら目が真っ赤で全身汗だくになってるという(笑)。
田中 やっぱりそうですか。相当大変だろうなと思っていたけど(笑)。良介くんには共演したとき色々教えてもらったので、今回も教えてもらいたいなと。
味方 いや、今回そんな余裕ないから(笑)。

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ダメになりそうでも
途中で引かない!

──味方さんが25才で、小松さん24才、田中さん23才というフレッシュなメンバーですが、先輩としてつか作品へのアドバイスはありますか。
味方 とにかく一生懸命やる、がんばる(笑)。熱く熱く熱く、絶対に途中で引かない、自分がダメになりそうでも押し込んでいく、そこが大事かなと。最初にバーンと行くと普通落ちるんですが、落とさないで上げて行く。もうダメだと思ったところにもう1回踏み込む、みたいなことですね。
小松 『熱海殺人事件』とか観ていても、テンポとかエネルギー量が凄いなと。まずそれに付いていきたいし、自分は何も持ってなくてゼロからなので、どんどん食らいついていきたいです。
田中 今、話を聞いていたら、僕もこの作品で自分の限界を超えられるかもしれないと。桂という役も台詞も初めて出会うことばかりで、ちょっとがんばらないといけないなと。
味方 ちょっとじゃだめだから。
田中 すいません(笑)。全力でがんばります!
──お互いの印象はいかがですか?
味方 小松くんは初めてなんですが、『熱海殺人事件』で一緒だった多和田(秀弥)と同じ事務所だから話は聞いてて、「すごい良い子だから」と。実際良い子です。
小松 ありがとうございます。僕は味方さんの舞台は観ていて、すごいな、素敵だなと思っていたんですが、多和田くんに、「聞いたら教えてくれるから頼っていったらいい」とアドバイスしてもらったので、付いていきたいなと。
味方 たいへんだよ、お酒いっぱい呑むから(笑)。稽古時間より長くお酒呑んでるから(笑)。
2人 (爆笑)。
田中 共演したときも、とにかくリードしてくれるしフレンドリーなので、色々聞きやすいんです。勝手に兄貴みたいだなと。
味方 勝手だな。やめてもらえる?(笑)
田中 (笑)優しいし、頼もしい兄貴です。

幕末3人バストアップ

沖田総司が輝くように
会場中に愛されるように

──小松さんと田中さんは俳優5年目で、それぞれ舞台からスタートしているのですね。
小松 僕は蜷川幸雄さんの『ロミオとジュリエット』(2014)で、アンサンブルでしたが、最初のセリフを言う役で、出来なくて稽古時間を2時間くらい使わせてしまいました。蜷川さんは稽古中は確かに厳しいんですけど、普段は優しくてすごく愛のある方だったので、全然つらくなかったです。すごく良い経験でした。
田中 僕も初舞台の『K』で出来なさすぎて、演出の末満健一さんに本番のマチソワの間に稽古をつけてもらうという状態で、出来ない自分が口惜しかったです。でも千秋楽には「よくがんばった」と褒めてもらって。根性だけはつきました。
──味方さんはキャリア豊富ですが、つか作品に出て一番良かったことは?
味方 諦めること、ですね。舞台が始まったらとにかく進む、行く、しかないんです。それまではへんな計算とかあったんですけど、始まったら頭で考えても追いつかない。もちろん台詞には意味があるんですけど、とりあえず大きな声で言ってみる。そうすると何か生まれる。その感覚が正解だったりするんです。その気迫がカンパニー全体にも必要で、誰か1人でもカッコつけようと思ったら、みんなでそいつをぶっつぶしに行くという(笑)。戦いですからカッコつけたら負けなんです。
──新参加の二人も鍛えられそうですね。
味方 でも田中くんは一緒に出たときもカッコつけてなかったよね。
田中 共演した作品はすごいスピードで喋る場面もあって、なりふりかまわずやるしかなかったんです。力が抜けて楽しかったです。
小松 僕は『ALATA』が良い経験になっています。殺陣の手数が1000手以上あって。
味方 (早乙女)友貴くんの役だよね。
小松 はい。しかも稽古時間があまりなくて不安でしたけど、「もう考えるのやめよう」と思って、舞台に体を預けました。それでなんとか乗り越えたので、そういう感覚を学べたのは大きかったです。
──三人のぶつかり合いが楽しみです。最後に改めて意気込みを。
田中 今回、初めてのつか作品です。自分の全力で踏み込んでいきます。
小松 これまで先輩方の築き上げてきた作品なので、自分の魂をぶつけていきたいです。人の弱さとか愛とか、そういうものに全身全霊で向かっていきたいと思います。
味方 お客様には前回のイメージが残っていると思いますが、それを全部壊して、今回が一番記憶に残るようにしたいです。みんなでつかさんの言葉を大事に、座長で沖田総司役の北原里英さんが輝くように、会場全体が沖田を愛するような、そんな作品になるようがんばります。

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小松準弥・ 味方良介・田中涼星

みかたりょうすけ○東京都出身。舞台を中心に活躍中。2011年デビュー。最近の主な出演作品は、『新・幕末純情伝』、舞台版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『熱海殺人事件』、〜崩壊シリーズ〜『リメンバーミー』、舞台『幽劇』、『ウエアハウス〜Small Room〜』、『ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania -』、『熱海殺人事件』、舞台『Take me out』など。
 
こまつじゅんや○宮城県出身。2014 年、NINAGAWA×SHAKESPEARE LEGEND機悒蹈潺とジュリエット』で舞台デビュー。2016年『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズをきっかけに俳優として本格始動。最近の出演舞台は、超進化ステージ『デジモンアドベンチャーtri.〜8 月1日の冒険〜』、『ポセイドンの牙Version蛤』サムライ・エンターテインメント『アラタ〜ALATA〜』など。

たなかりょうせい○新潟県出身。2014年、舞台『K』で本格役者デビュー。15年〜16年ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンにおいて青学・乾貞治役を約2年間務める。近年の舞台作品は、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』シリーズ、Live Musical『SHOW BY ROCK!!』シリーズ、舞台『幽劇』、ミュージカル『Dance with Devils』シリーズなど。2018年秋に映画『BLOOD CLUB-DOLLS』が公開予定。

〈公演情報〉 
新・幕末純情伝PR
『新・幕末純情伝』
FAKE NEWS
作◇つかこうへい 
演出◇河毛俊作
出演◇北原里英 味方良介 小松準弥 田中涼星 
増子敦貴 松村龍之介 細貝圭 ほか
●7/7〜30◎紀伊國屋ホール
〈お問い合わせ〉東京音協 03-5774-3030 (平日11:00〜17:00)







しあわせの雨傘


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