『熱帯樹』出演者五名写真(ヨコ)
林遣都 岡本玲 栗田桃子
鶴見辰吾 中嶋朋子

世田谷パブリックシアターでは三島由紀夫作、小川絵梨子演出による『熱帯樹』を2019年2〜3月に上演する。出演者は林遣都、岡本玲、栗田桃子、鶴見辰吾、中嶋朋子、“禁断の愛”に墜ちる家族の葛藤を描いた戯曲だ。

権力者の父親を憎みながら母と妹の異常な愛に翻弄される息子・勇役を演じるのは『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(17 年/演出:小川絵梨子)にも出演し、小川からの信頼も厚い林遣都。愛する兄に母を殺させようとする妹・郁子役を演じるのはドラマや映画などを中心に活躍し、昨年には劇団た組。『壁蝨』で舞台初主演を務めた岡本玲。父親の妹で4人の家族と共に暮らす風変わりな叔母・信子役には昨年の世田谷パブリックシアター『岸 リトラル』(演出:上村聡史)で熱演をみせた実力派の栗田桃子。地位や名誉を手に入れながらも、息子と対立し妻の不貞を疑わぬ父・恵三郎役には年齢と共に魅力を増し、世田谷パブリックシアターで上演中の『チルドレン』(制作・パルコ、演出:栗山民也)にも出演している鶴見辰吾。そして、莫大な財産を狙い息子に夫を殺させることを企む勇の母・律子役には舞台上で唯一無二の存在感を誇る中嶋朋子。栗田と共演した『岸 リトラル』では、鮮烈ながらも慈愛に満ちた演技で好評を博した。
三島由紀夫ならではの流麗なセリフと、ギリシャ悲劇さながらのドラマチックなストーリー展開を、綿密なセリフ劇の演出に定評のある小川が、この魅力的な5名のキャスト陣といかに立ち上げていくだろうか。

【あらすじ】
1959年秋の日の午後から深夜にかけて。資産家の恵三郎は、己の財産を守ることにしか関心がなく、妻・律子を自分の人形のように支配している。律子は夫の前では従順だが、実は莫大な財産を狙い、息子の勇にを殺させることを企んでいた。その計画を知った娘の郁子は、愛する兄に母を殺させようとするが……。
いびつな愛に執着する律子と郁子、権力者の父を憎みながら母と妹に翻弄される勇、地位や名誉を手に入れはしたが息子と対立し妻の不貞を疑わぬ恵三郎、そしてそこに同居する恵三郎の妹で風変わりな信子、それぞれの思いが交錯し……。

コメント】
小川絵梨子宣材写真  (c)加藤孝
小川絵梨子[演出]
以前から、三島由紀夫の戯曲には興味を持ちつつも、なかなか挑戦する機会が無かったので、今回この作品を劇場側からご提案頂いたことが、とても嬉しかったです。
『熱帯樹』の世界観は寓話的でもあり、五人の登場人物たちは誰もが寂しくて孤独なんですが、実は一人一人が物凄く逞しさや力強さに満ち溢れていて、そこがたまらなく面白く思え、この五人からなる家族という単位の小さな集合体に、今とても魅力を感じています。
本作が書かれたのは 1960 年ですから、既に半世紀以上も前なんですが、たとえ時代設定を現代に移し替えなかったとしても、今を生きる俳優の身体を通して上演することで、作品の世界観をリアルに表現することができるのではないかと考えています。
今回、俳優の皆さんは初めて創作を共にする方が多いのですが、唯一林遣都さんとは昨年の舞台でご一緒していて、私にとって大変信頼のおける俳優さんでもあります。
この戯曲を上演するにあたって、前々からご一緒したいと願っていた俳優の皆さんと、どのように稽古場でチャレンジを続けていけるのか、今からとても楽しみです。(小川絵梨子談)
 
〈公演情報〉
世田谷パブリックシアター
『熱帯樹』
作◇三島由紀夫
演出◇小川絵梨子
出演◇林遣都 岡本玲 栗田桃子 鶴見辰吾 中嶋朋子
●2019年2月〜3月◎シアタートラム







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