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TRFのSAM、ETSU、CHIHARUがプロデュースし「ダンスで魅せる舞台」を創り上げる『DANCE REPUBLIC』。ダンスによる多彩な表現力と熱いパワーが好評を博したこのステージの第2弾『DANCE REPUBLIC〜form of desire〜』が10月6日〜8日まで東京・竹芝 NEW PIER HALLで開催される。内容は、日本昔話をモチーフにした第1弾から一転、人間であれば誰しもが持つ「欲望」が今回のテーマになる

【STORY】
新作の打ち合わせを進めている悩める作家(SAM)と編集者(ハルキャロウェイ)が、書き込まれた4つのキーワードを見つめていると、4人の男たちの物語が動き出すところからはじまる。
「地位」を求める社長(GOTO)、「名声」を求める男(岩永ジョーイ)、「お金」を求める営業マン(PInO)。彼らは運良くそれらのものを手に入れていく。一方、ひたすら「真面目」に努力し踊り続けている青年(KTR)は、何も変わらぬ日々を過ごしていた。
彼らの成功を目の当たりにした青年は焦り、自分の信じた道は正しいのかと苦悩し葛藤する。しかし青年は一筋の希望を見つけ立ち上がる。その頃、3人の男たちが運良く手に入れた「地位」「名声」「お金」は脆くも崩れ去っていく……。

作家が描くこの物語の未来とは?渦巻く欲望の行く末で彼らが気付く、信じるべきものとは一体何なのか?が、精鋭ダンサーによるダンスで表現され、最も大切な「純粋で真っ直ぐな心」の大切さが浮かび上がる舞台となっている。
そんな新しいステージへの意欲に燃えるSAM、ETSU、CHIHARUが、舞台への意気込み、また『DANCE REPUBLIC』シリーズの目指すものを語り合ってくれた。

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ETSU、SAM、CHIHARU
 
ダンスだけでSTORYを伝えることに
手応えを感じた舞台

──「ダンスで魅せる舞台」を掲げて昨年からスタートした『DANCE REPUBLIC』の第2弾公演となりますが、まず昨年の舞台で感じた手応えから教えてください。
SAM 発表会のようなダンスの舞台はずっとやってきていましたが、一般の方にご覧頂く公演としては去年はじめて創って。台詞を全く言わずにダンスだけで表現しようとしたので、どうなるか?という思いもあったのですが、考えていたよりもしっかりSTORYや世界観が伝わったので、ダンスの可能性が新たに見えたという感じがしています。
CHIHARU  群舞にとても迫力があって、観にきてくださった方からも「感動した!」という感想をたくさんいただきましたし、ダンスのパワーなどをダイレクトに伝えられたのかな、と思いました。
ETSU  やっぱり「わかりやすかった」という反応を多くいただけたことが一番嬉しくて。ダンスでSTORYを伝えることができたという手応えがありましたし、ダンサー自身からも「力になった」という声がたくさん聞けたので良かったなと思っています。
──特に皆さんこの公演の立ち上げの時に「ダンスが主体になる公演が、年に1回でもあるのとないのとでは、ダンスに向かう姿勢が変わってくる」というお話をされていましたが、そのあたりにも感じることが?
SAM そうですね。やっぱり皆がモチベーション高く頑張ってくれたと思います。
──そんな公演が継続して第2弾を迎えるのは素晴らしいことですが、今回のコンセプトはどのように?
SAM 去年は群舞ですとか、若いダンサーたちのパワーを前面に出していったので、今年はプロダンサーたちの踊り込まれた、個人技を中心に創っていこうと思っています。ですから全体で踊るパワーと言うよりは、ダンスの味とか、ある意味のダンスの本当の良さが伝わるものにしたいと思っています。
──では去年とは違うものを目指しているのですか?
CHIHARU そうです。全く違うものになっていますね。
SAM 去年は群舞によるストレートなパワーを見せようと思っていたので、STORYも日本昔話をモチーフにしてものすごくわかりやすいものにしていたのですが、今年はSTORY自体にも深みをつけて、内面的なものも見せていくようにしているので、そういう意味でも本当にダンス力、表現力が要求されるものになりますから、そこをしっかり出せていければと。
──人の持つ上昇志向や、欲望というものにフォーカスされているとのことですが、そこに着目したのは?
SAM ダンスに限らず色々な世界でもそうだと思うのですが、欲望だけに囚われていった時、人って大切なものを忘れてしまいがちだし、周りが見えなくなっていくと思うんですね。ですから一番大切な本質的な部分を忘れないようにしよう、というのは常日頃自分自身に問いかけながらやっていることでもあるんです。中でもダンスの世界はそれがダイレクトに現われる世界でもあるので、純粋で真っ直ぐなものの大切さをテーマに持っていったというところもあります。
──内省的な問題にクローズアップしていくということで、やはり振付などにも前回とは異なる面が?
CHIHARU シーン毎に「こういう設定で」ということが決まっていっているので、そこをどう表現するかは振付にも関わってきますね。もちろん内面的な葛藤も踊りで表現していきますが、更に映像なども使いながら、自分を信じていくこと、努力や、ひたむきに頑張ることの大切さを伝えられたらと思っています。
ETSU 場面、場面で振付をしてくださる方達も、そこをすごく追及してくれていますね。

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「もっと高く足を上げたい」
という気持ちは変わらない


──ひたむきに頑張ることの大切さと同時に、例えば若いダンサーの方達の中には皆さんのように踊れるようになりたい、という思いがモチベーションになっている方も多いかと思いますが、翻って皆さんご自身の欲や、それに向かう為のモチベーションを保つものはなんですか?
SAM 年齢を重ねると周りに色々なものが付帯していって、やらなければならないことに集中できなくなったりすることもあるので、そういう意味でも純粋な気持ちを持っていなければいけない、という部分がすごく大きくなるんですね。この作品で訴えようとしている「純粋な心」を必ず持ち続けていようという気持ち自体が、モチベーションかなと思います。
CHIHARU 私の欲は単純で、ダンスが上手くなりたいという思いですね。ただそれだけでずっとやってきました。良いダンサーでありたいと思い続けています。
──それは永遠に変わらないものなんですね。
CHIHARU そうです。この年齢になったからこそできるものが必ずあると思うので。
──例えばダンスをはじめたばかりの方は、もっと足が上がるようになりたいという気持ちがまず一番だったりするのかな?と思いますが、それができている今はもっと深い表現を模索したり?
CHIHARU それは常に追求していますね。もちろん未だに「もっと高く足を上げたい」とは思うんですけど(笑)。でもできること、できないことを自分の中では受け入れて、表現していきたいです。
ETSU 私の欲は未だに「足を高く上げたい」(笑)。
CHIHARU うん、もちろんそうだよね!(笑)。
ETSU そこは諦めたくないと言うか(笑)、常にそこを目指してやり続けていきたいです。
──楽曲に関しては、またTRFの音楽も聞けるのでしょうか?
CHIHARU 何曲かは使いますし、新しいものもあります。
SAM 基本的にはTRFの楽曲も使いながら、去年は既存の楽曲を使用しましたが、今年は舞台のオリジナル楽曲もあります。
──それは日本で創られるステージという方向性を更に強く打ち出すという意図でしょうか?
SAM ゆくゆくはオリジナル楽曲で創るステージにしていきたいという目標があるので、その第一歩という気持ちです。

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ダンサーたちが目標にできる
舞台を目指して

──昨年は構成で参加された岡村俊一さんが、今回は演出にも加わりますが、それによって去年とは確実に違っているという部分も?
SAM 岡村さんはすごくソフトで柔軟で、とても話しやすい方なので、アドバイザーとしても、演出の部分でも本当に勉強になっています。今回もSTORYを深く考えていこうとした時に、この世界観を表現するにはやはり自分たちだけでは難しいだろうと思い、岡村さんと一緒にやらせて頂けることになりました。構成を作る段階から「こういうことをやりたいなら、こんなやり方がある」とか、様々な提案をしてくださいます。すごいなと思うのは、岡村さんは決して否定をなさらない方で。こちらが「やりたい」と言ったことに対して「だったらこういう方向性でいけば実現できる」ということを常に考えてくださるんですね。「それはよくない、こっちの方が良い」とは絶対におっしゃらない。そこはすごく素晴らしいですし、やりやすいです。
CHIHARU やはり演技に関しては私たちではわからないところがあるんです。「このシーンはこんな感じでこういう演技をして欲しい」というディレクションができないんですね。ダンスならそれはできるのですが。でも岡村さんは「それだったらこの立ち位置の方がよく見える」とか「それを表現したいのなら、こう動いた方がいい」とかを的確に指示して頂けるので、ありがたいです。
ETSU 本当に安心感がありますね。例えばちょっと不安だなと思うところに関しても「それはこれで良いんだよ」とおっしゃってくださるので、安心して創ることができています。
──皆さんが目指しているものが、確実に形になっているんですね。その中で『DANCE REPUBLIC』を、今後更にどういう形で発展させていきたいですか?
SAM まだ来年以降のことは考えられていないのですが、ダンスで魅せる、ダンスで表現することにどうアプローチしていくか?ということは、常に考えながらやっています。自分達が踊っているのは基本的にはストリートダンスですが、違うジャンルのダンサーの方と組んだり、更にもっと意外な世界の方と組むということも、ゆくゆくはやっていきたいと思っています。ショーダンスとして新しいものを創っていけたらいいですね。

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CHIHARU やはりこれがダンサーの「仕事」になっていって欲しいですね。そうなって初めてダンサーが同じ方向を見て、このステージに向かう時間を最優先して稽古ができる、皆で更に良いものが創れると思うので、それが一番の目標です。
ETSU 同じ気持ちなのですが、やはり「仕事」としてしっかりしたものにしていきたいし、そのステージに乗る人たちもプライドを持って臨んでいけるようにしていきたいので、そこを目指していきたいです。
CHIHARU ダンサーが目標にできるような、「この舞台に立てたらスキルの高いダンサー」と認められることに通じる、レベルの高い舞台にしていきたいです。
──ダンサーの方々をはじめ、もちろん観客の皆さんも、志高く創っていくこの舞台が継続していくことに期待を寄せていると思います。今回の舞台を楽しみにしているそんな方たちへメッセージをお願いします。
SAM 去年よりは出演者の人数もスリムになっていて、伝えたいことも明確に、またダンスも観易くなっていると思います。見応えのある舞台になると思いますので、是非楽しみにしていてください。
CHIHARU 去年は若いパワーと群舞の迫力を存分にお見せしましたが、今年は1人ひとりのダンサーの力量が良く見える、ちょっと大人な感じのショーになると思いますので、また去年とは違ったダンスの良さを感じにいらしてください。
ETSU それぞれのダンサーの個性と技術、表現力など、個々の良さを楽しんでいただける舞台になっていますので、私たちだけでなく、出演者1人ひとりを楽しみに観ていただけたらと思います。是非会場に足をお運びくだい。お待ちしています!

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■プロフィール
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さむ〇15歳でダンスに開眼。単身NYへダンス留学し、スタジオでクラシックバレエやジャズダンスの基礎を学ぶ一方、ストリート・ダンス、ハウス・ダンスなどを修得。あらゆるジャンルのダンスをバックボーンに持つダンサーとして、活躍を続けている。また、TRFはもちろん、SMAP、東方神起、BoA、V6その他多数のアーティストの振付、コンサートプロデュース、更にダンス・イベントのオーガナイザーや新人アーティストのプロデュースなどその活動は多岐に渡っている。

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えつ〇6歳で民族舞踊(インド舞踊,日舞)を習い始め、18歳でジャズダンスに魅せられNY、ロサンゼルスなど様々な公演に出演。その後MEGAMIXに参加。TRFコンサートはもちろん、野猿、安室奈美恵などの振付、演出、構成に携わるなど、クリエーターとしても才能を発揮。また、幼いころから趣味で抽象画を描いており、独特の色彩センスを生かした絵画での活動も展開している。

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ちはる〇5歳からクラッシクバレエ、18歳でジャスダンスに目覚め、1年間NYにダンス留学。92年「TRF」に参加。同時にSAMP、安室奈美恵、工藤静香、浜崎あゆみなど多数のアーティストの振付、コンサート演出など、クリエーターとしても多彩に活躍。TRFの活動を通じ、パフォーマンスの場を提供すべく全国各地でダンサーを募集。その試みは、04年、全国5大都市のa-nationステージのオープニングを飾った。

〈公演情報〉
ダンリパ_表
ダンリパ_裏
 
『DANCE REPUBLIC 〜form of desire〜』
プロデュース:SAM、ETSU、CHIHARU(from TRF)
構成・演出:岡村俊一  
出演:SAM ETSU CHIHARU
ハルキャロウェイ PInO GOTO  KTR 岩永ジョーイ MONNA  
EMI、Meg、MaRi、Suguru、SuGuRu、Daichy Salas、KEIN、JUMPEI
福永ありさ M!KU 蒲原文海 寺島彩乃 他
●10/6〜8◎東京・竹芝NEW PIER HALL
〈料金〉7,000円(全席指定・税込)  
〈オフィシャルTwitter〉 @dancerepublicJP
〈お問い合わせ〉イベントインフォメーション 0570-550-890 (平日13:00〜17:00) 
 



【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】





『ハンサム落語第十幕』


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