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世田谷パブリックシアターの「現代能楽集」シリーズは、狂言師である芸術監督・野村萬斎が、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の私たちの舞台創造に活かしていきたいと考え、生まれたシリーズ。第九弾となる今回はフィジカルシアターの旗手、小野寺修二を構成・演出に迎え、日本最古といわれる物語文学『竹取物語』の再生に挑んでいる。(シアタートラムにて、17日まで)
 
出演には演技派女優の小林聡美・貫地谷しほり、そして小田直哉(大駱駝艦)、崎山莉奈、藤田桃子などのダンサーや、能楽師の佐野登(能楽師 宝生流シテ方)、また古川玄一郎(打楽器奏者)とのコラボで、新たな『竹取』の世界を構築している。

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舞台美術と言えるものは伸縮する白いゴム状の長い紐だけ。それをダンサーが操り、物語に添って形を変えて、世界を変えていく。その中で、「かぐや姫」の成長と別れの物語が綴られていく。

現代的な衣裳や髪型の登場人物とダンサーたち。だが彼らが踊る「昔話」の世界からは、プリミティブな闇や怖ろしさのようなものまで、立ち上がってくる。

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ダンサーたちの動きはあるときは整然と、あるときは自由で、そのどの瞬間も美しい。そんな生き生きした空間を、まるで「死」のように静かに横切っていく能楽師。彼のいる空間は異界のようであり、決して交わらないように見える。
 
03. 撮影:青木司_W0Q1700

「昔話」の結末と同様、「かぐや姫」は月へと帰って行く。残された翁の叩く太鼓が凄絶だ。愛するものを失った叫びは、宇宙を切り裂くかのように響き渡り、聞くものの心を乱れさせる。 

小野寺修二が描いたこの『竹取』の物語は、観るものの五感のすべてに訴えかけるフィジカルで深遠な舞台となった。

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〈公演情報〉
現代能楽集宗愧歇茵
構成・演出◇小野寺修二
脚本◇平田俊子  
音楽◇阿部海太郎
企画・監修◇野村萬斎
出演◇小林聡美 貫地谷しほり
小田直哉(大駱駝艦) 崎山莉奈 藤田桃子 古川玄一郎(打楽器奏者) 佐野登(能楽師 宝生流シテ方)
●10/5〜17◎シアタートラム



【文/佐藤栄子 写真提供/世田谷パブリックシアター 撮影/青木司】

 


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