1.(右から)柄本明、石倉三郎

ノーベル文学賞を受賞した20世紀を代表する劇作家ハロルド・ピンターの『誰もいない国』が新国立劇場 小劇場で11月8日、開幕した。
 
本作は1975年ロンドン、ナショナル・シアターでピーター・ホール演出により初演された作品で、今回の演出は新国立劇場に初登場の寺十吾が、ピンター研究の第一人者である喜志哲雄とともに上演台本を作成、緻密な演出でピンターの世界を描き出している。また、出演者は柄本明、石倉三郎、有薗芳記、平埜生成という4人の男優で、それぞれ個性溢れる実力派が揃った。

2.(右から)石倉三郎、有薗芳記、柄本明、平埜生成

【物語】
ロンドン北西部にある屋敷の大きな一室。ある夏の夜、屋敷の主人ハーストとスプーナーが酒を飲んでいる。詩人のスプーナーは、酒場で同席した作家ハーストについて家まできたようだ。酒が進むにつれ、べらべらと自らをアピールするスプーナーに対し、寡黙なハースト。スプーナーは、共通の話題を見出そうとハーストに話をふるが、もはやそれが現実なのか虚構の話なのかわからない。そこへ、ハーストの同居人の男たちが現れて・・・。

3.(右から)石倉三郎、柄本明、平埜生成、有薗芳記

劇作家ハロルド・ピンターの世界は、個人のアイデンティティの危うさや、社会の欺瞞、あるいは人間関係の不安定さを、鋭く切り詰めた言葉で、時に過激に表現し、登場人物のキャラクターを崩壊寸前まで突き詰め、21世紀になった今でも、現代人の心に深く突き刺さる。この『誰もいない国』もまた、一室のなかで繰り広げられる会話を通して、パワーバランスの変化や、関係の曖昧さ、確信できない過去が浮かんでは消え、果たして会話の内容が真実なのか一種のゲームを演じているのか、虚実のわからなさを楽しむピンターの世界が繰り広げられる。

4,(右から)柄本明、石倉三郎
 

〈公演情報〉
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『誰もいない国』 
作:ハロルド・ピンター
翻訳:喜志哲雄
演出:寺十吾
出演: 柄本 明 石倉三郎 有薗芳記 平埜生成
●11/8〜25◎新国立劇場 小劇場
〈料金〉A席6,480円 B席3,240円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
https://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_011667.html



【資料提供/新国立劇場 撮影/宮川舞子】




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