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KAAT神奈川芸術劇場で、長塚圭史演出、風間杜夫主演による舞台『セールスマンの死』が、11月3日から上演中だ。(18日まで。のち愛知、兵庫公演あり)
 
芸術監督・白井晃のもと行われている、KAATならではのプログラミング、創作活動の1つで、劇作家・演出家として意欲的な活動を続ける長塚圭史が、アメリカ現代演劇の金字塔として知られるアーサー・ミラーの名作戯曲に取り組んでいる。
本作は、主人公ウィリー・ローマンの死に至る最後の2日間を描き、1989年、ニューヨーク劇評家賞、ピューリッツァ賞を受賞。テネシー・ウィリアムズとともにアメリカ現代演劇の旗手と呼ばれるアーサー・ミラーの地位を確立した彼の代表作。現代の日本・家族にも通じうる、競争社会の問題、親子の断絶、家庭の崩壊、若者の挫折感など、第二次世界大戦後に顕著になったアメリカ社会の影の部分を鋭くえぐっている。

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主人公ウィリー・ローマンには、40年以上にわたり舞台・映像の第一線を走り続ける風間杜夫。その妻リンダ・ローマンには、映像や舞台で活躍する片平なぎさ、舞台出演は『木の上の軍隊』以来5年ぶり。主人公の長男ビフを演じるのは、舞台や映像で独特の存在感を示し、長塚圭史らと「新ロイヤル大衆舎」を結成するなど活躍中の山内圭哉。主人公の次男ハッピーは、小劇場からミュージカルまで話題の舞台作品に欠かせない個性派俳優、菅原永二が演じている。また主人公の上司ハワードには、阿佐ヶ谷スパイダースの伊達暁、ビフの友人バーナードを演じるのは劇団「拙者ムニエル」の看板俳優・加藤啓。バーナードの父で、ウィリーの友人チャーリーには、舞台・映像で渋い演技が光る大谷亮介。主人公の兄ベンは、昨年上演された『子午線の祀り』で大きな存在感を示した実力派俳優・村田雄浩という豪華な俳優陣だ。

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〘STORY〙
舞台は1950年代前後のアメリカ。かつて敏腕セールスマンだった主人公ウィリー・ローマンは60歳を過ぎ、仕事ではかつてのような精彩を欠き、二世の社長にはお荷物扱いされている。妻のリンダは夫を尊敬し献身的に支えているが、30歳を過ぎても自立出来ない2人の息子達とは過去のある事件により微妙な関係だ。セールスマンこそが夢を叶えるにふさわしい仕事だと信じてきたウィリーが、家族のため、そして自分のために選んだ道は・・・

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今回の上演初日(プレビュー)を終えた演出家、出演者から以下のコメントが発表された。

【コメント】
長塚圭史(演出)
プレビューということで、僕たちも余白を持って、稽古で積み上げてきたものをきちんとお客様の前に出すことができ、良いスタートが切れました。
『セールスマンの死』は、戯曲そのものの魅力を正確に伝えなければならないというのは勿論ですが、この戯曲を相手取り俳優たちがどう輝けるかというのがすごく大切なんだと思います。そういった意味でも、風間さんを始め、頼もしく誇らしく見ることができました。
立体化してみて、改めて優れた戯曲だと思い知らされました。これを体現していくことは俳優たちにとってもただならぬことですが、高い集中力で最後までやっていきたいです。

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風間杜夫(ウィリー・ローマン役)
終わった時、やり遂げられた、(役を)生ききったという爽快感がありました。興奮で声が枯れそうになってしまったくらい、ウィリーという男を演じる喜びを感じました。役者って、「憑依する」とか「降りてくる」という話をよく聞きますが、僕にも楽日までには何かが降りてこないかな、と思っております。
つかこうへいのところから始まり、69歳というこの年まで色々な作品と向き合ってきましたが、これまでの一つ一つの経験や蓄積から生み出せるものがこの役にはあると思います。そういう意味でも、『セールスマンの死』は一つの節目になる作品だと思います。

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片平なぎさ(リンダ・ローマン役)
いつも初日は、緊張でがたがたと震え、ふらついてしまう位なのですが、今回はとてもよい緊張感があり、演じていて心地よく、こんな経験は初めてでした。あがったり、震えたりということもなく、冷静で落ち着いている自分がいました。
きっとお稽古を密にしっかりとやったおかげだと思います。これだけお稽古をやったのだから大丈夫。という思いが自信になっているのだと思います。
これから千秋楽までセリフに慣れていってしまうことなく、この緊張感を最後まで持ち続けていけたらと思います。

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〈公演情報〉
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『セールスマンの死』
作◇アーサー・ミラー
翻訳◇徐 賀世子
演出◇長塚圭史
出演◇風間杜夫 片平なぎさ 山内圭哉 菅原永二
伊達暁 加藤啓 大谷亮介 村田雄浩 ほか
●2018/11/3〜18◎KAAT神奈川芸術劇場 <ホール> 
〈お問い合わせ〉チケットかながわ  0570-015-415(10:00〜18:00) 
〈料金〉S席8,500円 A席6,000円(全席指定・税込)
U24チケット3,000円 高校生以下割引1,000円 シルバー割引(満65歳以上)8,000円 
※U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわのみ取扱(前売のみ・枚数限定) 

<愛知公演>
●2018/11/29・30◎東海市芸術劇場大ホール 
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)U-25チケット4,500円(税込)
〈お問い合わせ〉メ〜テレ事業 052-331-9966(祝日を除く月−金 10:00〜18:00)

<兵庫公演>
●2018/12/8・9◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 
〈料金〉A席6,000円 B席4,000円(全席指定・税込)  
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス  0798-68-0255


【資料提供/KAAT神奈川芸術劇場 撮影/細野晋司】




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