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九州男児劇(おとこげき)『せなに泣く』。本作は、熊本県出身の田上豊(田上パル主宰)が作・演出を担当し、九州出身の8名の俳優たちと共に、北九州に約1ヵ月半滞在して制作されたもので、11月29日(木)〜12月2日(日)に北九州芸術劇場小劇場で上演される。
「児童養護施設で親の背中を見ることなく育った5人の男たちのドラマを軸に、社会や時代との狭間に葛藤する男たちの揺らぎや痛み、仲間との絆の物語」になるという。メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲に乗せて、熱き九州男児の血潮を秘めた男たちが奏でる、「笑いと嘆きの人間ドラマ」に期待したい!

Mr.Tanoue

【作・演出/田上豊(田上パル)コメント】
 九州男児の熱さというものをずっと考えていくと、近代化が進みITの時代へ移行する中で、九州男児という特性を持つ人間像というのはやっぱり時代に合わなくなってきているのではないかと。何かひとつ時代が変わっていく中で消えていこうとしているものがあるかもしれない、そこには何かしらの痛みが伴うのでは、という所から物語を着想しました。
 僕の家の近所に事情があって親御さんと一緒に住めない子ども達が住んでいる寮があって、そこの子ども達とうちの子ども達が時々遊んでいまして。自分も子どもを育てている中で、一緒の家で両親やいろんな愛を、恩恵を受けられない子達もいると思った時に、九州男児の特性と組み合わせて、存在は知っているけれど実際に接してみないと分からない、痛みを伴うような弱者といわれるものを演劇作品として描いてみたいと思いました。暗い話のように聞こえるかもしれませんが、近所の子ども達もとても明るくて、ただ家に帰るとそういう現実も待っている。そういう思いを台本にのせて、8人の熱い出演者と共に、演出家だけが引っ張るのではなく、世界観や人間像をみんなでディスカッションを重ねながら、全体で一丸となってかたちを作っていく、そういう現場自体が、企画の根底にある熱い劇をつくる事にもなるのではと思います。
 物語としては、現在地点から出発して昭和から平成にかけての時代を、現在地と過去とを行き来しながら重層的に描こうと思っています。テーマ曲としてメンデルスゾーンのピアノトリオ第1番と第2番、通称メントリという曲があるのですが、この曲は4部構成ですごく印象の違う4つの曲がセットで1つの曲になっていて、その印象で劇もつくっていきたいと思います。3年前に北九州で東筑紫学園高校の皆さんと作品をつくった時、自分は18歳で東京に出てしまったので、土のにおいや海のにおいを感じながら、周りにあふれる九州の方言等にも触れながら作品をつくる事がこんなにも活力が沸くのだなという事を改めて感じたのですが、今回は年齢層も幅広い男性ばかりで、どのような作品になって皆さんの胸に届くのか、九州男児の劇ですが、色んな方の胸に響くようにつくりたいと思っています。

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(C)トミタユキコ

【ものがたり】
九州の何処か。少子高齢化が進んだこの街は、今やゴーストタウンのような不気味さが漂う。
福祉事務所の吉村が訪れた街外れの一軒家には、目の見えない男と、弟らしき人物が暮らしていた。
かつては児童養護施設として、不遇な運命に立ち向かう男たちの、最後の砦であった「後藤寮」。
秀才のマサハル、荒くれ者のせいちゃん、ひっつき虫のやー。高倉健に憧れる寮長、と、新入りの兄弟。
授業参観、運動会、母の日にクリスマス。親のいない彼らにとっては、
世間の日常が、いつも微かな痛みと共に押し寄せる。
自分を信じ、仲間を信じ、昭和と平成を駆け抜けた男たちの、笑いと涙の記憶。

【公演データ】
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(C)トミタユキコ

北九州芸術劇場プロデュース/九州男児劇
「せなに泣く」
11/29〜12/2◎北九州芸術劇場 小劇場
作・演出◇田上豊(田上パル)
出演◇有門正太郎(有門正太郎プレゼンツ) ぎたろー(コンドルズ) 椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス) 寺田剛史(飛ぶ劇場) 日盞鴫陝FUKAIPRODUCE羽衣)荒木宏志(劇団ヒロシ軍) 河内哲二郎 五島真澄(PUYEY)

製作発表会見の模様は下記動画で公開しています。
▼製作発表会見ロングver

▼製作発表会見ダイジェストver


極上文學『こゝろ』


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