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毎年、世田谷パブリックシアター主催で行われている、若い才能の発掘・育成のための“シアタートラム ネクスト・ジェネレーション”。本年は、らまのだ『青いプロペラ』が選出され、その公演が本日、11月29日から12月2日まで、シアタートラムで上演される。

今回選ばれた「らまのだ」は、2015年より活動を始めたばかりだが、劇作をつとめる南出謙吾は日本劇作家協会新人戯曲賞などこれまで様々な戯曲賞を受賞。また演出の森田あやも、日本演出者協会主催「若手演出家コンクール2016」で優秀賞を受賞するなど、実力が着々と評価されてきた今勢いのある団体だ。
上演される作品『青いプロペラ』は、山あいの小さな町の老舗スーパー「マルエイ」を舞台に従業員たちの日常を描いた作品。“平温”な日常の中で繰り広げられる焦点をずらしたやりとりから、不合理な人間の本質を浮かび上がらせる。また、全編石川弁で上演される。

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【あらすじ】
山あいの小さな町の老舗スーパー「マルエイ」は、隣町の大型ショッピングセンターの出店に揺れている。
反対運動も繰り広げるも従業員たちに切迫した様子は無く、どこかその運命を受け入れているようにすら見える。
だが、かつては、マルエイも、地元商店街に壊滅的な打撃を与え、ここに出店したのだ。

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【コメント】
この公演の初日を前に主宰・演出の森田あやと劇作の南出謙吾からコメントが届いた。

森田あや(主宰・演出)
本日は数ある演劇の中から、「らまのだ」を選んで観に来て頂き誠にありがとうございます。
「らまのだ」を始めて3年が経ちました。この公演は旗揚げ公演の再演です。私たちの原点の作品です。
この出発のお芝居をシアタートラムという素敵な劇場で上演できることがとても嬉しく、今でも夢のようだと正直信じられない思いです。
決して楽しいだけではなかった三年間の創作を経て、今改めてこのお芝居に帰ってきて、わたしたちはなにを創りたいのか、なにを伝えたいのか、そんなことがより明確になってきたことを感じます。
南出も私も口を揃えて、私たちは派手ではないといい、特別な何かをしない事で、創り出せる手触りがある、瞬間があるのではないかと模索し続けてきました。
今、目の前にいる人間の瞬間の生き様を、そのままの味、そのままの色で味わって欲しいと思っています。澄ましていても、もうどこか壊れてしまって、上手には生きていけなくなってしまっている彼らが、わたしたちの毎日に少しだけ前を向く力をくれるかもしれないのです。

南出謙吾(劇作)
いま、世間は劇場に足が向かいはじめている。
舞台芸術の手法は工夫され挑戦を重ね多様化し、感覚に豊かに訴えかけてくる。やれそれもっとやれの気持ちだ。その混沌の中、私はアリ地獄の様に密やかに静かに、この淡泊な作品で待ち構えていた。すそ野を広げる役割は果たせなくとも、能力が欠如していたとしても、広がったすそ野を固める役割を果たしたい、やれるとおもう、奇を衒うことを徹底的に避け、一瞬の心情や条件を切り取る、意図的な高揚を嫌いスケッチに徹する。この作風、手法こそが、社会の行き場のない腹立たしさや報われなさの中にうごめく、人の営みを拾うにはふさわしいと考えてきた。見つめるべきものに集中させるため、余計なものはそぎ落とし、一方で、それそのものは不必要に飾らない。この作業から、日本語戯曲の強みを活かし、味わえると確信しています。
本日は、ご来場心より感謝いたします。

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〈公演情報〉
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シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.11 
らまのだ『青いプロペラ』
作◇南出謙吾
演出◇森田あや 
出演◇富川一人(はえぎわ) 田中里衣 林田航平 福永マリカ 今泉舞 斉藤麻衣子 井上幸太郎 猪股俊明
スティールパン演奏◇STARS ON PAN
●2018/11/29〜12/2◎シアタートラム
〈料金〉3,500円(全席指定・税込)  
※高校生以下 1,750円、U24 1,750円などはHPで詳細を確認してください。

<ポストイベント>
〇11月30日(金)14:00の回 終演後
スティールパンミニライブ
出演:実近友里恵 飯野顕 岩崎有美(STARS ON PAN) 
〇12月1日(土)17:00の回 終演後
ポストトーク
出演:瀬戸山美咲 森田あや 南出謙吾



【資料提供/世田谷パブリックシアター 撮影/友澤綾乃】





『新春浅草歌舞伎』


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