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福岡県出身の俳優で作家・演出家としても活躍中の入江雅人と、同じく福岡県出身の俳優・池田成志が、20年も前からあたためていた企画がついに実現。その作品『帰郷』が1月25日から東京 俳優座劇場で開幕する。(2月3日まで。そののち2月8日〜10日、福岡 イズムホールで公演)

物語は1980年、福岡…真夏の暑い夜。しげお、向井、香月、長崎、竜彦の5人は、学校のはずれの部室で秋の文化祭で上映するホラー映画を撮影していた。そこで彼らが体験する不思議な出来事とは…?

キャストは池田成志に加えて、NHK「サラリーマン・NEO」で楽しい福岡弁コントの掛け合いをしていた入江雅人と田口浩正のコンビネーションが再び実現。そして坂田聡、尾方宣久、岡本麗といった実力派が顔を並べる。出演者全員が福岡出身だけに本物の福岡弁で、青春の終わりをセンチメンタルタッチに描く新作だ。
この熱い地元愛のこもった舞台を作ろうと思った理由などを、入江雅人に話してもらった「えんぶ2月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

入江

青春時代の話と
ゾンビ化した日本を絡めて

──今回の作品は、入江さんの一人芝居で何度か上演していたものがベースになっているそうですね。
評判の良い作品で、もう4回くらいやっています。登場人物の高校時代の思い出を、ゾンビパニックが起きた後の福岡の話に絡めた30分くらいの話ですが、毎回ちょっとずつ変えてやってて、今回はその長編バージョンになります。
 
──長編になることで大きく変化するところは?
一人芝居の方は男友達2人ドライブに行く話なんですけど、この公演では彼らの高校時代からの前日譚も付けて、そこに至るまでの青春時代の話とか、ゾンビから逃げながら東京から福岡に帰る話とか、福岡の人たちにゾンビ事態が刻々と迫ってくる話とか、エピソードを新しく書いて足しました。
 
──ゾンビを何度も素材にしているその理由は?
生きることと死ぬことの話になるので、題材として面白いと思っているんです。家族とか友人がゾンビになって起き上がってくる。それって笑いも切なさも描けるんじゃないかなと思って。ゾンビものは一人芝居以外でも長編も含めて、たぶん10本くらい書いているのですが、この『帰郷』という作品でゾンビものの集大成というか、その面白さを全部詰め込めたらと思っています。

故郷に対する思いは
複雑でそれぞれ違う

──出演者の方たちは、皆さん入江さんと付き合いのある方ばかりですか? 
成志さんとは長い付き合いで、田口君もNHKの「サラリーマンNEO」で何年も一緒でした。坂田くんは飲みの席でしか会ったことないんですけど、出ている舞台はよく観ていました。尾方君は一人芝居を観に来てくれて出会ったのですが、調べたら出身地が福岡で、線の細い弱い役が欲しいなと思っていたので、「お、ここにいた!」みたいな(笑)。岡本麗さんも、「サラリーマンNEO」にゲストで来られた時にお会いしてて、是非、お母さんで出ていただこうと。
 
──福岡出身の方たちがこういう形で結集して、故郷でも上演するというのは素敵ですね。やはり故郷への思い入れを感じます
故郷に対する思いってそれぞれ違うし複雑だと思うんですよね。僕の場合は、夢を追うために、ある意味故郷を捨てて出てきたわけで。懐かしくもあるし、好きなとこも嫌いなとこもあるし、切なさもあったりする。ただ、年を取るにつれ帰りたくなります。のんびりするなら福岡がいい。食べ物も美味しいし(笑)。
 
──福岡弁というのも今回、楽しみなファクターです。
福岡弁って、わりと東京の方にも楽しんでもらえるんですよね。テンポがいいというか、何人かで話してるとちょっとしたグルーブ感というか、盛り上がり感があるんです。バカバカしいことを福岡弁で言うとよりバカバカしくなるし、悲しいことは、面白いけど切ないみたいなニュアンスになる。なかなか特殊な言葉です。それをリアルに福岡出身の役者さんで、しかもゾンビものでやってみたいと思っていたんです。 
 
──そういう意味では福岡出身の人にとっては、とくに嬉しい公演になりますね。最後に意気込み、アピールをぜひ。
福岡出身の役者さんたちによる本物の福岡弁の芝居ですから、東京でも福岡感を味わってもらえると思いますし、福岡出身で東京にいる人たちにはぜひ観て欲しいです。そして福岡公演は、出演する全員にとって、里帰り公演なので、みんな楽しみにしています。ぜひ福岡のお客様に同郷の役者たちががんばっている姿を観ていただければ。ゾンビもので福岡弁ですが、青春への思いが込められた作品ですから、観ている方それぞれに、どこか共感していただけると思います。

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いりえまさと○福岡県出身。横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)の同期、ウッチャンナンチャン、出川哲朗らと劇団SHA・LA・LAを結成。映画、TV、舞台と幅広く活躍中。近年の主な舞台は『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない』、国産第1号『安心』、『クラウドナイン』、『演劇部のキャリー』(作・演出のみ)など。作・演出・出演の「グレート一人芝居シリーズ」も精力的に発表している。

観劇レビューはこちら
http://kangekiyoho.blog.jp/archives/52069027.html 

〈公演情報〉
帰郷PR
 
『帰郷』
企画・作・演出◇入江雅人
出演◇池田成志 田口浩正 坂田聡 尾方宣久 岡本麗 入江雅人
●1/25〜2/3◎東京・俳優座劇場、
●2/8〜10◎福岡・イズムホール
〈料金〉6,800円 プレビュー公演(1/25)5,800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉
東京公演/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (全日10:00〜18:00)
福岡公演/ピクニックチケットセンター 050-3539-8330 
(平日11:00〜17:00) 
 
〈公演HP〉https://www.kikyou2019.com/





【構成・文/宮田華子 撮影/友澤綾乃】




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