kinema_senden0202_small(撮影:西村祐介)

ケラリーノ・サンドロヴィッチが描くロマンティック・コメディ『キネマと恋人』が6月に再演される。
本作は2016年に初演され、連日観る人を温かい気持ちに包み込む傑作で、第4回 ハヤカワ「喜劇悲劇」賞や、作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、紀伊國屋演劇賞個人賞や読売文学賞戯曲・シナリオ賞に輝くなど、高い評価を受けた。今回は3年ぶりに、作・演出のKERAをはじめ、オリジナル・キャストやスタッフもそのままに、会場はシアタートラムから世田谷パブリックシアターに移しての待望の再演となる。

作品内容は、傑作を生み出し続けるアメリカ人映画監督ウディ・アレンの映画『カイロの紫のバラ』(1985年製作、86年日本公開)に、インスパイアされたKERAが、背景を1936年(昭和11年)の日本、架空の「 梟島(ふくろうしま)」の港町に置き換え、登場人物たちは架空の方言を話すという設定で作り上げた。この時代の日本は、政治・経済・文化のどの領域でも、世界恐慌の煽りを受けていた激動の時代であり、大正ロマンの残滓と昭和モダンが花開いた時期。庶民の娯楽の座を占め始めていた映画は、まさに市井の人々の心のオアシスだった。そんな時代背景を踏まえて、銀幕の俳優への女性の淡い恋心をめぐる騒動を、KERA ならではのファンタジックでビターなコメディに仕立てている。

【あらすじ】
昭和11年、東京から半年遅れて映画が上演される、梟島の小さな映画館が舞台。ハルコにとって映画
は生き甲斐。ある日いつものように映画を観ていると、銀幕から寅蔵が話しかけてきて―――

騒動の渦中の二人を演じるのは、妻夫木聡と緒川たまき。『キネマと恋人』初演時がKERA作品への初出演となった妻夫木聡は、映画・テレビにて次々と主演作が公開され、どのような監督・脚本の作品でもキャラクターを演じ切る日本を代表する俳優のひとり。舞台俳優としてもこれまで野田秀樹作・演出作品に5作出演、パリ国立シャイヨー劇場の舞台も踏んだ実績がある。本作では、『カイロの紫のバラ』同様、“映画の登場人物”と“映画俳優”の二役を演じ分け、その演技力を遺憾なく発揮する。
緒川たまきが演じるのは、夫との貧しい生活のなかで、唯一の楽しみは映画館で映画に浸ることだと
いう健気な女性。緒川自身、『カイロの紫のバラ』は好きな作品で、映画版のミア・ファローのように無垢な透明感と色香を併せ持つ緒川は、初演時にもその純朴でチャーミングなキャラクターで人々を魅了した。
緒川演じる女性の妹役には、ともさかりえ。映画では描かれていない姉妹のコントラストを描き出す。個性が光る役所を数多く演じてきたともさかが、映画にはない新たな彩りを加える。
この3人を取り巻く人物を演じるのは、緒川の夫役の三上市朗のほか、佐藤誓、橋本淳、尾方宣久、ナイロン100℃のメンバー廣川三憲と村岡希美、そして小野寺修二の振付を体現するダンサーたち。
スタッフには映像監修・上田大樹や振付の小野寺修二をはじめ、KERAの世界観を見事にステージ上に現出させるメンバーが再集結。スタッフそして一人ひとりの魅力があふれるキャスト陣が3年ぶりにタッグを組んで、傑作『キネマと恋人』を再び届ける。

〈公演情報〉 
世田谷パブリックシアター+KERA・MAP #009
台本・演出◇ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演◇妻夫木聡 緒川たまき
ともさかりえ
三上市朗 佐藤誓 橋本淳
尾方宣久 廣川三憲  村岡希美
崎山莉奈 王下貴司  仁科幸 北川結 片山敦郎
●6/8〜23◎世田谷パブリックシアター
〈チケット一般発売〉4月13日(土)
〈料金〉一般 S席7,800 円 A席4,800 円 U24・高校生以下は半額 ほか
〈チケット取扱い〉 世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515 (10〜19 時)
【ツアー公演】
●6/28〜30◎北九州芸術劇場 中劇場
●7/3〜 7◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
●7/12〜 15◎名古屋市芸術創造センター
●7/20・21◎盛岡劇場 メインホール
●7/26〜28◎りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場




『僕のド・るーク』


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