稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『江戸のマハラジャ』

記者発表ルポ

ヤン ジョンウンの演出で浦井健治がイプセンの名作に挑む!日韓文化交流企画『ペール・ギュント』制作発表会レポート

『ペール・ギュント』制作発表会フォトセッション_パターン3_S
 ヤン ジョンウン・浦井健治

ノルウェーが誇る劇作家イプセンによる『ペール・ギュント』は、真の自分をどこまでも追い求める、150年経った今も古びない壮大な「自分探し」の物語。その戯曲が、今年開場20周年の世田谷パブリックシアターで12月に上演される。演出は平昌冬季オリンピックの開・閉会式の総合演出を務めるヤン ジョンウン。主演には浦井健治、そのほか日韓20名のキャストが演じる舞台だ。
 
この『ペール・ギュント』は、シェイクスピアに次いで世界で2番目に多く上演されているノルウェーの偉大な劇作家・詩人ヘンリック・イプセンが、150年前の1867年に書いた「劇詩」。エドヴァルド・グリーグによってかの有名な劇音楽が作曲され、1876 年に初演。通常の戯曲形態をとらない異色の本作は、無限の表現が考えられることから、あまたのアーティストの想像力を刺激し、今日まで上演され続けてきた。真の自分をどこまでも追い求める男の一生を描いて、執筆から150年簁った今も古びない壮大な「自分探し」の物語で、ヤン ジョンウン演出は、音楽やダンス、日本語と韓国語が飛び交う、エネルギッシュな舞台となる。

『ペール・ギュント』制作発表会(撮影:宮川舞子)

この作品の制作発表会が、昨日、10月24日、世田谷パブリックシアターにて行われた。
登壇者は、上演台本・演出のヤン ジョンウン、タイトルロールのペール・ギュントを演じる浦井健治、ペールの恋人ソールヴェイの趣里、ペールの母親オーセほかを演じるマルシア、ソールヴェイの父役の浅野雅博、見知らぬ乗客役のキム デジン、緑衣の女役のダギョンという顔ぶれで、稽古中の本作への手ごたえなどを語ってくれた。

【コメント】

 ヤン ジョンウンさん(撮影:宮川舞子)
ヤン ジョンウン(上演台本・演出)
稽古が始まって1週間が経ちましたが、すでに日韓の役者とスタッフが演劇という文化を通してボーダーレスな関係を築き上げていて、「人間はみんな似ている」という普遍的な同質性を強く感じています。これからどういう旅路になるのか期待でいっぱいです。(韓国で自身が芸術監督を務める「劇団旅行者(ヨヘンジャ)」にならい命名した)我々「劇団ペール・ギュント」が「人生の中で生きていくこと、死んでいくこと」への問いかけを提示できたらと思っています。この作品はペールが自分を探し出す物語ですが、この作品に関わっている人それぞれの自分探しの物語、また現代人が混乱のなかで自分を見失うところから自分を発見する物語にもなりうるでしょう。イプセンの哲学的なテーマ、そして私の自分探し、旅路というテーマなど、この作品に込められた多義的なテーマがお客様にもオーバーラップして伝わっていけば幸いです。
 
『ペール・ギュント』制作発表会 浦井健治さん(撮影:宮川舞子)
浦井健治(ペール・ギュント役)
笑顔とエネルギーに満ちている家族のような現場です。稽古というよりは“play”、遊びのようであり、またある意味修行のようでもある濃密な時間を稽古場で過ごしています。この“劇団ペール・ギュント”の船旅が新大陸なのか、理想郷なのか、そういったどこかに着く頃には、日本も韓国も国なんか飛び越えて、イプセンが描いた人間、自分探しにおける一番大事なことに辿りつけたらと思います。さまざまなメッセージが込められている作品ですので、お客様の一人ひとりに十人十色の感想を持ち帰っていただきたいです。このエネルギーが皆さんに伝わると良いなと思っています。ぜひ、クリスマスも大晦日も一緒に旅に出かけましょう。
 
『ペール・ギュント』制作発表会 趣里さん(撮影:宮川舞子)
趣里(ソールヴェイ役 ほか)
昨年夏のワークショップでヤンさんや韓国のキャストの方々とお会いし、自分自身と向き合い、相手を見つめ、共有するという貴重な体験をしました。ぜひこの作品に参加したいと思っていたので、今日この日をみなさんと迎えることができて嬉しい気持ちでいっぱいです。稽古が始まって1週間ですが、濃密な時間が過ごせている気がします。言葉の違いも感じないようなエネルギーは、絶対お客様にも伝わるはずだと思っています。観ていただくお客様が『ペール・ギュント』という自分探しの旅にみなさんにも参加していただけるような舞台になればいいなと思っています。
 
 浅野雅博さん(撮影:宮川舞子)
浅野雅博(ソールヴェイの父役 ほか)
言葉の壁が心配でしたが、韓国のみなさんが「なんでこんなに愛が溢れているのか」と思うほど愛情深く、そんな心配は杞憂に終わりました。まだ稽古が始まり一週間ですが、言葉や国境の壁を芸術は簡単に超えてしまうものだということを目の当たりにしています。またこんなにニコニコされているヤンさんですが、心の中にとても熱いマグマがふつふつと燃えているような方です。今回のカンパニーは韓国、日本関係なく一個人として集められて、まずはヤンさんの鍋でぐつぐつ煮えて、それから形づけられていくのだろうと思います。若い座組ですがみんなで楽しさと苦しさを分かちあいながら、最後にみんなで万歳をして終われたらと思います。
 
 キム デジンさん(撮影:宮川舞子)
キム デジン(見知らぬ乗客役 ほか)
今回日本の俳優の方と舞台で初めて共演しますので、昨年のワークショップからとても楽しみにしていました。『ペール・ギュント』に出演するのは今回で4回目です。一度演じたものを再び演じるのは大変なことですが、以前とは違う新しいものをつくりたいというのが役者の心理です。この挑戦には期待感もあり、同時に怖さもありまして、稽古は楽しいのですが、集中力とエネルギーをすごく使います。宿舎に帰るとぐったりです。けれども、このような素晴らしい環境で、素敵な仲間と出会えることはそうそうありません。個人的な抱負は、千秋楽のその日まで、この場にこの仲間と“ここ”に存在していたい。そう強く思っています。
 
 ユン ダギョンさん(撮影:宮川舞子)
ユン ダギョン(緑衣の女役 ほか)
日本は私にとってとても大きな影響を与えてくれた国で、いつか日本の俳優の方々と一緒に仕事がしてみたいと夢見ていました。それが今回叶って、ここにいることがとても幸せです。稽古を通して、言葉が通じなくてもお互い心で感じ合えることはこれほどまでに自分を豊かにしてくれるんだ、私はこれに出会うために芸術活動をしてきたのではないかという思いでいます。言語も、年齢も、性別も、国境も越えて、人生で感じたことや、幸せ、痛みを見せ合い、お互いに感じ合い、涙したり笑ったり踊ったりしています。今まで生きてきて、これほど他人の話に耳を傾けたことがあったろうか。今までこれほど、胸の内を人に伝えたことがあったろうかと思うほど、稽古場の一瞬一瞬が魔法にかけられているようです。今のままの自分でいい、今のままの自分でもみんなと一緒にいられる、そういうなぐさめと、お互いの人生に対する祝福、そういうことを分かち合える作品になることを心より願っています。
 
『ペール・ギュント』制作発表会 マルシアさん(撮影:宮川舞子)
マルシア(ペールの母オーセ役 ほか)
国境を越え、言葉を超え、すべてを超えた舞台がすでに始まっています。稽古では、魂から生きる、子どもになる、あらゆる自分に化ける、自分の中にある自分をさらけ出すという作業を繰り返し、毎日筋肉痛で、自分が生きていることを実感しています。ペール・ギュントは「旅」をしますが、私自身も毎日「旅」をして、自分と戦って生きていますし、みなさんもそうだと思いますので、共感して観ていただけると嬉しいです。きっと皆さんの想像を超える舞台になると思います。素晴らしい旅を、ぜひとも、遊園地に行った気分でご覧ください。ありがとう、カムサハムニダ、ムイトオブリガーダ、サンキュー、愛してる!

『ペール・ギュント』制作発表会フォトセッション_パターン1_S

〈公演情報〉
日韓文化交流企画『ペール・ギュント』
世田谷パブリックシアター+兵庫県立芸術文化センター
世田谷パブリックシアター開場 20 周年記念公演
『ペール・ギュント』
原作◇ヘンリック・イプセン
上演台本・演出◇ヤン ジョンウン
出演◇浦井健治/趣里 万里紗 莉奈 梅村綾子 辻田 暁  岡崎さつき/浅野雅博 石橋徹郎 碓井将大 古河耕史 いわいのふ健 今津雅晴 チョウ ヨンホ/キム デジン イ ファジョン キム ボムジン ソ ドンオ/ユン ダギョン マルシア
演奏◇国広和毅  関根真理
●12/8〜24◎世田谷パブリックシアター
  12/6プレビュー公演
〈料金〉一般S席(1・2階)8,800円 A席(3階)5,400円/プレビュー公演一般S席(1・2階)7,300円 A席(3階)4,400円/高校生以下・U24 は一般料金の半額、ほか各種割引あり(全席指定・税込)
〈一般発売開始〉2017年9月24日(日) 10:00〜
〈お問い合わせ〉世田谷パブリックシアターチケットセンター  03-5432-1515
●12/30〜30◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール



【撮影/宮川舞子 資料提供/世田谷パブリックシアター】




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河鹹照の初演出で名作オペラ『トスカ』を上演!稽古場レポート&囲みインタビュー

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新潟、東京、金沢、魚津、沖縄5都市による全国共同制作プロジェクトとして、10月15日のりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館を皮切りに、12月7日の沖縄コンベンションセンターまで、プッチーニの歌劇『トスカ』が、映画監督・河鹹照の演出による《新演出》作品として上演される。

全国共同制作プロジェクトとは、日本のオペラの振興を目的とした平成21年度から開始されたプロジェクト。近年では野田秀樹演出でモーツァルト『フィガロの結婚』(平成27年度/全国10都市 計13公演)、笈田ヨシ演出でプッチーニ『蝶々夫人』(平成28年度/全国4都市 計5公演)等を開催し、好評を博している。
 
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今回の大きな話題は、映画監督の河鹹照が演出を手がけることで、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、最新作『光』も、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されるなど、その才能を高く評価される河鶸篤弔、初めてオペラと取り組み、どのような『トスカ』を作り上げるのか、大きな期待が寄せられている。
さらに注目は、映像と舞台美術の融合で、河鵑龍い希望で舞台美術をデザインするのは、ニューヨーク在住の気鋭の建築家・重松象平。河麥┐い訐こ最高峰の映像スタッフと、世界をまたにかけて活躍する建築家とのコラボは、この作品に新たな息吹を吹き込むことだろう。

また歌手陣は、ヨーロッパ最高峰の歌劇場で活躍する名歌手、ルイザ・アルブレヒトヴァ(ソプラノ)とアレクサンドル・バディア(テノール)を招聘するとともに、三戸大久(バリトン)や森雅史(バス)三浦克次(バス・バリトン)など世界水準の歌手陣が競演する。
指揮は、新潟・魚津・沖縄を大勝秀也、東京・金沢は広上淳一がつとめる。

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原作の舞台は、ナポレオン時代(1800年代)のローマ。恋人同士の画家カヴァラドッシと歌姫トスカ。そこへ警視総監のスカルピアに追われた友人アンジェロッティが逃げ込み、彼をかばったことによりカヴァラドッシは処刑され、最後にはトスカも身を投げてしまう。
河鹹照による新演出『トスカ』の舞台は、古代日本の雰囲気が漂う「牢魔」という名のとある集落。そこで起きるスリルに満ちた陰謀、壮絶な愛と死を、「祝祭の1日に起きた悲劇」として描き出し、その悲劇性の中から一筋の光を見出し、死と生をテーマに未来へ向けた希望を描き出す。
役名もトス香〈トスカ〉、須賀ルピオ〈スカルピア〉、カバラ導師・万里生〈マリオ・カヴァラドッシ〉、アンジェロッ太〈アンジェロッティ〉、堂森〈堂守〉、スポレッ太〈スポレッタ〉というかたちで日本名に変えて、まったく新しい『トスカ』像を作り出す公演となる。その開幕を間近に控えた稽古場で、場面の一部をプレス用に公開、また囲み取材が行われた。

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【稽古場レポート】
どこかリラックスした趣の稽古場で、トス香〈トスカ〉のルイザ・アルブレヒトヴァと須賀ルピオ〈スカルピア〉の三戸大久に、河鹹照が丁寧に演出をつけている。時折り凛とした表情も見せる河鵑らは、今作にかける並々ならぬ決意が読み取れる。演出プランはすでに整っているようだ。
場面は食卓を囲んでいるシーン。三戸が演じる須賀ルピオが、トス香をどのように誘惑していくかについて河鵑汎念に話している。河鵑六宛佑留薺擦鮓ながら、トス香にどのように接していくのが良いのか詳細にアドバイスする。

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トス香役のルイザ・アルブレヒトヴァも、通訳を通しながらも真剣に聞いている。彼ら3人のやり取りから新しい『トスカ』を作り出すための情熱がうかがわれる。新しいものを貪欲に吸収しようとする三戸の真摯な表情と、それを受け止め、トス香の演技を膨らませようとする熱心なルイザ。オペラ通ならずともその名を知っている名作オペラ『トスカ』に、どのような新しい光を差し込ませるか、河鵑稜い想いや、燃え盛る情熱が胸に刺さってくるような稽古風景だ。

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いよいよその場面が始まる。トス香の運命を握っている須賀ルピオの三戸の迫力あるバリトンの歌声は圧倒的で、聴く者を引き込んでいく。
ルイザもそこでトス香の有名なアリアを披露するのだが、その深い悲劇性に満ちたソプラノは絶望を感じさせ、涙を誘う。

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最後に倒れた須賀ルピオに燭台を置き、彼の体の上に赤い羽をゆっくりと置くトス香。愛のために生きようとするトス香の激しくも美しい生き方が、河瀬監督の美意識あふれる演出によって、より鮮明に伝わってくる。

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この日は1場面だけだったが、作品の全体像が観られる開幕への期待がさらに高まる稽古風景だった。

【囲みインタビュー】
 
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プッチーニの歌劇『トスカ』の稽古場見学の後に、囲み取材が行われ、河鹹照、広上淳一、大勝秀也、ルイザ・アルブレヒトヴァ、アレクサンドル・バディア、三戸大久、森雅史、三浦克次、与儀巧らが登壇した。
 
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河鹹照(演出)
オペラは、すでに脚本があり、セリフも変えることができず、音楽も劇伴のように後からつけるわけではないので、映画とはまったく違います。そこから、どれほどオリジナリティを出せるのか考えています。『トスカ』というと誰しも知っているストーリーですし、結末もみなさんわかっているのですが、お客様に新しい風を吹き込むことができたらと思っています。『トスカ』を読んで、カヴァラドッシは女たらしだと思っていましたが、演じるアレクサンドルさんも女たらし度が高いんです(笑)。ルイザのトス香は敬虔なクリスチャンというピュアな役で、2人の絡み合う関係性が全面に浮き出たらいいですね。私が先ほどまで稽古場で演出をつけていた須賀ルピオの三戸大久さんは、とても優しい人なのに怖い人を演じなくてはいけない。そのバランスをどう作っていくか考えています。というのも、私は、原作のスカルピアをかっこいいじゃないかと思ってしまったんです。これは『トスカ』を知っている人にはびっくりする感覚かもしれないですね。スカルピアの愛情や独裁的な色彩がつよい性格は、男性の本質的なものじゃないですか。そういったことを色々考えながらとても楽しく稽古をしています。

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広上淳一(指揮/東京・金沢)
一番嬉しいことは、畑の違う監督が新鮮な感覚で僕らにいろんなアイデアを提供してくれることです。それはみなさんの想像したことのないような形になって進行しています。大勝先生とは、34年ぶりに再会し、一年先輩だったので威張っていたんです。ですが、34年間に各国のシアターで国際的なオペラの修行を積んできた成果が現れて、僕は先輩として頭が上がらなくなってきました(笑)。英語やドイツ語やイタリア語も自由自在に操りながら稽古場を勇敢に大胆に仕切っている姿は、全く別人ですね。彼がタクトを振るう新潟と魚津と沖縄もぜひ来て下さい。東京だけでは、河鵑気鵑療舛┐燭い海箸、100%伝わらないかもしれませんよ。ゲストのルイザさんとアレクサンドルさんは素晴らしい歌手ですが、性格も素敵な方達なので現場で助かっています。僕たちの意図を上手に理解されて、歌の実力もさることながら、我々の現場の中に偏見もなく溶け込んでいただけています。三戸大久さんをはじめ、ここにいらっしゃる歌手たちは、これから10年後の日本のオペラ界を背負って立つ人たちです。全力で舞台に取り組んでいるので、その姿もぜひ楽しみにしていただきたいと思います。明るい稽古場なので成功すること間違いなしですね。

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大勝秀也(指揮/新潟・魚津・沖縄)
今回のプロダクションに関していえば、河鵑気鵑涼經稘世録形です。僕たちは楽譜を読んで、歌い手と一緒に作り上げていくのですが、河鵑気鵑魯疋薀泙卜れる音楽から裏側に隠された真実を見ようとされる。僕らは30年以上やっていると『トスカ』に対する先入観があって、ルーティーンになっていた部分もありました。そこに新しい風が吹いているのを全員が感じています。奇をてらっているというわけではなく、テキストから誰もが持っているエゴや欲望を本当によく表現されていて、今の世の中だったら、こんなことあるよねと納得してくださると思います。オペラは普遍性を感じさせる芸術ですし、それを捉えて離さず再現することが河鵑気鵑療刑妖なところですね。僕たちマエストロは、歌手たちとプッチーニとをつなげる役割をしながら、舞台からお客さんへの橋渡しが仕事ですからそこに集中できますね。ゲストは、こんなにいい人はいない、こんなにいい声の人はいない人たちです。若い歌手たちも勉強になっていますが、演技もとてもナチュラルです。歌も演技も日本にはないパッションが出ているんですね。若い人たちも刺激になっているだろうと思いますし、その影響を受けて音楽もパッショナリズムになってケミストリーが生まれている現場だと思います。

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ルイザ・アルブレヒトヴァ(トス香)
私にとって大切なのは、一面的ではない何層にも積み重なったような役を、いかに、希望や絶望、嫉妬や笑いで、みなさんを納得させる説得力の持てる演技と歌にするかです。できれば、最後に涙を誘うことができれば嬉しいですね。例えば、この作品は、殺人や自殺と行ったネガティブなことがクローズアップされますが、それだけではなく、人々の人生は常に続くんだという生きることの喜びに誘っていけるように、太陽が毎日登るように希望を感じてもらえたら。そのために私は演じるのではなく、歌うのではなく、役そのものを生きたいと思っています。

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アレクサンドル・バディア(カバラ導師・万里生)
日本に来ることが決まった時に、仕事仲間や友人に、日本に来て仕事をすることはセラピーを受ける感じだよねと話しました。とてもリラックスしています。英語があまり得意ではないので、オペラについて書かれた素敵な文章を少し読みます。これは愛、名誉、そして殺人の物語。そして悲しいけれど感動せずにはいられない恋愛の物語、それも、トスカとカヴァラドッシの恋の物語。同時に、アンジェロッティとの友情の物語でもある。それがスカルピアによって犠牲になってしまう。そして美しきトスカが悪魔の生まれ変わりを殺すわけです。『トスカ』の初演で歌ったのがハリクレア・ダルクレーですが、彼女は当代を代表するソプラノ歌手でした。彼女の出身地は私と同じルーマニアです。そして生まれた場所はブレイラ、つまりの私の妻が生まれた所でもあります。今回のお仕事で、素敵な方達とご一緒させていただけることを心から嬉しく感謝しております。忘れてはならないは河鵑気鵑如∋笋燭舛録靴靴だこΔ鮓せていただいています。これは一つのチャレンジですね。彼女の見せてくれる美的世界の地平線の向こうに見える新たな世界を楽しんでいただきたいと思います。

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三戸大久(須賀ルピオ)
スカルピアは初役ですが、バリトンの人は絶対やりたいという役を41歳にしてやらせていただき幸せです。僕らがいつも考えているスカルピア像を最初の立ち稽古で河鵑気鵑呂屬漸したんですね。僕らがステレオタイプに思っていたスカルピアを全く違うところからアプローチしていただいて、戸惑いながらも全力で演じ切りたいです。歌は、大勝先生、広上先生の音楽に助けていただいて切磋琢磨して歌わせていただいています。ゲストもお世辞抜きでいいやつなので現場も楽しいですね。同じ世代の森くんと話し合ったり、先輩の三浦さんからご指導いただいているのもいい経験です。ひとすじの希望の光をどのように見せられるか、探っていきたいと思います。ぜひいらしていただければと思います。

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森雅史(アンジェロッ太)
オペラの幕開きに最初にお話しをさせていただく役ですが、一幕でいなくなってしまう。けれど、河鵑気鵑蓮∪犬房甲紊靴織▲鵐献Д蹈誕世鮑遒辰討い蕕辰靴磴辰拭深い人間味を出せるのか、三浦さんやアレクサンドルにアドバイスをもらいながら演じていきたいです。とても刺激的で観たことのない『トスカ』になると思います。故郷の富山でも歌わせていただくので、『トスカ』の導入はもちろんですが、オペラという芸術でみなさんを感動させられるような公演に携われて幸せです。

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三浦克次(堂森)
スカルピアとアンジェロッティは演じたことがあるのですが、堂守の役は初めてです。大変な役所で、この役をやることになって音楽的にも演劇的にもとても苦労しています(笑)。みんな死んでしまう悲劇的なオペラの中で、一筋の光のように、少しホッとできる役ですから。スカルピアはスカルピアで、その時に一番いいと思ったことをやった結果が悲劇につながって、いい人、悪い人、面白い人、面白くない人の区別はないとお客様がトータルで感じていただければと稽古に励んでいます。『トスカ』を含め、オペラは30年以上も演じていますが、先入観で頭が固くなっているところを、毎日の稽古で河鵑気鵑縫汽献Д好船腑鵑鬚い燭世と、『トスカ』に対する固定観念が壊れていくんです。こんな稽古場は初めてです。そして、河鵑気鵑留撚茲離侫.鵑諒がオペラをご覧になられる。オペラのファンの方が河鵑気鵑留撚茲鬚翰になられる。そんな相乗効果が2倍だけではなくて4倍になってくれたら嬉しいですね。さらには、オペラと映画、クロスオーヴァーしてお客様が加わっていただき、どちらの業界の垣根がなくなるきっかけになればいいと思います。

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与儀巧(スポレッ太)
1つのプロダクションに2人の指揮者がいるということにまず驚きました。主役はスーパースターで、世界で活躍されているお2人。本当に勉強できるなと思っています。個人的にはアレクサンドルさんとは2回目で、彼の仕草を盗みたいと思っています。僕の演じる役は、ほとんど触れられることのない小さな役なんです。ですが、河鵑気鵑、一言一言、鋭い質問を投げかけてくるんです。ですので、こんなに重要な役なんだ、こんなに重要な言葉を発しているんだというのを再認識しています。彼のテクニックを盗む前に自分の演技に飲み込まれているぐらいです。早く河鵑気鵑貿柴世靴討い燭世韻覬薺擦鬚靴董彼のテクニックを盗もうと思っています。僕の出身は沖縄なので、沖縄代表として言わせていただくと、北から南まで、風土も気候も違います。マエストロも変わりますし、オーケストラも変わります。それぞれの劇場、それぞれの地域で、まったく違った素晴らしい演奏が見られると思いますので、全国の皆さん、メンソーレ・ウチナーンチュ。

【質疑応答】
──日本のどこかの集落と思われる舞台ですが、その意図はどこにありますでしょうか。また、ほとんどの登場人物が死んでしまう絶望のドラマですが、そこからどのような希望を紡ごうとしますか。
 とある日本の集落ですが、いつの時代かはっきり明記しておらず、いつかのどこかの集落、という設定にしています。そうした方が人間の普遍的な感情を感じてもらえると思ったからです。例えば、日本で、ローマの教会を出せば異国の物語を見ているような感覚になってしまうんですが、少し時代と場所をアバウトにすることで、人間そのものが際立って見えてくるかなというのが最初のアイデアでした。ですから、小道具さんが悩んでいて、これは何時代の何ですかと問われることもあります。私の映画も初期の若い時は、美術部さんに「あの屋根の色は何色にすればいいんですか」と言われて、「私が撮影している場所の半径何キロぐらいのところを見てきてください。その中でよかった色に塗ってください」と言うと、この監督は思想がないと思われたこともありました(笑)。美術や道具にだけリアリティーを持たせるのではなくて、むしろ人間の内面や人間そのものの普遍性を持たせるところから始めようと考えています。このお仕事をいただいたときに、どうして私ですかと聴いた時に、河鵑気鵑覆蕁∪篷召寮茲砲すかに希望を見いだせると感じたので依頼されたそうです。確かに、人間は悪いやつだし、世界もそんなに良くないと思っているので、だからこそ、どの時代も宗教やルールの中で人間は人間を殺しちゃいけない、悪いことしちゃいけないと学んでいくと思うんです。それでも、動物ですから、そこに刃を向けるのは本質で、そこに過剰に反応していくと国家や民族間で争いになっていく。世界の戦争からなくなったことがないとはいえ、芸術で一筋の光を見出すことが、戦争がなくなるきっかけになるのではないかと信じています。今回の『トスカ』でも、須賀ルピオが悪いのではなくて、その時代のその瞬間の人間関係がこの悲劇を産んだと描きたいです。

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──チラシやポスターの『トスカ』の題字を担当されていますね。
 私は自分の作品のタイトルはすべて自分で書いているんです。『トスカ』も新潟の方がデザインをされるということで、私の奈良の事務所に来ていただいて、たくさんのみなさんに囲まれ、打ち合わせをしているところに、題字も書いていただけたらということで、筆ペンを持って書きました。トス香は鷹みたいな女性だと思っていて、激しさの中の情熱を表現しました。
――ご自身で製作された映像はどの程度の比重があるのですか。
 オペラは音楽と歌とそこで体現している役者たちが前に立っていないとダメだと思っています。それを邪魔しないように映画監督として作る映像を取り入れて、舞台をうまく作用させられたらと思っています。ですので、決して映像が前に出ることはないと思います。スクリーンが、出入り口にもなる舞台を作っているので、そこから役者が出たり入ったりします。今はどんな映像になるのかわかってなくて、自分だけがイメージできている状態で、言葉で説明しながら稽古をしています。実際に映像ができて、みなさんが立って動いてやっと初めて新しい何かが生まれてくると思います。
──トスカは、40代をすぎて声が成熟して歌えるという意見もあると思いますが、ルイザさんは、トスカは初役でしょうか。
ルイザ 今回で3回目です。確かに、女性・男性関わらず、レパートリーは幾つになったら歌うのがふさわしいということは昔から言われてきました。歌劇場に属し、じっくりと小さい役から始め、指揮者の方や、ソプラノの方から役をいただいて階段を登っていくのですが、目まぐるしく変わる現代の歌劇場ではステージディレクターからこの役を歌ってくれないかと申し出を受けます。ですから、どんな役もいただけるのであれば嬉しいですね。それから、ソプラノ歌手の過去の偉大な方を見ていると25歳ぐらいで大きな役を歌っているので違和感はありません。そういったチャンスに巡り会えたということを嬉しいと思うとともに、このまま続けていけたら素敵だなと心に秘めながら歌わせていただいています。
 
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──河鵑気鵑音楽にもたらしてくれる新しい視点はありますでしょうか。
大勝 公演をご覧になっていただければわかりますよ(笑)。私たちはプッチーニのスコアはしっかりと再現しているんです。その上で、演出家は演出をどのようにやるのか指揮者は見るのですが、空間の間ということに関しては、音楽をやっている人ではない感性とインスピレーションを感じます。目をつぶって耳をそばだてれば、プッチーニの『トスカ』ですが、河鵑気鵑留藹个靴振間を目の当たりにするとまったく新しい『トスカ』になっている。プッチーニのスコアをリスペクトしてくれていますので、今まで味わったことない音楽になっていますね。
広上 僕らが抱くのとは違う視点を持っていらっしゃいます。気がつかなかったことを発見させてくれる嬉しさがありますね。例えば、スポレッタはあまり台本に書かれていない、ただ動作しか書かれていないのに、河鵑気鵑論┐泙犬だ弧燭鮨瓩込むことがお上手です。さらに、音楽を尊重してくれ、それぞれの歌手の良さを引き出しながら、最終的には、何を伝えたいのだろうというコンセプトや理想があるので、それがお客様に伝わるようにすることが我々の使命ですね。大先輩の武満徹先生は、映画館が唯一の癒しの場だったそうです。1000曲以上の映画音楽を書いていらっしゃいます。若い頃の彼の出す作品は、日本の批評家に叩かれて、泣く場所は夜中の深夜の映画館だったそうです。そして新しい曲を書いて、世界で認められるようになって、感謝の気持ちを込めて映画の曲を書いたという逸話があります。まさに視点の違う才能を受け入れて舞台を作る喜びに僕らは浸っているところなんです。
 
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〈公演情報〉
logo_red_題字:河瀬直美

全国共同制作プロジェクト
プッチーニ 歌劇『トスカ 』《新演出》 
全3幕・イタリア語上演 日本語字幕付
演出◇河鹹照
指揮◇大勝秀也 広上淳一
出演◇トス香〈トスカ〉:ルイザ・アルブレヒトヴァ(ソプラノ)
カバラ導師・万里生〈マリオ・カヴァラドッシ〉:アレクサンドル・バディア(テノール)
須賀ルピオ〈スカルピア〉:三戸大久(バリトン)
アンジェロッ太〈アンジェロッティ〉:森雅史(バス)
堂森〈堂守〉:三浦克次(バス・バリトン)
スポレッ太〈スポレッタ〉:与儀巧(テノール)
シャル郎〈シャルローネ〉:高橋洋介(バリトン)
看守:原田勇雅(バリトン)
ほか
●10/15 14:00◎りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館(新潟県新潟市)
●10/27 18:30◎東京芸術劇場 コンサートホール(東京都豊島区)
●10/29 14:00◎東京芸術劇場 コンサートホール(東京都豊島区)
●11/8  19:00◎金沢歌劇座(石川県金沢市)
●11/12  14:00◎新川文化ホール 大ホール(富山県魚津市)
●12/7   19:00◎沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)
 

【取材・文・撮影/竹下力】


ふくふくや『くるんのぱー』
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宅間孝行・戸田恵子・松本利夫(EXILE)らが送る笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント! タクフェス『ひみつ』記者会見レポート

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宅間孝行の作り上げる極上のエンターテイメントプロジェクト「タクフェス」。その第5弾『ひみつ』が、10月19日の鹿児島市民文化ホールを皮切りに、12月まで東京、大阪ほか全国10ヵ所を巡る。
 
本作は、宅間孝行による4年ぶりの新作書き下ろし。主人公「渚」を演じるのは、数多くの舞台やドラマに出演、またアニメのアンパンマンの声で人気を集めるなど、女優、声優、歌手などマルチに活躍中の戸田恵子。宅間孝行×戸田恵子は今回が初タッグとなる。共演には、劇団EXILE松組を立ち上げ、総合エンターテインメントを創出する演出家であり俳優の松本利夫(EXILE)が、渚の弟「八郎」として出演。さらに、福田沙紀、ベンガル、山崎静代(南海キャンディーズ)、東風万智子、武田航平、赤澤燈、岡本あずさ、越村友一、益田恵梨菜など豪華出演陣が脇を固める。その記者会見が、8月29日、都内で行われた。

【あらすじ】
ある秋の日。とある田舎町にある別荘に連れてこられた山之内夢(福田沙紀)は、車椅子に乗る年老いた一人の女性と出会う。そして突然、名前を名のることも出来なくなったその女性が、自分を産んだ母親だと告げられる。彼女の名前は、本橋渚(戸田恵子)。本橋家には3人の姉弟がいた。姉の渚と弟の五郎(宅間孝行)は“虹色渚ゴロー”という漫才師として大活躍していた。マネージャーでもある末弟の八郎(松本利夫)に支えられ、人気絶頂だったこの姉弟に、運命を一変させるとある事件が起きる。なぜ渚は夢と25年間別々に生きる道を選んだのか、そして本橋家の「ひみつ」とは…。
 
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赤澤燈、東風万智子、ベンガル、山崎静代(南海キャンディーズ)、武田航平
福田沙紀、宅間孝行、戸田恵子、松本利夫(EXILE)

【挨拶】
会見には、宅間孝行、戸田恵子、松本利夫(EXILE)、福田沙紀、山崎静代(南海キャンディーズ)、東風万智子、武田航平、赤澤燈、ベンガルが登壇し、作品にかける意気込みを述べ、質疑応答を行った。

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宅間孝行(本橋五郎・
本橋京太郎)
4年ぶりの新作です。今までは3年に1つ新作を作らないと怒られる気がして書き続けてきたのですが、去年迎えた3年目に、どうしても書くことができず『歌姫』というテレビドラマになった作品で逃げの一手を打ちました(笑)。今年はそうもいかないと追い込まれながら、心を込めて作った舞台です。まず、戸田さんとご一緒したいところから始まり、台本もない状況で、一緒に何をやったら面白いだろうと考えていたのですが、かつて映画監督の堤幸彦監督から「僕が仲の良い2人に夫婦漫才の芝居をやってもらいたい。その暁には僕が映画化したい」と言われました。映画にしてもらえるなら、夫婦漫才の話にしたらラッキーなことが起こりそうだなと思い立った作品でもあります(笑)。ちなみに、漫才師のような格好をしていますが、本編ではまったくこんな格好をしません(笑)。記者発表のために戸田さんと2人で着飾ってまいりました。全国10ヵ所を回ります。どうぞご期待ください。

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戸田恵子(本橋渚)
映画化の話は今聞いて驚いているのですが、初めてタクフェスに参加させていただきます。出演が決まった時から、たくさんの皆さんに、「ついにタクフェスに出るんだね」とお言葉を頂戴しました。みなさんがとても期待してくれていると思います。あまり地方公演に行くことがないのですが、今回は10都市を巡ります。地方の方からもお声がけいただいて嬉しい限りです。兄弟の役は、私は一人っ子だったので、それだけで嬉しくて三兄弟の情の深さを表現できる作品になればいいですね。

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松本利夫(本橋八郎)
再び宅間作品に出ることができて、感謝の思いでいっぱいです。そもそも宅間さんの作品の大ファン。劇団EXILE版の『歌姫』に主演させていただいたのがきっかけで、お酒をご一緒させていただいた時に、宅間さんに直談判をして、今回の出演が実現しました。お酒の力を借りて、ひょんなことから、4年ぶりの新作という記念碑的な作品に携わらせていただき光栄です。

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福田沙紀(山之内夢)
タクフェスに初めて参加させていただきますが、とにかく緊張してドキドキしています。どういった稽古、舞台になるのか、私も楽しみですし、最初に台本をいただいた時の衝撃を忘れずに突っ走っていけたら。目標にしているのは、お酒を好きになることです(笑)。というのも、宅間さんに開口一番に「大阪」は好きですかと言われて、意味がわからず、頷いてしまったのですが、あとで聞いたら、「お酒」を「大阪」に聞き間違えていたんです(笑)。この舞台もお酒がポイントになるのかな。

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山崎静代(本橋元子)
タクフェスは2度目で、前回は『夕 ゆう』に出演させていただいて、その時にみんな団結して部活みたいな稽古をしていて、青春しているなと感動しました。福田さんもおっしゃっていましたが、私は『夕 ゆう』でお酒に目覚めました。めちゃめちゃ鍛えられて強くなってきたのが私の強みです。台本を読ませていただいて、いろいろ考えられる作品で「愛」がテーマになっています。動物も好きですが、イボイノシシじゃなくて、人間に生まれてきたことがよかったなと思わせてくれます(笑)。

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東風万智子(漆原さん)
タクフェスは初めてですが、東京セレソンデラックスの『くちづけ』に出演させていただいて以来2度目です。とてもいいお話で、悲しい部分や切ない部分もあり、笑いもある盛りだくさんのお話だと思います。素敵な作品を作れたら嬉しいですね。

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武田航平(レイジ)
宅間さんの台本を読んで思わず涙を流しました。私の役は少々変わっていて、ちょっとチャラい役なので、それを全うできればと思います。キャストの皆様と全国を回って感動できる作品にできるように頑張ります。

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赤澤燈(漆原一馬)
タクフェスに出ることを目標にここまでやってきて、ようやく出演できるので嬉しいです。初めて台本をもらった時は、美容室の予約を取っていて、美容室で読みながら号泣してパーマを当ててもらいました。僕は渚と五郎に憧れているヤンキーで、タクフェスに憧れていた自分自身に重ねて頑張りたいと思います。

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ベンガル(長妻社長)
古き良き日活のギャングみたいな格好をしていますが、渚と五郎の芸能プロの社長という役です。台本を読ませていただき、後半になると根が深くずっしりと来るものがありました。喜劇の基本はシリアスなので、暗く作れば作るほど最後の最後に面白くなるような気がしています。何十年と舞台をやってきたのですが、みなさんとは初めてなので楽しみにしております。
 
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【質疑応答】
──本作のタイトルは『ひみつ』ですが、ご自身に秘密はありますか。
戸田 お料理に多く使っている秘密の隠し味があります。黒酢にレーズンをつけたものを常備しています。レーズンはチリ産がオススメで、なかなか売っていないので、チリ産のレーズンを見つけたら買うようにしています。市販の黒酢にただレーズンを1ヶ月ほど入れておくだけですよ。サラダやマカロニサラダに黒酢をかけてなおかつレーズンを入れることで美味しくなります。みなさんとは仲良くなってこれからお配りしたいですね。お酒にも合うと思いますよ。
松本 今日はお酒というワードがよく出てくるので、お酒の秘密があります。僕はEXILEで活動していますが、ヒゲがあって、顔が黒くて、髪の毛がテカテカして無骨という印象をお持ちの方が多いのですが、お酒は可愛らしいレモンサワーを飲みます。なので、EXILEのみんなで飲む時に、その町でレモンが全部なくなるという噂がたち、しかも事実だった。記録としては2,500杯飲んだという秘密があります。地方に行くと19人という大所帯なので、新幹線のお酒もなくなるという噂もあり、それも事実でした(笑)。

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福田 私はお酒コップ半分で酔えちゃうので衝撃です!秘密の休日の時間ですね。私は夕寝をしています。16時ぐらいから19時ぐらいにかけて、窓を開けて、外の音を聞いて風にあたっていると気持ちよくて寝てしまいます。赤ちゃんは夕寝をするそうですが、赤ちゃんに戻ったような気持ちもしますね。
山崎 秘密の場所、ですね。一人旅が好きです。誰一人歩いてないところが好きです。奄美大島の宮古崎という岬で笹が生い茂っているところがあるんです。崖の上の草原のようなところで、誰もいなくて、すごく気持ちよくて…野糞をしたんですが。
宅間 やめなさい!沙紀ちゃんと真逆だよ(笑)。僕は秘密のドラマがありまして、連続ドラマを書いていた時に、プロデューサー達とちょっとした喧嘩をしたんです。オンエアはされましたが、どうしても許せなくて、おじいちゃんの名前で書いたことがあります。どんな作品かは「ひみつ」です。
──今回も難しい役どころになると思いますが、役作りで苦労されているところはありますでしょうか。
戸田 基本は他力本願です。私は、あまり役作りをしたことがなくて、稽古が始まって、皆さんと一緒に作り上げていくのがやり方です。わからないことは宅間さんに聞いて、人生のことはベンガルさんに聞いて、お酒のことは松本さんに聞いて、みんなの手を借りてやってきたいと思います。悩みながらだと思いますが、初めての役どころのチームですし、慣れてきて旅が終わったら、家族同然になると思いますよ。
 
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──松本さんはご自身でも作・演出されていますが、今後プラスにしたいところはありますか。
松本 劇団EXILE松組を2015年に立ち上げさせていただいて、プロデュースと演出と主演をこなしたのですが、死ぬほど大変な時がありました。そんな時に、宅間さんとご飯に行かせていただいてご相談させてもらい、その時のアドバイスが今でも生きています。稽古場から宅間さんが何を見て、何を感じて、どんなアンテナを張りながら、どういう景色を見ていくのか盗み取ってやろうと思っています。稽古場から気合を入れて、「タクフェス」がいつのまにか「マツフェス」になるように頑張りたいです(笑)。
──豪華キャストですが楽しみにされていることはありますか。
福田 脚本を読ませていただいた時に、手を途中で何度も止めたぐらい苦しくて、涙も止まらなくて、上を向くことが多かった作品でした。脚本でこれだけ衝撃を受けましたので、宅間さんの演出も楽しみにしています。人間関係に向き合える作品だと思うので、愛を持って、作品を作っていけたらいいですね。
 
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【囲みインタビュー】
この『ひみつ』記者発表会で囲みインタビューが行われ、宅間孝行、戸田恵子、松本利夫 (EXILE)、福田沙紀、山崎静代(南海キャンディーズ)、ベンガル、東風万智子が登壇した。

──なぜ新作に4年もかかったのでしょうか。
宅間 苦しい思いをして、1ヶ月ぐらい仕事を入れない時期があるほど脚本を書くのは大変です。正直そこから逃げていたということになりますね(笑)。
──ストーリーはいつ書いたのですか。
宅間 シナリオハンティングで、しずちゃん(山崎静代)の痕跡があった奄美大島に行きましたが、成果も得られず、今回は一切でてきません(笑)。鹿児島からツアーの幕を開けるので、設定を奄美にしておけばよかったと後悔しています。ストーリーは今年の頭から1ヶ月半ほどで書きました。

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──戸田さんは宅間さんからオファーが来た時の心境は。
戸田 ありがたいと思ったんです。けれど、そんなにご期待に添えるほどの女優ではないので、その気持ちに応えられるように、120…115%の力を出したいと思います。
宅間 下がりましたね(笑)。
戸田 とにかく出てよかったとみなさんに感動していただきたいし、これまでで一番良かったタクフェスだったと言われるようにしたいです。
──役柄についてはどうお考えですか。
戸田 家族の情を表現することはあまりないので、とにかく新しいことにチャレンジすることが多い舞台だと思います。役柄にしても座組みにしても楽しみで、地方公演もたくさんありますので、今はすべてが楽しみです。
──松本さんはタクフフェスに参加していかがでしょう。
松本 変な話ですが、お酒の力を借りてここにいるので、みなさんと美味しくお酒を酌み交わせたらと思います。
福田 お酒はついていけませんが、稽古についていけたら。
宅間 おいおい!めちゃくちゃな集団になってるよ。ねえ、しずちゃん?
山崎 そんなもんですよ。
宅間 嘘つけ!『夕 ゆう』の時はボクシングをやっていたから、毎日走りに行って、えらいな、真面目だなと思っているんだからね。

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福田
 ツアーが九州からなので焼酎が有名ですね。
宅間 いつのまにか題名が『おさけ』になりそうですね(笑)。
ベンガル どっかに酒ないの?(笑)
──山崎さんは2度目のタクフェスです。
山崎 初めて共演させていただく先輩もいるし、いろいろ盗みたいなという思いがあります。舞台は一番勉強になるんです。何回も同じところを稽古して深く考えていくので。まだまだ自分の知らない引き出しを増やしたいと思います。

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──ベンガルさんはタクフェスに参加されていかがでしょう。
ベンガル 戸田さんもおっしゃっていましたけど、自分からあえて何もしない。それは怠け者ではなくて、演劇は周りの人が自分を作ってくれると思います。僕の尊敬している俳優さんもみんなの芝居を見ながら役を作っていく。芸能プロの社長は知らないわけではないのですが、周りの力を借りながら掴んでいきたいですね。
──東風さんはいかがでしょう。
東風 メイドみたいな格好をしていますが、メイドではないです(笑)。しっかりとしたストーリーもありますし、コメディのお芝居に参加することは少ないので、みなさんのお力を借りて、楽しくお客さんに笑っていただけるようにしたいです。
──最後に宅間さんから意気込みを。
宅間 4年ぶりの新作ですが、笑いあり涙ありの作品になっています。そしてタクフェスは始まる前や公演後、恒例のチェキ会や発表会があるなど盛りだくさんの仕掛けになっています。松本さんのすごいダンスも見られますし、ベンガルさんにもね(笑)。ライバルはディズニーランドとUSJです。1日のフリーパスが7,800円ぐらいですから、この公演のチケット代8,000円を出していただいても、おやすみの日には劇場に行きたいなと思っていただけるようにしたいです。劇場でお待ちしております。
 
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〈公演情報〉
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タクフェス第5弾『ひみつ』
作・演出◇宅間孝行
出演◇戸田恵子 福田沙紀 武田航平 赤澤燈 岡本あずさ 山崎静代(南海キャンディーズ) 東風万智子 松本利夫(EXILE) 越村友一 益田恵梨菜 三谷翔太(Wキャスト) 松本純青(Wキャスト) ベンガル 宅間孝行
●10/19◎鹿児島市民文化ホール
●10/24◎北國新聞赤羽ホール
●10/26◎富山県教育文化会館
●10/28◎りゅーとぴあ・劇場
●10/31〜11/12◎サンシャイン劇場
●11/16◎足利市民プラザ
●11/19◎周南市文化会館
●11/24〜11/26◎刈谷市総合文化センター
●12/1〜12/2◎道新ホール
●12/6〜12/10◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈お問い合わせ〉東京/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
 


【取材・文・撮影/竹下力】



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松本幸四郎の名前では最後の現代劇!『AMADEUS 松本幸四郎inアマデウス』製作発表レポート

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音楽家の葛藤、“神”に挑む人生を賭けた戦いの物語──松本幸四郎、最後の現代劇『AMADEUS』が幕を開ける!
ロンドン初演は1979年、すぐにブロードウェーでも上演され、トニー賞5部門の受賞に輝いたピーター・シェファー作の『アマデウス』。音楽史では永遠の謎とされるモーツァルトの死を題材に、同時代の宮廷楽長アントニオ・サリエーリによる暗殺説を軸として展開する、音楽家の葛藤、苦悩を描くこの作品は、84年の映画化でもアカデミー賞8部門受賞の快挙を成し遂げた。
 
この『AMADEUS』を松本幸四郎が初演したのは、襲名翌年の82年。初演以来、上演を重ねている本作が、9月24日から10月9日までのサンシャイン劇場を皮切りに、大阪松竹座(10月13日〜22日)、福岡(10月24、25日)での再演が決まり、公演中に450回の節目も迎える。来年、二代目松本白鸚の襲名が決まっている幸四郎にとって、現在の名前ではこれが最後の現代劇であり、大きなメモリアル公演となる。

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宮廷楽長として揺るぎない地位と名声を築きながら、若きモーツァルトの才能に衝撃を受け、彼に天賦の才を与えた“神”に人生を賭けた戦いを挑むアントニオ・サリエーリ役は、初演以来この役を演じ続けている幸四郎。時に人品卑しく、子供じみた男だが、素晴らしい楽曲を次々に生み出すヴォルフガング・アマデウス(神の寵児の意)・モーツァルト役は、これまで江守徹、市川染五郎、武田真治が演じてきたが、今回はジャニーズWESTの桐山照史。『ブラッドブラザース』などの舞台で、チャーミングなキャラと演技力の高さで注目されている。
天才であり変人であるモーツァルトの妻で、悪妻の悪名高いコンスタンツェ役は、藤真利子、渡辺梓、藤谷美紀、馬渕英俚可(当時は英里何)、内山理名に続き、今回は舞台やミュージカルを中心に活躍し、出産後初舞台となる大和田美帆。

この公演の製作発表が8月19日に都内で行われた。会見には松本幸四郎、桐山照史、大和田美帆、安孫子正松竹株式会社取締役副社長が出席。挨拶の後、質疑応答に移った。

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【挨拶】
 
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松本幸四郎
 『AMADEUS』の製作発表にこうして再び出席させて頂く事、大変嬉しゅうございます。幸四郎という名前になった翌年に上演させて頂き、以来30数年、今度は奇しくも来年、幸四郎という名前に別れを告げますので、その最後の現代劇という事で、また出演させて頂く事になりました。感無量です。毎回モーツァルト、コンスタンツェには素晴らしい俳優さん、女優さんが出て下さいますが、この度は桐山照史君がモーツァルト、大和田美帆さんがコンスタンツェ役。桐山君は『ブラッドブラザーズ』を拝見して、俳優として素晴らしい素質だなと思い、大和田さんは『ア・ソング・フォー・ユー』でしっかりした演技をされていました。大変楽しみです。これから長い長い稽古に入り、我々俳優にとって忍耐の時期です。忍耐が実を結び、素晴らしい『AMADEUS』が花咲きますように、皆様のお力を頂きたいと思います。

桐山照史
 この出演のお話を頂いた時、僕が生まれる前からされている舞台ですし、モーツァルトという偉人をさせて頂くプレッシャーよりも、また舞台に立てる喜びのほうが多かった。桐山照史が出たからには新しい風を吹かせてみせますとビッグマウスを叩きましたが、先日の本読みで、僕の前に幸四郎さんが座られて、緊張のあまり100回くらい噛んでしまい、まず第一の挫折を味わってます(笑)。これから稽古を重ねて、でも背伸びをしてもしょうがないので、幸四郎さんに一から甘えていきたい。モーツァルトとコンスタンツェが出てくる時には、ちょっと変わったスパイスになれるように頑張ります。

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大和田美帆
 先ほど照史君も仰いましたが、私達が生まれる前から上演され続けている作品に出させて頂くという事がとても光栄です。個人的にはコンスタンツェという役に元々興味があり、天才と言われた人、しかし変人とも言われているモーツァルトの妻って、どんな気持ちだったんだろう、どんな人だったんだろう。世界三大悪妻とも言われていますので、本当はどんな人なんだろうと調べた事もあり、今回とてもご縁を感じています。精一杯務めさせて頂きます。


【質疑応答】

──35年前から演じられてきて、改めての作品の魅力と、演じられるサリエリ(サリエーリ)のこういう所が好きというところは。また幸四郎最後の『AMADEUS』とありますが、数年後には(二代目松本)白鸚の『AMADEUS』も期待していいのでしょうか。
幸四郎 大変気の早いお話を(笑)。でも役者はそう言って頂けるのが生きがいです。ありがとうございます。このお芝居は皆様よくご存じで、映画にもなりましたし、私は長年やっておりまして、モーツァルトに対するサリエリの嫉妬がテーマだと思われがちですが、人間って、私のように長く生きていますと、自分の中にちっちゃな神をみつける人生のような。それぞれの中に小さな小さな神というものがあるような気がして、それを信じる時もあれば、その小さな神様から信じられるような人間にならなきゃいけないなと思うこともあります。そんな思いを繰り返して参りました。長い間、歌舞伎をはじめ、『ラ・マンチャの男』とか色々やって、色々な経験をして参りました。サリエリの言葉がいちいちモーツァルトに対する嫉妬だけかと思ったら、実は自分もそういう気持ちに何度も何度もなったんだなと。その時に、いつも自分の心にあるのは小さな神様。神様から信じられるような人間になって、神様を信じようと。これは外国のお芝居なので、バックにキリスト教が大きく影響していますし、イタリア人の宗教観も随所に出てきます。(記者に)初演からご覧ですか?(「はい」と記者)これは油断もなりませんね(笑)。そういうお客様もいらっしゃいますので、頑張りたいと思います。

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──途中から演出が高麗屋さん(幸四郎)に変えられましたが、今回は演出をどう変えられるか。
幸四郎 正直申しまして、演出はピーター・ホールという人が致しまして、その助手であったジャイルス・ブロックさんという方が日本に参られて、それ以来の演出です。私がその後を引き継ぎましたが、元になるのは二人の演出家のオリジナル版で、自分は演出というよりアレンジャー。いつもお稽古では、最初のうちは演出家として何だかんだいっぱしの事を言いますが、(桐山と大和田に)二人ともよく聞いて下さい、最初は大変厳しいような事を申しますが、そのうち初日が近づくと役の事で頭いっぱいになって演出がそっちのけになるので、だんだん優しくなって参ります(二人とも笑う)。私はそういう演出を今までして参りました。というのは、演出だけ、役者の芸、演技だけが目立ちすぎてもいけない。お客様がご覧になり、良い芝居だったね、あの役者も良かったし演出も良かったね、という事だと思うんです、お芝居は。そういう事をいつも念頭に置いてやっております。
──今回モーツァルトとコンスタンツェの顔ぶれが変わり、お二人の印象と、それを受けて桐山さんと大和田さんがどう感じられたか。
幸四郎 私はお二人をみた時、二人とも役になりきってる。俳優の中によく、普段は面白いんだけど舞台に立つと何だかつまんなそうな俳優さんっているんですね。自戒の念を込めて思いますが、逆でないと役者はいけない。普段はもう死んでていいんです(笑)。舞台の上に立ってる間だけは、自分は芝居をしているのが嬉しくて楽しくてしょうがない、これが私の生きがいです、みたいなことを感じさせる演技が、二人にはあります。そして二人が、歌舞伎座にご挨拶に来て下さった時、稽古は好きですか、嫌いですかと聞いた時、好きですと二人とも仰った。桐山君は凄く達者な役者だと思ったので「ご自分のアイディアで演技をしたの、それとも演出家のですか」と聞いたら「演出家の先生から、一から教えて頂きました」と。演出家にとって大変嬉しい俳優。大和田さんは、ミュージカルでしたから歌も歌ってらして、舞台の上にもこういうしっかりした良い女優さんが出てきたなと。松本紀保、私の娘がご一緒だったんです。期待しております。
桐山 僕もちっちゃな頃からテレビで何度も拝見している幸四郎さんとご一緒できるという緊張が凄くあって。歌舞伎座に挨拶に行かせて頂いた時、凄く緊張していましたが「桐山君の目はモーツァルトの目」と言って頂いて。それは良かったと。稽古の段階でも色々な事を言って頂きたいし、舞台は2年ぐらい経って忘れている所も多々あるので、全部甘えたいと思います。プライベートは死にます、舞台の上で輝きます(笑)。頑張ります。
大和田 私もプライベートは本当にしっちゃかめっちゃかですが(笑)、舞台上で輝ければと思います。個人的な話ですが、小さい頃から本当に舞台が好きで、19歳で初めて舞台に出させて頂いてから、ありがたいことに毎年何本か出させて頂いて…それが出産を機にストップして、初めて好きな事を続けていた事をお休みする期間を頂いた。初めは、舞台に立てない、お仕事ができない自分が苦しくて、泣いて暮らしてたんです(笑)。今となっては、休んだ事で余計大好きになり、やっぱりこれを一生やっていきたいと思った最中にお話を頂いたので、実は昨日立ち稽古初日だったんですが、今まで緊張とかであんまり感じた事がなかったですが、台本が目の前にあり、やるべき事があり、キャスト、スタッフの方が揃って、稽古場に居られるという喜びだけで、帰りの車で泣いてしまって。そのぐらい、今コンスタンツェという役を与えて頂いた事に感謝ですし、女優生命を賭けて挑みたい気分なので、お手柔らかにとは思いますが、厳しいご指導を楽しみにしています。

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──小さな神をと思い始めたのはいつ頃か。今回さらに深堀して演じ切りたい所は。
幸四郎 神を意識し始めたのは、台本を渡されて読ませて頂いてから、サリエリの神は何だったんだろうなと。サリエリが最後に言う「名もなき人のための自分は守護者だ」、あれがサリエリにとっての神じゃなかったのでしょうか。小さな神と申したのは、神様じゃないかもしれない。生まれて死ぬまで色々な事がある。良い事も悪い事も、悲しい事も嬉しい事も辛い事も、その時にその人がどういう決断をしたか、小さな決断から大きな決断までの連続のようなものが人生だと思えて、そういう意味での神ですから。あとは、大きな声では言えませんが、音楽と演劇の違いこそあれ、こんな事は日常茶飯事でございます。我々の世界には「コンチクショウ、憎らしいなあ、しかし自分にはできない」、そんな思いが毎日です。お二人はそんなことないでしょうけど(笑)。自分がやる上で、とてもじゃないけどこの芝居は他人事ではない芝居なのです。先だって、ジャズピアニストの小曽根真さんと対談しましたが、周りの事、地位や名誉にとらわれず一途にやっていく、自分を貫き通すというのはモーツァルト的だと仰った。振り返ると、歌舞伎の家に生まれ、今日まで『AMADEUS』をさせて頂いて、それを貫いてきた気がします。ご覧になったお客様お一人お一人の中に、冷たかった心の中に、何か温かいものがともるような、お帰りがけに「よし、自分も頑張るか」というようなお芝居のような気がしてなりません。それにはモーツァルトさん、コンスタンツェさんが、サリエリをやり込めるぐらい(でないと)。モーツァルトは下品な言葉を吐きますが、それがあのモーツァルトなんですから。一面性でなく、下品な一方の崇高さ。この世のものと思えない、人間業じゃない崇高さを感じさせて、それは演技プランとかじゃなく、持って生まれた立ち居振る舞い、佇まい。アトモスフェアという言葉がありますが、それをぜひお二人に掴みとって、それで立ち向かわれると、サリエリがまたそれに応えるようにやる。お互いの戦いが低い次元だと単なる嫉妬劇ですが、中に入っているのがモーツァルトのあの素晴らしいメロディがある。サリエリというお芝居の真骨頂だと思います。下品な言葉を吐いている人に崇高さがあるというのが、一見矛盾してますが、そういう所があるお芝居だと思います。
──モーツァルトは天才かつ変人ですが、共通点は。
桐山 天才とか思った事は本当にないですが、モーツァルトと、恐れ多いですが似てると思うのは「何とかなるやろ」と。ジャニーズWESTでコンサートをして緊張した時でも、心のどこかで、自信じゃないですが「何とかなるやろ」という所があるのは、ちょっと似てるかなと思います。変人な所は一切一緒じゃございません、真面目な人間です(笑)。

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写真撮影に移る直前、会場の明かりが消えて真っ暗になると「HAPPY BIRTHDAY」の歌が! この日は偶然にも幸四郎の75歳の誕生日であり、サプライズの誕生祝いが行われた。公演ロゴをあしらったケーキにロウソクがともり、桐山・大和田からは真紅の薔薇の花束が贈呈され、取材陣からも満場の拍手が送られた。幸四郎は「今日は私の57歳の…ちょっと間違えました(笑)、75歳の誕生日を祝って頂き、ありがとうございます。たしか染五郎という名前の最後が『スウィーニー・トッド』を帝劇でやって、それから幸四郎になった。それから38年経って、『AMADEUS』というお芝居に、桐山さん、大和田さんという素敵な俳優さん、女優さんと一緒に最後の幸四郎の誕生日を祝って頂きありがとうございます。来年からは名前が変わり、1歳になりますので、また一からお芝居に取り組みたい」と、感極まった表情で礼を述べた。

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〈公演情報〉
『AMADEUS 松本幸四郎inアマデウス』
作◇ピーター・シェファー
演出◇松本幸四郎
出演◇松本幸四郎 桐山照史(ジャニーズWEST) 大和田美帆ほか
●9/24〜10/9◎サンシャイン劇場
●10/13〜22◎大阪松竹座
●10/24〜25◎久留米シティプラザ
〈料金〉東京公演 S席12,500円 A席7,000円(税込)
大阪公演 1等席(1、2F)13,000円 2等席(3F)7,000円(税込)
福岡公演 S席(1F-3F)11,000円 A席(3F-4F)8,800円 B席(4F)6,000円 学生券5,000円(当日座席指定)(税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489または03-6745-0888(東京)06-6530-0333(大阪)



【取材・文・撮影/内河 文】



松岡充主演。劇団鹿殺し『不届者』お得なチケット販売中!


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さらなる進化を遂げて演舞場に凱旋公演! スーパー歌舞伎供悒錺鵐圈璽后拈什酥表レポート

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新橋演舞場で2年前に初演、その後、大阪、博多を経て、よりバージョンアップした『ワンピース』が、本年10月〜11月に待望の東京凱旋公演を行う!
 
2015年10〜11月に新橋演舞場で初演された『ワンピース』は、国民的人気漫画『ONE PIECE』の世界観を、市川猿之助が伯父の市川猿翁の「スーパー歌舞伎」の流れを汲んで、「スーパー歌舞伎ll(セカンド)」として立ち上げた舞台。人気デュオ・ゆずの北川悠仁が書き下ろしたテーマ曲「TETOTE」も得て、大きな話題となり、舞台と劇場が一体となる盛り上がりを見せた。また文化庁芸術祭優秀賞、大谷竹次郎賞、AMD Award優秀賞にも輝くなど、高い評価を得ている。その人気演目が、大阪松竹座と博多座での公演を経て、いっそうの進化を遂げ、新橋演舞場で再演されることが決まった(10/6〜11/25まで)。

脚本・演出は、スーパー歌舞伎でも数々の脚本を手がけた劇団扉座主宰の横内謙介。猿之助は演出と出演を兼ね、また猿翁もスーパーバイザーとして名を連ねている。
原作でいう〈頂上戦争編〉に当たる物語だが、注目のキャストは、初演からのメンバー、大阪・博多公演で加わったメンバーが再び集結している。
主人公ルフィと女海賊ボア・ハンコックに猿之助。白ひげには、初演当時は市川右近だった市川右團次。麦わらの一味ゾロをはじめ、ボン・クレー、スクアードには原作の大ファンという坂東巳之助。麦わらの一味サンジ、イナズマに中村隼人。サディちゃん、マルコに尾上右近。麦わらの一味ナミ、サンダーソニアに坂東新悟。アバロ・ピサロに市川寿猿。麦わらの一味チョッパー(Wキャスト)に右團次の息子である市川右近が初参加。はっちゃん、戦桃丸に市川弘太郎。ベラドンナに坂東竹三郎。ニョン婆に市川笑三郎。ジンベエ、黒ひげに市川猿弥。麦わらの一味ニコ・ロビン、マリーゴールドに市川笑也。マゼランに市川男女蔵。つるに市川門之助。また歌舞伎俳優以外ではエースを演じる平岳大が初役のシャンクスにも挑む。そして麦わらの一味ブルック、赤犬に嘉島典俊。イワンコフ、センゴクに浅野和之。いずれも自身の演じるキャラクターに負けない個性豊かな面々だ。

また今回は、若手を抜擢した新企画として特別マチネ「麦わらの挑戦」も上演される。通常公演とは役が変わり、猿之助はシャンクスの1役で、尾上右近がルフィとハンコックを、新悟がサディちゃん、隼人がマルコを演じる。

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横内謙介、市川猿之助
 
この製作発表記者会見が、7月25日に都内で行われた。会見には市川猿之助、横内謙介、安孫子正松竹株式会社取締役副社長が出席。それぞれから挨拶の後、質疑応答に移った。

【挨拶】

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横内
 2年前の記者発表の時は、これはおそらく歌舞伎界と漫画界を敵に回してしまう恐ろしい試みで、この船に乗ってしまった私は何なんだろうと、ウソップのような気持ちでいました。当時、台本の第1稿は出来ていましたが猿之助さんはお忙しく、深く打ち合わせもできず、さらに原作を読んでいないという発言までなさり「そんなこと言っちゃダメだ〜」というウソップの台詞が出てくるぐらいハラハラしました(笑)。我々の、特に私の『ワンピース』の理解不足で、ジャンプ編集部と何度かやり取りがありましたが、国内だけどちょっとした異文化交流だったと思います。
紆余曲折があって千秋楽を迎え、とても嬉しかったのは、歌舞伎界のお客様にも漫画界のお客様にも大きなところで受け入れてくださり、「想像の斜め上を行く」という、力になる言葉をいただきました。思った以上に歌舞伎と『ワンピース』の相性がいいと褒めていただきましたが、そもそも『ワンピース』の世界がどこかで日本の文化の源流みたいなものを分かち合って、ここで再会しただけなのかもしれないと思います。正直(幕を)開ける時に精一杯で、大阪まで時間があったので、そこでの練り直しがかなり大きくて、別なものというくらいの進化をしました。我々の『ワンピース』への理解も深まり、やるべきことはこれだったと、やりながら気づいたこともありました。
僕でいうと、たった一言台詞があるような小さな役にまでファンがいて、想いがあると肌で感じました。もう一回原作に立ち返り、役を考えると、並びの俳優さんたちが名前をもらって、原作があるというところで、もう一つ輝きを増して臨んでくれて、そこがもう一つ上に上がった瞬間なのかなと思いました。なので、これを大阪と博多の最中に「これをもう一回最初に観て下さった方に見せないといけないね」と。まだ進化させますが、この機会をいただけて嬉しいと思います。また少しでも多くの方に観ていただきたいです。

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猿之助
 歌舞伎は名作と現在謳われているものも、初演からその形があったわけではない。何回も繰り返し上演されて、あらゆる俳優の工夫を経て、究極形が出てきた。やっぱり再演を重ねることは、素晴らしい作品を生み出すには必要だと思います。伯父の(市川)猿翁から常々言われることは、新作は一回作るのはわりと簡単にできるが再演を重ねるような新作を作るのは実は難しいと。私は常にものを作るに当たり、興味本位、一回限りの話題という作品作りは避けて、なるべく後世に残るものをと作ってきました。『ワンピース』が再演になったことが、すべての答えだと思います。
このあいだ尾田先生とお話したとき、「君は何をやってもルフィにしか見えないから大丈夫だ」と言葉をいただきました。最初はディテールにこだわります。歌舞伎でも先輩に習った時は細部にこだわります。でもそれだけではだめで、次の発展段階は自由にやること。役の心さえちゃんと掴んでいれば何をやったっていいという、究極の教え。再演にあたり、みんな役が自分のものになっていると思うので、その心をしっかり掴んだ上に自由に羽ばたいてみたいと思います。
演出も、九州でも大阪でもやったことがないことを東京バージョンでお見せしようと。また今回、若手を抜擢することを認めていただいて、とても喜んでおります。歌舞伎は若手を、役者を育てることも非常に大事で、それに力を入れていることがわかっていただけると思います。主役が違うことで世界観も違ってきますので、両方を楽しんでいただきたい。

【質疑応答】

──歌舞伎の源流というお話でしたが、演出でそのあたりを感じられたことは。
横内 2.5次元シアターがいま流行っていて、基本は顔のいい青年たちがコスプレをして、漫画的な美しさで表現するんですが、歌舞伎の役者さんたちの力というのは、原作をコピーするのでなく一回解体して別のものにして提示する。猿之助さんがルフィそのものと言ったって、近くで見るとそうそう少年でもない(笑)。ところが芝居になると、少年だったり超能力者だったりを自分の中で再構築されて、形だけコスプレするのでなく芝居することでやる力がある。この一座の腕ききの方はもちろんですが、若手の人たちも名前をあげてキャラクターを示された瞬間に並びの手下1、2ではなくなる。歌舞伎は形と言いますが、気持ちが出てくる装置がうまく作動した時にこの人たちは輝くんだなという体験をしました。
マルコという役があって、初演ではわき役でした。ところが再演で尾上右近を入れるというので、見せ場を作れという話になり(笑)、書き換えるのかということになるんですが、この役も不思議で。中村勘九郎さんが最初の声をやってくれているのですが、稽古場で雑談する機会があり、誰が好きなのか聞いたらマルコだと。あいついいんだよね、と。気になって読み直すと確かにかっこいいのかもしれないと、右近さんの役はマルコにしようと。もともとコスプレっぽく役も作っていましたが、役が尾上右近という俳優を得て、役者が命を吹き込んでくれた瞬間に、漫画の人物がその場にいるという感覚。漫画にすり寄るのでなく、俳優たちがかみ砕いて具現化していく姿の力強さを感じました。他の2.5次元をディスるわけではないですが、俳優たちへのメッセージとしても、この人たちがやってる仕事は凄いことではないかと思います。

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──ともに浅草歌舞伎でやってきた仲間のお二人(勘九郎と七之助)は、お父様のなさったことを引き継いで、猿之助さんは猿翁さんの立ち上げたスーパー歌舞伎を引き継いでセカンドとしてなさっていて、ともに活躍の場を別にもって歌舞伎界を動かしていることについてはどう思いますか。
猿之助 初演の時は、中村屋兄弟が「ワンピースに出たい!どうしても出たい!何の役でもいいから!」…まぁ、勘九郎さんはマルコという指定がありましたが(笑)。お互いそうそう自由の利く身でもないですが、何らかの形で関わってもらいたい、幕開きのナレーションでもぜひやっていただきたいんだけどと言ったら、本当に喜んで関わってくれた。そういうのは、変な話、たとえば僕も勉強してきたし、一緒に勉強してきたし、勉強があるからこそああいう形でも皆さんが喜んでくれる。これがあんまり歌舞伎界に一生懸命にならず、うだつの上がらない人だったら、そういう人にナレーションをやってもらってもエッ?となるけど、勘九郎、七之助と名前が出た時にワッと言ってくださるのは、やっぱり、苦しい思いをしてちゃんと勉強してきたからこそ。本当に感慨深いものがあります。そして彼らに限らず、平さんだって浅野さんだって、右團次さんも名前は変えたって白ひげは絶対出ますよという心意気が嬉しいなと。僕は一人でなくみんなで作っていると思ってます。そういうと、みんなが「そういうところがルフィだ」って言うんだけど、僕は気にしたことがないんだけど。今回も独り占めしないで、いい役はみんなに振ろうと、なるべくいろんな機会を与えています。
──「麦わらの挑戦」で抜擢された若手に期待することは。
猿之助 今回、巳之助君、隼人君、右近君、新悟君が入ってくれましたが、右近君は右近君で僕と主役で比べられる。彼のほうがルフィに年齢は若いけど、若けりゃ歌舞伎の役の上で若いかというとそうじゃない。年を重ねれば重ねるほど若いという歌舞伎術、演技を彼が学んでくれるか。そして主役が若手になったことで、それを支える隼人君、巳之助君、新悟君は100パーセント以上の実力を出さないと面白くない。先輩とばっかりやると勉強にならない。カバー力が必要なので、主役が変わったことで難しいと思います。そのことで彼らが何かを掴んでくれればいいと、僕は泣く泣くワンキャストにしました(笑)。

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──原作はお読みになられましたか。
猿之助 それは僕のルフィを見れば、誰しも100パーセントわかることだと思います。
──2年前の会見で、ルフィの手を伸ばしたくないと伺って、その後、手を伸ばすという演出についてはどうですか。
猿之助 実写化される時に話題になるのはそういうところですね。僕らが心配したのが、『ワンピース』を知らない方々が入ってこれるのかということで、最初はたとえば「能力が上がる実」をいちいち説明したりしていましたが、上演を重ねていくとそういうところが全部要らないなと。いきなり手が伸びても不思議に思わない。それが世界観に溶け込んでいるので、すんなり入ってきて、余計な説明がどんどん要らなくなるんです。もちろん手を伸ばすことで喜んでくれますが、それが非常に重要な部分を占めているわけではない。尾田先生が書かれている人間の変わらないもの、ドラマのほうが感動するので、能力の面は彩りでしかない。それはお客様の反応、特に『ワンピース』好きの人の反応からも思わせていただいたので、今回は説明に使ってきた時間をドラマに込められるので、より普遍的なものをお見せできるかなと思います。
──演出のプランが、おぼろげでもあれば教えてください。
猿之助 この作品はもともと行き詰った時に、ゆずの北川悠仁さんに相談して、やろうと決めた時に主題歌を提供してくれて。今回の舞台の発想は、全部彼らのステージからヒントをもらっています。幸か不幸か、5月に20周年のライブを見てしまって、やっぱり刺激を受けると新たなことをやってみたくなるので、そこで使われた演出を取り入れてみたいなと。ライブ会場と演舞場という違いはありますが、無理にお願いして何とか組み込めるかなと。最新技術を使ったことをやってみたい。多分、映像を使った演出にはなると思います。あとは上演時間をなるべく短いほうがいいので、終わってもお客様が銀座の街を楽しんで帰れるような上演時間にしたいので、濃密にしたいと思います。

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【囲みインタビュー】
 
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──初演の時から、これはもう絶対再演という気持ちは。
猿之助 再演はあるだろうなとは思ってました、なんとなく。
──それは初演の公演中の手応えで?
猿之助 観られなかったというお声が多かったので。その後、大阪と九州でやりますよと言いましたが「そこまでは観に行けないので、東京でもう一回」という方がね。
──ご自身の意気込みも初演の時とは変わると思いますが。
猿之助 一回目を観た方もいらしてくれるので、その期待をいい意味で裏切るというのと、初めて観る方にも感動していただけるような作品をみんなで作っていきたいなと考えています。
──尾田先生がルフィにしか見えないと言った役を、他の方にも譲ることに関しては。
猿之助 やっぱり、自分が一番いい状態の時に次の担い手に渡すというのは、歌舞伎が長く続くための使命だと思うので。僕がシャンクスに回った時、若手の彼らがどうなるかお手並み拝見というところでしょうね。
──ハリウッドでもドラマ化がありますが、実写化の先駆者としてはどうですか?
猿之助 自分のほうがいいという自信はもってますから。歌舞伎のほうが、日本のアニメの、尾田先生の世界観により合ってるんじゃないかと自負はしてますが、どんなものができるか楽しみでもありますね(笑)。
──漫画も読まれたそうですが、ルフィ以外でこの役が好きというのは。
猿之助 今はもうルフィしか考えられませんね。それだけやらせていただきたくて、やっぱり愛着がありますのでね。僕が死ぬ時、当り役にたとえば「義経千本桜・佐藤忠信、ルフィ」とかね、いいじゃないですか(笑)。僕は一生の宝物だと思ってます。
──改めて公演に向けて。
猿之助 今回再演になりますが、バージョンアップでなく、また新しい『ワンピース』ということで作っております。一度観た方は「本当にこれが同じ作品なの?」という驚きをもって、また、初めての方は『ワンピース』がこんな世界だったのかということもありますので。初日に向かって、また新たな進化に関する情報が飛び出すかも楽しみにしていただきたいと思います。

〈公演情報〉
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原作◇尾田栄一郎(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
脚本・演出◇横内謙介
演出・出演◇市川猿之助
スーパーバイザー◇市川猿翁
出演◇市川猿之助 市川右團次 坂東巳之助 中村隼人 尾上右近 坂東新悟 市川寿猿 市川右近 市川弘太郎 坂東竹三郎 市川笑三郎 市川猿弥 市川笑也 市川男女蔵 市川門之助 平岳大 嘉島典俊 浅野和之ほか
●10/6〜11/25◎新橋演舞場
〈料金〉通常公演/1等席16,500円 2等A席9,500円 2等B席5,000円 3階A席5,000円 3階B席3,000円 桟敷席17,500(全席指定・税込)
特別マチネ「麦わらの挑戦」/1等席14,500円 2等A席8,500円 2等B席4,500円 3階A席4,500円 3階B席2,500円 桟敷席15,500円(税込)
〈お問い合わせ〉
チケットホン松竹 0570-000-489または03-6745-0888
〈公式HP〉http://www.onepiece-kabuki.com 
 



【取材・文・撮影/内河 文】






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