稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

極上文學『こゝろ』

記者発表ルポ

2019年3月「神奈川かもめ『短編演劇』フェスティバル2019」(かもフェス‘19)開催!会見レポート

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2019年3月に開催される「神奈川かもめ『短編演劇』フェスティバル2019」(かもフェス‘19)で劇作家・演出家・女優の渡辺えりが審査委員会の委員長を務めることとなり、17日、黒岩祐治神奈川県知事と渡辺えりが会見を行った。
「神奈川かもめ『短編演劇』フェスティバル2019」(かもフェス‘19)は、神奈川かもめ短編演劇祭を前身として今回大幅リニューアルしたもので、20分の短編演劇作品を全国から募集。公募団体から5団体、戯曲コンペティションで選ばれた1作品が3月24日にKAAT神奈川芸術劇場で開催される本戦に進出する。このほか、前年度の最優秀作品賞受賞団体、九州地区代表、北海道地区代表、22世紀飛翔枠という神奈川県内高等学校選出団体の計10団体がフェスティバル大賞を競い合う。

今回の「かもフェス‘19」リニューアルに際しては、様々な特典が追加され、大賞受賞団体には、賞金30万円と神奈川県立青少年センター多目的ホール・HIKARIでの上演権(1週間)が贈呈される。また、戯曲コンペティションの最優秀作品は劇団「柿喰う客」、中屋敷法仁演出で上演されるのも注目だ。審査委の委員は、渡辺のほか、川村毅、赤澤ムック、舞台美術家の伊藤雅子ら多彩なメンバーが務める。

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【コメント】

黒岩祐治(神奈川県知事) 
20分という時間で演劇で何が表現できるか。その限界に挑むフェスティバルです。
志のあるチャレンジャーをお待ちしています。いろんな演劇がありますが、見ていただく機会がない。20分単位でいくつもの団体が、しかも全国から参加します。今まで演劇に触れたことがない人も来てくださるかもんしれない。やる方の大きなチャンスになりますし、観る方にも新たな発見があると思いますので、さらにパワーアップしてゆきたいと思います。
神奈川では、文化・芸術の力で人を引き付けようとマグネット・カルチャー(マグカル)という取り組みを展開しています。このかもフェスもやり続けることで、神奈川で新しい演劇が発展していく可能性があるという流れをつくっていきたい。お客様だけではなく、舞台製作者や劇作家、演出家、俳優たちがそこに行けば何かが生まれるぞと、どんどん集まってくる流れをつくりたいと思います。

渡辺えり(審査委員長)
仕事で世界各地に行くと、YouTubeやツイッターで日本の歌を覚えている人が多いのですが、演劇はなかなか広まっていかないんです。それは、上演時間が2時間や3時間が普通で、もちろんそれも面白いのですが、You Tubeでもツイッターでも見られる長さのものがないからです。演劇の面白さを凝縮した短編を募集することは素晴らしい。どんどん書いていいただきたいですね。こうした作品の評価のポイントは特にないです。今は多様性というものが重要だと思います。なんでもいい。自由です。長い小説も面白いですが、短編小説の面白さってありますよね。演劇もそうだと思います。短編で想像させてその軸だけやる20分もある。一つのディテールを顕微鏡で拡大したように描くのもあると思います。
あまり考えず、書きたいことを書く20分でよいと思う。いろんな演劇があっていい。縛られないで自由に書いてください。


【フェスティバル本戦の概要】
(1)上演期間:平成31年3月21日(木曜日・祝日)〜24日(日曜日)
(2)公開審査会:平成31年3月24日(日曜日)上演終了後
(3)開催場所:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
(4)参加団体 10団体
(5)審査委員;渡辺えり 他
(6)大賞受賞団体への特典
  賞金30万円
  青少年センター多目的ホール・HIKARIにおける上演権(1週間)

 フェスティバル本戦の参加団体募集(うち5団体が本戦参加)
(1)募集期間:平成30年10月1日(月)〜12月5日(水)
(2)選考方法:実行委員会において公募団体より提出された企画書、上演映像等により本選参加団体5団体程度を選抜。
(3)選考結果公表:平成31年1月7日(月)(予定)
(4)本選参加団体への特典
旅費等の額を勘案し、40,000円から150,000円の範囲で補助

戯曲コンペティション参加作品の募集(うち1作品が本戦参加)
(1)募集期間:平成30年10月1日(月)から11月20日(火)まで
(2)選考方法
最終選考対象5作品を、リーディング上演後、審査委員が公開審査し、最優秀作品賞を決定。
 (ア) 審査会開催日:平成30年12月15日(土)
 (イ) 審査会開催場所:ヨコハマNEWSハーバー(横浜市中区太田町2−23横浜メディアビジネスセンター1F)
(3) 最優秀作品賞受賞作品への特典
・賞金20万円
・中屋敷法仁演出の劇団「柿喰う客」がフェスティバル本戦で最優秀作品を上演。

22世紀飛翔枠(神奈川県内高等学校枠)の募集(うち1団体が本戦参加)
(1)募集期間:平成30年10月1日(月)〜12月5日(水)
(2)選抜大会開催日:平成31年1月6日(日)
(3)選抜大会開催場所:神奈川県立神奈川総合高等学校 多目的ホール(横浜市神奈川区平川町19-2)
(4)優勝団体への特典
・賞金4万円
・フェスティバル本戦への出場権

〈お問い合わせ〉
神奈川県国際文化観光局文化課




光より前に


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『メタルマクベス』disc3 浦井健治×高杉真宙×柳下大による「スペシャルトークイベント」レポート

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柳下大 高杉真宙 浦井健治

現在、尾上松也・大原櫻子ら豪華キャストで、360°回転劇場、IHIステージアラウンド東京にて絶賛上演中のONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 Produced by TBSに続いて、11月9日より本年の大晦日まで上演する次回作、disc3の男性メインキャスト3名が、快晴のアーバンドックららぽーと豊洲に集結。disc3への意気込みや、初めて体験する360°回転劇場について、また劇団☆新感線作品への想いなどをそれぞれに語った。

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この日登場した3名は、disc3でランダムスター/マクベス浦井役を演じる浦井健治、レスポールJr./元きよし役を演じる高杉真宙、グレコ/マクダフ柳下役を演じる柳下大。3度目の劇団☆新感線作品出演となるミュージカル界のプリンス浦井健治が、共に初参加となる高杉真宙と柳下大の2人をリードする形でトークは進行。

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事前の応募で当選した200名のファンと共に数多くのギャラリーが集まる中、disc3の稽古はまだ始まったばかりというものの、チームワークの良さを見せつける3人。
トークの途中には、現在上演中のdisc2でランダムスター役を演じる尾上松也が、二幕までの幕間に中継でモニター越しに参加。「健ちゃん休ませてくれ〜」と嘆きながらも、仲良しの浦井と楽しい掛け合いを披露。過去にドラマで共演したことがあるという柳下や、モニター越しに初対面を果たした高杉へエールを送り、3人を激励した。

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顔合わせからまだ10日ほどしか経ていない3人だが、既にチームとしての連携も十分。息の合ったトークを展開、集まった沢山のファンと楽しい時間を過ごした。
 
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【意気込みコメント】
 
浦井健治 
360°客席が回転する劇場はここだけです。劇団☆新感線が約2年弱かけてやってきた『髑髏城の七人』から始まったこの劇場での公演は、僕たちが出演する『メタルマクベス』disc3がラストになるので、お客様の力もお借りして、60公演の完走を目指しながら、disc1の橋本さとしさんからdisc2の尾上松也さんに渡ったタスキを受け取って、しっかりやっていきたいと思いますので、皆様もガンガンに盛り上がっていただいて、応援よろしくお願いいたします!

高杉真宙  
僕はまだまだ稽古も緊張していて、きっと本番もすごく緊張すると思いますが、大先輩の皆様にいろいろ教えていただきながら頑張りたいと思います。浦井さんもおっしゃったように、disc1からdisc3と続く公演は12月31日までありますので、気を抜かず皆で最後まで舞台上に立って、『メタルマクベス』の世界を演じ切りたいと思います!

柳下大 
この劇場でしか観ることができないステージだと思います。12月31日まで年内いっぱい上演しています。今年の締めくくりにピッタリな作品だと思いますので、今までご覧になった方も、まだ観ていない方も、たくさんの知り合いの方を誘って、ぜひ皆さんで劇場に足を運んでください。お待ちしています。

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〈公演情報〉
ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBS
作◇宮藤官九郎(原作:ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より)
演出◇いのうえひでのり
音楽◇岡崎 司
振付&ステージング◇川崎悦子
出演◇浦井健治 長澤まさみ/高杉真宙 柳下 大/峯村リエ 粟根まこと 右近健一/橋本じゅん/ラサール石井 他
●11/9〜12/31◎IHIステージアラウンド東京(豊洲)
〈料金〉13,500円(全席指定・税込)  
〈お問い合わせ〉ステージアラウンド専用ダイヤル 0570-084-617(10:00〜20:00)





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ala collectionシリーズ11回目は別役実の戯曲『移動』 製作発表レポート

集合写真

岐阜県可児市にあり、文化芸術の持つ力で市民に元気と明日への希望を届けるをモットーにしたala(アーラ)まち元気プロジェクトで全国に先駆けて社会包摂に取り組んでいる可児市文化創造センター。2002年7月の開館から、幅広い世代の市民に向けて、さまざまな公演プログラム、ワークショップ、イベントを開催し、多くの市民が日ごろから憩いの場としてここに集っている。
そんなalaの演劇におけるオリジナル企画が「ala collectionシリーズ」。第一線で活躍する演出家、俳優、スタッフが可児市に滞在する「アーティスト・イン・レジデンス」で、新作主義の日本の演劇界に対して消費されゆく過去の優れた戯曲に焦点を当て、リメイクするプロジェクトだ。また、毎回公募される20名超の市民サポーターが、長期滞在者に対して、食生活、公演PR、製作面でのアシストなどにより舞台を支えるのも特徴だ。
2009年に柳美里脚本の『向日葵の柩』でスタート以来11本目を迎える今シーズンは、初登場となる日本の不条理劇の先駆者、別役実の初期の作品を上演する。1971年に書き下ろされた『移動』は、変化の激しい時代の中で生きていく人々の人生を、ユーモアあふれる視点で、淡々としながらもどこか寂しく、どこかコミカルにつづっていく。

【あらすじ】
かっと明るい真昼。時折、電信柱があるだけで、ほかには何もない茫漠として場所に、赤ん坊を背負った女が現れる。あとに続くは家財一式を山積みにした荷車を引く男と、彼らより年を取った男と女。どうやら5人は家族らしい。一家はそれまでの暮らし、土地や人間関係と決別し、出発した。旅路には砂漠のように何もない空間が広がり、目に入るのは同じような姿の電信柱だけ。日の明け暮れとお茶の時間だけが区切りの当てどない日々。彼らはただ黙々と歩みを進めていく。若い男、ビラ貼りの夫婦、反対方向から旅してきた別の男女。一家と束の間、時を共にする人々にも、同道者が少しずつ減っていくという現実も、彼らの道行を止めることはできない。行く先も、始まりや終わりも判然とせぬまま、ひたすら続く彼らの“移動”。その先にあるものは──。

この作品の制作発表が9月中旬に可児市創造同センターで行われ、主演で「女」役を演じる竹下景子、「男」を演じるたかお鷹をはじめ、嵐 圭史、本山可久子、山本道子、田村勝彦、横山祥二、鬼頭典子、星 智也ら出演者と、演出を手がける文学座の西川信廣、創造センター館長兼劇場総監督の衛紀生が出席、作品の見どころなどを語った。

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衛紀生(可児市文化創造センター館長兼劇場総監督)
私がこちらに参りまして11年目の事業です。当時は制作スタッフも現場スタッフも作品づくりもままならない状態でした。しかしそれが10回の公演で5作品が賞を受け取れるようになりました。そして今回、ようやく別役実さんの作品をやれることになりました。
別役さんが鈴木忠志さんの早稲田小劇場を離れ、常田富士男さんと演劇企画66を始めたときに「これまでは油絵を書いてきたけれど、これからはイラストを描くんだ」というようなことをおっしゃったのが印象的です。その後、これは私見ではありますが、66以外に作品を書くとき、別役さんは、不条理劇から逃走しようと思ったのではないかと思うんです。別役さんのお仕事は会話のズレとか、人間がどうしようもなく持っているものを、不条理という形で出しながら、笑いについて考えてきたのではないかと私は思っています。
とはいえ私たちの世代を中心に不条理劇という頭があるため、笑いにはなかなか結びつきませんでした。でもあるとき紀伊國屋ホールで『会議』というお芝居を見たときに、まったく笑わない私たちのエリアと、大笑いする若者のエリアに出会いました。そのときに、私は別役さんは若い人たちに不条理という笑いを届けようとしているんだとほぼ確信を持ちました。
今回、文学座の西川さんが初めて別役作品を手がけます。西川さんとはずいぶん長くお仕事していますが、別役作品に取り組みのは感慨深いものがあります。今までの別役劇とはまったく違う切り口が出てくるのではないかと非常に期待しています。新しい別役の見方を提出できれば、やった甲斐があると思います。

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西川信廣(演出)
竹下さんの出演が決まったとき、実は別役さんというアイデアはなかったんです。ストーリー性があって、涙も笑いもあって、文学性があってといろいろ考えてみましたが、なかなか引っかかる作品がありませんでした。それがたまたま新国立劇場での別役さんの新作に竹下さんが出演されていたのを拝見して、竹下景子と別役実は合うんだと思い、いろいろ読み返して『移動』を選びました。
劇団では、別役作品といえば亡くなった戌井市郎さんで、僕は戌井さんの演出助手でしたが、なぜ別役作品に挑戦しなかったかといえば、そのときの印象が強烈で、自分がその世界を超えられるという自信がまったくなかったからです。見るのは好きだけど、やるのは恐ろしいと臆病になっていました。
『移動』はうちの劇団でもやっている『にしむくさむらい』という小市民の不安がテーマになった芝居の原型だと思います。たぶん、別役さんはここからどんどん捌いていって、今の小市民のかすかな不安というところににたどり着いた気がするのです。そういう意味でこの作品は、小さな不安というより、大きな不安があると感じます。チラシに「とどまることを選べない」とコピーがありますが、これが作品のテーマだと思います。
この芝居には4つの移動があります。夫婦の移動、それから若い男の移動、貼り屋の夫婦は移動しているかはわからないですけどぐるぐる回っている。そして戻ってくる移動。じゃあどこに向かっているかというと、みんなそれぞれに不安を抱えて移動しているんです。この作品は71年の戯曲で、約50年前に書かれているのですが、すごく今の不安と近いなと思いました。国はどんどん借金をするし、老後も心配、高齢化社会も心配、だけど前に進むしかないという、今の時代にぴったりはまっているなと思ったのです。
お芝居というのは、新作であれば時代の鏡として今の時代が抱えている問題を演劇的に投影するのが役目。一方で、古典も含めた古い作品を上演するときは、時代が演劇を呼ぶというのがあると思うのです。今回の『移動』は時代に呼ばれた気がしています。

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竹下景子(女)
別役作品は新国立劇場で初めてやりましたが、とても手強かったです。そしていろいろな経緯を経て今日にいたるわけですが、初めて体験した別役作品とこの『移動』、すごくスタイルは違っているようですが、根底を流れているものは変わっていないと思います。人間とはどういうものなのか、別役さんがいろんな語り口で伝えようとしているように感じました。
最初にこの戯曲を紹介いただいたときに、長くて長くてよくわからなかったんです。しかし台本として渡されたものはとてもメリハリが効いていて、不条理というよりは読んでいてクスッと笑えるようなところがたくさんあります。私が演じるのは、たかお鷹さんと一緒に旅をする、小さい子供を持つ母親。とにかく前に進むことしか考えていない。家族を引っ張っていくような女ですが、その元気さから、この役はほとんどサザエさんだなと思っています。
サザエさんは大変愛されているけれども、そのキャラクターの中には、みんなが生きていくうえで必ず持っている、おかしいこと、悲しいことを抱えて生きています。それが演劇になったときに、ヴィヴィッドに、あるいは奥深くに、人の心を映し出すところがある。これは私にとってもチャレンジあると思っています。笑いの後には思いもよらない結末が待っています。これ以上ドラマチックな作品はないように思います。諸先輩の力をお借りしつつ、どんなに伸び伸びとできるのかを思うと期待で胸が膨らんでいるところです。

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たかお鷹(男)
僕は文学座の研究生のころから、別役さんの作品を何度も見て何度も笑いました。なんて面白い作品なんだろうと。別役作品によく出ているだろうと言われるんですけど、実は1回しか出ていません。今回が2回目です。本当に見ていると楽しいのですが、やるとつらいんです。記者会見で話すだけでも、頭の中がパニックになっております。ただ竹下さんと共演できるのはうれしいです。

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嵐 圭史(その父)
私、昨年4月に劇団前進座を離れました。西川さんとは昨年、文化座でご一緒させていただきました。そんな関係で声をかけていただきましたが、別役作品だと知らず、うっかり返事をしてしまいました。台本を拝見したら主人公は男と女。私は父というだけですから、いくつの父なのかわからないわけですよ。私は実は前進座時代には年寄りを演じたことがありません。しかし離座してからは3本目のおじいさんの役、しかも過去2回よりも年をとっていなければいけないんじゃないかと思います。体からまったく力が抜けての芝居というのはどうなるのかな、というチャレンジがあります。もう一つの楽しみは、せりふが23個です。かつて『子午線の祀り』という4時間半の芝居に出たときに、私は冒頭から1時間半しゃべりっぱなしでした。そのときに別役実さんが「筋肉のせりふ」と評してくださったんですよ。別役さんがそんな取り方をしてくださったんだと思い、今回の台本を読み直してみましたが、まるっきり対極の世界にいらっしゃる方だなと感じます。それだけに別役さんに褒めていただいたことは励みになりました。そんな思い出も抱えながら、今回の舞台に臨みます。

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本山可久子(その母)
可児にまいりましたのはこれで3回目です。『おーい幾多郎』(金沢市民芸術村発信 文学座ユニット公演)、『風の冷たき櫻かな』(文学座)以来10年ぶりだそうです。私、1959年に17歳で文学座に入りまして、いつの間にか最長老になってしまいました。(嵐さんという)こんな若い、ご主人を持っています。どんなお芝居ができますか楽しみにしております。

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山本道子(貼り屋の妻)
私は可児は、こまつ座『闇に咲く花』でこさせていただいています。隣におります、田村が一期下で、夫婦役なのでいろいろ教えてもらいながら頑張りたく思います。

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田村勝彦(貼り屋の夫)
私は別役作品が大好きで、何本かやらせていただいているんですけど、今回は6年ぶりになります。すごく長くてこれは大変だなと思って、どなたが主役をやられるのかなと伺ったら竹下さんでした。竹下さんを頭に入れながら読み直したら、これはぴったりだなと思いました。そしてたかお鷹さんとのご夫婦役だと聞いて、これは絶対に面白いと確信に変わりました。西川さんの演出意図、これも私の思いと共通しているような気がしておりますし、これから芝居をつくっていくのがとても楽しみです。私げ演じるのはビラ貼り屋の夫。ビラ貼り屋はどういう移動なのか。この仕事は職人の部類に入るだろうと。職人のあり方は今と昔では違うとは思いますが、サラリーマンとはその過ごし方が違うような気がして、そのへんをうまく探れないかなと考えています。絶対面白い芝居になると思います。

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横山祥二(男 二)
別役作品は私はこれで3回目です。文学座アトリエでの『数字で書かれた物語』再演に出させていただきました。そのときに、アトリエ中がゲラゲラ笑うんですね。やり方によって大笑いできるお芝居じゃないかと思っております。諸先輩のお芝居を見ながら勉強させていただきたいと思います。

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鬼頭典子(女 二)
私は『あの子はだあれ、だれでしょね』で初めて別役さんの作品をやらせていただいて、これが2本目です。そのときにすごく難しくて、たかおさんがおっしゃったように、見るのとやるのでは大違い。本当に難しく思いました。けrど再び挑戦させていただくのはうれしく思います。出番としてはとても少ないのでかえって緊張しています。みんなが一方向に向かって移動しているのに、私たちは逆を行く、これは一体なんだろうと今ものすごく考えています。諸先輩方とご一緒できるのをものすごく楽しみにしております。

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星智也(若い男)
別役さんの作品は初めてです。台本を読んだときに、僕自身まったく若くはないのでどのように演じようか、それから何を水脈にこのせりふが出てきたのかまったくわからないところからスタートしています。若い男は竹下さんとたかおさんのご夫婦と一緒に進んで行くのですが、彼の不安も、自分とうまいことリンクさせながら、日本がどこに向かおうとしているのか、それに対して若い人が何を思っているのかをうまく表現できたらいいなと思っています。

【質疑応答】
 
──西川さんに、新しい別役像を出すということですが、そのあたりをもう少し教えてください。
西川 別役さんの作品は時代によって見え方がずいぶん違ってくると思うんです。はっきりしたストーリーがあるわけではありません。しかし観客が、この人はどこから来てどこへ向かうのか、何をしているのだろうかなど、人間の深いところに興味がいくようにつくろうと思います。時代を照射するという意味では、どちらへ行くのかわからない時代になっています。“移動”を別の言い方をすれば4つの生き方があるということでしょう。とにかく、まっすぐ生きていくのかが本当にいいのかという不安を抱えているので、そのへんをアジテーション的に押し付けるのではなく、観客の方が登場人物の生き方を見て、心に響いて、自分たちで理解をするというつくりにしたいです。別役さんはディテールにこだわり、しつこくしつこく描くことが観客の笑いを誘うものだと思います。言葉で埋めよう埋めようとしてわけのわからない方向に行ってしまう、そういう面白さを描けたらいいなと思います。

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──竹下さんの印象と役について?
西川 一般的なイメージでは昔はお嫁さんにしたい女優さんナンバー1でしたし、いいお母さんだったりしましが、知性感があって、品があって、誰にも好感が持たれるところがあると思うんです。しかし今回はガンガン前にいく女性、ある意味では嫌なところがあるキャラクターです。そういう意味では今までの竹下景子のイメージとは正反対ですけど、悪人ではない。衣装も普通の別役作品では時代がかっていて地味な印象ですが、今回はド派手。かなりギラギラなんです。そういう要素も含め別役芝居が打ち破れたらと思います。
竹下 今まだ自分のことはほとんどわかっていないんですけど、これから演出を受けつつ、自然発生的に何か違うものになってきているということはあるんですね。別役さんの戯曲はすごく具体的ですが物語を語っているわけではありません。やる側にしてみれば、いろんなことが試せるんです。そういう中で、いやがらせをやってやろうというわけではありませんが、いろんな表情、側面が出てくる中で、イライラする女性になっていのかなと思います。お客様が「わあ、イライラする」と思ってくだされば、私は内心しめしめという感じでしょうか。

〈公演情報〉
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ala collectionシリーズvol.11『移動』
作◇別役実
演出◇西川信廣
出演◇竹下景子 たかお鷹 嵐 圭史 本山可久子 山本道子 田村勝彦 横山祥二 鬼頭典子 星 智也
●10/15〜21◎可児市文化創造センター・小劇場
●11/7〜14◎吉祥寺シアター
●10/25◎宇都宮市文化会館
●10/27◎長岡リリックホール
●11/3◎四日市地域総合会館あさけプラザ
〈料金〉
可児公演/4,000円 18才以下2,000円(全席指定・税込)
東京公演/5,000円 学生2,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉
可児公演/可児市文化創造センター 0574-60-3050
東京公演/石井光三オフィス 03-5428-8736
栃木・宇都宮公演/公益財団法人うつのみや文化創造財団 028-636-2121
新潟・長岡公演/公益財団法人長岡市芸術文化振興財団 0258-29-7715
三重・四日市公演/公益財団法人四日市市文化まちづくり財団 059-354-4501



【取材・文・撮影/今井浩一】




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桑田真澄の指導で熱く燃える出演者たち。舞台『野球』製作会見 レポート

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今年もまた球児たちの熱い夏がやってきた。第100回目の甲子園を迎える今年、野球を題材にした注目の舞台『野球』が上演される。その製作発表会見が7月17日、都内で行われた。
この作品は、元プロ野球選手で野球解説者の桑田真澄を野球監修に迎えるなど、文字通り「野球」をテーマにしている。だが背景となるのは1944年夏。戦局が暗い影をもたらす中、甲子園のグラウンドに立つという夢は消え、若者たちは予科練への入隊を決意することに。野球がしたくても出来なかった彼らが抱いた、野球への情熱と切ない想いを描き出す舞台だ。

会見には桑田真澄も参加、作・演出家の西田大輔、キャストの安西慎太郎、多和田秀弥、永瀬匡、小野塚勇人、松本岳、白又敦、小西成弥、 伊崎龍次郎、松井勇歩、永田聖一朗、内藤大希(Wキャス卜)/松田凌(Wキャスト)が出席。記者会見の司会も、出演者の1人、村田洋二郎がつとめた。

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会見では、主演の安西慎太郎が代表しての選手宣誓を実施。「宣誓!僕たち、舞台『野球』一同は、正々堂々と全力プレーすることを誓います!」と宣言。キャスト一同も続けて「誓います!」と声を揃えて、公演への意欲を表明した。

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永田、伊崎、白又、松本、小西、松井、村田
小野塚、多和田、内藤、安西、松田、永瀬、桑田、西田 
  
【コメント】 
 
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桑田真澄/野球監修 
僕は、舞台そのものも今まで2回しか観たことがなく、お話をいただいた時は戸惑いました。ですが西田さんの熱い思いと、大学院で野球の歴史を研究していたこともあり、僕にも力になれることがあるんじゃないかと思ってお引き受けしました。
野球指導については、俳優の皆さんは甲子園球児に負けないくらいの元気と熱いものがあって、非常にびっくりしました。僕もそれに負けないくらいの気持ちで指導しなければとすぐに思いました。キャッチボールやバッティング、ゴロやフライの捕球など、全てにおいて指導させていただきました。練習初日に伝えたことが、2日目にはできるようになっていて、こんな短期間でこんなに成長するのかと。サインの出し方や構え方なども、プロに負けないものが表現されていると思います。
野球場でやる野球と舞台の上でやる野球は違うけれど、伝わってくる感動は同じかそれ以上のものがあると思う。本当にいいものが仕上がると確信していますし、僕も非常にワクワクしています。第100回記念大会という節目ですが、やはり野球ができる、スポーツができるというのは平和でないとできないこと、二度と戦争を起こしてはいけないというメッセージを、野球を通じて感じとっていただけたらと思っています。

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安西慎太郎/穂積均役
 
最初の顔合わせで西田さんが「すごい作品を作ろう」と言ってくださって、そこから本当にカンパニー一丸となって、今すごい作品を作っています。観に来てくれたお客様が一生忘れないような、心の中に残る作品を本当に作りたいなと思っています。見どころとしては、やっぱり時代背景もありますが、とにかく本気で汗をかいて、本気で疲れて、本気で声を出しています。その自分たちの全力プレーをお客様に観ていただけたら嬉しいです。
(桑田さんの指導は)上から目線で言うのではないのですが、「野球、好きなんだなー」って(笑)。僕たちも楽しんでいましたが、教えてくださる桑田さんも本当に野球を愛しながら教えてくださる姿が印象的でした。

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多和田秀弥/唐澤静役
僕は、慎太郎が演じる均の幼なじみで、伏ヶ丘商業学校の天才ピッチャーという役で出演させていただきます。この作品を通して、好きなことができる、そして大切な人がそばにいてくれることの幸せを、お客様とこのメンバーと一緒に体感し再確認する、そんな夏にできたらなと思っています。

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永瀬匡/岡光司役 
 
今回の『野球』は、観に来てくださる方が、観劇というよりは「野球観戦に来た」という気持ちになれるような舞台になると、稽古をしながら感じています。時代背景など色々な面がありますが、僕らは全力で野球を愛して、球場に立っているつもりで、毎日稽古をさせていただいているので、汗をかいて、笑って、泣いて、全力で生きている姿を目に焼き付けていただけたらと思っています。
 
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小野塚勇人/菱沼力役
  
僕自身も野球をするのは初めてで、他にも初めてのキャストが多いのですが、みんな稽古から魂のこもった熱い演技をしています。本番では1人でも多くの方に、男くさく熱い青春を観ていただけたらなと思います。
 
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松本岳/田村俊輔役  
最高の舞台になると思っています。精いっぱい田村俊輔を演じたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

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白又敦/早崎歩役 
僕も野球経験はないんですが、今回は舞台上で全力の汗をかいて、全員で『野球』を作っていけたらと思っています。よろしくお願いします。

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小西成弥/浜岡喜千男役 
甲子園も100回目という同じ時期に、この舞台『野球』をできるということで、僕たちも『野球』という舞台を熱い作品にしたいです。甲子園も熱いですけれども、それを超えるような作品を作れるよう、がんばっていきたいと思います。
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伊崎龍次郎/佐々木新役  
この作品を観終わった後に、「野球ってやっぱりいいよな」と思っていただけたら、それが一番嬉しいです。自分の役割を最後まで全うしたいと思います。よろしくお願いします。

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松井勇歩/堂上秋之役  
本当に、とてつもなく感動できる作品になるということを稽古しながら確信しています。より沢山の方に、この作品に出会っていただければなと心から思っています。

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永田聖一朗/大竹明治役  
僕自身、舞台は2作目でまだまだ未熟なのですが、心強い先輩たちと一緒に切磋琢磨して、素敵な舞台を作れたらいいなと思っております。よろしくお願いします。 

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内藤大希/島田治人役(友情出演・Wキャスト)
島田治人役の内藤大希です。僕は東京公演の前半を担当しますので、いい公演のスタートを切って、凌くんにバトンをつなげたらいいなと思っています。よろしくお願いします。

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松田凌/島田治人役(友情出演・Wキャスト)
同じく、島田治人役の松田凌と申します。今作は野球という競技を通して、そして自分たちが作り上げるお芝居を通して、この平成最後の夏に何か、忘れてはいけないもの、忘れたくないものをお届けしたいと思っています。この座組で一蓮托生、桑田さんのお力添えもあり、大輔さんの作ってくれた作品を、自分たちが一球一球、本気で届けたいと思います。ぜひとも、劇場まで確かめに来てください。

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西田大輔/作・演出
この作品は、1944年を舞台に描くオリジナルストーリーです。野球というもの、そして時代を通して、誰かを想う物語になったらいいなと思います。「ストライク」や「アウト」という言葉も言えなかった時代に、本当に一晩しかない時間を野球で過ごす少年たちの物語です。この作品が多くの人に届くように、応援をお願いいたします。

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〈公演情報〉
野球PR

舞台『野球』
作・演出◇西田大輔 
出演◇安西慎太郎/多和田秀弥 永瀬匡 小野塚勇人 松本岳 白又敦 小西成弥 伊崎龍次郎  松井勇歩 永田聖一朗 林田航平 村田洋二郎 田中良子/内藤大希(Wキャスト) 松田凌(Wキャスト)/藤木孝 
●7/27〜8/5◎サンシャイン劇場
●8/25・26◎梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 
〈お問い合わせ〉
東京/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
大阪/キョードーインフォメーション0570-200-888(全日10:00〜18:00)



【取材・文/佐藤栄子 撮影/友澤綾乃】



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劇団スタジオライフ 舞台版『はみだしっ子』特別座談会・製作発表記者会見レポート

StudioLife

劇団スタジオライフの舞台版『はみだしっ子 〜in their journey through life〜 』がこの秋、東京と大阪で上演される運びとなり、都内で製作発表会が行われた。この作品は2017年秋にスタジオライフが初めて舞台化した『はみだしっ子』の続編。早世のマンガ家・三原順により1975〜1981年に発表された同名作品を原作としたもので、親に見捨てられたり親を見限って家出したりといった事情を抱え共同生活を送ることになった少年4人の、心の彷徨と成長を描く物語だ。原作の中から前回描き切れなかったエピソードの続きを、前回と同じ4人組が演じる。 

製作発表会の前半は劇団の脚本・演出を務める倉田淳が、『はみだしっ子』および三原順にゆかりのあるゲスト3名を迎えて特別座談会を実施。まずは前作を鑑賞した感想から語られた。三原と同年にデビューした元マンガ家であり、ファンとして三原作品の再版活動などを展開してきた笹生那実氏は「『大人が演じているんだよな〜』と思いながら見ていたはずが、いつのまにか幼い子供4人がそこにいるようにしか見えなくなり、引き込まれました」と。同じく三原作品の長年のファンで『はみだしっ子』の同人誌を64冊も刊行しているという柴咲美衣氏も、「セリフの一つ一つはもちろん、立ち姿や手の組み方、足の角度など細かい所まで原作のテイストを大切にされているのが伝わってきて、とても愛を感じました」と、スタジオライフ版ならではの舞台化のクオリティーに太鼓判。とにかく大勢の熱狂的支持者を持つ『はみだしっ子』ゆえ、「最初はこわごわ初舞台化」したという倉田も、三原ファンを代表する2人から「不安はもうない。今回は期待のみです!」とのエールを受け取り、恐縮しつつも意欲を新たにしていた。
また、編集者として生前の三原に関わった白泉社出版部部長の前田太郎氏は、三原作品について「世代を超えて受け継いでいかれる力を持っていますし、人生のバイブルと仰ぐ方も多い。2015年に原画展を開いた時には来場者の熱い思いに感動し、人々がマンガというものをどのように思っているのか、すごく考えさせられました」と。倉田は「何といっても三原先生の作品は“言葉”が素敵で深い」と原作への敬意を語り、続けて「今回の副題『in their journey through life』の life には、敢えて冠詞を付けていません。普遍的なニュアンスが狭まってしまうからです。人生という彼らの旅はまだまだ続きます」と挨拶した。 

後半は、4人の主人公を演じるキャスト(トリプルキャストなので3チーム、総勢12人)が揃って登壇。それぞれに抱負を述べた。
Mr.Yamamoto
【TRKチーム】にてアンジー役を演じる山本芳樹

ベテラン俳優を擁する【TRKチーム】は、年齢的に「今回をもって解散」と倉田から通告されてしまうも、「残り少ない命だと思って(笑)、マックスと痛みや悲しみ、愛、喜びを分かち合い、先輩方と4人で素敵な旅ができるよう頑張ります」と最年少・田中俊裕から頼もしい言葉が飛び出した。

Mr.Matsumoto
【TBCチーム】にてアンジー役を演じる松本慎也

【TBCチーム】で長男的存在のグレアムを演じる仲原裕之は「前作では開演前、『4人で一人!』を合言葉に円陣を組んでいました」と明かす。サーニン役の千葉健玖もそれに呼応して「“4人で一人”を今回もっと深めていければと思っています。演出の倉田さんを信じていますし、仲間たちを信じていますので、舞台でやる意味を体現したい」と4人の結束力とバランスの良さを期待させた。

Mr.Usami
【BUSチーム】にてアンジー役を演じる宇佐見輝

グレアム役の中で最も若手である【BUSチーム】の久保優二は、「この役をまた演じられることを改めて幸せだなって感じています。メンバーと一緒に一歩一歩、僕も成長していけたら」と爽やかに。またアンジー役の宇佐見輝は「基本的に他のチームとは演技のことで相談等しませんが、先輩方が演じるアンジーから盗める所は盗んでいこうという気はあります。でも人の稽古を見て自分の役作りが揺らぎそうだなと直感した時は見ないです(笑)」と場を和ませた。 

『はみだしっ子 〜in their journey through life〜 』は10月6日(土)〜21日(日)  東京・シアターサンモール、11月2日(金).・4日(日)  ABCホールにて上演される。
(文・上甲薫) 
 

【公演情報】
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スタジオライフ『はみだしっ子 〜in their journey through life〜』
原作:三原順「はみだしっ子」 (c三原順/白泉社)
脚本・演出:倉田淳
[東京公演] 2018年10月6日(土)~10月21日(日) シアターサンモール
[大阪公演] 2018年11月2日(金)~11月4日(日) ABCホール

[チケット]2018年8月19日(日)一般発売開始

[キャスト]    TRK   TBC   BUS
グレアム ...... 岩崎大  仲原裕之 久保優二
アンジー ...... 山本芳樹 松本慎也 宇佐見輝
サーニン ...... 緒方和也 千葉健玖 澤井俊輝
マックス ...... 田中俊裕 伊藤清之 若林健吾
船戸慎士 牛島祥太 吉成奨人 鈴木宏明 前木健太郎 藤原啓児 他 

※出演者は都合により変更になる場合があります。予めご了承ください。


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