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記者発表ルポ

創立95周年を祝して華やかに!OSK日本歌劇団・新橋演舞場公演『夏のおどり』記者懇親会レポート

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今年創立95周年を迎えたOSK日本歌劇団が、劇団員38名を擁して華やかに繰り広げる豪華レビュー2本立て公演『夏のおどり』が、新橋演舞場で上演される(8月31日〜9月3日まで)。

関西を拠点に活躍するOSK日本歌劇団は、近年東京での公演にも大きな力を注いでいて、新橋演舞場での公演も今回で3回目となる。栄えある創立95周年を記念して創られた『夏のおどり』は大阪松竹座で『春のおどり』として上演された和洋2本立てのレビュー作品を、一部手直しし、新橋演舞場の舞台機構を駆使して繰り広げられる公演。
第1部は尾上菊之丞作・演出・振付による『桜鏡〜夢幻義経譚』。日本人に愛され続ける歴史上の人物であり、ヒーローである源義経の生涯を華やかに、かつスピーディに描いた和物レビュー。第2部は中村一徳作・演出の『Brilliant Wave〜100年への鼓動〜』。波をテーマに、創立100周年への栄光の道を歩みはじめたOSK日本歌劇団が、その伝統を受け継ぐ高度なダンス力を中心にした洋物レビューとなっている。

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悠浦あやと、真麻里都、桐生麻耶、高世麻央、楊琳

そんな、これぞOSK!という豪華レビューの上演を前に、6月24日都内で記者懇親会が行われ、松竹株式会社取締役副社長安孫子正、OSK日本歌劇団トップスター高世麻央、男役スター桐生麻耶、楊琳、真麻里都、悠浦あやとが出席。公演への抱負を語った。

【出席者挨拶】
 
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安孫子 松竹の安孫子でございます。今日は本当にお暑い中お集まり頂きましてありがとうございます。OSKの公演を8月31日〜9月3日まで新橋演舞場で今年も上演させて頂くことができます。本当にこれはとても素晴らしいことで、松竹としても東京でOSKの公演ができますことを光栄だと思っております。95年の歴史を持つOSKですが、当初大阪松竹の創業者の1人である白井松次郎の手によってOSKが生まれました。そして長い歴史を誇る訳ですが、大変残念なことに一時松竹の手を離れて活動されておりましたけれども、平成に入りましてOSKが解散という状況、難しい時期を迎えました。その時に再度松竹で色々とさせて頂きまして、平成16年に大阪のOSK発祥の地であります松竹座で、OSKのレビュー公演をすることができました。それが今日まで伝わっております。その間本当に努力を重ねられて、特に解散から再び松竹とのご縁がある間、今はトップの高世さん、また、桐生さんはじめ皆さんが努力して、当時20名の団員が大変な努力をしながら存続に駆けずり回って、そして今日の礎を作ってくださいました。今、伺いましたら、楊さん、真麻さん、悠浦さんはその後の入団ということで、当時のOSKの先輩の苦しさというものを実際には体験していないのですけれども、でも今日のOSKの歴史を語る時、その時を克服してきた辛さと喜びが、今のOSKの皆さんの心の支えになっていることと思います。
今回の公演ですが、東京での新橋演舞場の公演は3回目になります。松竹座で『春のおどり』として上演せて頂いた公演を、一部手直しをさせて頂いて『夏のおどり』ということで上演させて頂きます。私も観させて頂きましたが、本当に素晴らしいレビュー作品で、レビューは色々な方たちが取り組んでおられますけれども、私は掛け値なしにOSKが日本一のレビューの劇団だと思っております。
今日おいで頂いた方々にも演舞場の公演を観て頂ければ、そう納得して頂けると思いますけれども、1部では日本物のレビュー、2部では洋物のレビューがございまして、OSKという素晴らしい技術を持った集団が力を発揮しております。この公演を皆様に観て頂くことによって、是非レビューの楽しさというものを大勢の人たちに伝えていきたいと思っております。その為にも是非皆様方のお力を頂きまして、1人でも多くの方がOSKの素晴らしいレビューを観に来てくださいますように、お力添えを頂きたいと思います。そして何よりもここに来て頂いている方々にまずOSKのファンになって頂いて、2度3度と観て頂けると、更にレビューの魅力がわかってくるというのが、私の実感でございますので、是非どうぞよろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。

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高世
 皆様こんにちは。OSK日本歌劇団の高世麻央でございます。本日はお忙しい中お時間頂戴しましてありがとうございます。本日は申し訳ありません、少々声変わりをしておりましてお聞き苦しい点はあるかと思いますが、想いはたくさんですので、私たちの舞台に賭ける想いを少しでもお伝えできたらと思っております。よろしくお願い致します。
おかげ様にてOSK日本歌劇団は今年創立95周年を迎えさせて頂きました。先日の大阪松竹座での『春のおどり』の公演、大阪松竹座で大正11年に生まれた劇団が、今こうして95周年を迎えられた時に、また大阪松竹座の舞台で公演させて頂いていること、昭和5年から歌い継がれております「桜咲く国」というテーマソングを、今も歌わせて頂けていることを奇跡のように思っております。今回もまた昨年に引き続き、歴史ある新橋演舞場という素晴らしい劇場で、私たちOSKの公演をさせて頂けること、松竹様のお力をお借りして、東京のお客様にOSKを観て頂けると思いますと、今、すごくワクワクしております。今回は安孫子様の方からお話がありましたように、1部は『桜鏡〜夢幻義経譚』2部は『Brilliant Wave〜100年への鼓動〜』ということで、1部2部共に、素晴らしいOSKらしい作品を創って頂きました。95周年に、100年に向かって歩んでいくOSKの躍動的な作品となっております。本当に色々な魅力が詰まっておりますので皆様のお力をお借りして1人でも多くの方に観て頂けたらと思っております。今日は皆様よろしくお願い申し上げます。

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桐生
 おはようございます。桐生麻耶です。本日はありがとうございます。昨年新橋演舞場の舞台に立ったことが遂この間のような感じが致しまして、1年というのは本当に早いなという風に思っております。今回は38人で新橋演舞場の舞台に立たせて頂くのですが、松竹座で公演をした後、実際に本番を経験したからこそ見える課題というものがございまして、その課題にもう1度トライできるということは、私たち舞台人にとりましてはとても最高なことなんです。これからお稽古に入っていくわけですけれども、その課題をよりクリアにして、もっと良い舞台を東京に観に来てくださるお客様にお伝えできたらなと思っております。また、先ほども、高世さんと私は存続の会の頃からというお話がありましたが、大袈裟に聞こえるかも知れませんが、1度しかない人生というのを、今私たちはOSKに賭けているのであろうな、ということを最近よく思うようになりました。もちろん人が生きているということは、幼くても年配になっても何時でも素敵なことだと思いますが、その中でも世間で言う一番良い時期をOSKの団員として過ごさせてもらって、尚かつこんなに素敵な舞台に自分たちの表現ができる幸せを噛みしめている日々なので、今回の演舞場の公演もしっかりと悔いのないように務めたいと思いますので、是非皆さん何度でも観に来て頂けたら嬉しいです。今日はありがとうございます。

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 楊琳でございます。今日はよろしくお願い致します。私はただシンプルに本当にたくさんの方に観に来て頂きたいと思います!ですので最大限皆様のお力をお借りして、ご助力頂けたら嬉しいです。どうぞ本日はよろしくお願い致します。

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真麻
 真麻里都でございます。よろしくお願いします。楊も申しました通り、まだ東京の方の中でOSKを観たことがないという方がたくさんいらっしゃると思います。東京ばかりでなく、北海道から沖縄までたくさんの方にOSKの名前を知って頂きたいと思いますので、その為にも私たちは頑張りたいと思います。8月31日から9月3日まで、新橋演舞場で私たちOSK爛漫の桜を咲かせますので、どうぞ皆様よろしくお願い致します。

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悠浦
 悠浦あやとです。本日はありがとうございます。この劇団創立95周年という節目の年に、私がこうして劇団員として携わることができるというのは本当にすごいことだなと思っています。95年前ってどういう時代だったんだろう、どういう風に劇団ができていったんだろう、という風に今改めて95年前を考える時がありまして、今更なのですが、95年前の日本を勉強させて頂いたら、女性がレオタードを着てバレエを踊るという自体が斬新なことで、とても貴重な団体だったんだなと思いました。もちろん女性がスポットライトを浴びる自体が厳しい時代だったのかと思いますが、そのような中で先輩方が強い意志を持って劇団をつないでこられたのだと、わからないことも多くありつつも、感じるものがありました。今は映像などで世界中の舞台を観られる時代になっている中で、もしかしたら私たちの舞台はアナログなものかも知れませんが、こうしてお客様が毎日劇場に足を運んでくださって、スタッフさんと共にその日、その時、人間同士が力を合わせて作るという、ある意味今の時代にとって貴重な存在なのではと、今、私は思っています。そうしたアナログではあるけれども、皆様がリアルタイムで同じ劇場空間の中で観よう!と思ってくださる舞台を、私たちも十分楽しんでたくさん表現したいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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【質疑応答】

──皆さんそれぞれ和ものレビュー『桜鏡〜夢幻義経譚』で演じられる役柄と、演じる上で大切にしている点、また、洋ものレビュー『Brilliant Wave〜100年への鼓動〜』で、特にここが見どころ!というポイントを教えてください。
高世 私は第1部では源義経を演じさせて頂きます。弁慶と出会う五条橋のシーンもあり、そこでは牛若丸の時代も演じさせて頂きます。牛若丸から成長した義経までということで、どんどん時が経って、歴史上の出来事を1時間のレビューに収めるので、本当に早い展開なのですが、皆さんがよくご存じの歴史上の人物ですので、そのイメージを壊さずに、かつ私なりの牛若丸であり義経であるというもの追及させて頂きたいと思っています。今回は壇ノ浦の場面もございまして、先日は大阪松竹座、今回は新橋演舞場の舞台機構をふんだんに使った演出で、もちろん危険も伴いますので、非常に集中した中でやらせて頂いておりますが、やはり合戦ということで歌舞伎と同じ拵えで甲冑をつけさせて頂いたりしながらも、OSKらしい歌や踊りを踊らせて頂きます。その中で、回り舞台、花道、スッポン、と舞台が動くだけでなく、全ての登場人物が動いていく、自分たちでやらせて頂いてもワクワクするような演出を頂いています。特に義経の生きざまが、ヒーローなんですけれども、どこか自分とリンクするような部分がございまして、フィナーレナンバーや、様々な人との出会いと別れを感じる場面では、毎回涙が出てきてしまって、歌うことがてきないのではないか?と思うほど感極まる瞬間もございますので、それをまた新橋演舞場の舞台で皆様にお伝えできるという楽しみもありますし、皆様にも私の演じる義経をお楽しみ頂けたらと思っております。

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2部の見どころは、選べません! それくらい幕開きから最後まで素晴らしい場面ばかりで、作・演出の中村一徳先生が「95周年を迎えたということは100周年への道が始まっているということなんじゃないか」と言ってくださいまして、テーマが「波」なのですが、小さな波、大きな波、激しい波、穏やかな波、初めてお聞きした時にはどんなレビューになるんだろう、と思いましたが、ダンスに定評のあるOSKですので、ダンス、ダンス、ダンス、ラインダンスだけでなくて、OSKのダンス力をふんだんにご覧頂ける作品に仕上がっております。もちろん自分自身にはこの場面を観て欲しいというところはあるのですが、私だけでなく38名全員の群舞力ですとか、今までの色々な経験があっての今のOSKのパワーみたいなものを観て頂きたいと思います。本当に言葉がつたなくて申し訳ないのですが、どの場面も切っても、切ってもと、金太郎飴のように(笑)楽しんで頂きたいですし、OSKをご存知ない方も本当にOSKを好きになって頂ける要素がたくさん詰まっています。中詰めにございます「100年への輝く波」というところは、もう皆でドレッシーな、男役も変形燕尾で踊らせて頂くのですが、変形燕尾で踊るような振りではないくらい、全員が舞台をところ狭しと駆け回らせて頂きますし、踊りだけではなく、私が歌わせて頂いている「ひとつひとつの歴史が紡いできた、またそれを伝えていこう」という「紡ごう」という歌詞がすごく素敵で、そういう歌詞なども含めてすべてのものをご堪能頂きたいと思っております。

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桐生
 私は1部の方では弁慶役をさせて頂きます。義経との絆が自分の中では、高世さんは私の1期上の方なんだすけれども、そういう部分と重なっていくところがあっても良いのではないかな、と思いながら演じております。「弁慶を演じられるのは桐生さんしかいない」と皆さんに言ってもらいまして、それは、なんというか(両側のメンバーを見て)、正直嬉しいというのか…いえ、嬉しいです(爆笑)。頑張りたいと思います。洋舞の方は、本当にユニゾンが多く、その中でもOSKレビューの特徴ではないかと思うリフトがありまして、今回はラテンの場面で7組ぐらいが、肩の上に女役さんを乗せるんです。これは女性と女性なのに、なんということをさせるのか!(笑)という振りがあるのですが、おそらく振付の先生が信頼してくださっているからそういう振りがつくのではないかと思いますし、それを観てお客様が楽しんで頂けて「さすがOSKだな」と思って頂けるので、ついた振りだと思っておりますので、そこのメンバーたちは失敗しないようにと、毎回やっております。他にもリフトの場面がたくさんありますので、私はそういうところを観て頂けたらなと思っております。

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 私は第1部では那須与一を演じます。この場面は「平家物語」の中でもとても有名な扇の場面なので、扇を射貫けなかったら死ぬという緊張感と覚悟を、全身で表現できたらなと思います。また日舞のフィナーレで高世さんが花道から出ていらっしゃるのですが、その時に履かれているキラキラの足袋(全員笑)、滅多にないそうです、キラキラの足袋って!それを作・演出の尾上菊之丞先生が「これだけはこだわりたい!」とずっとおっしゃっていて、舞台稽古には間に合わず、本当に初日ギリギリに間に合った特注の足袋なので、そういう細かいところも観て頂きたいと思います(高世爆笑)。見るとすごいなと思ったので、私もすごく見てたので!
高世 足袋だけ?(笑)
 いえ、全身をくまなく! 是非そこも目玉にして頂きたいと思います(笑)。洋物のレビューはどこが目玉というか、全部が目玉だと思います。例えはおかしいですが、夏は気温が暑いものですが「なぜ演舞場だけこんなに気温が高いのか?!」と気象庁が言うくらい(笑)身体中からパワーを出してヒートアップして行きたいと思います。気象庁公認でどうぞよろしくお願いします!(会場爆笑)

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真麻
 (笑いの中で楊を見ながら)この後に話すのって…(笑)。ええ、1部は平教経をさせて頂きます。とても衣装が煌びやかで、大きなお衣装を着させて頂いていて、平家方は4人しかいず、内3人は公達なので、私1人で戦場に出るという(笑)、でも平家を背負って甲冑も着させて頂いております。先生から言って頂いた言葉に「平家側なので、動きに気品が出るようにして欲しい」というのがありまして、私、戦場で気品のある動きってしたことがないので、今まで勇ましい武者という役が多かったこともあって、どうしたらいいんだろうと、すごく悩みましたので、まず姿勢にすごく気をつけている毎日です。最後に飛び込みもさせて頂いていて、両腕に源氏方を抱えて飛び込むので、千秋楽まで怪我なくやりきりたいと思っております。そして2部の見どころは、皆が言うようにどこもすべてなのですが、私は敢えて言うならフィナーレの黒燕尾。白のシャツの正式な黒燕尾を着たのも久しぶりだなと思いましたし、しかも階段に男役がズラッと並んでというのは本当に久しぶりのことなので、そこをすごくゾクゾクしながらやりたいですし、それを感じて頂けたらなと思っております。
 
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悠浦
 私は佐藤継信という役をさせて頂きます。見るからに侍!という感じで、高世さんの危機一髪のところを私が身を挺して、左目を挺して命を助けるという役柄です。まず外国人の方などにも「サムライ!」と言って頂けるような、カッコいい死に様を観て頂けたらなと思っております。第2部は桐生さんもおっしゃっていましたが、リフトがふんだんに組み込まれてまして、これはやはり男役と女役というものがあるからこそできるものだと思っております。ご覧になったお客様から「女性同士なのにどうやって持ち上げているの?」「どうやって回しているの?」と言って頂くことも多いのですが、それは企業秘密ということで(爆笑)。でもそれは先輩方に教えて頂いて、女性同士でも大技をするというのは、私たちが受け継いでいるものなので、それも見どころだなと思っています。

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──高世さんがトップになって9月で3年になると思いますが、この3年間でのOSKの成長をどうご覧になっていますか?
高世 9月で前トップの桜花昇ぼるさんからトップを引き継がせて頂いて3年になりますが、3年って本当に早いなと言うのが実感でございます。トップに就かせて頂いてから、90年を超えるOSKのトップという責任をどう果たせるのかを精一杯考えていて、肩にも力が入っていたと思います。その中からどうやったらOSKの、全員の魅力を皆様にもっともっとお届けできるか、もちろん演出家の先生、振付家の先生等々のご指導があり、私たち1人1人の魅力を引き出してもくださいますが、それでもやはり舞台に立ちましたら、その舞台をどうやったらより良くしていけるか、というのは自分たちで作り上げなければなりませんから、どうしたら全員の力がより発揮できるのかには、まだまだ課題がございます。でも特殊な劇団であるからこそ私が感じていることは、歌劇の「男役」「娘役」というのはすぐにはできないものなのですが、人数が増え若いエネルギーの1人1人が、男役として、娘役として作ろうとしていく努力と、一口に「男役」「娘役」と言いましても、同じではなくそれぞれ1人ずつカラーが違います。どうしたらその1人1人の良さがより引き出せるかが、私自身の課題でもあると思っています。個々の魅力を知っているからこそ、それをもっと引き出したいですし、それを通して私自身も輝く、全員が輝くことがOSKの妙味になるのではないかと思っています。トップにならせて頂いた時に「OSKをどんなカラーにしていきたいですか?」というご質問をたくさん頂いたのですが、正直「それはわかりません!」と思ってもいて、カラーというのは、自分たちが前に歩いていくことによって後からついてくるものだと思っています。95周年を迎えたということがまさにそうだと思います。90周年の時にもすごく感動しまして、95周年の時にはどうなっちゃうんだろう?感動のあまり泣いてばかりいるのかな?と思っておりましたが、ここまでの歴史があるからこそ今できることをしようという気持ちになっています。3年前にはできなかった表現が、もしかしたら今はできるのではないかと思いますし、こうしたいと決めたくはないんです。
OSKにはまだまだ可能性があると思うので、自分自身も1人のエンターティナーとして、95周年の歴史はもちろん引き継いだ上で、今の自分にしかできないもの。先ほどアナログかも知れないという言葉もありましたが、OSKではできないと思われていたものを、どうしたらOSKでできるのかを目指して歩んできて、今の95周年のOSKがあると私は自負しておりますので、皆で創りたいと思っています。私が一番変わったなと思うのは、OSKは色々な公演をしておりますが、ここにいるメンバーをはじめ大きな舞台でまた集まった時に、1人1人の笑顔から私は大きなパワーをもらうんです。これまでの経験があるからこそ、今、こうして皆で舞台に立てることが幸せですし、自惚れではないですが、皆が素晴らしいと思います。皆仲は良いんです。でもそれだけではなく、良い意味のライバルでもあることが、力になっていると思うので、私も今回の舞台含め、もっともっと皆の良さを引き出して頑張りたいと思っています。時間はあっという間に経ってしまいますので、今を精一杯生きるということが今感じることです。

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──今の時間で皆さんの和気藹々とした雰囲気は伝わりますが、その中で高世さんの「ここが素敵!」というところをどなたかお願いします。
桐生 (全員から「桐生さんお願いします」と促されて)ええ、ではすみません、代表して桐生で。高世さんがトップになられて全体的に上品になりました(爆笑)。いえ、別に前が品がなかったという訳ではなく!(笑)、桜花さんには無限の宇宙のような雰囲気があったのですが、高世さんには月のイメージがあって。桜花さんが「ホット!(コーヒー)」であれば、高世さんが「お紅茶」でしょうか(笑)。そして、これはトップになられた3年間ではなく、もっと前から常に思っていることなのですが、いつも私たちが考えていることのもっと先を考えてお稽古してらっしゃいます。これはもう変わらず、私たちを引っ張っていってくださる原動力になっていると感じます。

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──1年ぶりの東京の公演となりますが、関西の公演との違いは何か感じられますか?
高世 やはりお客様の反応は場所によってすごく変わるというのは常に感じています。昨年、新橋演舞場の舞台に立たせて頂いた時、東京のお客様はたくさん様々の舞台や、レビューもご覧になられている方も多いと思いますが、その中でもOSKの舞台もとても堪能して頂けて、舞台と客席との空間や、頂く拍手から、お客様の熱量を感じました。大阪の公演では「私たちがOSKを育てています!」というくらいの、温かな拍手に包まれていて「お客様に楽しんで頂けるだろうか?」とお稽古に励んできたものが、幕が開いた時に「良かった!こんなに楽しんで頂けている!」という実感になるんです。それはやはり大阪の劇団であるということもあると思いますが、それとはまた別の熱量を新橋演舞場では感じさせて頂けていて「あぁ、大阪から来た劇団なのね」という空気ではなく、東京のお客様にも受け入れて頂き、楽しんで頂けているのを感じます。私は今年の2月に『鬼の城』という作品で東京に来させて頂きました。他のメンバーは皆、お芝居の公演も東京でさせて頂いているのですが、私自身はお芝居で東京に来させて頂くのは初めてで、OSKのお芝居の作品をどう受けとめて頂けるのかが、楽しみであるのと同時に、どこか心配でもあったのですが、とても楽しんで頂けて大阪の舞台とは違う反応があるのが、ライブならではでダイレクトに伝わりました。昨年の新橋演舞場の公演の千秋楽では皆さんがスタンディンクをしてくださって、私は思わず舞台から「また演舞場に帰ってきたいです!」と言葉にしてしまったほど、この舞台に帰りたい!と思っての今回なので、感激もひとしおですし、やはり今、そこを超えるように今回の舞台も務めたいです。あまりちゃんとした答えになっていないかも知れませんが、そうですねやはり「お珈琲」と「お紅茶」の違いでしようか?(爆笑)。

終始和やかな笑いに包まれた懇親会はこれで終了。公演への期待がますます高まる時間となっていた。

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〈公演情報〉
6b5de6fbe831a3e935a84e7b252746da-212x300
OSK日本歌劇団『夏のおどり』
○第1部『桜鏡〜夢幻義経譚〜』
 作・演出・振付◇尾上菊之丞
第2部『Brilliant Wave〜100年への鼓動〜』
 作・演出◇中村一徳
出演◇高世麻央、桐生麻耶、楊琳、真麻里都、悠浦あやと ほか OSK日本歌劇団
●8/31〜9/3◎新橋演舞場
〈料金〉S席(1、2階席) 9,500円 A席3階席) 5,000円全席指定・税込 
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-48910時〜18時 
〈公式ホームページ〉 http://www.osk-revue.com/


【取材・文・撮影/橘涼香】





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主役はザコたち! 舞台『北斗の拳−世紀末ザコ伝説−』製作発表レポート

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大ヒット漫画『北斗の拳』が来年35周年を迎える。その初めての舞台化が、9月6日〜10日、シアターGロッソにて上演される。
 『北斗の拳』は、199X年、世界は核の炎に包まれるというディストピアな世界で、武論尊の原作・原哲夫の作画で、80年代『週刊少年ジャンプ』(集英社)黄金期の一世を風靡。アニメ化もされ、主題歌であるクリスタルキングの名曲「愛をとりもどせ」は大ヒットとなった。
 
今回は、川尻恵太(SUGARBOY)の脚本と、村井雄の演出で、主役はなんと“ザコ”。主人公ケンシロウや彼の兄のトキ、さらに長兄のラオウなどの中心人物ではなく、ザコによる、ザコのための、ザコだけの舞台。そのためタイトルも『北斗の拳−世紀末ザコ伝説−』と銘打たれている。
出演者は、磯貝龍虎、河合龍之介、寿里、林野健志などに加えてスーパー日舞の花園直道、またガールズユニット「A応P」の水希蒼、声優の千葉繁も声で出演する。舞台のOPENING LIVEは「愛をとりもどせ」で、クリスタルキングwith A応Pが担当する。
 
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ムッシュ、林野、花園、寿里、河合、磯貝、水希

この舞台の製作発表会が7月上旬に行われ、キャストの磯貝龍虎、河合龍之介、寿里、林野健志、花園直道、水希蒼が登壇。そしてOPENING LIVEを担当するクリスタルキングのムッシュ吉崎が登壇した。
その後、大相撲5月場所で横綱の稀勢の里らが巻いた『北斗の拳』仕様の化粧回しを紹介。

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さらに、北斗4兄弟の3男ジャギがシークレットゲストとして登場、製作発表会を大いに盛り上げた。

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Akemi、ムッシュ、林野、花園、シークレツトゲスト、寿里、河合、磯貝、水希
 
【質疑応答】

磯貝龍虎、河合龍之介、寿里、花園直道、林野健志、木希蒼 (A 応 p)  、ビジュアルを担当するAkemi.S.ミラーが登場。

──この作品の出演が決まった時の心境を話してください。
水希
水希
 『北斗の拳』は母がとても好きで、姉がヒロインのユリアという名前にちなんでつけられるぐらい。小さい頃から、馴染みのある作品なので、キャストとして出演できること、「A応P」として出演できることが楽しみです。

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磯貝
 ドキドキして震えていましたね。原作は大好きで、本がふやけるほど読みました。ザコの死に様が好きで、ラオウにビンタされて頭が吹き飛ばされるのが好きですね。そんなザコをやるかもしれませんね(笑)。

河合
河合 『北斗の拳』(1983年)と同い年なんです。まさか、このタイミングでと驚きながら、記念すべき作品に出演させていただいて光栄です。

寿里
 寿里 お話をいただいた時は、正直、ザコの舞台って「何だろう?」と思いました(笑)。ただ、設定自体はとても面白くて、お芝居としてみなさんに届けられることを嬉しく思います。死に様に集中して、選ばれたザコとして、ザコ中のザコをやらせていただきます。

花園
花園
 普段は着物を着て紋付袴の和装でやっていますから、まさか、『北斗の拳』のオファーをいただけるなんて…。日本舞踊で古典舞踊からマイケル・ジャクソンまで踊りましたが、どういう風に絡むのか想像がつかないのですが、綺麗な歌舞伎の所作で死にたいと思います。

林野
林野 
最初にお話をいただいた時に、とうとうやるんだなと思いました。あの筋肉量と、世紀末感をどう表現するのかなと思った時に、ザコ役という話をいただいた。原作は主役のケンシロウが気持ちいいほどザコを倒してくれるのが楽しかったので、どんな舞台が展開されるか待ち遠しいですね。

ムッシュ
ムッシュ
 『北斗の拳』は83年に連載されましたが、私が歌い始めたのは、84年にテレビアニメされてから、ぶれずにずっと歌い続けました。そうして2017年にこの公演のOPENING LIVEのオファーがあって、よかったなと思っております。私の歌から舞台が始まるので、ザコ歌手になれたら光栄ですね。
──ザコになるためにどのような役作りをしていこうと思っていますか。
水希 女性のザコは想像がつかないし、「A応P」で歌っている時は男勝りの性格なので、そこを前面に出して挑もうと思っています。
磯貝 ザコは刃物を扱いますよね。まずは、でかいノコギリを使えるところから頑張っていこうと思います。そしていつでも死ねる準備を心がけていきたいですね。
河合 一番反響があったのが身内の役者たちからです。うらやましがられて、すでに入れ知恵をもらっているんです。自分たちの代表としてちゃんとやってくれよと言われているので、みんなの期待に恥じないザコを演じたいと思います。
寿里 まずは、公園に行って子供を追いかけ回すというザコさ加減を出します(笑)。ザコだから、現代社会に染まってもいいと思います。長いものに巻かれ、偉い人にはゴマをする、そんな役作りをしつつ、火炎放射器の免許を取らなくちゃいけないけど、どこで取ればいいのやら……後は筋肉ですね。ザコもあの筋肉を見れば相当な努力家だとわかりますから(笑)。
花園 僕は細い方なので、ステーキを週3回は食べておりまして、5キロぐらい太りたいと思っています。
林野 体がでかいので、人を投げたり、引きずり回すことをするかもしれないので、パワーのある体を作りたいと思います。そして、死ぬ時の声は高い声と低い声を使いこなせたらいいですね。漫画にはない裏のストーリーが展開されると思うし、どんな変化球が来るのかわからないので想像力を膨らませて稽古を心待ちしたいと思います。

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──OPENING LIVEで「A応P」さんと歌を披露されますね。
ムッシュ 楽しみですね。女性とのコラボは4組目です。いろんなバージョンがあるのですが、うら若き乙女たちと一緒にやれることにワクワクしています。来年は古希(70歳)ですから、孫と一緒にやっているような感じですね(笑)。
──ケンシロウやラオウといった主役級のキャラクターがいますが、どのキャラクターにどんな殺され方をしたいですか。
寿里 アミバ(ケンシロウの兄のトキに変装した悪役)に殺されることかな(笑)。
磯貝 ケンシロウの「北斗残骸拳」で残り5秒で死ぬと言われ、人生が走馬灯のように駆け巡る死に際を楽しみたいと思います。
花園 シン(ケンシロウのライバル)にケンシロウの胸にある北斗七星を意味する7つの傷をつけられたいですね。これだと主役のケンシロウになっちゃいますね(笑)。
──原作で好きなザコエピソードはありますか。
寿里 名台詞ですが、ケンシロウがとても大きな悪役のおばあさんに「そんな大きなババアがいるか」というようなことを突っ込むシーンが好きですね。
林野 ザコが死ぬ時の断末魔のイメージが強烈にあって、北斗神拳を受けて、死んでいく声が好きですね。
寿里 僕らが伝説の「あべし」「ひでぶ」と言ったら光栄ですね。恐れ多くて使えない。逆に「もずく」とかになっちゃうかも(笑)。

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──これまでのザコ役経験や、プライベートでのザコエピソードを。
水希 ザコ役の経験はないのですが、私が「A応P」のメンバーで一番ザコです。みんなからの扱いがひどいけれど、私は嬉しいです。
磯貝 見た目が大きくて、力持ちで優しい村一番の男前といった役が多いので、ザコの経験はほとんどないですね。ただ、私生活はお酒を飲んだらまっすぐ家に変えられないザコですね。
河合 ゾンビの役をやったことがあります。これまでにいろんな死に方をしていますね。けれどザコは新鮮ですね。
寿里 学生の時に、公衆電話で電話していたら、不良に絡まれそうになって、やっつけられる前にノールックで財布を出しました(笑)。争い事が嫌いだし、身長が大きくなってから絡まれないんですけどね。
花園 スカルの面をつけて呪って最後はやっつけられるという舞踊劇はやっていますが、ザコは初めてですね。昔、公園で友達とコーラを飲んでいたら鳩がいっぱい集まってきて、野球の優勝パレードみたいに鳩にいっぱい吹きかけていましたね。
寿里 ザコですね。
花園 反省しています。
林野 『サイケデリック・ペイン』という舞台で、クラッシュという役を演じた時は、モヒカンにして、左手がかぎつめで、刀を持っていたんです。ザコかどうかはわかりませんが、見た目はいかついのに、おバカな役所を演じました。舞台上を変なセリフを言いながら走り回るのが楽しかったです。
ムッシュ テレビに出ている時はほぼザコです。低い声で人相の悪いサングラスをかけた歌手なんてザコっぽいじゃないですか。元祖ザコです(笑)。
──Akemiさんは、マイケル・ジャクソンさんやスーパーモデルjasmineさんのビジュアルを手がけ、ニューヨークで活躍もされています。ぜひこの舞台に参加したいということでしたね。
 
アケミ
Akemi
 ニューヨークでの25年間はまさに戦いでした。今回は、ザコの世界を表現させていただきますが、ニューヨークにはたくさんのザコがるつぼのように集まっているから、今回のお話はとても嬉しいですね。
──世紀末を舞台にしていますが、どのように美しさを表現しようと思いますか。
Akemi 美というのは魂の問題だと思うんです。1989年にニューヨークにわたりまして、ニューヨークコレクションから、マイケル・ジャクソンやドミンゴさんと、色々お仕事をしてきました。共通点は魂です。なので、みなさんの個性がザコに現れるように一緒になって考えていきたいと思います。ニューヨークではブロードウェイやリンカーンセンターでもビジュアルを担当したことがありますが、この舞台をブロードウェイに届かせたいですね。
──確かに日本にしかなさそうな設定の舞台ですね。
Akemi すごくショッキングですが現代的でもありますね。それを日本人が表現して、アメリカに持っていくのが楽しみです。

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──最後に意気込みを。
水希 とても緊張していますが、作品をきちんと伝えられるようなザコを演じます。
磯貝 最高のザコと言われるように頑張ります。
寿里 作品が楽しくなるのは間違いないですが、中身も素敵なものになるように頑張りたいと思います。
河合 役者みんなでがんばってザコを演じたいと思います。
花園 本番が終わるまで『北斗の拳』一色に染まって見事なザコになれるように頑張ります。
林野 ジャギ様の衣装がかっこいいので、僕らはどうなるのか楽しみですね。世界観も楽しみにしてください。女性もザコの生き様を観ていただけるし、子供さんも観ていただけると思いますよ。
ムッシュ 8公演、精一杯歌わせていただきます。
Akemi 本当にいい機会をいただき、日本から海外にスタートする舞台です。頑張りたいと思います。

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〈公演情報〉
舞台『北斗の拳−世紀末ザコ伝説−』
原作◇武論尊
脚本◇川尻恵太
演出◇村井雄
出演◇磯貝龍虎、河合龍之介、寿里、花園直道、林野健志、水希蒼(A 応 p ) ほか   (五十音順)
●9/6〜10◎シアターGロッソ
〈料金〉ザコシート6,999円 世紀末シート(前方エリア・特典付)9,999円 リングサイドシート(ステージエリア一部客席・特典3点付)19,999円(全席指定・税込)

(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983, c北斗の拳−世紀末ザコ伝説−製作委員会2017 版権許諾証GP-907
 
 

【取材・文・撮影/竹下力】




えんぶ6号、7/10発売!






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男女4人が織りなすハイスピード毒舌ラブコメディ『ミッドナイト・イン・バリ〜史上最悪の結婚前夜〜』製作発表レポート

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バリでの結婚式を明日に控えたカップルと、新婦の母親、新郎の父親という、個性が強すぎる男女4人が織りなす、怒涛の会話劇『ミッドナイト・イン・バリ〜史上最悪の結婚前夜〜』が、日比谷のシアタークリエで上演される(9月15日〜29日まで。のち、10月〜11月初旬に全国ツアー公演もあり)。

現在放映中のNHK朝ドラ『ひよっこ』などの人気ドラマの数々を手掛ける脚本家の岡田惠和が、舞台だからこそどうしても描きたかった会話劇として書き下ろしたこの作品は、バリでの結婚式を翌日に控えた派遣社員・加賀美幸子(栗山千明)と、フリーターの木暮治(溝端淳平)、幸子の母・敏子(浅田美代子)、治の父・久男(中村雅俊)が、リゾートホテルの一室で赤裸々な言葉をぶつけ合いながら、ある驚きの結末を迎えるという、笑いあり、ドキドキあり、涙ありのラブコメディ。テーマはずばり「結婚」本当にこの人と結婚していいのか?という、結婚前夜の男女の心の揺れを描きながら、愛する「他人」と一緒に生きることの意味を温かく問いかけるものとなっている。演出は『神様のカルテ』『偽装の夫婦』等を監督した、深川栄洋が担当。初めての舞台演出から、どんな化学反応が生まれるのか、大きな期待が高まっている。

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岡田惠和、浅田美代子、溝端淳平、栗山千明、中村雅俊、深川栄洋
 
そんな舞台の製作発表会見が6月末都内で行われ、ウッディ・アレンのアカデミー賞受賞映画『ミッドナイト・イン・パリ』と1文字違いながら、全く関係がない「バリ」を舞台にしている作品の、「バリ」の雰囲気を存分に表す為、脚本の岡田惠和と演出の深川栄洋はアロハシャツ姿、更に出演の栗山千明、溝端淳平、浅田美代子、中村雅俊は、劇中では着用しない、この日だけの特別なコスチューム、煌びやかなバリの民族衣装に身を包んで登壇。作品への抱負を語った。

【登壇者挨拶】

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岡田 はじめして。岡田惠和です。こんな会見でアロハとか着せられたのはじめてですけど(笑)、出演の4人の方に会ったら、すっかり普通の人でした(笑)。素敵なキャストでとても楽しい舞台を目指しております。例えば恋人だったり、夫婦だったり、好きな人と来ても、帰り道に2人にイヤな空気がただようことのないお芝居になっていると思いますし、とても濃い4人のみの会話劇ということで、自由に書かせて頂きました。素敵なキャストに集まって頂いて楽しみにしております。是非お見知りおきをお願いします。すみません、ややこしいタイトルをつけて(笑)。とにかく気持ちの良い、笑って泣いて楽しめる、そして男と女と夫婦とみたいなことが、観ている内にじんわりくるような舞台になっていると思います。楽しみにして観て頂きたいと思います。ありがとうございました。

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深川 深川と申します。いつもは映画やテレビを演出している人間なのですが、今回はじめて舞台を演出させて頂きます。非常に緊張していますし、楽しみでもあります。2年くらい前に岡田さんから「舞台をやらないか?」とお誘いを頂いて、本当にやるのかなぁという風に思いながら、不思議な感覚で時間を過ごしていたら、あっという間にこの日になってしまいました。1ヶ月半くらい前に4人の役者さんたちとお会いする機会があって、その時はポスターを撮ったのですが、その時皆さん(ポスターの)衣装で撮影してらしたので、今日こういう衣装になるとは僕は思っていなくて、度肝を抜かれましたけれども(笑)、舞台美術のような衣装だなと思いました。8月から稽古が始まりますので、その時まで色々なことを考えながら、お客様に色々お見せできるように、ちょっとチャレンジして行きたいと思っています。岡田さんの脚本が4人とも膨大な台詞量で、この台詞を覚えるだけでも本当に大変だろうなと思っていましたが、その台本にない部分もちょっとつけ加えて、もっと大変にして行こうかなと思っております(笑)。それは歌であったり、演奏であったり、踊りであったり、そういったものもぶっ込んでみようかなと思っています。毎日、毎日、何が起こるかわからないような舞台が、毎日繰り広げられると思いますので、9月を楽しみにお客様に待って頂ければと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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栗山
 皆様今日はお集まり頂きましてありがとうございます。栗山千明です。私は5年ぶりの舞台になるのですが、それだけで正直緊張しております。で、今プレッシャーもかけられてしまったので、大変なところもあるのですが、素敵な共演者の皆様に支えて頂きながら、楽しくお芝居に取り組めたらなと思っております。色々欠点のある役どころなのですけれども、その欠点がとても人間らしく、愛されるキャラクターとして描かれているストーリーだと思います。脚本が本当に面白いからこそ、きちんと演じて皆さんに楽しんで頂けるように務めたいと思いますので、どうぞ皆様お楽しみになさってください。よろしくお願いします。

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溝端 皆さんこんにちは、溝端淳平です。今日生まれてはじめて、こういう衣装を着させて頂き、女性のドレスでこう布を羽織っておられますけど、僕も今日すごく肩に布が欲しいです(笑)。女性の気持ちが少しわかって良かったなと思っています。この作品は本当に濃密な会話劇で、欠落しているものがあるけれども、とってもチャーミングな4人の話です。本当に笑いどころもあり、ハートフルなところもあり、気楽に観て楽しんで、笑いながら帰って頂ける舞台になるんじゃないかな?と思っております。精一杯頑張りますので、皆さん9月は観に来てください。よろしくお願いします。

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浅田
 こんにちは、浅田美代子です。最初にこの台本を頂いた時に「わぁ、面白い」と思って何も考えずに「やります!やりたいです!」と申し上げたのですが、よく考えたら18年ぶりの舞台で、今更本当に緊張しています。ただ、私が初舞台を踏んだのが、ここ(シアタークリエの前身の)、元の芸術座だったんです。なので初心に戻ってと言いますか、そういう気持ちで一生懸命頑張りたいと思います。本当に個性豊かな4人の話なので、台本だけでも楽しいんですけれども、その後の演出がどうなるのかというのも、今から稽古がとても楽しみです。どうぞよろしくお願いします。

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中村
 皆さんこんにちは、中村雅俊です。デビューしてから、長いキャリアの割りには舞台をほとんどやっていないです。そういうものですから、今回の舞台は非常に緊張しております。でも台本を頂いて読んだ時にですね、あまりにも面白いストーリーで、とても笑えたり、最終的には感動できる脚本だったので、これは、この脚本に便乗するしかないいうことで、安心しています。深川監督とは以前に『60歳のラブレター』という映画を一緒にやらせてもらって、とても才能ある方でして、撮影の最中も「こんな演出をするんだ」という風に、細かいところに至ってもすごく出演者のオジサン、オバサンたちが、とても感心して感動しました。その方とまた一緒にやれるという喜びがあります。内容は先ほどから出てますけれども、本当に台詞の量が多いので人一倍頑張らないといけないなと思いながら、頑張りますので皆さんどうぞよろしくお願い致します。

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【質疑応答】

──台本がとても面白いというお話が出ていますが、出演者の皆さん「ここが特に面白い!」という場面や、ぐっと来た台詞などはありますか?
栗山 ネタバレじゃないのですが、楽しみにして頂きたいなという気持ちが一番なのですが、それぞれが思っていることをぶつけあって、それがすごく笑いとして面白いところもあり、最終的には胸にしみる家族の愛みたいなものを残してくれる、そういうところかな?と思います。
溝端 僕の役の治は、栗山さんの役の幸子と夫婦になるんですけれども、僕の役を見ていて面白いのは、基本的に爆弾処理班なんですね(笑)。爆発しないように静かに丁寧に丁寧に扱うんですけれども、(栗山と浅田を示して)ここ2人が爆発してしまって、結局僕がそれに巻き込まれるみたいな、その健気に一生懸命なんとか平和にと一番苦労している性格が、治の良さで、可愛さでもあります。それに(対して)思ったこをハッキリ言い合う2人もチャーミングだったりするので、そこがとても素敵なシーンだなと思うところです。

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浅田 私も母と2人で暮らしていたことがあったので、女同士の親子って本当にここまで言うか!?っていうところがあって、それがすごく出ていたので、そこが懐かしかったりもしました。でも結局仲直りするのですが、他人のお婿さんはオロオロするので、溝端さんのファンの方が今回は「そんなにしないで」と言うのではないかと思うくらいの(笑)、やりとりをするので、そういうところを楽しみにしています。
中村 この会場にくる時に4人でエレベーターに乗っていたんですけれども、僕を見た皆さんから「王様みたい」と言われまして(笑)。淳平がですね「とうに女に飽きて、若い男に走っている王様みたい」という風に言って「その若い男が自分だ」という風に言いまして(笑)。
溝端 あの(この衣装を)準備して頂いていて申し訳ないのですが、ちょっとオカマっぽいなと思って(笑)。
中村 (笑)まぁ、今日そういうことがあって、舞台の中でもちょっとそういう言葉があったり、そういう疑惑もあったりして、あんまり言うとアレなんですけど、そういう中で、実はこのお芝居の中では淳平は僕の息子なんです。それで母親がいないという事情を言った時に、どうして母親側ではなくて、父親である俺の方についてきたかということを皆に説明するところが、ちょっと自分では泣けますね。どうしても母親ではなくて、父方に「治を残してくれ!」というところに、岡田さんの台詞とでグッと感動的なシーンで、それは皆さん認めるところだと思います。

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──岡田さん、深川さん、それぞれ出演者の方への想いや、思い出などのエピソードがありましたら教えてください。
岡田 4人しかいない舞台ですので、1人1人に想いが強いのですが、栗山さんには、内面をすごく持て余していて、中途半端で、でも幸せになりたいけどこいつで本当にいいんだろうか?みたいな感じの、極普通にいる女の子を可愛らしく、しかも強く演じて頂けたらという思いでいます。溝端さんはこの役はたぶん悩まれるだろうな、と思っておりました。一見すると本当に魅力のない、先ほど爆弾処理班とおっしゃっていましたが、とりあえずその場を何事もなく乗りきろうというタイプの男なので、でもそこにとても深い愛があるというのを観て頂ければわかると思います。雅俊さんと浅田さんは、実は僕、2人共サインを持っているんです。自分がこの世界に入る前からの偉大な先輩で、中村雅俊さんが『俺たちの旅』というドラマを撮っていらした時に、自分の家が吉祥寺の近くだったものですから、何度も何度も撮影を見に行って2回サインしてもらいました。そして浅田さんは覚えておられるかどうかわかりませんが、僕のいた中学校の隣にあるテニスクラブでシャンプーのCMを撮ってらして、その時にサッカー部だった僕は壁越しにサインをしてもらいました。感慨深いものがあります。中村雅俊さんの役は一見すると本当にチャラいんですけれども、なんと言うか芯のある愛があって、本当にこの役を雅俊さんにやって頂けるというのが、逆に光栄で、こんなにピッタリの人はいないんじゃないか、と言ってしまうとすごく失礼なのですが、でもとても楽しみにしております。浅田さんはご本人もさっきおっしゃっていましたが、母親としての可愛さと娘に対するものと、途中からだんだん自分の青春というか、女の子としての生き方に戻っていく感じが、可愛らしく出して頂けるんじゃないかな?と楽しみにしております。
中村 びっくりしました。『俺たちの旅』って40年くらい前なので、その時に何歳だったんですか?
岡田 中学三年くらいです。
中村 中三ですか!すごいよね。
浅田 シャンプーのCMは、もう40何年ぶりかな?
岡田 そうですね。

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深川 僕は先ほども出ましたけれども、初めて作ったメジャー映画が『60歳のラブレター』で、その時の主演が中村雅俊さんで。僕は中村さんの子供の世代になるんですけれども、そういった子供の目で父親や母親たちを見た映画を作ってみようと思って、チクチクチクチク言われたくないことも言いながら、芝居をして頂いたんです。でもそういうことを申し上げても「へぇ、俺そんな芝居してた?」と言いながらも、僕の言葉を受けてくれて、次のテイクに反映させてくれた。そういう包容力のある、ナイスガイってこういう方のことを言うんだろうなと思う役者さんで。ずっとその後僕もキャリアを積んで腕が上がったかどうかはわからないのですが、キャリアを積んだ中で中村さんとまたやれるのが嬉しいなと思っています。
他の3人の方達とは初めてやらせて頂くのですが、僕が頭の中で思っているパブリックイメージ、皆さんが世間に与えている印象とはちょっと違う役なんじゃないかという風に思っています。いつもバラエティ番組で面白いことを言える浅田さんが、あ、こんな怖い瞬間があるんだ、というドキッとする台詞を吐いたり。栗山さんはとても綺麗で完璧なスタイルをしている方が、家の中ではどうなんだ?男の人に手こずらないはずだよな、と思うんですけれども、あ、こんなイライラや、悪態もつくんだ。普段あまり見せてはいけないものを、今回は見せても良いんだなという風に思いながら取り組ませて頂こうかなと思っています。溝端さんはまたすごく好青年というニュアンスで僕は受け留めていて、どんな仕事でも誠心誠意やられるんだなと思っていました。この間戦隊ものの宣伝をされているのを見て、これだけのキャリアを積んだら、もうこういうものはやらなくてもいいんじゃないかな?と思われるものでも、もちろん戦隊ものも素晴らしいのですが、でもそういうものでも誠心誠意やっておられて。じゃあこういう情けないような、誰からも相手にされない、扇の要の役ではあるんですけれども、扇の要故の哀しさといったところが出てきてくれて、溝端さんの役の本当の言葉って誰も聞いていないなと、お客様も終盤まで思うと思うのですが、その本当のことがお客様の前に明かされた時に感動につながっていく。
そういうキャラクターなので、それぞれが自分の得意としているフィールドではなく、お出掛けして芝居をしている。そういう感覚が今回の芝居にはあるのかなと。それぞれが実は持っているけれども、世の中に出ていない。中村さんもちょっと天然ボケの役なんですが、中村さん自身にもそういうところが実はあるなと、映画を作っている時にも感じたので、そういう面をスポイルして膨らませて、お客様に面白がって頂けることをやろうかなと思っています。お出掛けした先にどういう風な港に着くのかっていうのを、1ヶ月間稽古の中で見つけて、より精度を上げてエンターテイメントにしたいなと思っています。

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──皆さんバリ風のお衣装がとても素敵ですが、バリに通じる南の島の灼熱の思い出などはありますか?
浅田 バリは神々の国っていう神聖な感じがします。私は昔樹木希林さんと2人でバリ島旅行をしたことがあるんですが、私はバリの可愛いものとか買いたくてしょうがないんだけれども「いいの、買わなくて!もう持ってるでしょう」とさんざん言われて(笑)。なのに最後の空港で「美代ちゃん欲しがってたのあるよ」と言われたんですけど「もう、いいです!」って言ったり(笑)。あと、希林さんが凄かったのは、その時に自分が着ていたアロハとか、頂き物のお扇子などを全部トランクに詰めて、その時は西城秀樹さんの別荘を借りていたんですが、そこのお手伝いさんたちにあげたら、あっという間になくなって。「ね、美代ちゃん、これで後々役に立つでしょう」って言われたのを覚えています。それで自分のトランクは空にして帰りました。バリの景色などよりも、そっちの方が印象に残っています(笑)。
溝端 希林さんの話以上のものはちょっと出てこないですよね。ハードルが上がっちゃったから。皆さんバリに行ったことありますか?

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中村 俺はなくて、サイパンが多かったかな。俺は30代はウィンドサーフィンに凝っていて、ずっとやっていたんだよね。その時は「歳を取ってからもウィンドサーフィンやるぞ!」って言ってたんだけれども、今はすっかりゴルフになっちゃって(笑)。今は全くやっていないんですけれども。そもそもウィンドサーフィンをやったきっかけは、サイパンに行った時に作家の村上龍さんと2人で「ちょっとやってみようぜ!」って言ってやったんですけれども、乗ってすぐに戻ってこれなくなって、ずっと沖の方まで2人で流されてしまって。レスキューを頼んだんだけれども、ビーチの方からはこっちが見えなくて、一瞬ですが、村上さんと2人で死ぬかと思いましたが、レスキューが来てくれて無事ビーチまで…という、そのくらいの話ですね(笑)。
溝端 僕はスキューバダイビングを去年初めて仕事でさせて頂いて、洞窟の中、水が入っている薄い天井のある中に入って、それって危険なんですね。インストラクターの方がすごく近くについてくれて、色々やってくれていたら、急に掴まれてバッーと上にあげられて、緊急浮上というものがすごく怖かったという思い出があります…、たいした話じゃないですね(笑)。南国、栗山さんは行かれますか?

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栗山 そうですね。まぁ本当に小さい頃にお仕事でちょっと行ったかな?というくらいですかね。
中村 確かにヨーロッパとかのイメージだよね。
浅田 あと、ニューヨークとかね。
栗山 いえ、そんなオシャレな感じではないですけれども(笑)。イメージとしては、気候も暖かいですし、ゆったり時間が流れているような、そんな感じの場所で、気分も開放的になるのかな?と思うと、この舞台がバリだということが、私の中で結びつくかなと思っています。
──岡田さん、現在放送中のNHKの朝ドラ『ひよっこ』の脚本を書かれていて、朝ドラは普通のワンクールのドラマの4、5倍の脚本を書かないといけないと思うのですが、そういう中で創作期間が実際どのくらい重なっていたかはわかりませんが、掛け持ちの御苦労というのは?
岡田 ありがとうございます!今日はそれを声を大にして言っておきたかったのですが、今日も実はこっそりここに来ていまして(笑)、実は朝から脚本書いていないといけなかったんですけれども。この舞台は約2年近く前に書いたものです。なので、NHKの仕事とは全くかぶっておりません。で、そこから深川君にお願いして、脚本に合わせて1人ずつキャストを決めさせて頂いたので、非常に制作期間が長いものになっています。なので、熟慮をする時間はたっぷりあったと思うので、素敵な作品になるのではないかと思っています。

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──『スタンド・バイ・ユー〜家庭内再婚〜』以来の舞台脚本ですが、舞台でしか描けないものというのは?
岡田 僕は演劇人と言える存在ではないので、演劇的空間というものがどんなものなのか、まだわからずにやっておりますが、テレビドラマを書いている時も会話劇を書くのが好きで、よく書いているのですが、どうしてもそこには常識の範囲の時間制限みたいなものがあって、2人だけで喋っているシーンが10分、15分続くというのはちょっとあり得ないので、どうしても尺の中で納めて行くんですけれども、自分の中ではこれ無限に行けるんだけどな、というようなシーンがやっぱりあって。それが舞台という空間の中だと、尺を気にせずにやれることが一番大きなことかなという気がしています。なので本当に会話劇で書いていて、台本が進まずに会話ばっかりという気がして「いつになったら終わるんだろう」と言うくらいの分量になるのですが、舞台の中では2人だけのシーンは、本当にそこにいる2人だけがやって頂けるという緊張感に向けて、会話劇を書けるというのが非常に楽しいことです。
──栗山さん、久しぶりの舞台ですが、特に気をつけることなどは?
栗山 本当に舞台自体の回数、場数を踏んでいないので、正直舞台のリズムみたいなものを思い出すと言いますか、身に着けていかなくてはいけないなと思うのはもちろんです。あとはモチベーションを保って、毎回新鮮な気持ちでやるということを最低限守って、務めたいなと思っています。

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〈公演情報〉
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『ミッドナイト・イン・バリ〜史上最悪の結婚前夜〜』
脚本◇岡田惠和
演出◇深川栄洋
音楽・演奏◇荻野清子
出演◇栗山千明、溝端淳平、浅田美代子、中村雅俊
●9/15〜29◎日比谷シアタークリエ
〈料金〉9.200円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)
〈公式ホームページ〉http://www.tohostage.com/midnight/

全国ツアースケジュール 
 
●10/3日◎静岡・富士市文化会館 ロゼシアター
〈お問い合わせ〉富士市文化会館 ロゼシアター 0545-60-2500 
●10/5◎愛知・愛知県芸術劇場
〈お問い合わせ〉キョードー東海 052-972-7466
●10/7〜8◎大阪・サンケイホールブリーゼ
〈お問い合わせ〉ブリーゼチケットセンター 06-6341-8888 
●10/10◎福岡・久留米シティプラザ
〈お問い合わせ〉ピクニックチケットセンター 050-3539-8330 
●10/12◎鹿児島・鹿児島市民文化ホール第2
〈お問い合わせ〉ピクニックチケットセンター 050-3539-8330 
●10/14◎山口・ルネッサながと
〈お問い合わせ〉 ルネッサながと 0837-26-6001 
●10/17◎岡山・岡山市民会館
〈お問い合わせ〉 岡山市民会館 086-223-2165 
●10/19◎愛知・豊川市文化会館 
〈お問い合わせ〉(公社)豊川文化協会 0533-89-7082 
●10/22◎新潟・りゅーとぴあ
〈お問い合わせ〉りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521 
●10/24◎岩手・岩手県民会館
〈お問い合わせ〉岩手県民会館 事業課 019-624-1173 
●10/29◎千葉・印西市文化ホール
〈お問い合わせ〉印西市文化ホール 0476-42-8811 
●10/31〜11/11◎金沢・北國新聞赤羽ホール
〈お問い合わせ〉一般財団法人北國芸術振興財団 076-260-3555 


【取材・文・撮影/橘涼香】



“栗山千明、溝端淳平出演『ミッドナイト・イン・バリ』お得なチケット販売中!"






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新派の喜多村緑郎・河合雪之丞、同期の2人が送る『黒蜥蜴』爆笑トーク! 

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三越劇場開場90周年を記念して「三越劇場のあゆみ〜90年そして未来へ〜」が、4月26日から5月2日まで開催されている。歌舞伎、演劇、落語、コンサートなど様々な演目の歴史を展示するイベントだ。その1つとして、六月花形新派公演『黒蜥蜴』に出演する喜多村緑郎と河合雪之丞のトークショーが行われた。

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原作の『黒蜥蜴』は1934年に月刊誌「日の出」に連載された江戸川乱歩の小説で、これまで三島由紀夫を含め多くの劇作家が挑んで来た。今作は、齋藤雅文によるオリジナルストーリーで、新派版『黒蜥蜴』。名探偵の明智小五郎(喜多村緑郎)と、この世の美しいものすべてを手に入れようとする女盗賊・黒蜥蜴(河合雪之丞)の物語。さらに、実力派の永島敏行、新派初参加となる劇団EXILEの秋山真太郎、今年、新派入団を果たした尾上松也の妹・春本由香の出演で、三越劇場開場90周年の歴史を刻むにふさわしい舞台が誕生する。

【あらすじ】
舞台は昭和初期。国宝級のダイヤ「クレオパトラの涙」を保有する宝石商岩瀬の娘早苗(春本由香)が誘拐された。「お嬢さんを私からお買い戻しになるお気持ちはありませんか。代金。『クレオパトラの涙』1個…」という置き手紙を残して。刑事の片桐(永島敏行)の目の前で堂々と誘拐を成功させたのは、社交界の花形で暗黒街を牛耳る女王の黒蜥蜴。彼女の目的は、世界中の美しいものを盗むこと。手下の雨宮潤一(秋山真太郎)と共に人を殺めることも厭わず、数多くの罪を犯していた。そんな黒蜥蜴の前に、名探偵の明智小五郎が立ちはだかる。その末に待っているものは…。

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【トークショー】
 
──三越劇場90周年に向けてのメッセージを。
喜多村 90年間残っている劇場は、日本では類を見ないと思います。90年という歴史の重みを感じますね。歌舞伎の第一線で活躍された、例えば亡くなった6代目の中村歌右衛門さんや、たくさんの名優が立った舞台に、こうして我々も立たせていただける嬉しさを噛み締めています。そこで僕の念願である『黒蜥蜴』を上演できるのは本当にありがたいことだと思っています。
河合 戦前・戦中・戦後を眺めてきた劇場で、我々が同じ舞台に立っていられるということの素晴らしさを実感しています。三越劇場でしか観られないお芝居を、制作・俳優を含めて作り続けて、これからの100年周年、200周年と歴史を築いていく努力をしたいですね。
──1923年の関東大震災の文化的な復興の意味合いで作られた劇場でもあります。こけら落としには初代の水谷八重子さんが、ファッションショーのモデルとして登場されました。お二人は、三越の商い初めの鏡開きでご登場されています。
喜多村 ここ2年間は、鏡開きをさせていただいていますので、よく来てるなという感覚になりますね。
河合 我々が三越劇場に出演するために楽屋入りする時は、この中央ホールを通らないんですよね。三越劇場の名物「天女(まごころ)像」は歴史も感じますし、拝見すると気持ちが引き締まりますね。鏡開きの時とイメージが違うので素敵な雰囲気になっていますね。
──「天女像」は木造で翡翠がちりばめられています。
喜多村 やっぱり翡翠だ。しゅん(雪之丞の愛称)ちゃんはガラス玉だって言い張ったんですよ(笑)。
河合 お客様には裏も回って見て堪能していただきたいですね。

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──お二人とも国立劇場の歌舞伎俳優養成場の同期ということで、仲が良いですね。
喜多村 プライベートはほぼ一緒ですね。昨日もうちの近所で、僕の妻と3人でご飯を食べるぐらい(笑)。
河合 美味しい焼き鳥屋さんがあるんです。
──どれくらいのおつきあいになるんですか。
喜多村 31年ぐらいですね。親兄弟よりも長く一緒にいます。僕の人生の中では一番長く一緒にいる人間です。
河合 お互い悪いところばかり気になりますけどね(笑)。言葉に出さなくてもわかるような間柄です。舞台上でも、こういう風に芝居をしたらこういうリアクションが返ってくるとわかるんですよ。打ち合わせをしなくても通じ合える。長く一緒にお芝居したり、プライベートでも一緒にいることの良さがあると思います。
喜多村 いい方に作用すればいいけど。たまにプライベートで喧嘩する時に限って夫婦役で出ないといけない(笑)。そういう時はきついですね。
河合 僕はそう思わないけど。めんどくさいなって思います。
喜多村 喧嘩なんてしょっちゅう。月に何回するんだろう。
河合 喧嘩しかしてない気がしますね(笑)。
喜多村 喧嘩するほど仲が良いというのはそういうことかな? しかも、どうして喧嘩したのか原因を忘れちゃうんです。
河合 些細なことで必ず喧嘩に発展する。
喜多村 100%なるね。こんな場所で、こんなこと自慢してどうする(笑)。
──仲が良い証拠ですね。
喜多村 不思議ですね。ありがたいと思うこともありますから。しょうがないよね。運命(さだめ)だね。
河合 運命って(笑)。
喜多村 15歳ぐらいから一緒にいるから運命ですよ。

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─初めて三越劇場に出演された時は。
河合 三越劇場に初めて出させていただいたのは、1997年の2月の自身の舞踊リサイタルですね。我々の一門は、個人的にリサイタルをすることもあるんですが、皆さん地元があるんです。例えば市川笑三郎さんだったら岐阜といった具合に。私は東京の人間なので、東京の劇場でやらないといけないですから、三越劇場で個人的なリサイタルをやらせていただいたんです。ご縁を感じますね。
喜多村 僕は、同じ国立劇場養成所出身という縁で市川笑也さんと一緒に、しゅんちゃんのそのリサイタルで後見をしたのが初めてです。素敵な小屋ですよね。うちの師匠(二代目猿翁)は、劇場の空間も、すべてがお客様を迎える場でなければならないとおっしゃってますが、歌舞伎座や演舞場、他の劇場も趣があるように、三越劇場は、ロココ調のモダンなイメージの日本を代表する劇場だと思います。
──座席数が514席です。お客様との距離が近いですね。
河合 客席数が500ぐらいの良さは、お客様と役者との距離感ですね。身の引き締まった思いで細かな演技もきちっとお客様に伝わるように演じるのは、すごく大事なことだと勉強させていただきました。演舞場に出させていただく時も、その気持ちを忘れないで、舞台に立つことを大切にしています。
──昨日のトークゲストに星由里子さんがいらっしゃいましたが、三越劇場ではあまりお化粧は濃くしないとおっしゃっていました。
喜多村 確かに三越の時は、化粧にすごく神経を使いますね。お客様との距離が近いぶん、普段も怠けているわけではないですが、神経を使いますね。お客様の息遣いまで聞こえてきますからね。
──喜多村さんは2016年から新派、雪之丞さんは今年から入団されました。
喜多村 2011年の1月公演の『日本橋』(三越劇場)で、初めて参加させてもらって、そこから新派に出させていただいているので、歌舞伎から新派に来たぞという気合いの込もった感覚はないです。皆様のおかげで、自然と歌舞伎から新派に移行させてもらいました。ただ、喜多村先生の名前を継がせてもらうと、今までとは違うものを背負った感覚があります。外から見ていた新派と、入ってからの新派と違う感覚を抱くようになりました。
河合 歌舞伎から女形をやらせていただいますが、新派に移籍させていただいてからも、女形を演じる上での意識は変化していないです。でも、歌舞伎は日本中で歌舞伎に対するイメージがあると思いますが、新派はなに?というところから、お考えになる方が大勢いらっしゃると思います。新派を歌舞伎と同じくらい皆さんに認識していただけるようにしたいですね。我々が踏み台となって、次世代の方がどこに行っても、新派の人たちだと言ってもらえるように、我々が努力していかないといけないという責任感は感じております。

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──『黒蜥蜴』の見どころを。
喜多村 明智小五郎をさせていただきます。子供の頃から、「少年探偵団」「怪人二十面相」を読んでいました。『黒蜥蜴』は歌舞伎に入ってから読んで、これは歌舞伎でやったら面白いなと考えたのが20年ぐらい前。それから数年経って、膝の怪我をして、歌舞伎の舞台に立てない時があって、自主公演で音楽とミックスさせた朗読劇をした時期がありました。そこでも、『黒蜥蜴』をやりたいなとは考えて、自分で脚本を書いたりしたんです。その時は森村誠一さんの時代小説をやらせていただいたんですが、今回ご縁があって、『黒蜥蜴』を上演できるとなった時に、僕の書いた脚本でやりたいなと思ったんですが、うちの座付きの齋藤雅文さんが、明治座で浅野ゆう子さんでおやりになった台本と僕の台本を照らし合わせると意外と共通点が多くて、今回は齋藤先生の本でやらせていただくことになりました。齋藤先生の脚本は三島先生と違って、原作に忠実ですし、原作に出てこないポイントとなる役もでてきます。エンターテインメントも追求して芸術性もプラスした、きっちりとしたお芝居になっています。東京のホテル、大阪の通天閣の場面などサスペンスの場面もありますし、さらにスピード性がミックスされています。もちろんじっくりお芝居をご覧になられてもいいですし、ビジュアルだけでも面白い場面がたくさんありますので、そこを見どころにしていただければいいかな。
河合 全部喋っちゃった!
喜多村 ごめんなさい(笑)。
河合 見どころ満載でございます。
喜多村 何が重要かといったら、しゅんちゃんの黒蜥蜴の美しさですから。それは我々にはどうすることもできないですから、しゅんちゃんがアピールしてください。
河合 頑張りたいと思います。この間も長時間かけて、打ち合わせをさせていただいて、衣装、カツラ、小道具も我々の意見をとり入れながら、楽しいお芝居を追求しています。歌舞伎も、新派も、ミュージカルを観たことない方々でも楽しんでいただけるように、作り上げたいですね。一度と言わずに二度三度と劇場に足を運んでくださればと思います。
喜多村 僕は1月から台本作り、大道具、照明、衣装、音楽の打ち合わせに参加させていただいて、もう終わったような感覚です(笑)。ただ、ゴールデンウィーク明けから全員揃っての稽古になります。これからが本当の勝負所です。
河合 ネタバラシはしたくないのに、バラシたいなと思うぐらい面白い。三越劇場でしか観られない、ここでしか上演できない『黒蜥蜴』です。


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【囲みインタビュー】
 
──イベントを終えられていかがでしょうか。
喜多村 「天女の像」の吹き抜けのところで、『黒蜥蜴』の宣伝をさせていただいたのは嬉しいことですね。
河合 みなさまに直接お目にかかってお話をさせていただいて、『黒蜥蜴』の魅力をお伝えできて楽しいですね。
喜多村 あと5時間ぐらいやりたいですね。
河合 そう(笑)。
喜多村 想いがいっぱい詰まっている公演なので、直にお客様にお話させていただけるのでありがたかったです。
──喜多村さんがおやりになりたかった演目だったのでしょうか。
喜多村 そうです。台本にした時に、新派にうってつけだという確信がありました。
──これまでの新派にはないような舞台ですね。
喜多村 はい。ただ、僕は子供の頃から「ルパン」が大好きで、無国籍的な要素が江戸川乱歩の『黒蜥蜴』にあるなと実感して、今回なんとかやらせてもらえないかとお願いして実現できました。
河合 でも、初演が先代の水谷八重子さんだもんね。
喜多村 そう。その時は三島先生の本です。
河合 ご縁だね。
──新派としては初めてなんですね。
喜多村 新派としては初めてです。齋藤先生の全くのオリジナルなので、新派のオリジナル作品になります。ただ、「これは新派だ。これは歌舞伎だ」ではなく、『黒蜥蜴』という舞台に、全員が出せるものを出し切ろうというコンセプトで作ります。蓋を開けて見て、どういうジャンルになるのかは、我々もわからない未知の領域に入っていく感覚になります。
河合 今までの枠にとらわれない作品で、逆にいうと枠にとらわれないお客様にも観ていただきたいですね。
──トークショーでは喧嘩のエピソードがありましたが今回もありそうですね。
喜多村 あるでしょうね(笑)。今回は明智と黒蜥蜴で、お互いずっと稽古場にいるので、一緒にいるほど喧嘩が起こりやすくなりますね。
河合 稽古が終わったら、なるべく一緒にご飯行かない方がいいね。
喜多村 そんなこと言わないで! ご飯食べながらの芝居の話をするのが楽しみで稽古してるんだから。嫌がられるんですけど(笑)。
河合 芝居がすごい好きなんですよ。だから嫌がられるパターンの人です(笑)。確かに大事だけど、私は純粋に食事を楽しみたいな。
喜多村 いや、しゅんちゃんと話をするのが楽しいんです。しゅんちゃんには正直な意見をぶつけられるので、食事会はやりますよ。それによって喧嘩が始まるリスクがあるんですけれど(笑)。
河合 まあね(笑)。
喜多村 ぶつかりあえば、より面白いものが生まれるという、2人の人生はずっとそうでしたから。
──若い座組みだと思いますが、どのように引っ張っていこうとお考えですか。
喜多村 永島(敏行)さんは、『狐狸狐狸ばなし』で、ご一緒させていただきましたので、知らない仲ではない。きちんとポイントを抑えてくださいますから安心しています。とにかく、主役の人間は若い人たちを引っ張るには、ああしろと命令するよりは、自分たちの背中を見せないといけないですね。
河合 秋山(真太郎)さんでも、(春本)由香ちゃんでも、若い方達は、こういった新しい芝居で、ご自身の魅力を存分に出してもらえれば絶対にいい作品になると思います。遠慮しないでやってほしいよね。
喜多村 そうだね。許容量よりも弾けて欲しいぐらいですね。役者は爆発する時が必要で、それが彼らにとって第一歩になると思います。しゅんちゃんも言っていましたけど、次の世代にバトンを渡す仕事もありますから。『黒蜥蜴』は劇団新派にとっても、我々にも、若い劇団員にとっても新しいスタートです。道具や照明、衣装、音楽、すべてのものに携わらせていただいて、ワクワクとドキドキが常にあります。

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──制作にも携わっていかがでしたか。
喜多村 楽しいですね。1月の『華岡青洲』の時も、しゅんちゃんに膝枕してもらうシーンがあるんです。ふと上を見上げると照明が吊ってあるバトンが見える。あそこには、この色の照明はどうだろうと考えているうちに、セリフを忘れてしまったという失敗も(笑)。袖で待って入る時も、この袖をどう有効活用しようと考えたり楽しいですね。
──雪之丞さんは、お名前に慣れましたか。
河合 春猿さんとか、しゅんちゃんと、いまだに言われるし、逆に河合さんと後ろから声をかけられても振り向けない自分がいます(笑)。テレビでも春猿さんと言っていただいてたんですが、この間、河合さんと苗字で紹介していただいた時は、嬉しかったですね。
喜多村 わかる! その嬉しさ。
河合 違和感がない。
喜多村 僕もやっと慣れましたね。
──最後に意気込みを。
喜多村 僕の中では数十年温めていた作品だったので、それができる喜びと、失敗できない緊張感が混ざり合っています。ただ、とてつもないものができる予感があるんです。新しいものができるときは賛否両論絶対あります。だから、それにめげずにどんどん新しいものを作っていきたいと思いますので、お芝居を観たことのない方、新派がお好きな方、歌舞伎のお好きな方、若い方、いろんな方に観ていただきたいですね。ビジュアル的にも、綺麗なしゅんちゃん、綺麗な女の子、かっこいい男性、渋い人など、素晴らしい絵をご覧になっていただける芝居になっています。日本の戦前の無国籍の絵巻物をみていただけると思います。ぜひいらしてください。
河合 みんなが楽しく思いっきりはっちゃけたら、お客さんにも喜んでもらえるので、今までに観たことのない何かをご覧になれると思いますので、大勢の方に観に来ていただいて、1つのテーマパークに数時間入り込んでしまったようなお芝居にしたいと思っております。


〈公演情報〉
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六月花形新派公演 
『黒蜥蜴』
原作◇江戸川乱歩  
脚色・演出◇齋藤雅文  
出演◇喜多村緑郎 河合雪之丞/秋山真太郎(劇団EXILE) 春本由香/永島敏行 他
●6/1〜24◎三越劇場
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489、三越劇場 0120-03-9354



【取材・文・撮影/竹下力】




おん・すてーじ『弥次さん喜多さん』双 




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波乃久里子、浅野ゆう子の出演で涙と笑いの名作喜劇2本立て「七月名作喜劇公演」製作発表レポート

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新橋演舞場7月公演は、「七月名作喜劇公演」と銘打ち、『お江戸みやげ』と『紺屋と高尾』の喜劇2作品を上演する。

『お江戸みやげ』は、故・川口松太郎の名作喜劇。初演は1961年12月の明治座で、17世中村勘三郎がお辻を演じた。物語は、梅が咲く「湯島天神」境内にやってきた行商人のお辻(波乃久里子)とおゆう(市村萬次郎)。芝居見物をした2人だが、お辻は人気役者の阪東栄紫(喜多村緑郎)に心を奪われてしまい…。

『紺屋と高尾』は講談で有名な「紺屋高尾」の物語をアレンジした人情喜劇。松竹新喜劇で1968年に初演、藤山寛美が紺屋の職人久蔵を演じて人気を博した。物語は、大坂から江戸へ出てきた紺屋の職人久蔵(喜多村緑郎)が吉原最高位の遊女、高尾太夫(浅野ゆう子)に一目惚れ。一年間懸命に働いて、貯めた五十両を持ちいざ吉原へ…。

本来なら『お江戸みやげ』のお辻、『紺屋と高尾』の高尾太夫は、藤山直美が務める予定だったが、病気により降板。『お江戸みやげ』は、17世勘三郎の長女・波乃久里子が、父の当たり役でもあったお辻に挑む。お辻の相方のおゆうは歌舞伎から市村萬次郎。坂東栄紫は喜多村緑郎が演じる。お紺にはテレビ、舞台でも活躍する小林綾子、常盤津文字辰には歌手として女優としても活動している仁支川峰子が扮する。

もう1作の『紺屋と高尾』の高尾太夫は、テレビ、舞台などで話題作に出演、新橋演舞場は初出演となる浅野ゆう子。紺屋の久蔵には喜多村緑郎。またNHK朝のドラマ『べっぴんさん』にも出演し話題になった曽我廼家文童。様々な舞台で存在感を放つ大津嶺子が出演、舞台から病床の藤山直美を支える意気込みで臨む。

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今回、上演に先立って製作発表会が行われ、松竹株式会社の取締役副社長である安孫子正、『お江戸みやげ』の演出を手掛ける大場正昭、『紺屋と高尾』の演出の浅香哲哉、波乃久里子、浅野ゆう子、市村萬次郎、喜多村緑郎が登壇した。

【登壇者挨拶】
 
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安孫子正
今日はお忙しいなか、お集まりいただきありがとうございます。新橋演舞場の7月公演ですが、当初、藤山直美さんの公演を考えておりましたが、病を得まして、休演となりました。そのため、新しく座を作り直しての公演でございます。今回、直美さんのお芝居で、大阪二大物語と、『お江戸みやげ』の2本を上演する予定でございましたが、今日ここにお集まりいただきました方、また新たに参加していただく方を含めて、新しい公演を行うことにしました。
『お江戸みやげ』でございますが、川口先生の作品で、今回は初めて女優の波乃久里子さんが挑戦されます。これは17代目の中村勘三郎さんが演じるお辻という当たり役の作品です。お辻とおゆうの2人の主人公がいますが、今回、市村萬次郎さんにおゆうでご出演をお願いしておりましたので、ご共演の経験もある波乃久里子さんにお願いをし、快くご出演いただくことができました。この公演には、仁支川峰子さん、小林綾子さんにも出演していただきます。
また、『紺屋と高尾』は大阪二大物語ですけれども、直美さんならではの作品でございまして、いろいろ熟考したすえ、今回は浅野ゆう子さんにご出演いただくことになりました。浅野さんは、京都の南座、大阪の松竹座でご出演いただいていて、大きい俳優でございますから、いずれ東京の新橋演舞場でとかねがねお話しており、図らずもこのようなご縁をいただきました。浅野さんには、スケジュールを調整していただき、ご出演していただくことに感謝しております。これを機会に、商業演劇という場で、もっともっと活躍していただきたいと思っております。
それでなぜ、『紺屋と高尾』を選んだかといいますと、曾我廼家文童さん、大津嶺子さん、喜多村緑郎さんがいらっしゃるので、やはり浅野さんには美しい高尾太夫をやっていただこうと決まったわけでございます。このような狂言は、脇を固めてくださる方が、きちんとしていらっしゃるのが大切で、この2つの狂言を選ばせていただきました。
こういうお芝居は、東京の劇場でもかかりにくい状況になっております。ただ、何があっても、この22つは名作で、面白いお芝居でございますし、脇の方達も、腕の達者な方にご出演していただくことになりましたので、どうぞお楽しみいただきたいと思います。ぜひ、この公演が無事に初日から千穐楽までさせていただけるよう、皆様のお力をいただきたいと思います。

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大場正昭
私が『お江戸みやげ』という作品に出会いましたのは、新派の文芸部に在籍いたしまして、亡くなられた坂東三津五郎さんから、15年ほど前にやってくれないかと言われて喜んで引き受けた時です。
三津五郎さんと上演しましたのは、東日本大震災の2011年の4月でした。いろいろな思いのなかで、この作品を作ったのを覚えています。あるとき、京都で三津五郎さんに歌舞伎でこういうお芝居は大丈夫ですかと聞いたら、「いいんだ」と言われて、三津五郎さんが大変喜んでくださった。「祇園の芸者さんの評判が一番良かったよ」と言ってくれたのを覚えています。そのあと、新劇系の雑誌『悲劇喜劇』という雑誌で作家の曽野綾子さんが、お書きくださった巻頭エッセイを拝見してひどく感激いたしました。「甘くはないが、夢はある」というタイトルです。「この作品には恐ろしいほどの人生の深みが捉えられている。まったく、甘くはないが、夢はあるのだ。これは現代ではあちこちで失いかけている大人の情感の世界を描いて成功した数少ない名作であろう」というような文章が書いてある。
それから初演された17世守田勘弥のお芝居をご覧になっていた18世勘三郎さんが、勘九郎時代に朝日新聞社から出版した『勘九郎芝居ばなし』で、上演したい作品への想いをお書きになられています。その中でも、この作品を取り上げております。芝翫さんがおやりになった頃の文章ですが、栄紫をおやりになって、役者が役者の役をやるのは難しくてね、というようなことをお書きになっております。私にとってのいろんな思いのある作品ですので、藤山直美さんの無念を含めまして、劇団の大先輩である波乃久里子さん、喜多村緑郎さん、そのほかみなさんと一緒に、とにかくおもしろい作品にしていこうと思っています。よろしくお願いいたします。

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浅香哲哉
普段であれば、松竹新喜劇の場合は、時代物と時代物ではない公演になります。今回は、時代物2本ですが、下座も使わせていただけるということなので、古風な芝居の演出ができればと思っています。所作指導に尾上墨雪先生をお招きして、浅野さんの古風で美しい姿をぜひ見ていただきたい。2008年に五木ひろしさんがおやりになられた時からお付き合いさせていただいています。その間に、直美さんが、舞台を吉原から島原に変えて、江戸と東京を逆転させて、前川清さんと出演された「博多座四月特別公演」(2011年)もやらしていただいたのですが、その時は下座を使えなかったので、今回は喜劇ではありますけれども、テンポは失わず古風にやりたいと思っています。

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浅野ゆう子
先ほど、安孫子副社長様から素晴らしい言葉をいただき、とても嬉しく思っております。突然のお話でしたが、普段から大変お世話になっております副社長から新橋演舞場の舞台に立ってみないかというお声をいただき、ご恩返しができると思い、力は及ばないかもしれませんが、出演させていただく決意をしました。大先輩の波野さんも高尾太夫を演じていらっしゃるので、ご指導をいただきながら演じたいと思います。緑郎さんは新派に移られた時に公演を拝見させていただいて、いつかご一緒させていただければと思っておりました。現代っ子としてやってきました私が、初めての花魁役で古風な芝居ができるか不安ではありますが、7月は喜劇でお楽しみいただけたらと思います。みなさま足をお運びになってくださるようお願いいたします。

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波乃久里子
今日はすごく緊張しています。直美さんは日本に1人しかいない方ですから。『お江戸みやげ』は、私が16歳の時に、父の17世勘三郎と勘弥さんの2人の素晴らしい演技をみた時に、これは女優では無理だと思っていました。それから直美さんが挑戦なさると聞いた時に、とても楽しみにしておりました。直美さんには大船に乗ったつもりでと言いたいところですが、小舟にしかならないかもしれません。でも、一生懸命やらせていただきます。直美さんがいらっしゃらない公演だけでも寂しいでしょうから、どうか宣伝はしっかりしてくださいね(笑)。『紺屋と高尾』で素晴らしい花魁を私がやらせていただいた時は、私は不器用ですから花魁道中はやめてくれと申しましたら、寛美先生が「久里子さんを世界一きれいにしてみせます」と言って、5時間かけて、照明を直して舞台稽古をやってくださいまして、あんなに綺麗になったのは最初で最後。浅野さんは、照明がなくてもきれいな方ですから、文句なく美しくなられます。どうか、7月の公演が盛大にできるようにご配慮願えればと思います。直美さんを喜ばせて安心させてください。

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喜多村緑郎
『お江戸みやげ』では阪東栄紫、そして『紺屋と高尾』では紺屋職人の久蔵を務めさせていただきます。かたや一心に惚れられ、もう一方は一心に惚れ抜くという、2つの大役をいただきました。特に紺屋の久蔵役は尊敬して止まない藤山寛美先生の当たり役。手も足も出ないことは、よくわかっているのですが、真っ向から当たって砕けろの精神で精一杯務めて参りたいと思います。

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市村萬次郎
今日はみなさんお集まりいただき誠にありがとうございます。色々な分野の方とお芝居をさせていただくことは、本当に楽しみで、7月の舞台を心待ちにしております。人は人が好きになることはいいことだと思いますが、好きになられることも素晴らしいこと。この作品の中で、人が好きになったり、好きになられたり、人の心の機微を側で見ている役も面白いのではないかと思っています。息子の市村竹松も参加させていただきますが、みなさんと1つになって、舞台を作り上げられたらと思っております。

藤山直美(手紙の代読)
この度は病気と云うプライベートな事柄で7月の新橋演舞場公演を降板させて頂く事となりまして、誠に申し訳ございません。松竹演劇部の皆様、共演予定でした役者さん方にも本当に多大なるご迷惑をおかけすることとなり、お詫び申し上げます。しかしながら、こうして「七月名作喜劇公演」が、無事上演される運びとなり、心から御礼申し上げます。市村萬次郎さん、波乃久里子さん、喜多村緑郎さん、そして浅野ゆう子さんと、お客様を喜ばせるプロフェッショナルの方々がご出演されるので素晴らしい舞台に成ると思います。このお顔ぶれの舞台企画は病気療養中の私にもパワーを頂く事が出来ます。私も治療に専念いたしまして、万全の体調でまた、皆様にお会い出来ます様に頑張りたいと思っております。病気の私が云うのも何ですが、皆様も呉々もお身体ご自愛ください。
平成29年 春 藤山直美

【質疑応答】
 
──お辻は、波乃久里子さんのお父様がされた役でありますが、その時のエピソードはありますか。また、浅野ゆう子さんに衣装合わせや台本など高尾太夫を演じようとする上で大変なことがあれば教えてください。
波乃 初めて『お江戸みやげ』を見たときは、笑って笑って笑い抜いて、泣いて泣いて泣き抜いて、これは歌舞伎役者の女形ではないと出来ないと思ってしまったんです。私はどうやっていいのか、まだわかりませんけれども、父の17世勘三郎の写真集があるんです。その中には、お辻が荷物を持っている絵のような写真があるんです。ここから人生が見えて悲しさもあって、それを背負ったお辻が立っているんですね。父がよく、これは『末摘花』に匹敵すると言ってるんですよ。確かにダブってくるものがあるような気がして、写真を取り寄せて同じようにしたくて、メイキャップも父と同じようにして頂きました。ただ、顔は似せましたが、芸が伴うかわかりません。私がやれそうもない役をやらせて頂くことを、直美さんには申し訳ないけども、ありがたいと思います。しかも、弟の18世勘三郎がやりたかった役でございます。昨日は父の祥月命日で、お墓に行って、弟に謝りました。ごめんなさいって。ですから、この役をやらせていただく以上、成功させたいと思います。
 
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浅野 花魁の役は、随分前から、機会があればやらせていただきたいと思っておりました。この度、お声をかけていただいて、お写真を撮るので扮装させていただいた時に、びっくりしました。まだ時間がございますので、7月までに首と腰を鍛えようと思ったほど衣装が重いんです。カツラが約5キロだそうです。前の帯、打掛、お着物で、20キロだそうで、全身25キロの衣装を着て高い下駄に乗ると、とても1人では乗れませんでした。下駄に乗せてもらい、照明を直してもらっているのを待っている間に、鉄のバーにつかまって立っていたほどです。本番ではもっと軽くしますよとおっしゃられたんですが、メイクさん曰く、「そう軽くはなりませんよ」と言われて、鍛え甲斐があるなと思っております。以前、テレビドラマの『大奥』(2003年)という作品に出演させていただきましたが、お話にならないと思いました。花魁は体力勝負で、重さに勝てるだけの芝居ができるのか不安ですが、着せていただいてとてもいい気分です(笑)。

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──波乃さんと萬次郎さんは『お江戸みやげ』ではどういう役を作って、掛け合いをしていこうと思いますか。また、萬次郎さんは三津五郎さんの時に出演されていらっしゃいますがその時のエピソードを。
市村 どういう風に役を作るかはお稽古に入って決めたいですね。私はお酒が好きで、おゆうもお酒が好きなので、喜劇ですから、明るく自然なおかしみが出ればいいなと思います。お酒を飲むとお辻の方がおゆうよりも度胸が座ってしまうので、その辺の逆転を無理におかしく作るのではなくて、自然と笑いが出るようなおかしみを出せるようにしたいと思います。三津五郎さんとは、衣装を直して少し違うことをしたら怒られた記憶がございますね(笑)。
波乃 大場先生に身を任せて、先生の通りにやらせていただこうと思います。だから、10代の時から仲が良い萬次郎さんとやらせていただくのは嬉しいですね。2人の間には演技がなくてもできると思うんです。お辻になろうというわけではなく、お辻なんだと思って、来月からお辻になりきって、萬次郎さんと一緒にやっていきたいと思います。喜多村さんには普段から惚れていますので大丈夫です(笑)。チームワークとしては素晴らしいと思います。
 
【囲みインタビュー】

登壇者の挨拶、質疑応答のあと、波乃久里子、浅野ゆう子、市村萬次郎、喜多村緑郎の囲み取材が行われた。
 
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──意気込みを。
喜多村 僕は本当にとにかく寛美先生のすごい姿しか焼き付いていないので、どうなるのか…とにかく喜劇ですけど、きっちりと芝居をして、その結果、お笑いを誘えるようになればと思っています。
波乃 父がやってくださった役を直美さんがやってくださるのが楽しみだったのが、残念ではあります。ただ、みなさんをがっかりさせないように尽力を尽くしたいと思っております。
浅野 力不足ではありますが、とてもお世話になっている松竹さんのお声がけで、頑張ろうという気持ちになって受けさせていただきました。関西人ですので、子供の頃からテレビで、藤山寛美先生の作品はテレビにかじりついて観ていました。寛美十八番の『紺屋と高尾』だと聞いた時、とても嬉しく思いました。私は江戸の太夫で、出身とは逆の役所になりますが、喜劇なので楽しんでいただける作品になればと思います。
市村 普段は、歌舞伎しか出ないので、今回いろんな分野の方と一緒にできるのが楽しみです。その中で、みなさんと仲良く明るく、お酒を飲んだつもりで頑張りたいと思います(笑)。

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──直美さんとはお話はしましたでしょうか。
波乃 直美ちゃんはすごい無理して明るくするからかえって会いに行くのを差し控えていますけど、早く元気になって欲しいですね。
市村 聞いたときはびっくりしましたけれど、電話では非常に明るくて安心しました。体が第一ですし、まだいくらでも機会があるわけですから、次の舞台を楽しみにしております。
──浅野さんの花魁姿をご覧になって。
喜多村 W浅野(浅野ゆう子・浅野温子)の頃から大ファンだったので、先月は、名取裕子さんと初めて舞台をさせてもらったので、今度はWゆうこだと思って嬉しいですね(笑)。浅野さんは美しいですね。ただその一言です。

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─浅野さんはみなさんと共演が初めてになります。
浅野 はい。緑郎さんは新派の時に拝見させていただいて、一緒にいつかと思っていましたし、波野さんとは歳はあまり変わらないですけど(笑)。
波乃 よくおっしゃる!
浅野 萬次郎さんは相見えることはなかったので楽しみです。
──稽古は楽しみですね。
波乃 小屋は1つですが、作品が違いますから、稽古はご一緒できないんですよ。ただ、この間は甥と舞台をやられているのを拝見させていただきましたね。テレビでもよく拝見させていただきます。小屋に入って楽屋でお話ししたいですね。
──楽屋ではどんなお話をされますか。
浅野 波乃さんは高尾太夫を演じていらっしゃいますので、その辺りを……。
波乃 20代の時よ。100年ぐらい前(笑)。
浅野 (笑)。細かい所作を教えていただければと思います。
 ──つい先だっては七緒八さんが桃太郎をやられたりと歴史を感じます。
波乃 ええ。弟がやっていた桃太郎、勘九郎がやっていた桃太郎、七緒八が勘太郎になって演じた桃太郎。同じ狂言が脈々と3代も続いて、歌舞伎の歴史は面白いですね。

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──お辻は歌舞伎役者しか演じられないとおっしゃられたお気持ちは。
波乃 女形しかできないという気にしかならなかった。しかも、川口先生が女形に書いたものでしょ。長谷川伸先生に、「どうしてあの演目で女優さんがなさらないでしょう」とお伝えしたら、長谷川先生が「女形に書いたからだよ」とおっしゃられた。だから、女優さんがやるのは違うのかもしれませんね。だから、直美ちゃんがやられると聞いたときは偉いなと思ったんです。私は女優じゃないので役者ですから、同じかもしれないけれど、女形ってエネルギーが違うもの。萬次郎さんも女形でしょ。
市村 でも女性にはなれないから(笑)。
──最後にファンにメッセージを。
波乃 どうぞお1人でも多くのお客様が来てくださったら、直美さんも安心なさると思います。どうぞ7月は応援してください。

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〈公演情報〉
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『七月名作喜劇公演』
一、お江戸みやげ(おえどみやげ)
作◇川口松太郎
演出◇大場正昭
二、紺屋と高尾(こんやとたかお)
口演◇一竜斎貞丈
脚本◇平戸敬二
演出◇浅香哲哉
出演◇波乃久里子、浅野ゆう子、市村萬次郎、喜多村緑郎、曽我廼家文童、大津嶺子、仁支川峰子、小林綾子 他
●7/3〜25◎新橋演舞場
〈料金〉一等席13,000円、二等席8,500円、三等A席4,500円、三等B席3,000円、桟敷席14,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489(10時〜18時)



【取材・文・撮影/竹下力】


『明治座 五月花形歌舞伎』 




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