稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『真夜中の弥次さん喜多さん』三重

記者発表ルポ

装いも新たに”全美版”として登場! 六月花形新派公演『黒蜥蜴―全美版—』記者懇親会レポート

全体
齋藤雅文、春本由香、河合雪之丞、喜多村緑郎、今井清隆秋山真太郎

新派130年六月花形新派公演『黒蜥蜴―全美版—』が6月2日から23日まで東京・三越劇場で上演される。公演に先駆けて、4月中旬、日本橋三越本店内にて記者懇親会が催された。
 
昨年2017年、新派版『黒蜥蜴』は、江戸川乱歩の世界観を見事に描き、喜多村緑郎と河合雪之丞のコンビが織りなす華麗なトリックや早替わり、変装など観るものを圧倒させた。その初演から1年、装いを新たに「完全で申し分ないこと」を意味する「全美版」としてさらに磨きをかけて登場する。
登壇したのは松竹株式会社の安孫子正取締役副社長、名探偵・明智小五郎役の喜多村緑郎、女盗賊・黒蜥蜴役の河合雪之丞、岩瀬家一人娘・岩瀬早苗役の春本由香、黒蜥蜴の手下・雨宮潤一役の秋山真太郎、警部・波多野十三郎役の今井清隆、脚色・演出を手掛ける齋藤雅文。
「新派は130年で記念すべき年。これから新派をどういうふうに引っ張っていこうかという喜多村緑郎さんと河合雪之丞さんの作品への思いが結集している作品です」という我孫子正取締役副社長の作品への期待を込めた挨拶から始まった会見。さらなる高みを目指し、作品にかける思いと抱負をそれぞれが語った。

齋藤雅文
脚色・演出の齋藤雅文は「昨年の初演は緑郎さん、雪之丞さん、由香たちで新しいものを作るとどうなるかという賭けのようなところもありました。わたしも含めて冒険しました。再演は作品が自分たち自身に返ってくることなので、深めることが大事になり、ハードルが高くなると思います。3月にサンシャイン劇場で自主公演『怪人二十面相〜黒蜥蜴二の替わり〜』をやらせていただき、ずいぶん遠くまできたと感じました。心に残る、感動できるドラマを作るのが夢です。ぜひ、それを実現したいと思います。努力します」と気を引き締めた。

喜多村緑郎2
明智小五郎を演じる喜多村緑郎は、初演でたくさんのお客様が来てくれたことが再演に繋がったと感謝を述べ、再演にあたって新メンバーの今井清隆さんについて「(ポスターを指しながら)イタリアマフィアが絵から抜け出てきたような(笑)、今井さんという強力な助っ人にご出演いただけることは本当に心強いこと」と今井と目を合わせてうなずく。「明智小五郎もインド、イギリス帰り、波多野警部もイタリア帰りということで、『黒蜥蜴』の世界も、よりワールドワイドになって「全美版」として帰ってきます」と再演への期待を膨らませた。

河合雪之丞
女盗賊・黒蜥蜴役の河合雪之丞は、初演を振り返り「あのとき一生懸命、がむしゃらに作り上げてきたことが、実を結んでよかったという思いでいっぱいです」と再演を喜び、「今回は、完全なものをお見せできるのではないでしょうか。初演をご覧になった方にも、もう一度楽しんでいただける作品にしたいです」と抱負を述べた。

春本由香
岩瀬家一人娘・岩瀬早苗役の春本由香は、再び演じられる嬉しさにあふれ「秋山さんと共演できること、そして、あの今井さんと共演させていただけることを嬉しく思っております。再演にあたり、早苗という人間をより理解して、また違う早苗の一面をお見せできるようにバージョンアップしていきたいです」。今井清隆とのダンスシーンについては「緊張しかない」と語るが、「足を引っ張らないようにがんばっていきます」と気合いを込めた。

秋山真太郎
初演同様に「緊張している」と言う、黒蜥蜴の手下・雨宮潤一役の秋山真太郎は、「また新たな気持ちで挑戦したいです。共演者の皆様にご指導いただき、深く役を作り上げていけたら」と語り、再演にあたっては「初演では、日本語の美しさを客席に届けようという思いがあった。僕は、音や感情の色を大事にしますが、今回も日本語のすばらしさを大事にしながら、作っていけたらと思っています」と意気込む。

今井清隆
新派初登場の警部・波多野十三郎役の今井清隆は「わたしの舞台人生において、まさか新派の舞台に立つとは、夢にも思っていませんでした。自分の新しい部分も見つけ出されるのではないかという期待で、胸いっぱいです」。今回、今井の出演によって歌のシーンが増えたことについて「初日にそのシーンがカットになっていないように(笑)がんばっていきたいと思います」と笑いを誘い、一気に会場が和む。劇団新派については「みんな和気藹々と、カンパニーの結束を感じたので、この仲間と一緒にやれることが嬉しい」と喜んだ。

緑郎と雪之丞

「全美版」として再演することについて齋藤は「基本的に僕はあて書きするので、明智のライバルの刑事役に今井清隆さんが来てくださったことは、明智と黒蜥蜴、早苗との関係性も前回と変わってきます。そして今井さんに3曲歌ってもらい、由香とのダンスシーンもあります。初演を踏まえ、冷静になってセットチェンジも含めて、全体をくっきり立ち上げて、深いところにいけるようにしたいです。新作と言われたところから、新派のレパートリーの一つと言われるように熟成をさせていきたいです」とさらなる展望を語った。

〈公演情報〉
20180216_01
 
六月花形新派公演『黒蜥蜴─全美版─』
原作◇江戸川乱歩
脚色・演出◇齋藤雅文
出演◇喜多村緑郎 河合雪之丞 
春本由香 伊藤みどり 秋山真太郎(劇団EXILE)  今井清隆 ほか
●6/2〜23◎三越劇場
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉
チケットホン松竹 0570-000-489(10時〜18時)
三越劇場 0120- 03-9354 (10時〜18時30分)
チケットweb松竹(24時間受付)
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2018_kurotokage/



【取材・文・撮影/今村麻子】



 
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風薫る五月の風物詩! 歌舞伎座『團菊祭五月大歌舞伎』取材会レポート

チラシポスター使用)
『弁天娘女男白浪』弁天小僧菊之助=尾上菊五郎(H22.3歌舞伎座)

歌舞伎史上屈指の名優をしのぶ「團菊祭」が今年も開催決定!
明治の劇聖といわれ、歌舞伎の今日の隆盛の礎を築いたといわれる九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎。その二人を顕彰するため、1936年(昭和11年)から、いくたびか中断しながらも、歌舞伎座の吉例行事として行われてきたのが「團菊祭」。今年も『團菊祭五月大歌舞伎』として、5月2日から26日まで歌舞伎座で上演される。

演目だが、昼の部は、まずは團十郎家のお家芸である歌舞伎十八番のなかから、「毛抜」「鳴神」「不動」の三つが盛り込まれた大作の「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」の通し上演。市川海老蔵が高僧の鳴神上人・帝位継承を狙う早雲王子・ある難題を知恵で解決する粂寺弾正・陰陽師の安倍清行・不動明王の五役を演じるなどエンターテインメント性も高い作品。そして、女伊達(おんなだて・女性の侠客)が花盛りの新吉原で粋に踊る「女伊達」の二本立て。
夜の部は、まずは「知らざぁ言って聞かせやしょう」の名台詞でおなじみ、盗賊(白浪)5人が活躍する音羽屋(尾上菊五郎家)の家の芸「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」。次に、源氏の家を再興しようと、牛若丸(義経)が姿を変え、かつては源氏で今は平家方の鬼一の本心を探ろうとする「鬼一法眼三略巻 菊畑」。そして、春爛漫の京・東山にほろ酔いの喜撰(きせん)法師(六歌仙の一人)がやってきて、茶汲女や弟子たちと賑やかな踊りをみせる「喜撰」と、バラエティに富んだ構成となっている。

4月10日、歌舞伎座の稽古場で、座頭である尾上菊五郎の合同取材会が行われた。菊五郎は、夜の部の「弁天娘女男白浪」で、当り役でもある弁天小僧を5年ぶりに勤める。この弁天の舞台姿が似合うようにと、70代にしてダイエットで身体をしぼるほど気合は十分。盟友・團十郎の「五年祭」でもある今回の公演についての思い、演目や役にかける思いなどをたっぷり語った。

尾上菊五郎取材会写真

〈質疑応答〉
 
──弁天小僧は杮落し以来ですが、今回なさろうと思った経緯は
これだけ人数が揃ったし、(市川)左團次さんのようにずっと一緒にやってくださる方も(座組に)いれば、海老蔵君の日本駄右衛門は初めてだと思うんだ。(尾上)松緑も(尾上)菊之助も揃ったんで、このあたりでいっぺんしようかなと。古い歌舞伎座の時、この「五人男」(「弁天娘男女白浪」の通称)で、「稲勢川」で五人男がちょうど全員揃うんですよね。その時に「あと10年後くらいにこれをやって、誰も抜けてないだろうな」と言って、「そんなことないよ」と言った夏雄ちゃん(十二世市川團十郎)が一番先に逝っちゃって、それから寿(十世坂東三津五郎)が逝っちゃって、非常に淋しい思いをしましたが、今度は「五年祭」ということで、海老蔵君の駄右衛門を楽しみにしております。
──弁天小僧といえば、五代目(菊五郎)さん以来ですね。思いはひとしおのお芝居ですか。
そうですね。東横ホールで初めてやらせていただいたのが昭和40年。何年前だろう?
──50数年前ですね。
おぉいやだ!(笑)
──22歳ですから。思い出とかは。
何がなんだかわからないですよ。前にやった方のビデオなんかなくて、自分の感じだけですからね。父(七代目尾上梅幸)がやったものを、自分もやりたいなと思いながら観ていた。それだけで、あとはしっかり教わってやりましたので。
──昭和48年の襲名のときにもなさって。
襲名でもやらせていただきましたね。そういう節々に、それから、違った劇場へ行くたびにもやらせていただきました。京都南座、大阪新歌舞伎座、松竹座、中座、博多座、御園座。
──周りを演じていらっしゃった先輩方がいなくなって、(残っているのは)左團次さんだけじゃないですか。演目を次の世代に受け継いでいってほしいという思いも強いのでは。
それはそうです。観て感じを覚えておいてもらえれば。映像だけ観るんじゃなくて、一緒に演じていたことを思い出してくれるでしょう。
──手順がきっちり決まったものですが、なかで工夫されたこともあると思いますが。
手順は、何回かやらせていただいてるのでね。最初は本当に大変でした。煙管だとか、赤い鹿の子の布をどこで出すのだ、お金をどこに入れるのだ、それから台詞ではない捨て台詞。それが本当に難しくって。つい現代語になってペラペラ言っちゃって、あとで台詞がなくなって困ったこともありますし(笑)。
──その段階を過ぎてあとからお考えになったこともあると思いますが。
毎回ですね。今回もきっと、稽古に入ってから何か感じるものはあると思います。回数はやっていますが、別に完成品じゃないですし。
──まだし足りないことがある?
やっぱり、いろいろ勉強だなと。それに25日間ですからね。25日間をそれぞれ完璧にやりきるなんて、至難の業でございます。
──気になる箇所が出てくる?
どうでしょうね。立役の部分が良くなってくると、女方が気になってくるし、女方が良くなってくると、今度は立役が気になってくるし。究極の、今流行の“二刀流”ですから(笑)。
──若い時に気になったことと今とでは違う?
違いますね。演じるということは、演じるんですが、もう76(歳)ですから、年ということもありますよね。弁天“小僧”ですよ。16、17(歳)の人間にならなくちゃいけないんだから、姿勢なども本当に、腰がメリメリいうほど痛いんですよね。若い時には気にならなかったことが。
──今回、通しで大屋根の立廻りもありますが。
立廻りになったら、菊之助に変わってもらうかもしれない(場内爆笑)。
──やるからには通しで?
そのぐらいまではやりたいなと思って。五代目さんは晩年、T字の杭を打って、それに寄りかかってやったんですよね。そうまではしてやりたくはないけどね。
──大屋根のがんどう返し(大屋根が後ろに倒れていく大仕掛け)では足の裏がすれて。
痛いよ。上からずーっと降りてくるから。摩擦熱で。
──25日間だとかなり大変ですね。
そんなでもないですよ。本当に大変だと思ったら、自分で滑り降りちゃうから。
──弁天小僧というお役は、菊五郎さんの若さを確認するような役? これがやれてるうちはまだ若いぞと。
まぁね、肚の中は(笑)。
──「勢揃い」はお客さんがわくところですが、難しさは。
あそこは気持ち良いですよ。「しらなみの〜」と音に乗って。
──今回、寺島眞秀さん(寺島しのぶの息子、菊五郎の孫)も出られますが。
しのぶが「どうしてもお祖父様の弁天小僧には絶対やらせてほしい」と。
──同じ作品に出ることがやっぱり大切?
どうだろう、全然わかりませんしね。丁稚は裏に控えていて、ときどき出てくるだけだからね。ただ、覚えておいてもらえればね。
──若い時、ご覧になった村上元三先生が「こんなのが強請に来たらどうしよう」と思ったと。
そう言ってくださったらしいですけどね。
──等身大の感じがあったんでしょうね。楽しかったですか。
怖いもの知らずで楽しんでやっちゃった時もありますし、非常に悩んだ時もありますし。これでいいのかなと。あんまり回数をやらせていただけるので、それがなんでかなと悩んじゃうんです、逆に。
──ずっと菊五郎さんが弁天の時代がありましたよね。その頃ですか。
だと思います。やればやるほど、だんだんわからなくなってきて。
──それがいつ頃から。
年代でいくと40代ですかね。30代までは何だか勢いでやっちゃいましたけどね。これでお客さんが喜んでるのかな、自分の言ってることが通じてるのかなとか、いろいろ考えちゃうんですよ。世話物って、相手役によって違うでしょう。義太夫狂言と違って、自分一人やってるわけじゃなくて、必ず相手との言葉のキャッチボールがあって、そこで相手と合わない時もあるわけですよね。そういう時に、何でだろう、自分のやり方が悪いのかなとか、考えると深みにはまっていきますよ。

尾上菊五郎インタビューカット
 
──後輩たちにこういうことを観てほしいというところは。
言葉の間かなぁ。それと、歌舞伎の江戸っ子言葉。それをあんまり表に出されてもいやなんだよね。「ひゃく」と言わないで「しゃく」と言うでしょう? 「しゃくがにしゃくと賽銭の…」と言われるとゾ〜ッとしちゃう。「ひゃ」と言っておいて「しゃ」なんだよね。昔の江戸っ子はそう言ったかもしれないけど、歌舞伎でやる場合は、お客さんに聞かせる場合は違うんだよね。「ひゃ」と「しゃ」の間くらいでね。
──音羽屋の家の芸としてはこの作品は大事ですか。
五代目さんが考えられたものですから、絶対に大事にしたいですね。
──相手によって世話物は雰囲気が変わると仰いましたが、左團次さんとは60年以上の付き合いですが、どういうやり取りを楽しまれますか。
「この南郷で名を上げてやろう」なんて気がさらさらなくて、前へ出ないで、弁天小僧がしやすいようにしてくださる方です。
──日本駄右衛門は海老蔵さんに。お父様の面影を感じることになるのでしょうか。
今度はそういうことを意識して、配役を決めました。鳶頭も、(六代目尾上)松助がやってたので、(尾上)松也にやらせようと思って。
──「五人男」の最大の魅力は何ですか?
(しばらく考え込んで)目かな…。目から入る美しさ、のようなもの。それが一番大事なんじゃないかなという気がします。「浜松屋」もそうですし、「五人男(稲勢川)」もそうです。「屋根」も「極楽寺山門」もそうですし。「わぁ、きれいだなあ!」とお客さんが観てくださったら、ある程度は成功じゃないかと思いますね。「美」だな。
──ずっとやってきたからわかることもあるでしょう。年功を積まないとわからないことが。
そうですね、確かに。それと、「やる」から「見せる」に変わるよね、どこかから。最初は自分が喜んで、興奮してやってるけど、お客さんに観て、喜んでもらう。まだまだ勉強のことがいっぱいあります。若い人のを観ていて「お前、自分は一生懸命やってるけど、お客さんのことを考えてやってるか?」なんて言いますけど、自分たちも若い時はきっとこうだったんだろうなと。やっていることが本当にお客さんに伝わっているのか、それとも、(自分が)伝えられないのか。それも一つの勉強ですね。
──たとえば、客席の中に五代目がいるような感覚になりますか。
それはありますよ。「おめぇ、そんな恰好してちゃ駄目じゃねえか」っていうような声がね、聞こえる気がする時がありますよ。衣裳を着ていて、「そんな着方じゃ駄目じゃねぇか」って、ふと声が聞こえるような気がする時があるんですね。父親とか、(十七代目市村)羽左衛門のおじだとか、紀尾井町(二代目松緑)のおじさんだとか、そういう方が出てきて。
──たくさんいる先輩から言われたことで、一番心に残っていることは。
少し考えた時期に、後ろから日本駄右衛門の紀尾井町のおじさんが「おめぇ、威勢がねぇぞ」と。威勢ってのも必要なんですね、パパッ!と裾をめくりあげて座るのもね。観てる人にはそう見えるんだな、いけない、と思ったり、いろいろありますよ。
──團十郎さんとの思い出は。
そうね、歌舞伎座が改装になって、大阪で團菊祭をやろうということになった時、二人で相談して、九代目と五代目の銅像を大阪に送ってもらって、團菊祭が向こうじゃわからないだろうからと、由緒いわれを書いて見てもらった思い出もありますね。
 

〈公演情報〉
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歌舞伎座百三十年『團菊祭五月大歌舞伎』十二世市川團十郎五年祭
【昼の部】(午前11時開演)
一、通し狂言 雷神不動北山櫻 
二、女伊達
【夜の部】(午後4時30分開演)
一、 弁天娘女男白浪
二、 鬼一法眼三略巻 菊畑
三、 六歌仙容彩 喜撰
出演◇尾上菊五郎、中村梅玉、中村時蔵、中村雀右衛門、中村錦之助、尾上松緑、尾上菊之助、市川海老蔵、市川團蔵、市川左團次 ほか
●5/2〜26◎歌舞伎座
〈料金〉1等席18,000円 2等席14,000円 3階A席6,000円 3階B席4,000円
1階桟敷席20,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹0570-000-489(10:00〜18:00)
 チケットWeb松竹 (24時間受付)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/564

 
【取材・文/内河 文 写真提供/松竹】



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大人気シリーズ最新作『最遊記歌劇伝−異聞−』製作発表! 登場キャラクターと新キャストが初お披露目!

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大人気シリーズ『最遊記歌劇伝』の最新作『最遊記歌劇伝−異聞−』が、 9月に上演されることになり、3月21日、アニメイト池袋本店にて製作発表が行われ、登場キャラクターと新キャストが初お披露目となった。

この『最遊記歌劇伝』の原作は、峰倉かずやの大人気コミック『最遊記』(一迅社刊)シリーズ。2008年に初演、2009年に2作目を上演。その後、2014年に『最遊記歌劇伝−God Child−』、2015年1月に『最遊記歌劇伝−Burial−』、同年9月に『最遊記歌劇伝−Reload−』が上演され、大人気シリーズとなった。そんな『最遊記歌劇伝』待望の最新作となるのが『最遊記歌劇伝−異聞−』。

今回の物語の舞台となるのは、『最遊記』本編から少し遡り、桃源郷随一を誇る修行寺・大霜寺。その地では「三蔵法師」の継承権を得るため、修行僧達が命を賭して苦行に立ち向かっていた。その中に、若かりし頃の光明三蔵・峯明がいた――。

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製作発表は『最遊記歌劇伝』に前作から引き続き出演する唐橋 充、三上 俊に加え、小沼将太、深澤大河、古谷大和、前川優希、二葉 勇、月岡弘一、齋藤健心とフレッシュな新キャストも勢揃いし、フォトセッションとマスコミ向けの挨拶と質疑応答が行われた。

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【挨拶】
 
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三上
 今回、『最遊記歌劇伝』が2年半ぶりに帰ってきたということで、ここに前回からいるメンバーは僕と唐橋さんだけなんですが、鈴木拡樹、椎名鯛造、鮎川太陽、藤原祐規、4人の想いを背負ってしっかりと努めてまいりたいと思います。

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唐橋
 今、三上さんが仰ったように、『最遊記歌劇伝』初演から出演させていただいているんですが、僕もどんどん歳をとっていって、あまりアクションも出来ない体になってきてしまったんです(笑)。ですが、この作品だけはずっと続けていきたいと思っています。このように‘異聞’という別のラインができたという事がとても嬉しくて、こうしてもしかしたら何十年も続く演劇になっていくシリーズの足がかりになるんじゃないかなと思っています。そんな大切な作品になりそうなので、とても嬉しいです。僕が出られなくなっても『最遊記歌劇伝』がずっと続くようなそんな予感がします。 

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齋藤
 今回、出演させていただくことになり、前回の『最遊記歌劇伝』を拝見したんですが、すごく面白かったし、この世界観を僕らが作っていくためにはどうしていったらいいかなと考えて最近は過ごしています。こうしてこのメンバーと出会えたことも縁ですし、『最遊記』と、このメンバーと、ひとつになって今まで愛されてきた作品を受け継いでいけたらと思います。 

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月岡
 ただ、ひたすらにこの作品を楽しんで作り上げていけたらなと思っております。皆様の期待を裏切らないよう、期待以上のものをお届けしたいと思います。 

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二葉
 僕はこの『最遊記』という作品が大好きで、小さい頃からアニメでも見ていましたし、漫画も、ゲームも持っていて、よくスケッチブックにキャラクターを描いていたんです。そんな作品に僕が携わることができることが本当に幸せだと思っています。皆様の期待に応えられるように精一杯頑張ります。 

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前川
 広く深い『最遊記』の世界観に溶け込めるように、日々稽古していきたいと思います。初演から出演されている唐橋さんをはじめ、皆さんの胸を借りるような気持ちで、その中で自分ができることを精一杯やり、素敵な作品を作りたいと思います。 

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古谷
 僕個人としては、初共演の方が多いのですが、力を合わせ、唐橋さんと三上さんの背中を追いかけて、この作品が愛されていることを感じながら、楽しんで、苦しんで邁進していきたいと思います 

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深澤
 今回僕は、『最遊記歌劇伝』に初参戦させていただくんですが、前回までの熱い想いを受け継いで、物語としては前作よりも前のお話になりますが、今までのものに繋がっていくような‘異聞’をお届けできたらと思います。 

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小沼
 僕は新参者ですが、ただの新参者だったと言われないように、これから精一杯頑張って劇場にいらしたお客様に『最遊記』の世界をお届けできるように頑張ります。
 
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【質疑応答】
 
──唐橋さん、三上さんから新キャストへのアドバイス。
唐橋 稽古、公演期間中に生物は控えること。オフの日がありますが、それはオフではありません。遊びに行ってインフルエンザをもらってきたりしないように、オフの日は遊んで良い日ではありません。待機日です! という冗談は置いておいて(笑)。まず、大切にして欲しいことは、峰倉先生(原作者)のお気持ちです。構想から十何年もかけて作り上げられている壮大な世界観があって、服の柄ひとつにも全て理由があるんです。このセリフってどういうことだろう?と迷っていたりすると先生が「見てるよ」と脳裏に現れてくるようなイメージです。なので、常に原作の存在を意識することでしょうか。 
三上 公演が夏場なのでやはり日焼けでしょうか(笑)。あと、‘異聞’といえば、やはりふんどし姿になる可能性を忘れるな!たるんたるんのお腹ではダメです(笑)。まぁ、僕も冗談は置いておいて。峰倉先生の愛が詰まった作品ですので、原作は大事にしつつ、僕や唐橋さん、スタッフの皆さんも以前からやっているので思い切って飛び込んできてくれれば大丈夫です。ぶつかり合っていきましょう。 

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──新キャストから唐橋さん、三上さんに聞いておきたいこと。
前川 作中では武器を使わず気で戦いますが、気を使うコツはありますか?」
唐橋 そういう教室が各地にあると思いますよ(笑)。というのは冗談で。演劇的効果を使えば、なんでもできると思いますよ。例えば、気を受ける方の人間がバーンってみんなで倒れれば「すげー!強えー!」となりますし。周りがそういう意味で気を使うという。…素敵な現場になりそうですね(笑) 
小沼 ダンスも歌もあると思うんですが、何からやっていけばいいでしょうか?お稽古はまずお芝居を作っていきますか? 
三上 同時進行ですよね。
唐橋 僕は、憶えが悪いから毎回地獄ですよ。家に帰っても稽古動画を見返したりして。 
小沼 …こういった場合はどうやって気を遣ったらいいんでしょうか?(笑)

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──唐橋さんがずっとこの作品を続けていきたいと仰っていた理由を詳しく聞かせてください。
唐橋 峰倉先生とお話しさせていただく機会があったときに、原作の「このシーンのここの部分は実はこんな意味があって」なんて、本当に細かいところまで1ページに描かれている以上のことを考えていらっしゃって、その漫画の一コマに描ききれない部分を演劇で表現できるところがあるんじゃないかと感じたんです。原作を預かって僕たちが表現できる可能性があると。それは、そのお話を聞いた限り演劇でも十年や二十年では終わらないと思ったんです。なので、僕が歳を取っても若い子たちが続けるべきだと思っています。そういった意味で今回別ラインができることは本当に意味があるし、嬉しいことだと思います。 

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後列/齋藤、前川、古谷、二葉、月岡 
前列/唐橋、小沼、深澤、三上 
 
〈公演情報〉
『最遊記歌劇伝−異聞−』チラシビジュアル
 
『最遊記歌劇伝−異聞−』
原作◇峰倉かずや『最遊記異聞』(一迅社刊)
脚本・演出◇三浦 香
出演◇
峯明 役:田村 心、桃醍 役:小沼将太、玄灰 役:深澤大河/
青藍 役:古谷大和、道卓 役:前川優希、蝶庵 役:二葉 勇、丸福 役:月岡弘一
抄雲 役:齋藤健心、義兆 役:福井将太、隆善 役:谷戸亮太、待覚法師 役:うじすけ/
光明三蔵法師役:三上 俊、烏哭三蔵法師役:唐橋 充
アンサンブル:寿也、田中大地、和久井大城、田頭和樹、松田一希、飯田寅義
●9/4〜9◎東京ドームシティ シアターGロッソ
〈料金〉お月見シート12,000円 桃源郷シート10,000円 一般席6,900円(全席指定・税込)
 
c峰倉かずや・一迅社/最遊記歌劇伝旅社 2018
 




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大駱駝艦・天賦典式の新作『罪と罰』新国立劇場で3月に上演!

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開場20周年を迎えた2017/2018シーズンに新国立劇場は、「舞踏の今」と題して、世界で最も高い評価を得ている2つのダンス・カンパニーの公演を行う。その第二弾公演として大駱駝艦・天賦典式が登場し、新国立劇場・中劇場の舞台で新作を発表する。
大駱駝艦は、1982年に舞踏カンパニーとしては、初のフランス、アメリカ公演を行い、鮮烈なインパクトを与え広く「Butoh」を浸透させた。群舞を含めスペクタクルでユーモラス、そして感動的な作品を発信し続けており、その様式を天賦典式(てんぷてんしき:この世に生まれ入ったことこそ大いなる才能とす)と名付け、常に忘れ去られた「身振り・手振り」を採集、構築し数多くの作品を生み出し国内外で上演している。
その大駱駝艦・天賦典式「罪と罰」の記者会見が1月24日、新国立劇場内で行われ、大駱駝艦主宰の麿 赤兒と舞踊芸術監督の大原永子が会見に出席。話題は多岐にわたり、笑いの溢れる温かな雰囲気の記者会見となった。

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大原永子・麿 赤兒

【コメント】
 
大原永子(新国立劇場舞踊芸術監督)
新国立劇場開場20周年のシーズンにおいて、舞踏の公演を上演できることは大変光栄なことです。しかも新制作ということで、麿先生のイマジネーションと人生哲学等が込められた作品になるのでは、と楽しみにしております。

麿 赤兒(大駱駝艦主宰) 
縁あってと言いますか、長い戦いの革命の末に、国立の劇場という牙城を乗っ取ったぞ! くらいの気分で作品を作ろうと思います(笑)。私の師匠であります土方巽に、もし国立の劇場でやると言ったら一体どんな顔をするだろうと思いますね。時代の流れ、人の流れは変わっていくのだなと思います。
若い頃、ドストエフスキーの作品から影響を受けました。ドストエフスキー作『罪と罰』の主人公はあのあとどうなったのだろうか、現代生きていたらどうなっただろうか、などと妄想が膨らんでいます。
人間のプリミティブな感性にはまず恐怖があり、怯えがあり、そこで神様が想定され、神様との取引がある。演劇も音楽もですが、ダンスもその取引材料の1つだったと思うのです。ところが時代と共に怯えの質も変わってきて、非常に自然的な怯えから人間的な怯えに変わってきた。近現代にいたっては、複合的な怯えと言いますか、社会や生活、科学の発達による根源的な怯えというものがあると思うのです。人間が目覚めれば目覚めるほど、その怯えがどんどん大きくなっていくところがありまして、その怯えがあまりに大きくなりすぎると社会的な犯罪につながってしまったり......ということを考えています。
最近、うちの舞踏は明るくなりすぎているので、もっと暗くして真っ黒けにしてやろうという気がしています(笑)。灰色の中で囚人たちがぞろぞろ歩いているような、陰々滅々たる舞台にしてやろうと。ある意味、みんな亡霊と言うか、人類が死んでしまって影がうごめいているような舞台。まあ、たいてい僕が耐えられなくて、遊びを入れてしまうんですが…(笑)。
音楽については、今回はクラシックだけを使う予定で、クラシックをどーんとかけますと、何もしないほうがいいですね(笑)。クラシックの偉大さを改めて見直しています。ドストエフスキー辺りの、ムソルグスキー作曲の『はげ山の一夜』とかで遊んでいるんですけどね。さまざまな楽曲のいいところだけをコラージュのように使うことになると思います。
新国立劇場 中劇場の舞台には盆があるので、盆を精一杯使わせてもらおうと思っています。通常、盆は舞台転換という意味で使われますけれど、僕はそういう意味ではなく装置として生かしたい。ほかの美術は省略して身体を浮き立たせようと思っています。

〈公演情報〉
新国立劇場 開場20周年記念 2017/2018シーズン
ダンス〈舞踏の今 その2〉
大駱駝艦・天賦典式『罪と罰』
ーDAIRAKUDAKAN TEMPTENSHIKI―Crime and Punishmentー
●3月17日、18日◎中劇場 
〈料金〉A席5,400円 B席3,240円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
HP http://www.nntt.jac.go.jp/dance/performance/33_009656.html





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新キャストを迎え、石丸ジキルが帰ってくる! ミュージカル『ジキル&ハイド』製作発表記者会見レポート

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2001年の初演以来、日本のミュージカル界に新たな旋風を巻き起こしてきた『ジキル&ハイド』。2012年に日本オリジナルキャストの鹿賀丈史からバトンを受け継いだジキル博士&ハイド氏役の石丸幹二、ハイドに翻弄される妖艶な娼婦ルーシー役に笹本玲奈、ジキルの婚約者で彼を一途に愛するエマ役に宮澤エマを迎えて、3月3日〜18日有楽町の東京国際フォーラムホールCでの上演を皮切りに、名古屋、大阪で上演されることになった。

R・L・スティーブンソンの不朽の名作「ジキル博士とハイド氏」を原作に、フランク・ワイルドホーンの楽曲、レスリー・ブリカッスの脚本・作詞によるミュージカル版が『ジキル&ハイド』生まれたのは、1990年。アメリカ、テキサス州ヒューストンのアリー劇場にて初演され、その後7年間の全米ツアーを経て1997年ブロードウェイのプリマス劇場にて開幕。1543回のロングランを記録した。人間の善と悪という、だれしもが持っている秘めた部分を描き切った内容と、「時が来た」に代表される、フランク・ワイルドホーンならではのダイナミックで躍動感にあふれた名曲の数々は、今も世界中で歌い継がれ、愛され続けている。

そんな類まれな楽曲に彩られた作品の製作発表記者会見が1月24日都内で開かれ、メディア関係者と抽選で選ばれたオーディエンスも多数見守る中、石丸幹二をはじめとした出演者が、作品への抱負を語った。

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まず会見は、作品のはじめに歌われる「嘘の仮面」の歌唱披露からスタート。田代万里生、畠中洋、花王おさむ、福井貴一、宮川浩、阿部裕、川口竜也、松之木天辺、塩田朋子に、アンサンブルの面々も加わった総勢18名のカンパニーキャストが、本音と建前を使い分けて生きる人々の、誰もが持っている「表と裏」を、人間は皆「嘘の仮面」をつけていると、歌い継いでいく。パワフルでトリッキーな楽曲の迫力に、会場は一気に『ジキル&ハイド』の世界に染め上げられた。

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続いて、ジキル博士とハイド氏役の石丸幹二、前回公演までエマ役を演じ、今回の公演からルーシー役に役替わりをして登場する笹本玲奈、エマ役の宮澤エマ、ジョン・アターソン役の田代万里生、サイモン・ストライド役の畠中洋、執事プール役の花王おさむ、ダンヴァース・カルー卿役の福井貴一の、メインキャストと、演出の山田和也が登壇。それぞれの挨拶ののちに、記者の質問に答えた。


【登壇者挨拶】

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山田和也
 本日はご来場ありがとうございました。演出の山田です。2001年からそんなに月日が経ったのかとびっくりしているのですが、昨日も稽古場でキャストの皆さんがミュージカルナンバーの練習をしていて、一通り歌っているのを聴いていたのですが、面白いんですよやっぱり。それで終わった後に「面白い」という感想をついかけてしまったのですけれども、今何が面白いんだろうな?と座って考えていたのですが、やはりこの作品で人間のネガティブな部分、憎悪であったり、嫉妬であったり、或いは人が人を差別する、侮蔑する、軽蔑する、などの普段我々があまり表に出さないようなところもドラマティックに描かれているんです。そういうものの中で翻弄される人たち、それをひっくり返して行こうとする人たち等、とても人間臭いものがあるということが1つあります。そして、その人間臭いものをストレートプレイでやってしまうと、なかなか息が詰まってしまいそうなところを、フランク・ワイルドホーンさんの実に見事な、魅力的な音楽があって、それを凄くセクシーにしている。そのセクシーな感じがこの作品全体に漂っていて、妖しくてセクシーでドラマティック。やはり「面白い」という言葉になるのだと思ったところです。一番大きな力はワイルドホーンさんの渾身の音楽だと思うので、その音楽の良さをこの顔ぶれで皆様にお届けできることが、僕自身すごく楽しみです。どうぞご支援ください。

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石丸幹二
 本日はお足元の悪い中お集まりくださいましてまことにありがとうございます。石丸幹二です。私は山田さんと一緒にこの作品をやらせて頂いて3回目になるのですが、先ほど山田さんもおっしやっていましたけれども、ネガティブな部分って人間誰でもが持っていると思うのですけれども、こんなにネガティブなものを心の中に持っているんだよ、というのを演じていて、私個人的にはなんですが、すごく快感になって来まして。ですからハイドを演じている時はすごく楽しい、まぁ、楽しいと言ってしまうと語弊があるかも知れませんけれども(笑)、でも人間臭いな、と思っております。今回3回目を演じるにあたってもう1度台本を頭から読み直したのですけれども、まだまだ色々なところで、色々な工夫ができるな、と思っている今日この頃です。そして今回はメンバーがガラッと変わりまして、今までとはまた違った人間関係が築けるのではないか?、そういう楽しみがあるのにワクワクしております。昨日読み合わせをやって、また歌合せの稽古の時にも、それぞれの声の色とか、キャラクターを感じて、あ、こんな風な歌い方をしてもらったら、僕はじゃあどう変わるのかな?と思えることが非常に楽しみです。こうして扮装して並びますと今にでもはじまりそうなのですが、これからじっくりひと月稽古をして、皆様の前にお目見えしたいと思っておりますので、どうぞその時まで楽しみにお待ちくださいませ。

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笹本玲奈
 皆様こんにちは、笹本玲奈です。私は2012年、2016年と2回続けてエマ役として出演させて頂いたのですけれども、元々鹿賀丈史さんの『ジキル&ハイド』を観た時から、このルーシーという役はいつかやりたいな、とずっと思っていた役だったんです。でもエマを2回やらせて頂いて、エマから見るこの作品もすごく素晴らしくて、私はじゃあこの先も一生石丸さんの奥さんとしてエマ役でやって行こう!と思っていた時に「今度はルーシーでどうでしょう?」と言って頂いた時に、もう嬉しくて舞い上がってしまって、エマをやっていた自分というのすっかり忘れました(笑)。何も覚えていないです。本当にこういう性格で良かったなと(笑)。昨日歌合せをやらせて頂いた時に、(宮澤)エマちゃんのエマが本当にエマだったので、私は物忘れの激しい性格で本当に良かったなと心の底から思いました。私は個人的に出産をしまして、1年間ミュージカルをお休みしていて、これが復帰作となるのですが、復帰第1作目がこんなに大きな役で、今まで演じてきた役とは全く違う新たなジャンルですので、本当に楽しみなんですが、緊張もしています。でも、ジキルとハイドさんの石丸さんは3回目ですので、一生懸命ついて行こうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

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宮澤エマ
 皆さんこんにちは。エマ役を演じさせて頂きます宮澤エマです。「エマ役を演じる宮澤エマ」という台詞を言う日が遂にきたのか!と、すごく心待ちにしておりました。この作品はとても歴史のある作品で色々な方のエマ、そしてジキルとハイドとの関係性を皆様観てきていらっしゃると思うのですが、今回私は真っさらな状態でこの作品に挑ませて頂いております。舞台を観たことがなかったので、台本と資料映像を見せて頂いて、今のところエマという役を全然理解しておりません。なので昨日歌合せをした時点で、笹本さんには嬉しいお言葉を頂きましたけれども、これだけ完成されている三人組の中に、真っさらな状態で入るとこんなに圧倒されるものなのだと、ちょっとびっくりしてしまいました。と同時に身が引き締まると言いますか、このレベルに私はすぐに達しないといけないので、これから1ヶ月かけてエマという役とジキルとの関係性を、大事に大事に作っていきたいなと思っております。台本を読んだ時にはずいぶん血なまぐさい作品だなと、正直思いました。あまりにも次々に殺人事件がおこっていくので、これついていけるのかしら?と思ったのですが、音楽の力でテンポ感良く、人が次々と殺められていくと、見入ってしまうと言いますか、そこには一種の爽快感すらあるということを(笑)。そうなんです!決して良い人とは言えない人たちがハイドの手によって殺められていくところは、おぞましくも爽快感があるシーンです。そんな個性的なキャラクターがたくさんいる中で、エマというとても良い人、良い人というのは簡単な言葉に聞こえるかも知れませんが、根が純粋な良い人を演じるというのは、とても難しいと体感しました。ちょっと捻くれた人間なので(笑)。そこを消し去って、純粋無垢で、寛大な心でジキルを愛するエマ役を演じることができればいいなと思っております。よろしくお願い致します。

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田代万里生
 皆さんこんにちは。ジョン・アターソン役を演じさせて頂きます田代万里生です。僕はミュージカルデビューが2009年だったのですが、その2年前に、音楽大学を卒業した翌年、テレビから聞こえてくる「時が来た」のCMに、何故かピンとくるものがありまして、生まれて初めてミュージカルのチケットを自分で買って、日生劇場に観に行ったのが、この『ジキル&ハイド』でした。2階席のてっぺんの一番端っこの席で観ていた『ジキル&ハイド』の世界に、自分が入らせて頂くとは思いもしませんでした。今回出演させて頂くにあたって、台本はもちろん映画やCD、ミュージカル版はナンバーがとても素敵ですので、たくさん携わっていたのですが、原作を読んでみて驚愕しました。エマもルーシーも出てこない!人はそんなに死なない(笑)。如何にミュージカル版が残酷で、エンターテイメントを増しているか、ある意味原作を超えた面白さが体現されているのではないかな?と思いました。僕が演じるアターソンという役は、原作でもアターソンの回想録という視点でこの作品が書かれています。ミュージカル版でも冒頭にアターソンが出てきて「1881年にこんな事件があった」と語るところからはじまりますが、抽象的な設定しかなかったので、昨日山田さんに「アターソンってどんな人なんですか?」と色々質問しました。ジキルとアターソンは大体30代くらいの年齢で、ハイスクールで出会い、15年くらいのつきあいがあって、冒頭の回想のシーンは事件から気持ち的には10年くらい経って、ようやく穏やかに話せるくらいの、決して老け役をやる訳ではないのですが、そういう気持ちで冒頭に出て行って、ジキルとのあの事件のことを演じていくという設定でした。前回アターソンを演じてらした石川禅さんに昨年お会いする機会があって、僕の知らないことをたくさん教えて頂きましたので、『ジキル&ハイド』の伝統を引き継ぎつつ、新しいアターソンを生み出せたらと思っております。どうぞよろしくお願いします。

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畠中洋 サイモン・ストライドを演じます畠中洋と申します。よろしくお願いします。僕も3度目のサイモン・ストライドでございまして、サイモン・ストライドは宮澤エマちゃんが演じるエマを好きで好きでたまらない男で、エマがジキル博士と結婚するということで勝手にジキルを恋敵だと思って、目の敵にしている男です。嫌味しか言わない、とっても嫌な男なのですけれども、初めてサイモン・ストライドを演じさせて頂いた時に、山田和也さんに「狂犬」と言われました。すごい褒め言葉だなと思って、それを今回も貫いていきたいと思っております。そして『ジキル&ハイド』の舞台は、アンサンブルの動きや、音、フォーメーションやコーラスが本当に素晴らしいと思っているので、そういう部分も楽しんで頂きたいなと思います。とにかく「狂犬」で通していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

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花王おさむ
 ジキルのお父さんの時代からずっとジキル家に仕えている、古狸の執事をやらせて頂いております、花王おさむと申します。よろしくお願い致します。僕も3回目なのですが、よく考えるとジキル博士の子供の頃からずっと知っているので、子供の頃は本当に例えばおしめを替えてあげたのではないか?など、3回目ともなると、役とはあまり関係ないのですが、そんなことばかり考えております。そしてだんだん実の息子ではないのですが、家族のような、そんな気持ちが強くなってきております。先ほど石丸さんがおっしゃいましたけれども、新しい方が入りまして、脚本と音楽は同じでも、キャストの方が代わると全然キャラクターや雰囲気が変わってきます。まだ稽古に入ったばかりですが、これからどんなテイストの舞台になるか、僕も楽しみにしています。どうぞ皆様もご期待ください。ありがとうございました。

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福井貴一
 こんにちは、福井貴一です。私は今回初参加なんですけれども、台本を見てびっくりしたのですが、『ジキル&ハイド』の話は知っていましたが、舞台は観ていなかったので、自分のイメージでは「ジキル」という音からジキルが悪い奴で、「ハイド」がね、ハイドですから、良い奴だと思っていたんです。そうしたらジキルが良い奴で、ハイドが悪い奴だったんです。そういう思い込みって皆さんありませんか?あ、皆さん観ていらっしゃるから僕だけですね(爆笑)。まぁそんなこともあって、面白いもんだなと思ったのですが、先ほど皆で歌いました「嘘の仮面」という歌、あれ良い歌ですね。人間の本質ですよね。僕はダンヴァースという役ですけれども、僕だけに限らず皆本音と嘘がありますよね。それを上手く演じられれば良い作品になるんではないかな?と思いながら、よろしくお願い致します。

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【質疑応答】

──石丸さん、今回3回目の『ジキル&ハイド』で、先ほども工夫の余地があるというお話でしたが、今回の新たな取り組みや見せどころを教えてください。
石丸 先ほども申し上げましたが、メンバーが代わると関係性が変わると思うんです。(福井を示して)こういうお父さんですしね(笑)。
福井 おいおい(笑)。
石丸 そして私、実は良いジキルじゃないんですよ。ちょっと色々なものがあって、だからこの人がハイドを作るというようなジキルなので、それがどう絡んでくるのか、この人たちとの人間関係でね。
福井 それは楽しみだなぁ。
石丸 ただ3人共悪い家族になっちゃいけないので(笑)、一応お客様の前ではまっとうな生活をしているんだけれども、そういう部分がどうなっていくのかが今すごく楽しみです。大きく変わっていくのはそういう点だと思います。あと(笹本)玲奈ちゃんとの、ご本人はエマを引きずっていないと言っていましたが、私の頭の中にはまだ彼女のエマが大きく残っておりまして、ここを塗り替えて新しい人間関係を作る、アターソンとももちろんですし。これが敢えて変えていきたいところでもありますので、山田さんよろしくお願いします。

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──ご自身が演じている役でも、別の役でも結構ですので、お好きなシーンやお好きな劇中ナンバーを教えてください。
石丸 そうですね、私は幸いなことにたくさんのナンバーを歌わせて頂いておりますので、自分のナンバーから選びたいと思いますが「時が来た」というナンバー、やはりこれは非常に前向きな曲ですし、曲もどんどん転調していって、歌い終わった時に、必ず成功するんだ!と思わせてくれる、そんな歌なんですね。ですから全部のナンバーの中で、この歌を歌っている私がすごく好きです。
笹本 選びきれないです。この楽曲すべてが好き過ぎて、自分のコンサートで歌ったり、CDに入れたりしてきているので、今回のルーシーの中から選ばせて頂きますと「あんなひとが」という曲と、あとは一番最後に歌う「新たな人生」という曲は、私にとって大きな曲ですね。特に「新たな人生」という曲は、1年ぶりにミュージカルに復帰して、これから新たな人生がはじまったような状態で、この曲を歌える、歌詞と私自身がすごくリンクしているので、どんな風に歌えるかな?と自分自身すごく楽しみです。
宮澤 昨日の歌稽古ですごく印象的だっのは「事件、事件」という歌で、その曲の中で人々が殺められていくので、とても印象に残りました。個人的に好きな歌となりますと、ジキルと歌います「Take Me as I am」という歌が、私が今まで演じてきたミュージカルの中で、所謂ラブソングというのを歌ったことがなかったので、自分にとってもすごくチャレンジですし、演出の山田さんから「唯一のラブシーンだからね!すごくロマンティックにやってね!」と言われまして、そこがちょっと私がまだ照れてしまって、石丸さんの目を見てこの曲を歌うのかと思うとドキドキしてしまうので、歌いこなせるようになりたいと思っています。

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田代 同じく「事件、事件」のシーンは歌稽古をやっていると、10分弱の時間の中でジキルが次々と殺人を犯していくシーンで、客席で観ていてもワイルドホーンさんの最高傑作ではないかと思うくらパワフルな曲で大好きです。あとは、ジキルがアターソンのみに、ジキルとハイドが同一人物なんだと秘密を打ち明けるのですが、そこでアターソンがどう感じるか、そして、ジキルとアターソンが秘密を共有していく時間を、とても大事にしたいなと思っています。
畠中 さっき披露させて頂いた「嘘の仮面」が大好きですね。前奏を袖で聞いただけでテンションが上がります。そして出て行って歌って、暗転になり、ポッとスポットが当たって台詞を喋り出す、あの瞬間がたまらなく好きです。
花王 全部好きです!(会場から大拍手)
福井 まだ立ち稽古もしていないので、まだ全曲を聞いたことがないんですが。歌詞の内容からすると(石丸を示して)、僕はこの人のお父さんでしょう?そのお父さんの気がおかしくなった時に、善と悪に結び付ける歌なんです。
石丸 「知りたい」という曲です。
福井 その曲で、お父さんが正気か狂気か?というのを、善と悪に展開させていく。西洋人の考えるね「なぜ狂気に憑りつかれたのか?それは悪魔が忍び込んだんだ、だから悪だ」という風に展開していくのが素晴らしいなと。まだ聞いたことはないんたけど(笑)。
石丸 今から歌いますので、聞いてください!
福井 本当に?結構良いフリになったね!(爆笑)。
山田 僕は昔からこの質問があるので、必ず答えているのが2幕の後半にジキルが歌う「苦悩2」という曲があって、決して諦めないという決意を表す歌で、カッコいい歌だなと思っていて好きです。それぞれの熱い言葉の会見に続いて、再び歌唱披露となり、ルーシー役の笹本玲奈が「あんなひとが」を歌う。これまでのキャスト、また様々なミュージカル・コンサートなどで歌われている名曲だが、これまで清純な役どころが多かった笹本の「あんなひとが」には、やはりどこかに純で切々としたものがあり、笹本ならではの新たなルーシー像が生まれ出ることを予感させていた。

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続いて石丸幹二が「知りたい」を。2012年の石丸ジキル&ハイド誕生からプラスされた楽曲で、奇しくも会見で話題になったが、ジキルがハイドを生み出してしまうに至る、そこまで研究に没頭した思いが明確になるナンバー。輝かしさに溢れた「時が来た」とはまた違った、石丸の深い歌唱が会場中に響き渡る、圧巻のパフォーマンスとなった。

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再び出演者が登壇しフォトセッションが行われ、メディアの撮影の後にオーディエンスにも撮影タイムが設けられ、幸運な出席者のカメラにも、会場の興奮が収められる粋なプレゼントもあり、場内は大いに盛り上がった。最後に石丸から、オーディエンスに「皆さんのカメラが向いている時が一番緊張しました。良い写真を撮ってくださってありがとうございます」という言葉があったあと「プロの方たちも本当にどうもありがとうございます。3月3日に初日を迎えまして、名古屋、大阪と走って参ります。今までにない『ジキル&ハイド』をお見せできるように私たちもずっと励んで参りますし、皆様もどうぞご期待なさってください。そして色々な方に「いよいよはじまるよ!」というようなお話をしてくだされば、本当に嬉しいと思います。初日までお会いできませんが、その時にはまたどうぞよろしくお願い致します。本日はどうもありがとうございました」と挨拶があり、熱気あふれる製作発表記者会見は終了。公演への期待か高まる時間となっていた。

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〈公演情報〉
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ミュージカル『ジキル&ハイド』
音楽◇フランク・ワイルドホーン
脚本・詞◇レスリー・ブリカッス
演出◇山田和也
上演台本・詞◇高平哲郎
出演◇石丸幹二、笹本玲奈、宮澤エマ、田代万里生、畠中洋、花王おさむ、福井貴一 ほか
●3/3〜18◎東京・東京国際フォーラムホールC
〈料金〉S席 13,000円 A席 9,000円 B席4,500円
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
●3/24〜25◎名古屋・愛知県芸術劇場大ホール
●3/30〜4/1◎大阪・梅田芸術劇場メインホール
〈公式ホームページ〉http://www.tohostage.com/j-h/



【取材・文・撮影/橘涼香】



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