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稽古の現場

佐津川愛美、芹那らが戦うアラサー女子を熱演! 『野良女』公開稽古レポート&囲みインタビュー

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宮木あや子の小説『野良女』が、佐津川愛美、芹那ら豪華キャストで舞台化され、4月5日〜9日、新宿シアターサンモールで上演される。
宮木は『花宵道中』で第5回R-18文学賞大賞と読者賞を受賞してデビュー。同作品は2014年に実写映画化。宮木作品のメディアミックスからはドラマ『校閲ガール』をはじめ数々のヒット作が誕生し、初めての舞台化が本作となる。

【あらすじ】
結婚?仕事?なんの為に生きている?と常に悩みがつきず、何事をするにも現実が重くのしかかってくる年齢を迎えたアラサー独身女子が、行きつけの小汚い居酒屋で泡盛を飲みながら続けられるガールズトーク。愚痴を言ったり自暴自棄な発言をしながらも、心底にあるのは「幸せになるまで死ねません!」ということ。そんなあがき続ける5人の女性たちの日常と葛藤を描いている。

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今回の舞台化で、オンナのホンネを身体ひとつで演じる女優は5人。数多の映画やドラマに出演し、実力派女優として知られ、最近では舞台『娼年』でも評価を高めた佐津川愛美。バラエティアイドルだけでなく、つかこうへい七回忌追悼特別公演『リング・リング・リング2016』への出演などで本格的な女優へ活躍の場を広げた芹那。実写版『セーラームーン』で主演月野うさぎ役でデビュー。その後、女優・声優・グラビアなど幅広い活躍を続ける沢井美優。新国立演劇研究所卒業生で、ネクストシアター版『ハムレット』など蜷川幸雄演出作品に数多く出演、『頭痛 肩こり 樋口一葉』など栗山民也作品にも出演する深谷美歩。『特捜戦隊デカレンジャー』のピンク役で特撮ヒロインとしてブレイク。ミュージカル『レ・ミゼラブル』や『Endless SHOCK』をはじめ舞台で活躍中の菊地美香。そして、演出の稲葉賀恵の意向により、5人の女性の意中の男性5役を1人の男性キャストで表現するために選ばれた文学座で活躍中の池田倫太朗。実際に出演するというより、トルソー(マネキン)の黒子になったり、影絵で演じたりと、まさに女性陣を影で支える男性を演じる。

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演出の稲葉賀恵は、文学座に所属する気鋭の若手でイプセンの『野鴨』演出でも話題を呼んだ。脚本のオノマリコは「趣向」の主宰で、『THE GAME OF POLYAMORY LIFE』で第61回岸田國士戯曲賞の最終選考にノミネート。稲葉とオノマは2015年に、『解体されゆくアントニンレーモンド建築 旧体育館の話』(シアタートラム)を上演した。音楽には「劇団鹿殺し」に所属するオレノグラフィティを迎えている。そして舞台装置はストリップ劇場をモチーフに、客席に張り出した「花道」の先に、「ベッド」と名付けた直径2mの円形のステージを設置。女性たちの「勝負」の場は「ベッド」で行われることになる。

この舞台の冒頭部分の公開稽古と囲みインタビューが3月24日、都内で行われた。

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オレノグラフィティのアレンジによるモダンジャズ風の胸が踊るような楽曲が流れ、女優陣が優雅にお辞儀をして挨拶をすると、中央から、真っ白いワンピースのような衣装が眩しい鑓水清子役の佐津川愛美が登場。他の女性キャストと同じように流れるように挨拶をするかと思いきや、いきなりマイクを両手にがっしりと掴んで、顔色を強張らせ「25歳を過ぎれば普通に結婚できると思ったのに、こんなに綺麗な自分なのに、なぜ自分は結婚できないのか…」と愚痴り始め、世にいるアラサー女性の悩みを次々に代弁していく。いうなれば「アラサー女子あるある」をシャウトしまくる。美しい音楽と下品すれすれのセリフのギャップがオープニングの見どころとなっている。

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物語は、とある小汚い居酒屋に大学や仲良し5人組がやってくるところか始まる。桶川慶子役の芹那は、29歳で生命保険のセールスをやっている。地方出身で佐藤朝日の大学の同級生で、明るい性格の朝日に少し憧れを抱いている。父親が蒸発しており、貧しい幼少時代を過ごしたせいか根暗である。そのせいもあって性格が明るい男性が苦手で、鑓水の明るい男性の好みが今ひとつ理解できない。しかも、彼氏からDVを受けて、包帯や眼帯をしているが、それはセールストークで同情されると自己弁護してしまう。とかく都合のいい女という役どころで、居酒屋で慎ましく箸でつまみを食べながらお酒を飲む仕草が丁寧だ。
 
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佐藤朝日役の沢井美優は、30歳で鑓水の大学の先輩。実家は資産家のお金持ちで、秘書をしており、大学のときはミスコン3連覇。とにかくモテるのだが、実はバツイチで、おまけに2股をかけている。それでいて、同性から嫌われないという難しい役だが、派手なピンク色のスーツがすらりとした体躯によく似合い、目立つセリフを淀みなく発して元気溌剌、まさに勝ち組と言わんばかりの女性をカッコよく見せる。
 
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横山夏美役の菊地美香は、28歳で鑓水の最初の派遣先の元同僚。北関東の田舎出身。今は、自動車会社の事務で派遣社員である。不倫をしているのだが、相手の男性は、横山以外にも女性がいる浮気し放題のヤリチンだから、皆は「ブリチン」とコードネームで呼んでいる。冒頭のシーンでインパクトを与える役柄で、居酒屋をめちゃくちゃにする勢いで、下ネタやら下品な話やらで、イラつく相手(主に不倫相手)を攻撃していく。だが、それがエキセントリックに見えないのは、誰にでも当てはまりそうな「あるある」を感じるからだろう。アラサーで、派遣社員で、不倫してしまった、どうしようもない彼女の業の中に、年齢や性別を超えて訴えてくるものがあるのだ。
 
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壺井頼子役の深谷美歩は、29歳で半年前にある会社に正社員採用されたばかりだが、やっぱり自分のしたいことをしたくて早くも転職活動中という、これまた「あるある」な女性だ。スーツを着こなして、一見どこにでもいるアラサー女子をリアルに演じているのだが、酒に酔うと豪胆になるというキャラクターで、叫び声をあげて愚痴をこぼしたり、相手を罵倒したりと、セリフの抑揚も巧みで笑いを誘う。
 
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主人公の鑓水清子役の佐津川愛美は、28歳で地方から出てきて1人暮らしだが、卒業後の就職先が決まらず、派遣社員になってしまう。しかも最初の派遣先から5社目という状態だ。恋人は2年間いないのが悩みだったりする。そんな彼女が会社の喫煙所で、営業に来ていたリース会社の鈴木大輔と出会い一目ぼれをしてしまうのだが……。佐津川は、舞台を所狭しと動きまわり、アラサーと自称する自分の悩みを矢継ぎ早に語っていくのだけれど、口跡が良く、何より佇まいが可憐で美しい。だが、実はその店の常連だという鈴木を居酒屋で待ち伏せ、4人に協力してもらって彼を狙うという肉食系なところが今っぽくて面白い。かなりハチャメチャなキャラクターなのにブレないのは、凛とした佇まいと口跡のよいセリフからくるものだろう。

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池田倫太朗は、鈴木の役をトルソーの黒子役として演じている。他の男性たちの役も影絵になったりという形で、実際に登場することはない。つまり、5人の女性たちの、時には憧れの幻想として、時には目を背けたい現実として現れる男性の象徴なのだ。そんな難しい役割を、声質とトーンの変化だけで表現してみせる。
 
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この作品に登場するアラサー女子たちは、幸せになりたい、構ってもらいたい、愛してもらいたい、という願望がありながら、それが果たされたないこともわかって諦めている。そして、そんな自分を肯定して生きている。そこにどこか醒めている現代の30代の女性像も浮かび上がる。強烈な下ネタや自虐ネタをスパイスに、実は都会に生きる女性の孤独を匂わせ、その中で強く生き抜こうともがく女性たち。その姿を笑いを織り交ぜて見せる彼女たちと同世代の稲葉賀恵の演出。オープニングから目の離せない舞台になることは間違いない。
 
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【囲みインタビュー】

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深谷美歩、菊地美香、佐津川愛美、芹那、沢井美優

この稽古後に囲みインタビューが行われ、佐津川愛美、芹那、沢井美優、菊地美香、深谷美歩が登壇した。

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佐津川愛美(鑓水清子役)
好きなセリフは芹那ちゃんと同じで、鑓水の「30歳の女なんて生きているだけで偉いんだよ」というセリフです。自分を肯定するようなセリフが端々に出てくるところが見どころだと思います。稽古をやっていく中で変わっていく部分もあるので、初日が開けるまでに、まだまだ変わっていきますが、みんなで芝居をした中で出来てきた感覚や、稲葉さんが新しく感じて掴んでくださったところが、反映されている現場です。だから本番は、もっと違う形になると思いますよ。本当にみんなで戦っているので、生きるのが必死で、肩を寄せ合って助け合いながら頑張っている毎日です。現場では、舞台と同じように、よく食べて、よく喋って、本当にプライベートなことも喋るので、喧嘩が起きたら危ないぐらいです(笑)。
最初は、女の子だけだと怖いなと思いましたが、それは例えば、10代の時は頑張りすぎて、周りが見えなくなることがあって、それぞれが個人で頑張ってしまうからなんです。今回のチームは、みんなのいいところを見つけてくれて、絶対に否定しないでいてくれるので、優しいと思うし、稽古場にいるのが楽しいですね。つまり、アラサーに近い世代でいいところは、お互いに人を否定しなくなって、みんなのいいところを見ることができるようになる経験値があるのかなと思います。下ネタとか男子が怯えるとか、そんな文句がいっぱい付いていて、最初はどうなるかと思いましたが、人間味のある脚本が出来上がっていて、最後には、勇気をもらえるような作品になると思っています。明日に向けて頑張る元気がもらえる作品になっているので、女性に観ていただきたいと思いますし、男性は男性で楽しんでいただける作品です。笑った後にお客様の背中を押せる作品になると思いますので、劇場に来てください。

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芹那(桶川慶子役)
実際に、アラサーとして桶川に共通する部分も共通しない部分もあります。他の役に共通する部分もあると思いますが、今の私しかできない役なので、その環境を楽しみたいです。

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沢井美優(佐藤朝日役)
アラサーとして刺さる言葉が多すぎ(笑)。鑓水のセリフで食べ物を注文する品でも、これはアラサーだなと表していると思います。本編を通じて素敵なセリフもあるし、「おいおい」というセリフもありますけれど、それは劇場で観てください(笑)。稽古を重ねるたびに、私たち必死だなって、今を生きるのは大変だなというのを感じながら、楽しみながらやっています。観に来てくださる方も、一緒に今を生きて欲しいなと思います。アラサーの魅力は経験値ですね。辛いことも、嬉しいことも、なくしたものも多いし、得るものも多い狭間にいる世代だと思います。同時に30歳を超えても、過去を振り返って、前の私はそうだったと得るものがあるから、プラスに変えていくパワーを持っていますね。その経験がプラスアルファになる年齢だなと思っています。現実でも、プライベートも仕事も恋愛も、シチュエーションとしてあるなと思います。ただ、恋愛のことで男性を否定したり、蔑むように会話をするのではなく、本当に自分の悩みとして、共感してほしい、女性がこういうことで悩んでいるなと男性にも考えて欲しいな。役作りは経験値がものをいいますね。年上の女優さんと幅広く知り合うことのできるのが私たちの特権だと思います。だから、今回の役は実生活でも演技でも経験がものをいうのかな(笑)。

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菊地美香(横山夏美役)
鑓水の「あー、もう全部持っている」というセリフは、アラサーを超えている方も、納得していただけるだろうし、これからアラサーに向かっていく人たちにも納得できるセリフがたくさんありますね。『野良女』は作品自体が攻めています。稽古を重ねて、前半は楽しくポップだけれど、すごく深いところにググッと入り込んでいく作りになっています。ファンの方からは、そんなに赤裸々な美香ちゃんを見たらどうしよう、好きじゃなくなくなっちゃうかもしれないという心配もあるそうですが(笑)。もちろん、外見はそういう作りですが、戦っている『野良女』に出てくるキャラクターたちのお話ですので、女性に対してのメッセージが強いですけれど、むしろ男性の弱さとか、脆さも感じていただける作品だと思います。お1人でふらっと劇場に来ていただくのもいいし、大切な方といらっしゃってくださってもいいと思います。すべてのお客様に、何か1つでもメッセージを届けられるように、意気込んでいます。アラサーは魅力しかないな(笑)。失敗もまだ取り返せるし、日々の稽古場でうまくいかないことも乗り越えられる経験を積んでいると思います。5年前だったら、心が折れて泣きながら帰った稽古場の帰り道も、今なら笑いながら話ができる。休憩時間も台本にかじりついていたのが、みんなでジュースを作ったり、パンを食べたりとちょっとした余裕も生まれて来て、いいことばかりだなって思いますよ。

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深谷美歩(壺井頼子役)
私は最初のシーンで鑓水が「可愛い子ぶっているんじゃねーよ、バーカ」というセリフが好きです。彼女は本当に可愛いのに…。とにかく熱い芝居にしたいと思っていて、綺麗事じゃなくて、醜い姿とか、もがいている姿を見てもらいたいですね。それからマネキンの男性も見どころですよ(笑)。

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〈公演情報〉

舞台『野良女』
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演出◇稲葉賀恵(文学座) 
脚本◇オノマリコ(趣向) 
音楽◇オレノグラフィティ(劇団鹿殺し)
出演◇佐津川愛美 芹那 沢井美優 深谷美歩 菊地美香 他
●4/5〜9◎新宿シアターサンモール
〈料金〉6,900円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東映ビデオ カスタマーセンター 0120-1081-46(受付 月曜〜金曜 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土・日・祝祭日を除く)
〈公式サイト〉http://noraonna-stage.jp
〈公式ツイッター〉@noraonnna_stage



【取材・文・撮影/竹下力】


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世界で愛され続けるキャラクターたちが動き出す!ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』公開稽古レポート!

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アメリカのとある町に住む、極平凡な小学生チャーリー・ブラウンと、その飼い犬スヌーピーをはじめ、個性豊かなキャラクターたちが大活躍する、チャールズ・М・シュルツ著の『ピーナッツ』。
世界で3億5500万人の読者を持ち、1950年の連載開始から60年以上経った今も、世界中で読み継がれているこの4コマ漫画が、『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』としてミュージカル化されたのは1967年のこと。舞台上には『ピーナッツ』ファンが快哉を叫ぶこと間違いなしの、お馴染みキャラクターたちによる名場面、名台詞が飛び交い、ジャズ、クラシック、ショーアップされた大ナンバーと、豊かな音楽が満載。ミュージカルファンにも広く愛される作品として親しまれている。

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そんな作品が50周年を迎えるこの春、日比谷のシアタークリエで上演されることになり(4月9日〜25日。のち、福岡、大阪、愛知でも上演)、豪華なキャスト&スタッフが集結した。
チャーリー・ブラウン役に村井良大、ルーシー役に高垣彩陽、サリー役に田野優花(AKB48)、ライナス役に古田一紀、シュローダー役に東山光明、そしてスヌーピー役に中川晃教。更に演出・訳詞を独特の世界観で魅了する小林香が手掛ける、このゴージャスな顔ぶれを見ただけで、ワクワク感いっぱいの作品が生まれ出ることに大きな期待が膨らんでいる。

この作品の公開稽古が3月17日都内の稽古場で行われ、マスコミ陣に加え、20倍もの倍率を潜り抜けた、強運なオーディエンス30人も加わり、熱気でいっぱいの空気の中、演出の小林香の挨拶と、場面紹介のもと、3曲のナンバーが披露された。

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小林香 皆様おはようございます。本日は風の強い中稽古場までお越しくださいまして、ありがとうございます。(オーディエンスに)20倍という難関を突破した皆様もお迎えして、はじめてのご披露ということで、キャストもギリギリまで、今現在も稽古中なので、是非温かい目でお見守り頂ければと思います。このミュージカルはですね、『ピーナッツ』の4コマ漫画をつなげて作られているミュージカルです。4コマ漫画がつながっていますので、1つの大きなストーリーを描くわけではないのですけれども、そして漫画なので子供っぽいミュージカルではないか?と思われ勝ちなのですが、大人になればなるほどこのミュージカルの奥深さに気づく、そういう作品になっております。ですので、初演から50年が経つのですが、今もって世界中で上演され続けているミュージカルなのではないかな?と思っています。先日『ピーナッツ』の完全版が刊行されたのですが、その最終巻にオバマ大統領がメッセージを寄せておられます。曰く「『ピーナッツ』はアメリカの子供たちの安心毛布なのだ」と。安心毛布と言うのは、キャラクターの1人ライナスがいつも持っているブルーのブランケットのことなのですが「僕たちは皆『ピーナッツ』を安心毛布として育ってきました」と書かれていて、確かに『ピーナッツ』には、家族や友人や近しい人達と、幸せな生活、暮らしというものを築く為のちょっとしたヒントが、たくさん詰め込まれているミュージカルだと思います。それを是非皆さんにご堪能頂きたいと思っています。
さて、今日はその中から、3曲の楽曲をご披露致します。まず1曲目が「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」といいまして、この作品のタイトルそのままのナンバーです。実はこの曲には、このミュージカルの深いテーマが隠されておりまして、チャーリー・ブラウンがみんなから「きみはいい人だ、きみしいい人だ」とさんざん言われているのに、彼だけはそれがどういうことかわかっていない、という非常にシュールなシーンなのですが、でもその意味が最後の最後で「本当にこの子の美しさはこういうところなんだな」とわかる伏線になっているナンバーです。これはできたてほやほやなので、今だもってキャストの6人は振りを確認中でございますが、そういう状況でのご披露ですので、是非温かい目で見て頂けましたらと思います。(キャストに向かって)では披露しますよ、皆さん?(大きなリアクションが返ってこないので)静かですね(笑)。ではよろしいですか?

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「きみはいい人、チャーリーブラウン」

キャストが板付き、それぞれに挨拶の後、1曲目の「きみはいい人、チャーリーブラウン」がはじまる。目覚まし時計の音が響き「遅刻だ!」と叫ぶ、村井チャーリー・ブラウンの台詞から軽快なナンバーがスタート。中川スヌーピーがノリノリで鳴き声を挟みながら、個性豊かなキャラクターたちがチャーリーブラウンを褒め称える。

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やがてスクールバスが登場。乗り遅れそうになって必死のチャーリーをよそに、メンバーはチャーリーを讃え続け、確かにちょっとシュールさも持ち合わせている、いかにも『ピーナッツ』らしい、ちょっと哲学的に香りも伴った明るさが展開された。

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小林 皆様、1曲目からこれだけ踊るというのでおわかり頂けるように、結構ダンスの多いミュージカルなんですね。私の知る限り、これまでいくつかご一緒させて頂いている中川晃教さんですが、こんなに踊る中川さんもないのではないかと。「中川晃教さんのダンスミュージカル「と思って頂いてもいいんじゃないかな?と思うくらい、スヌーピーが特に踊りまくっております。
続きまして「ベートーヴェン・ディ」という楽曲に移らせて頂きます。東山光明演じるシュローダーはベートーヴェンを敬愛しております。大好きで大好きで仕方がない。その彼がベートーヴェンの誕生日を祝日にしようと思い立つというシーンになっております。ではお願い致します。

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「ベートーヴェン・ディ」

東山シュローダーがおもちゃのピアノに向かい、ベートーヴェンソナタを高らかに奏で、それをうっとりと聞いている高垣ルーシー、という「ピーナッツ」ファンならどれだけ目にしたかわからないお馴染みの場面からナンバーはスタート。ベートーヴェンと言えば!の交響曲「運命」のメロディから、ロックテイストの楽曲につながるのが斬新で、キャラクターたちは東山シュローダーに、ベートーヴェンの誕生日(ちなみに12月16日)を祝日にする為の様々なアイディアを提案する。

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だが、「商業的すぎる!」「ベートーヴェンの誕生日が商業的になるのはイヤなんだ!」と撥ねつけるシュローダーとの、ぶっとんだ掛け合いが楽しい。

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小林 はい、ありがとうございました。(思いっきり振り切っていたキャストたちに)ちょっと呼吸を整えて頂いてね(笑)。1度はけて頂いていいですよ。続きまして3曲目は、中川晃教さん演じるスヌーピー役ののビッグナンバー「サパータイム」をお送りします。この曲は『きみはいい人、チャーリーブラウン』の中でもかなり有名なナンバーです。1999年のブロードウェイリバイバル公演で、スヌーピー役のロジャー・バートが歌い、トニー賞助演男優賞を受賞しています。それくらい大きなナンバーなのですが、今日は出し惜しみをしまして(笑)、このナンバーほぼ完成はしているのですが、一部まだ出来上がっていない部分がございますので、本当は踊りまくっているナンバーなのですが、今日は歌唱のみの披露ということにさせてください。まだ立ち稽古から10日しか経っていないのですが、芝居の方は猛ピッチで進めまして、通しができている状態で、今振付を鋭意制作中で頑張っているところでございます。「サバ—・タイム」は、夕食待ちのスヌーピーが、とにかく食べることが大好き!ということで、このようなナンバーになっております。ではどうぞ!

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♪「サバ—・タイム」

村井チャーリー・ブラウンが夕飯を持ってくると、中川スヌーピーが高らかに、誇らかに、食べる喜びを爆発させて歌い出す。チャーリーが「ご飯を食べるのに大げさなパフォーマンスは必要ない!」と諭すものの、スヌーピーを止めることはもうできない。ジャズのアドリヴを思わせる歌い上げは、中川ならでは。歌だけで十分視線を引き付ける姿に、このナンバーがどれだけショーアップされ、盛り上がることか!と想像が広がる。

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中川スヌーピーの豊かな歌声に呼応するようにキャラクターたちも歌い出し、村井チャーリー・ブラウンが「スヌーピーもうやめるんだ!どうしてお前は普通の犬みたいに、静かに落ち着いてごはんが食べられないんだ?」の台詞もどこ吹く風。鮮やかに歌いきった中川スヌーピーに、思わず大きな歓声と拍手が送られ、場面公開は賑やかに終了した。

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 続いて、フォトセッションが行われ、更に出演者6人が囲み取材に応えて公演への抱負を語った。

【囲み取材】

──和気藹々とした雰囲気が伝わりましたが、このメンバーを引っ張っているのは誰ですか?
中川 ダンスリーダーはいます。(周りを見まわして)せーの!
全員 田野ちゃん!
田野 (笑)みんな想像以上に訊いてきますね。
高垣 今日のこの取材の前の場当たりも、皆、「ダンスリーダー」「ダンスリーダー!」ってね。
田野 前も同じこと訊いた〜と思うこともありますが(笑)、でも楽しいので、教えちゃいます。
村井 優しいリーダーなんです、うちのダンスリーダーは!

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──田野さんが物覚えが良いということですか?
田野 ダンスに関してはです。
村井 でもなんでも覚えるよね。
中川 うん、すごく早い。
──ライナスの安心毛布という話が先ほどもありましたが、皆さんにもこれがないと困る!というものはありますか?
古田 身に着けていないと落ち着かないものですよね?なんでしょうね…あ、ネックレスを身に着けてます。今日だけは着けてないんですけど。
全員 (爆笑)
中川 それ全然ダメじゃん(笑)。
──何か意味があるんですか?
古田 いや、オシャレだから(再び全員爆笑)。
田野 私はワイヤレスのイヤホンを最近買ったんですよ。踊っている最中に携帯につないでいるとからまっちゃって面倒なので、この舞台を機にワイヤレスにしようと思って、買って、すごく動きやすいのでいつもつけています。
中川 俺は台本ですね。1番大事なものなので。
村井 皆、それは言わずにいるのに(笑)。
中川 (笑)台詞は覚えても、人の動きとかあるので、台本持っているだけで安心です。

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村井
 安心なものっていうと、今水素水にハマってまして、それを飲んでいるとデトックスされるので、身体の為に良いですね。アッキー(中川)とも話してたんですけど、舞台でわーっと走り回って袖で水をパッと飲んだ時に、水素水だとスッと入って行くんです。普通の水だとひっかかりを感じたりするんですが、水素水はそれがないので。
中川 だから稽古中でも専用のボトルに入れて、美味しそうに飲んでるよね。
村井 あれがないと結構キツイので、忘れた時はちょっとショックです。
高垣 私は携帯です。つきなみなようですが、忘れた時は落ち込みますし、どんな連絡が入っているんだろう?と気になります。この稽古場にも最初は携帯がなかったらたどり着けなかったですし、稽古動画をこまめに送って頂いているので、1日の終わりや、自分が稽古に参加できなかった日にもどんなことが行われていたのか?が動画で確認できるので、常に持っていないと、稽古的にも日常的にも不安になります。 
東山 でも、普通携帯って忘れないでしょう?
高垣 忘れることある。充電差しっぱなしとかで。
東山 それはちょっと考えられない。
高垣 ええ?本当?

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古田 でも、俺もネックレス忘れたし(笑)。
中川 さすが姉弟!
高垣 助け合いです(笑)。
──東山さんは?
東山 リップです。
高垣 リップクリーム?
東山 そう、今も本当は塗りたいくらい。(唇を指して)ここが潤っていないとダメで、もう色々なポケットに入れてます。
中川 じゃあ、3つくらい持ってることもあるの?
東山 あります。
高垣 そうなんだ〜。
──先ほどのナンバー以外にも、皆さんに見せ場があるのですか? 
高垣 はい、皆それぞれに見せ場がありますね。
古田 あります!
高垣 それぞれの、すごく可愛らしいナンバーがあるので。全員で出ているナンバーもあれぱ、少人数のナンバーもあるんですけれど、このミュージカルって、台詞の後ろにもずっと音楽がついていて、それがぐるぐるリンクしていて。さっきのベートーヴェンのフレーズが別の場所に出てきたりして、かなりIQの高いミュージカルだなと私は思っています。
中川 それがミュージカルだからね!
高垣 音楽の仕掛けがいっぱいある作品なので、他のナンバーも楽しみにして頂きたいです。
中川 彩陽(高垣)ホント、ソプラノの綺麗な声から、ルーシーのちょっと力いっぱいのダミ声?まで、すごい声色を使い分けていて、さすが声優ならでは。ミュージカルをやってると、発見があるでしょ?
高垣 ありあますね!たくさん。

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中川 すごいよく出来てるよね、この作品。
高垣 ホントに。これが50年前の作品なんだと驚きますね。リバイバルのときにマイケル・メイヤーさんが加筆されたナンバーとかもあるのですが、それをこうしてメモリアルイヤーに、このメンバーで日本で上演出来るって大変幸せなことですね。私ばっかりしゃべっちゃってる、チャーリーしゃべって!
村井 僕?
高垣 そう!
村井 何をしゃべりましょう。このミュージカルの素晴らしさを?
高垣 そう、それ!
村井 いやもうホントに6人しかいないミュージカルもなかなか珍しいなと思っていて、6人しかいないので、6人だけで作り上げるパワー、エネルギーが随所に現れていて。しかも性格がみんなバラバラなんですよ。それは『ピーナッツ』のキャラクターがそうだからなんですか、その性格に合ったナンバーがそれそれにあるので、音楽としても素晴らしいし、ストーリーとしても素晴らしいし、『ピーナッツ』の世界感も存分に楽しめるミュージカルになっていますので、是非是非ご観劇頂きたいなと思います。これを観たら、確実に『ピーナッツ』の世界をもっとよく知りたくなると思うし、こんなに素敵な世界があったんだと気付けることがハピネスです。素敵なことがたくさんあるので、明日また頑張ろうというような生きる喜び、パワーがもらえるミュージカルになっていると思います。

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──村井さんは、皆のチームワークをはかるためにご飯をおごったりなどは?
村井 じゃあ、今日俺のおごりで…(笑)。
高垣 やったー!(笑)
村井 でもまだあんまり行けていないんですが、稽古場もやっと安定してきて、6人での時間ができてきたので、近々行きましょう!
中川 でも面白いよね。この6人でご飯食べるってね。だって結構皆キャラクターにドンピシャなんですよ。このキャスティング。スヌーピー、犬役の僕が言うのも何なんですが(笑)。
村井 (中川スヌーピーに)ドンピシャだもん!
高垣 どんどん、犬顔だなって思えてくる!

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中川
 で(村井チャーリーに)どう見てもチャーリー・ブラウンじゃないですか。(田野は)どう見てもサリーだし、どう見ても(古田に)ライナスだし、(東山に)シュローダーだし、(高垣に)ルーシー!だから、このキャラクターでご飯を食べに行ったらどうなるんだろう?と想像したら、楽しそうだよね!
高垣 稽古場でのチームワークといえば、楽しかった出来事は、田野ちゃんの二十歳の誕生日、ちょうどその日にね。
田野 はい!はじめて全員で一緒に集まりましたね。みなさんがプレゼントしてくれたお酒をあけてくれて。
高垣 アッキーさんがバースデーソングをを歌って!
田野 そう!めっちゃ宝物です、あの動画!
高垣 田野ちゃん泣いちゃったんだよね。
田野 すごい感動しました、今までで1番の誕生日でした。
中川 なんかちょっといい感じのカオスでしょ(笑)。子どもたちの日常を描いているからかもしれないけど。でも大人が見ても「こういうことあるよね」「こういうことあったよね」って、自分の人生と照らし合わせることができる上質なミュージカルなんです。いま皆さんに届いている僕たちのチームワークと、この作品のもつそういった普遍性が劇場でカチっとはまった瞬間に、きっと最高の時間がお届けできると確信しています。是非その辺を感じて頂けるように僕たちも頑張りたいと思います。

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──では、役の見どころをお1人ずつお願いします。
古田 今、作っている段階なので、逆に役の見どころとは何ぞや?と探求しているところなんですが、最近思うのは、ライナスって知識があって哲学的な部分もあるのすが、でもやっぱり子どもで、子どもらしさが出てくる部分では誰よりも子どもっぽいなと思うんです。そこが可愛くて、ライナスの魅力だなと思います。
田野 サリーはすごく全力で、喜怒哀楽も激しくて、パーンとぶつかっていく女の子です。私、わりと役にすんなり入れるかなと思っていたんですが、自分はいつのまにか変なところで落ち着いちゃっていたみたいで、意外とサリーという役が難しくて色々勉強中です。そこがうまくはまったら、素敵で全力な6歳の女の子を演じられると思うので、是非観て欲しいなと思います。

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中川 僕はスヌーピーという、誰からも親しまれる役を演じます。スヌーピーは食べることが大好き。それ以外は基本的にダラダラしてる。ちょっと自分の飼い主であるチャーリー・ブラウンのことをシニカルに見ていたりする。ただそれもチャーリー・ブラウンにはなかなか言葉としては伝わらないんですけど、行動、感情で示すことができるというのが、ただの犬ではない。どこか人間味を感じる、そんなスヌーピーです。
村井 チャーリー・ブラウンを演じていて、普通の子の代表みたいなキャラクターと言われているんですが、普通ってさじ加減がいっぱいあって、人によって違う。これは結構難しいと思いながら役作りをしています。1度チャーリー・ブラウンの顔をペンで描いてみたのですが、ぜんぜんシュルツさんのタッチが出なくて、すごくシンプルな線のはずなのに、なんて難しいんだろうこの曲線は、みたいなところがあって、これがまさにチャーリー・ブラウンの役作りの難しさなのかなと思いました。シンプルがゆえに難しい。先ほど披露した『ベートーヴェン・デー』のシーンの稽古でも、「やったー!」という風にジャンプしてたら、ダメ出しを頂きまして「そんなに喜ばなくてもいいんじゃない?もっとダメな子でいこう」と言われました。そういうバランスも必要で、ダメなんだけど前身していく力強さがあるのがチャーリー・ブラウンの魅力なので、簡単に作りたくないなと思っています。シュルツさんの輪郭を感じながら、皆とのコンビネーションを取りながら作っているので、本番までには素敵なチャーリー・ブラウンと仲間たちとして、セットになった作品にしたいと思います。是非お楽しみになさってください。

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高垣 皆、今、スヌーピーは犬ですけれども、「子どもとは?」というのを模索していて、田野ちゃんも二十歳になり、全員成人した私達なんですけれども、「子供とはなんぞや?」「ピーナッツのキャラクターの魅力とは?」ということにそれぞれチャレンジして役を固めているところです。私自身もルーシーとは何ぞや?を悩みながらいるのですが、彼女はすごく色々な面がある人で、ガミガミと怒ったりするんですが、弱い部分もある。愛するシュローダーに何度アタックして、目の前で「君を愛してない!」と断られても、ポジティブに前進していく彼女の前向きさを見習って頑張っていきたいなと思っています。コミックの短いエピソードがいっぱい繋がっているような作品なので、次から次へとそれぞれのキャラクターの色々な面が見えてきます。この子に次はどんな一面があるんだろう、自分のここに似てるな、あの子に似てるなとか、色々なことを思って頂けると思いますので、是非色々な角度で楽しんでください。私達も全力で向かって行きたいと思っています。
東山 最後ですね(笑)。僕もシュローダーに似てる部分があって、ちょっとみんなのキャラクターよりは落ち着いてる、外から皆さんをみているところがある役なんですが、でもひとつ譲れないのは音楽。ベートーヴェンに関しては急に情熱的になる。さっき見て頂いた『ベートーヴェン・デー』も更にお稽古を重ねて、もっともっと熱いものを皆さんにお届けしようと思いました。静と動があるキャラクターだなと思います。決してルーシーのことも嫌いなのではなく、音楽が好きでルーシーが目に入っていないだけ。素直な子なんです。そこに近づけるように、皆さんと一緒に初日まで作り上げていきたいです。本当に楽しみにしていてください。よろしくお願いします。
全員 よろしくお願いします!

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〈公演情報〉

PR のコピー

ブロードウェイミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』
原案・原作◇チャールズ・M・シュルツ 
劇作・脚本・音楽・作詞◇クラーク・ゲスナー
劇作・脚本◇マイケル・メイヤー
音楽・作詞◇アンドリュー・リッパ
翻訳・演出◇小林香
出演◇村井良大、高垣彩陽、田野優花(AKB48)、古田一紀、東山光明、中川晃教  (声の出演)大和悠河
●4/9〜25◎東京・シアタークリエ
〈料金〉10.800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)
●4/29◎福岡・キャナルシティ劇場
●5/6〜7◎大阪・サンケイホールブリーゼ
●5/9〜10◎愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
〈公式ホームページ〉http://www.tohostage.com/charlie/



【取材・文・撮影/橘涼香】





えんぶ4月号 




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味方良介、文音、多和田秀弥、黒羽麻璃央が鮮烈に新しい輝きを放つ!『熱海殺人事件 NEW GENERATION』稽古場レポート

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極寒の日々の中にも梅の蕾がほころぶ2月、紀伊國屋ホールの「つかこうへい」の季節がやってきた。
今年は、平均年齢23.3歳という若さにあふれた3人の男優、味方良介、多和田秀弥、黒羽麻璃央が名作『熱海殺人事件』に挑戦することで、大きな注目を集めている。

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名作『熱海殺人事件』は、1973年に文学座に書き下ろされ、当時の若者の熱狂的な支持を受け、翌年、この戯曲でつかこうへいは、史上最年少での岸田國士戯曲賞を受賞している。その後もキャストごとにバージョンを変えながら、つかと『熱海』と紀伊國屋ホールはともに生き続けてきた。
そして2010年、つかこうへいの死後は、その魂と意思を受け継いだ演出家の岡村俊一による『熱海殺人事件』が、装いも新たに毎年のように上演され、様々なバージョンでスターを生み出し続けてきた。今回は、副題に “NEW GENERATION”と銘打たれているように、新世代を体現する俳優たちで、この名作を新しく生まれ変わらせる。

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主人公の木村伝兵衛部長刑事役に挑むのは味方良介。昨年のつか作品『新・幕末純情伝』で桂小五郎を熱く演じた演劇界注目の若手男優で、初演の三浦洋一、そして風間杜夫、阿部寛、池田成志といった錚々たるメンバーが演じてきた大役を、史上最年少の24歳で演じる。

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富山から派遣された刑事・熊田留吉役は、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』から2.5次元舞台まで卓抜な演技力で幅広く活躍する多和田秀弥。

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犯人・大山金太郎役にはミュージカル『刀剣乱舞』で主演を務め、映像でも活躍中の黒羽麻璃央。

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紅一点の水野朋子婦人警官役は、1986年の映画版でヒロインを演じた志穂美悦子を母親に持つサラブレッド女優・文音。

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このフレッシュなメンバーたちで、2月18日から3月6日まで『熱海殺人事件』を上演する。
その稽古も佳境に入ったある日、その通し稽古に立ち会うことができた。
 
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【あらすじ】
舞台になるのは東京警視庁の木村伝兵衛部長刑事の捜査室。伝兵衛の取り調べの中で、熱海で工員の大山金太郎が幼なじみの女を絞め殺したというチンケな事件を、婦警の水野朋子と富山県警から赴任してきたばかりの熊田刑事が、部長刑事とともに一人前の犯人に仕立て上げていく…。


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大音響のチャイコフスキーの「白鳥の湖」をBGMに幕が開くと、木村伝兵衛が黒電話でがなりたてている。どこか憑かれたかのように陶酔的にも見える顔つきだ。その表情が一瞬にしてクールさと柔らかな笑顔を取り戻し、富山から赴任してきた熊田刑事を迎える。そこから物語は、水野朋子婦警や犯人・大山金太郎を加えて、物語の本筋部分へと入っていく。

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味方良介はソフトで若々しい伝兵衛だ。つば広帽子をかぶっている佇まいは粋でダンディー。木村伝兵衛部長刑事の取り調べ室では「ダンディー、おしゃれ」であることが重要だ。だからマイアミなんてアナクロな喫茶店を調査報告書に書き込むことは許せない。そんなポリシーがよく似合う味方・伝兵衛は、どこか爽やかでもあって、先達たちが演じた暑苦しいまでに自己主張する木村伝兵衛に比べると、少し俯瞰した眼差しを持つような、いってみれば優しさと包容力で事件をコントロールしていく木村伝兵衛像にも思える。長ゼリフを強引にまくし立てるところ、決めゼリフ、レトリック満載の言い回しなども、鮮やかにメリハリをきかせる。すでに言葉が完全に身体に入っているような余裕すら感じさせ、この大役に気負うところがなく真ん中に力強く立っている姿が頼もしい。
 
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熊田留吉の多和田秀弥は、長身で都会的な持ち味の中にのぞく素朴さが生きて、富山から出てきた野心家の若手刑事役を体当たりで演じている。伝兵衛の取り調べ方法に抵抗しながらも、次第に影響されていく素直さも見せながら、思い通りにならないとすぐに懐から銃を取り出し、ロシアンルーレットだ!と拳銃をぶっ放す。伝兵衛や水野婦警との丁々発止のやりとりではスピード感と勢いがあって、若さと野心と直情に燃えている。富山方言だけでなく、劇中で多和田自身の出身地、関西弁をまくしたてる場面もあり、笑わせ、泣かせ、ちょっとアホなところも可愛い熊田刑事だ。

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セリフが完全に消化されているという意味では、水野朋子婦人警官の文音も例外ではない。どこまで本音でどこまで芝居かわからないような、木村伝兵衛との曖昧な関係の中で、瞬間瞬間に立場を変えることで婦警としての水野の"できる女刑事"ぶりが見えてくる。文音はその切り替えを表情や声音で伝えてくる。スレンダーでよく動く体と清潔感のある佇まいが、今回のNEW GENERATIONバージョンの紅一点にふさわしく、後半の金太郎との再現場面のアイ子役では涙を誘う。

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そして、開幕から20分、お待ちかねの犯人・大山金太郎役、黒羽麻璃央が登場する。今回はイケメントリオと評されるほど美形揃いの『熱海』だが、ここまでイケメンな大山金太郎は、かつていただろうかというほどカッコいい登場ぶり。黒のサングラスが実によく似合う。それだけにそのあとのダサい素顔の金太郎とのギャップをどう見せるかと心配もあったのだが、なんと、あのイケメン大山はどこに?と思うほど、トロくて泥臭くて田舎出まるだしの工員へとみごとに変身してみせる。また、後半の水野婦警との再現シーンではとにかく泣かせる。泣いていいのだ、彼の存在は、人間の体にある感情を表に出すことを許してくれる存在なのだから。そんな金太郎の純情と狂気を、黒羽は全身で表現、容姿の良さというハンディを軽々と超えた役者魂を見せてくれる。

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この若い俳優たちを指導する岡村俊一は、つか作品の本質と、そこで生きるためにはどうしたらいいかを、適切なアドバイスと方向性で伝えるとともに、自由で懐の深い『熱海殺人事件』という作品を通して、俳優自身の魅力を、引き出し、育てようとしているのを強く感じる。この通し稽古でも、若さの爆発的な表現を信じて制御はしていないように見える。それどころか一緒に笑い、泣いて、怒って、ともに激しく生きて律動しようとしている。まるでそれが「つかこうへい」の舞台そのものだとでもいうように。
そしておなじみ定番の劇中曲以外にも最近の大ヒット曲を持ち込んだり、時事ネタ、メタファー、アドリブ、コント(?)、なんでもありの、息もつかせぬスピーディな展開の中で、この名作世界の真髄に一気に運んでいってくれる。
 
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この戯曲を、つかこうへいが書いてから40年以上経った。『熱海殺人事件』の内包する様々な問題、職業、国籍、経済などの格差や差別はなくならず、いや、むしろ深いゆがみやひずみとなってこの国の根底を揺らしている。だからこそ今、時代に楔を打ち込む作品として、『熱海殺人事件』の上演の意味を改めて感じるのだ。
その作品を、これから人生を戦う若く瑞々しい肉体を持った俳優たちで演じる。そう、まさにNEW GENERATIONの若者たちが演じる青春の舞台だからこそ、登場人物たちの生きる社会への怒り、悲しみ、そして切なさが、つかこうへいの言葉とともに、2017年の日本を撃つにちがいない! 新世代による『熱海殺人事件 NEW GENERATION』、必見の舞台である。

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2月19日更新 公演レビュー掲載しました。
http://kangekiyoho.blog.jp/archives/52019949.html



〈公演情報〉
 flyer

『熱海殺人事件 NEW GENERATION』
作◇つかこうへい
演出◇岡村俊一
出演◇味方良介、文音、多和田秀弥、黒羽麻璃央  
●2/18〜3/6◎紀伊國屋ホール
〈料金〉6,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京音響 03-5774-3030
〈公式サイト〉http://www.rup.co.jp/atami.html
 

【構成/榊原和子 取材・文・撮影/竹下力】


ユナク(超新星)、ソンジェ(超新星)、イ・ジフン出演。韓国ミュージカル『INTERVIEW』




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トラッシュマスターズが演劇を切り口に現代を照射する新作!『たわけ者の血潮』上演中!

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現代社会が抱える問題を取り入れた骨太な人間ドラマでさまざま演劇賞を受賞するなど、発表する作品がつねに注目を集める作・演出家、中津留章仁。その最新作『たわけ者の血潮』が、主宰する劇団トラッシュマスターズによって、2月2日から開幕した。(12日まで座・高円寺1、2月18日・19日は福岡ぽんプラザホールで公演)

今回の作品は2015年に安保法制決議をタイムリーの扱った『そぞろの民』と同様に、「日本の民主主義とは何か?」を問いかけ、繁栄を求める一方で、格差やヘイトスピーチ、レイシズムなどが広がる現代日本の病理に深くメスを入れるものとなっている。
この舞台の初日が数日後に迫っているという時期に、稽古場に入ることができた。
 
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物語の舞台となる菅原家の居間は、どこか開放的で自由で、文化的なサロンのようにも見える。そこに出入りする登場人物たちは、その日、上演されたばかりの舞台の感想を皮切りに、日本や世界で起きていることや、自分たちの事情を語り合う。その中で、それぞれの立ち位置や思想が、中津留章仁の鋭い人間洞察によって赤裸々に浮かび上がってくる。

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川初夏、高橋洋介
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川初夏、林雄大、林田麻里、長谷川景、多田香織、森下庸之

翻訳家・菅原伊代理(川初夏)の家のリビングとして組まれたセットでは、重厚感のある家具が目に入る。中央に大きなソファがあり、下手側の一段高くなったところがこの家の主人で市議会議員である茂之(高橋洋介)の書斎となっている。
芝居はおもにこのアクティングエリアで行われるが、奥の通路も視界に入るようになっていて、家族たちの動きを見せ、それに伴う物語の進行に陰影を与えている。
 
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星野卓誠、林田麻里
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林雄大、長谷川景、林田麻里、森下庸之、多田香織

翻訳家の家で展開される話ということで、演劇人とその関係者が次々に登場する。
伊代理の弟で劇作家・演出家の阿久津一樹(星野卓誠)、伊代理の娘で女優の愛理(多田香織)、同じ劇団の俳優・藤丸英都(長谷川景)、新聞社に勤める劇評家の神戸(林田麻里)、その同僚記者の糸井(倉貫匡弘)。
それぞれ立場が違う人々が語る演劇論、その中で今の日本の演劇が抱える問題とともに、あらゆる表現の根幹に関する話へと切り込んでいく。

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川初夏、林雄大、森下庸之、多田香織、長谷川景、林田麻里
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 星野卓誠、倉貫匡弘、林田麻里

この一家の中で演劇とは無縁な存在が、この家の主人で市議会議員の茂之と、引きこもり同然で、ある法案へのデモ活動に参加する長男の康生(森田匠)。父と息子は政治的な立場では対立している。
また茂之の弟で公務員の紀之(林雄大)や、愛理の恋人で広告代理店勤務の大木(森下庸之)もこの家に出入りしていて、彼らの思想や信条も、上演された舞台への感想などを介して見えてくる。
そしてこの一家に大きな影を落としている亡き祖母、大女優だった阿久津佳苗という存在。この家の長男の康生が抱いている祖母への思いは、終盤になってこの一家に大きな揺さぶりをかけることになる。

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川初夏
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川初夏、星野卓誠、倉貫匡弘、林田麻里

そんな熱く息詰まるような稽古の合間に、作・演出の中津留章仁と、今回約2年ぶりにトラッシュマスターズに出演する女優・林田麻里に話を聞くことができた。

【中津留章仁インタビュー】 

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日本人の言葉の問題を、演劇の「発語」を切り口に描く

──この作品は演劇を切り口にテーマが展開されていきますが、そのモチーフとなったのは?
最近、新劇の劇団に書いて演出することが多くなって、僕がうちの劇団でやってきたことを、そのまま新劇の俳優さんに要望できるかというのが近年のテーマになっているのですが、そこで感じたことがあって。それは、数年前から他の作・演出家と話している中でも出てきていた話で、乱暴な言い方をすると日本の俳優はヘタだと。言葉をどう捉えていくかが日本の俳優は乏しいのです。その原因は色々あって、日本語の特徴である主語を抜くとか、動詞が後ろにくるとか、いわゆるスタニフラフスキーシステムに嵌まらないのです。そこで僕は、日本語用にアレンジして使うというのをここ数年やっていて、「発語」に特化したワークショップなども始めています。
──その「発語」の話などは、そのまま劇中で出てきますね。
僕がいつも俳優にダメ出ししているようなことが、台本の中に入っています。それと、たとえばネットの、いわゆるネトヨクとかパヨクとか言われる論争、そういう言葉とか文字の扱いについても取り上げてみようと思ったんです。話は逸れますが、たとえば野田(秀樹)さんが出てきた時代は、言葉の解釈を広げていた時代だと思うんです。昔、あるテレビ番組で野田さんが「人間は皮膚感覚で発語しないといけない」というようなことをおっしゃっていたのですが、そういう意味では、その後の日本社会は皮膚感覚の表面的な部分だけが一人歩きしてしまった。その結果、今の日本で言葉に関してどういうことが起きているかということを、芝居で表現しようと。俳優と劇団の話にしながら、人間が言葉を吐くときにどう間違っているか、どういう誤解があり、コミュニケーションの不全に陥っているかを、この芝居で見せようと思いました。
──今回の台本に様々な立場の人が出てきますが、自分の言葉に必ずしも自覚的ではないというようにも描かれていますね。
どこかから引っ張ってきた言葉を自分の意見でいう、そういう人が沢山いるのが今の日本です。思想がなく拠り所がない人間が、ネットや社会に参加するためにわかりやすい「ヘイトスピーチ」に集まる。でもほとんどの人間にとって、その思想は自分のものではなくて、二次的なものでしかないんです。
──そういう人間たちを暴いて見せていくような作品になるのですね。
共感を寄せたくなる登場人物がイヤに見えるように作ってあります。「あ、こういう人が自分だと思いたくない」という、そういう瞬間を作るのが僕の仕事なので、「ここまでよかったのに、なんでこうなる?」というように作っています。以前、ブレヒトと共通するものがあると言われたことがあって、いわゆる異化効果ですね。共感したいけど突き放されるということを大事にしています。
──最後に改めてメッセージを。
今、この社会を覆っているモヤモヤしたよく分からないもの、色々な複雑な思い、ちょっと言葉にできないような空気、それをこの芝居で、「こういうことか」と発見してもらって、少し整理してもらえるのではないかと思っています。そういう意味では、みんなが一番見たいものがここにあるのではないかと。あと、僕の今回のキャッチコピーは「鮮やかな手口」なんです(笑)。言葉や思想、人間、色々なものを鮮やかに暴く手口を観ていただければと思っています。

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【林田麻里インタビュー】

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言葉の話、演劇や世界の話、そして表現と自由の話が詰まっている

──今回の役柄は新聞記者で評論家を目指している女性ですね。
こういう役は初めてです。台本を読んだら知的で冷静さがあって、そして彼女自身の考えはあるとは思いますが、ストレートに主張しない。いわゆるバランサーで、色々な人の価値観をわかりたいし、わかるはずだと思っている人です。でも彼女自身も、自分のことがわかっているのか、その発している言葉とのズレも表現していけたらと。
──2年ぶりのトラッシュマスターズの印象は?
今回は中津留さんの目指すものや演出が、これまでとまったく変わっているのを感じます。ですから私としては、稽古場での共通言語を失っているというところからのスタートでした。中津留さん自身もおっしゃっていますが、「発語」に関しての演出が増えていて、以前とは使う脳が違います。まずその言葉の意味とその「発語」はイコールなのかと、そこから始まりました。そういう意味では、またトラッシュマスターズが進化していて、今までが役を作る作業だとしたら、もっと人間そのものを作るような作業です。
──その人間を作るという意味を、もう少し詳しく教えてください。
中津留さんはよく「その言葉は幹のほうではしゃべらないで」とおっしゃるのですが、その「幹」というのが私でいうところの役作りで、「この人はこういう人物だ」という、私自身の評価でしゃべるのはやめろという事なんです。つまり、その役作りが足枷になって「発語」が自由でない、せばまっているということだと思います。それから、「とにかくアクションをしろ」とおっしゃっていて、その言葉の意味ではないニュアンスを含んで相手に何かの影響を与えろと。「今のはアクションになってない。言っているだけだ」と言われます。話しながらも相手の様子を受動する事が始まっていて、そこから考え、欲求が生まれ、そしてまた発語する。人間とはその連続であるという事ではないでしょうか。
──女優・林田麻里にとって、また得るものが多そうですね。
沢山あります。トラッシュマスターズの変化は前回出演した『儚みのしつらえ』の時から感じてはいたのですが、そのあとの作品も、客席から観ながら進化を感じていました。その進化に付いていくのは大変ですが、私を拡げてくれる現場です。この作品には、言葉の話、演劇や世界の話、そして表現と自由の話が詰まっています。観てくださる方にもきっと身近に感じていただけると思います。
 
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〈公演情報〉
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TRASHMASTERS vol.26 『たわけ者の血潮』
作・演出◇中津留章仁
出演◇星野卓誠 倉貫匡弘 盒桐硫陝/慌射杷掘/硬直◆…甲川景 川初夏/林雄大 多田香織[KAKUTA] 林田麻里
●2/2〜12◎座・高円寺1 
●2/18〜19◎福岡ぽんプラザホール
〈料金〉一般[前売・当日共]4,000円 U25[25歳以下の方]2,500円(全席指定・税込)
※U25券は劇団前売り取り扱いのみ。当日受付にて身分証を提示。
〈お問い合わせ〉SUI 03-5902-8020 ※東京公演[11:00-17:00平日]
トラッシュマスターズ 090-7411-6916 trash@lcp.jp



【取材・文・撮影/榊原和子】

ユナク(超新星)、ソンジェ(超新星)、イ・ジフン出演。韓国ミュージカル『INTERVIEW』




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熱狂の舞台『ALTAR BOYZ』開幕前稽古場レポート!

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エッジィで知的な数々の作品を輩出してきたニューヨークのオフ・ブロードウェイで、で2005年のベストに輝いたロック&ダンス・ミュージカル『ALTAR BOYZ』が、日本初演メンバーの集結したTeamLEGACYと、フレッシュなメンバーと振付で挑むTeamGOLDの2チーム体制で上演されることになった(2月3日〜2月16日東京・新宿FACE、2月18日大阪・森ノ宮ピロティホール〈TeamLEGACYの出演〉、更にTeamLEGACY×TeamGOLDによる合同スペシャル公演が、2月24日〜2月26日東京・品川プリンス・ステラボールで上演)。

神と司祭に使える美しき5人の使徒たちがボーイバンド(ダンスボーカルグループ)を結成し、福音の歌とダンスで愛を説き、観客たちの魂を救うという設定の舞台は、人種差別、移民差別、ゲイ差別など、時代の難問を知的な比喩に変えて、展開されて2時間を駆け抜ける熱いもの。日本では、2009年東京・大阪・名古屋で初演、作品ファンも増え、今回、5回目の公演を迎える。LIVE SOUNDに乗って、SONG×DANCE×ACT!美しきアルターボーイズの熱狂が再びやってくるとあって、大きな期待と注目が集まっている。

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そんな作品に取り組むメンバーたち、「Team LEGACY」の東山義久、植木豪、中河内雅貴、森新吾、良知真次、「Team GOLD」の大山真志、法月康平、松浦司、常川藍里、石川新太、それぞれのチームの稽古は佳境に入り、連日熱い真剣勝負が繰り広げられている。その中から、「Team GOLD」の稽古の一コマを報告する。

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この日は、通し稽古のあと、演出の玉野和紀から細かいダメ出しが行われていた。玉野の台本の手元にはチェックを入れた付箋が山のように積まれていて、細かい指示の1つ1つにメンバーたちもメモを取りながら真剣に聞き入っている。

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そこから、繰り広げられるナンバーを追って、細かい振り固めの作業がはじまった。今回「Team GOLD」の振付はすべて一新されていて、躍動的でダンサブルな振付はスピード感にあふれ、ダイナミックな迫力に満ちていながら、実に細かいこだわりが込められていることが伝わってくる。

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特に印象的だったのは「何も間違っていないし、一生懸命で素敵だけれど、抜くところと見せるところのメリハリをつけよう」という指示。中でもアクセントに力強く入ることが何度も確認され、腕を突きだす振り1つにもただ突き出すのではなく、上からえぐるようになど、実に細かいニュアンスが加えられていく。

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しかも驚くのは、実際に通して踊ってみると、1カウントごとにすべて動きが入っているほど早く、その1つ1つを流さずに振動と反動を使ったアップダウンで進めるように、という要求がいかに身体全体の筋肉と瞬発力と神経を使うかがわかり、その地道な作業の積み重ねに圧倒される。

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それでいて、通す時には「間違うことを恐れないで良いから、ニュアンスとアクセントを大事に」という指示が飛び、細かい振付をメンバー5人それぞれが身体に入れて、更に魅せるところまで昇華していくことを目指していることが見て取れた。

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もちろん稽古場なので、手持ちのマイクに電源は入っていないが、大山真志の歌声などはまるでマイクが入っていると錯覚するかのように力強いのにはじまり、それぞれ個性的な美しい声が響き、実際に衣装をつけて、マイクも入った時の迫力が想像できるようで、ワクワクする。

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何よりも、日本全国が冷蔵庫に入っているかのようなこの真冬に、半そでのTシャツで汗を飛び散らせながら踊る面々は、当然暖房も入っていない稽古場で、更に暑さに耐えかねたように窓も全開にする状態。それもそのはず、まるで当然のように振り固めは1分の休憩もなく続いていくのだ。この厳しさに耐えられる情熱と、技術と、パワーがあるメンバーだけが、ライブの要素が多い『ALTAR BOYZ』の舞台に立つことができるのだなと、寒風の吹き込む稽古場の熱気に感嘆した。 

この努力のもと、新たな『ALTAR BOYZ』、更に高みを目指す舞台が生まれることだろう。そんな確信が高まる熱い時間だった。
 
IMG_1411大山真志 
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IMG_1447常川藍里
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〈公演情報〉
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BEST OF OFF BROADWAY MUSICAL
『ALTAR BOYZ』
作◇ケビン・デル・アギラ
作詞・作曲◇ゲイリー・アドラー マイケル・パトリック・ウォーカー
演出◇玉野和紀
出演◇
「TeamLEGACY」東山義久 植木豪 中河内雅貴 森新吾 良知真次
「TeamGOLD」大山真志 法月康平 松浦司 常川藍里 石川新太
●2/3〜16◎新宿FACE
〈料金〉「TeamLEGACY」8,500円 (全席指定・税込 ※会場にて1ドリンク代500円別途必要)
〈料金〉「TeamGOLD」7,000円 (全席指定・税込 ※会場にて1ドリンク代500円別途必要)
 プレビュー公演 6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799 (11時〜18時)
●2/18◎森ノ宮ピロティホール ※「TeamLEGACY」キャスト
〈料金〉8,800円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888(10時〜18時)
●2/24日〜2/26日◎東京・品川プリンス・ステラボール(TeamLEGACY×TeamGOLDによる合同スペシャル公演)
〈料金〉8,800円 (全席指定・税込 ※会場にて1ドリンク代500円別途必要)
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799 (11時〜18時)




【取材・文・撮影/橘涼香】



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