稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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稽古の現場

太鼓芸能集団 鼓童が新作公演『巡‐MEGURU‐』特別公開リハーサル公開!

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太鼓芸能集団 鼓童が、新作公演『巡‐MEGURU‐』で、11月からの全国ツアーを行う。
鼓童は太鼓を中心とした、伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団で、クラッシック・ロック・ジャズ等、異なるジャンルの優れたアーティストとの競演、世界の主要な国際芸術祭、映画音楽等に参加し、佐渡島における鼓童の創造的な活動・ライフスタイルやその理念は、世界のアーティストや芸術関係者から注目を集めている。
 
本新作公演 『巡-MEGURU-』 は、鼓童メンバーの住吉佑太が初めて演出を担う。住吉は2010年に鼓童研修所に入所した当初より、演出として参加していた坂東玉三郎氏の指導を受け、2013年から鼓童のメンバーとして、「大太鼓」やソリストに抜擢されました。また、演奏だけではなく作曲やアレンジなどでも才能を発揮し、鼓童のサウンドメーカーと称されている。
 
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 住吉佑太

本作の楽曲も全て新作で、住吉が生まれ育った香川に伝わる獅子舞や徳島の阿波踊り、栃木や群馬に伝わる八木節や岩手に伝わる鬼剣舞など、多くの郷土芸能をさりげなく織り込み再創造することにより、住吉特有の音楽世界が鼓童の太鼓音楽をさらに広げていく。ほかにも鼓童が長年演奏してきた「三宅」をさらに昇華させた楽曲、西洋音楽的なアプローチで作り上げたリズムアンサンブルや即興曲等、全て本作の為に作曲され、今までにない試みが凝縮されている。この新たな才能が、鼓童を未知なる世界へ飛躍させていくことになるだろう。

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11月からの全国ツアーに先駆け、4月22日、鼓童の本拠地である新潟県佐渡市の両津文化会館にて、『巡-MEGURU-』の特別公開リハーサルを行い、そのレポートが届いた。

【公開リハーサルレポート】
鼓童の新時代が始まった。
2012年から昨年まで、新作公演を連続演出してきた坂東玉三郎に代わり、今回は玉三郎の下で才能を開花させた鼓童メンバーのひとりで、弱冠26歳の住吉佑太が演出を担当。自身の作曲によるテーマ曲『巡』を中心に、ポップな現代性に富む、全10曲を初披露した。
主旋律にマリンバを使用する大胆さが印象的な『巡』は、「太鼓への固定概念を取り払い、若い人たちにもおもしろがってもらいたい」という住吉の願いを反映した、軽快で親しみやすいノリが基調。気ら犬泙任梁榛未淵凜.螢─璽轡腑鵑鯏験させながら、間に鼓童の看板レパートリー『三宅』を進化させた『祭宴』(作曲は中心メンバーの中込健太)など、和太鼓乱打のグルーヴ感溢れる作品をはさみ、圧倒的な迫力で、客席の期待を凌駕してみせた。
「いろいろ課題はありますが、まずはよかった。みなさんの意見を伺って、完成を目指します」と住吉。今年11月の本番に向けて、確かな手応えを感じたようだ。
(文:演劇ジャーナリスト 伊達なつめ)

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〈公演情報〉
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鼓童『巡-MEGURU-』
演出◇住吉佑太    
出演◇鼓童
●11月より日本全国ツアー 
●12/19〜23◎文京シビックホール大ホール
〈お問い合わせ〉鼓童 0259-86-3630  

 


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 【撮影:岡本隆史】 

紀伊國屋ホール2月恒例つか作品『熱海殺人事件』味方伝兵衛と石田刑事が激突!?

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新宿・紀伊國屋ホールの2月の恒例となっているつかこうへい作品、今年は『熱海殺人事件』の上演45周年を記念して、副題に「CROSS OVER 45」と銘打っての上演となる。
1973年に文学座に書き下ろされたこの戯曲は、当時の若者の熱狂的な支持を受け、翌年、つかは史上最年少での岸田國士戯曲賞を受賞している。その後もキャストごとにバージョンを変えながら、『熱海』は紀伊國屋ホールとともに生き続けてきた。そして2010年、つかこうへい死去。だがその魂と意思は演出家の岡村俊一に引き継がれ、紀伊國屋ホールでの『熱海殺人事件』は、装いも新たに毎年のように上演され、様々なバージョンでスターを生み出し続けてきた。
 
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今回、2度目の木村伝兵衛部長刑事役をつとめるのは味方良介。昨年、史上最年少24歳でこの大役を演じ、新世代の伝兵衛、若さと熱さで勢いのある伝兵衛として清新な風を吹かせ、次代のスターへの大きなステップとした。

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富山から東京警視庁に栄転してきた熊田留吉刑事には、2016年に、これもつかの名作の1つ『新・幕末純情伝』で、坂本龍馬役に挑み、花も実もある役者ぶりを披露したNON STYLEの石田明。


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取り調べ室の紅一点、水野朋子婦人警官役には、AKB48を退団して今作が本格的な女優デビューとなる木ゆりあ。

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そしてこの物語の核心を握る犯人・大山金太郎には、a-X’sの敦貴と匠海がWキャストで競演する。

【あらすじ】
舞台になるのは東京警視庁の木村伝兵衛部長刑事の捜査室。伝兵衛の取り調べの中で、熱海で工員の大山金太郎が幼なじみの女を絞め殺したというチンケな事件を、婦警の水野朋子と富山県警から赴任してきたばかりの熊田刑事が、部長刑事とともに一人前の犯人に仕立て上げていく…。

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その『熱海殺人事件』の稽古場が、1月下旬のある日、プレスに公開された。
まず目を引くのはあちこちをハサミの入った衣裳。演出の岡村俊一いわく「稽古しすぎでボロボロになったという設定」なのだそうだが、ボロボロというより最先端のファッションにも見えるのは、役者たちのカッコ良さゆえか。

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この日の稽古は、これから伝兵衛の取り調べ室へ犯人大山金太郎が引き出されるという場面。
味方良介はとにかく堂々として、押し出しのよさといいダンディぶりといい、まさに自信満々の伝兵衛像そのまま。1年前にこの大役をみごとに演じきった自信で、鮮やかにメリハリをきかせ、熊田とのやりとりにも余裕すら感じさせる。この作品を体で理解し、迷いなく真ん中に立っていて頼もしい。

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水野朋子婦警を演じる木ゆりあは、これまでの水野像と比べると若さを前面に押し出し、かつ現代的だ。どこまで本音でどこまで芝居かわからないような、木村伝兵衛との曖昧な関係性を保ちながら、婦警としての役割もきちんとこなしていく。キュートでフレッシュなのに、頼りがいもありそうな女性像だ。

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熊田留吉の石田明は、富山から出てきた野心家の刑事で、伝兵衛の取り調べにことごとく反発。苛つくと懐から銃を取り出し、ロシアンルーレットで脅かすなど、やたら熱く泥臭い男だ。ロシアンルーレットを自分へ発砲してしまうという定番のギャグも、芸人として鍛えてきた石田ならではの派手な見せ方でカラッとした笑いになる。このパワフルな石田の熊田刑事が、味方伝兵衛にどこまで喰らいつくか。役者同士の熱い切磋琢磨も、相当期待できそうだ。

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そして、オレンジのつなぎにサングラスというインパクトの強いスタイルで登場する、お待ちかね、犯人・大山金太郎。今回はa-X’sの敦貴と匠海が日替わりで演じることになっているが、どちらも若さと清潔感があって、演出の岡村の「史上最強の美しい大山金太郎」という言葉も頷ける。サングラスから黒縁のダサイ眼鏡に変わるギャグシーンも、どこかほのぼのと可愛らしい。だがこのあと事件の真相へと捜査が迫っていく中で、見えてくる金太郎の心の闇を2人がどう演じるか。そこも今回の見どころの1つだろう。

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この公開稽古の短い時間のなかでも、名作に挑む俳優たちのエネルギーの凄まじさは十分伝わってくる。つかこうへい戯曲から放たれる速射砲のような言葉と、そこに込められた毒とレトリック。そこからは痛烈な社会批評と人間のロマンと愛がこぼれ落ちてくる。そんな熱い魂の作家、つかこうへいの想いを引き継いだ紀伊國屋ホールで、今年も上演される45周年目の『熱海殺人事件』。いよいよ2月17日に初日を迎える。

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敦貴、石田明、味方良介、木ゆりあ、匠海

〈公演情報〉
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『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』
作◇つかこうへい
演出◇岡村俊一
出演◇味方良介/木ゆりあ/敦貴(a-X’s)・ 匠海(a-X’s)[Wキャスト]/石田明   
●2/17〜3/5◎紀伊國屋ホール
〈お問い合せ〉東京音協 03-5774-3030 (平日11:00〜17:00)



【取材・文/榊原和子 撮影/友澤綾乃】




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蒼井優・生瀬勝久によるジャン・アヌイの『アンチゴーヌ』間もなく開幕!稽古場写真&コメント

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新国立劇場 小劇場で1月9日より上演される舞台『アンチゴーヌ』の稽古場写真が到着した。
この作品はソフォクレスのギリシア悲劇「 アンティゴネー」をもとに、フランスの劇作家ジャン・アヌイの書き下ろした代表的悲劇で、時代を超え世界中で上演され続けている。今回は栗山民也演出のもと、岩切正一郎の新訳、蒼井優や生瀬勝久など豪華俳優陣の競演で現代によみがえらせる。

法と秩序を守り、権力者として政治の責任を貫こうとする冷静な王クレオンに対し、自分の良心にまっすぐに従い、自己の信念を貫くアンチゴーヌ。2つの相対する立場と信念は、そのまま国家と個人・現実と理想の対決でもあり、それぞれが抱える想いは通じ合うことなく、物語は悲劇へと進行する。クレオンとアンチゴーヌの対決を通して、生きることの矛盾や人間存在の本質を目撃することとなる。

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【あらすじ】
古代ギリシャ・テーバイの王オイディプスは、長男エテオークル、次男ポリニス、長女イスメーヌ、次女アンチゴーヌという、4人の子を残した。
エテオークルとポリニスは、交替でテーバイの王位に就くはずであったが、王位争いを仕組まれて刺し違え、この世を去る。その後、王位に就いたオイディプスの弟クレオン(生瀬勝久)は、亡くなった兄弟のうち、エテオークルを厚く弔い、国家への反逆者であるとして、ポリニスの遺体を野に曝して埋葬を禁じ、背く者があれば死刑にするよう命じた。
しかし、オイディプスの末娘アンチゴーヌ(蒼井優)は、乳母の目を盗んで夜中に城を抜け出し、ポリニスの遺体に弔いの土をかけて、捕えられてしまう。クレオンの前に引き出されるアンチゴーヌ。クレオンは一人息子エモン(渋谷謙人)の婚約者で姪である彼女の命を助けるため、土をかけた事実をもみ消す代わりにポリニスを弔うことを止めさせようとする。
だが、アンチゴーヌは「誰のためでもない。わたしのため」と言い、兄を弔うことを止めようとしない。そして自分を死刑にするようクレオンに迫る。懊悩の末、クレオンは国の秩序を守るために苦渋の決断を下す。

タイトルロールのアンチゴーヌを演じるのは蒼井優、パルコプロデュース公演にはこれが初出演、10年前から繰り返し読んで思い入れのある戯曲に挑む。アンチゴーヌと対立するクレオンには、映像・舞台に幅広く活躍し、圧倒的な存在感と演技力を放つ生瀬勝久。さらに、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓ら実力派俳優陣が脇を固め、人間が社会の中で生きる矛盾と葛藤を危ういくらいスリリングに映し出し、この作品の世界観を作りあげる。

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間近に迫ってきた初日を前に、本番さながらに四方を観客が取り囲む十字型のセットを組み、日々熱い稽古をしている様子が伝わる稽古場の様子と蒼井優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓、渋谷謙人、そして演出の栗山民也、翻訳の岩切正一郎からのコメントを紹介する。
 
【コメント】
 
蒼井優(アンチゴーヌ役)
ジャン・アヌイの『アンチゴーヌ』という戯曲に出会ったのは19歳のとき。アンチゴーヌの強さがとても魅力的で、それから折に触れ、読み返してきた作品です。
その作品に今回、栗山さんの演出で出演できることをうれしく思っています。ただ、これまでは自分がアンチゴーヌを演じるつもりで読んだことはまったくありませんでした。だから今回初めて、自分が演じる前提で台本を読み、稽古に取り組んでいますが、激しい台詞の応酬シーンを稽古したあとには知恵熱が出て(笑)。そういうところからも、アンチゴーヌという女性が持つ熱量の大きさを実感しています。
それだけ挑みがいのある戯曲に、生瀬さんを始めとする素晴らしいキャストのみなさんと挑めることが心強いですし、今回は十字型になっている特設ステージでの上演。お客様には、とても近い距離から私たちの演技をご覧いただけると思うので、一緒に『アンチゴーヌ』の世界を形作っていただけたらと思います。

生瀬勝久(クレオン役)
今回、アンチゴーヌ役を蒼井さんが演じますが、話される言葉のひとつひとつが明確で、理路整然とものを考える方ですね。栗山さんが彼女でアンチゴーヌを、と思われたのも納得できますね。稽古で彼女と相対してみると、彼女はアンチゴーヌの純粋かつ強い台詞を自分のものにすることで、言葉に説得力を与えているのだな、と感じます。
この作品は古代ギリシャで書かれた戯曲を原典に、フランスの劇作家ジャン・アヌイが1940年代に執筆したもの。今も読み継がれる古典が元になっているだけあって、人間の真理が深く描かれています。
こう言うと難しく感じられるかもしれませんが、描かれるのは本当にシンプルで普遍的なテーマ。どなたがご覧になっても、それぞれに感じるところのある作品に仕上がっていると思います。老若男女を問わず、ご覧いただいた方には観劇のあと、自分の中になにが生まれたのかを確かめてみていただけたらうれしいですね。

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梅沢昌代(乳母・コロス役)
私は今回、アンチゴーヌに仕える乳母、そしてコロスの二役を演じます。乳母はアンチゴーヌというお姫様の側にいる存在なので、栗山さんからは「浅草っぽい庶民感は出さないように」という指示をいただいて(笑)。そこを意識して稽古をしているところです。
私自身、この戯曲に触れて思うところがありましたが、これをご覧になるお客様方も、今の世の中や自分の生き方に対して、なにか疑問を見つけられるような気がします。みなさんの心の中で尾を引くような作品になるよう、今回の役を務めたいと思います。

伊勢佳世(イスメーヌ・コロス役)
栗山さんの演出を受けるのは今回が初めてなので、とにかく栗山さんのイメージに必死でついていく日々。でも、栗山さんの演出を受けることで、今まで自分の中にはなかった感覚を発見する瞬間もあって楽しいです。
今回演じるイスメーヌは、アンチゴーヌに残された唯一の家族。イスメーヌにはアンチゴーヌを見守りたいという気持ちがある。稽古を通じてそう感じるようになってきました。彼女のそういう部分を(蒼井)優さんと共有し、大事にしながら演じたいです。

佐藤誓(衛兵役)
この作品は特設ステージで上演されますが、舞台装置については栗山さんから、交差点をイメージしたものだと伺いました。この作品にふさわしいステージになっていますが、舞台のとても近くに客席がありますし、周りをお客様に囲まれながら演技をするのは緊張しますが、楽しみでもあります。
栗山さんの頭の中には衛兵を含め、作品のイメージができあがっているので、そこにどれだけ近づけるかが勝負。庶民として生きる衛兵の姿をしっかり演じたいと思います。

渋谷謙人(エモン・第二の衛兵役)
初めて台本を読んだときから、アンチゴーヌに惹かれるエモンの気持ちが自分の中にスッと入ってきたので、そこを手がかりに稽古を進めることができました。本当に素敵な台詞がたくさんある台本です。それを俳優たちが発したときに生まれるものを、ご覧になる方々に確かめていただけたら、と思っています。

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岩切正一郎(翻訳)
稽古を観たときに、アンチゴーヌ役の蒼井さんを主旋律に、ジャン・アヌイの言葉がポリフォニックに響いてきて、台詞をより際立たせる栗山さんの演出の力を感じました。
アンチゴーヌは裸足で野原に入ったり、さわやかな空気を感じたくて朝早く起きたり、自然を一瞬のうちに深く感じることが自分の生き方だと思っている女性。一方クレオンは、社会の中でささやかな幸福を噛みしめるように生きる大人の男性です。2人の対立から今の時代、聞こえにくくなっている声、「Non」の声を聞き取る。そこに私は、今この作品を上演する意味を感じています。

栗山民也(演出)
『あわれ彼女は娼婦』(’16年)を演出した際、蒼井優が自分の全身に問いかけながら演技し、声や感情の流れ方を役に重ねられる俳優だと知った。『アンチゴーヌ』をやるなら彼女だと思った。そして、声に奥行きのある生瀬勝久も、この作品にふさわしい俳優だと思った。
世界や人間にはひとつの絶対的な答えなどない。「YES」と「NO」の間には、無数の解答が隠されている。そこから自分自身はなにをどう選ぶのか。この戯曲にはその命題がたくさん含まれている。
このカンパニーには稽古で、その場でしかできないことを追求する俳優が揃った。彼らの感性と全身を使って、かつて存在した人々の言葉と行動を今に響かせて、この戯曲に含まれた命題に挑んでいる。
この世界の多くの問題は、方程式では解くことができない。だからこそ、この演劇を通じて、1人で世界に立ち向かった少女の、その問いの意味について考えたいと思っている。

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〈公演情報〉
パルコ・プロデュース2018 
『アンチゴーヌ』
作◇ジャン・アヌイ  
翻訳◇岩切正一郎   
演出◇栗山民也 
出演◇蒼井 優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤 誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子
●1月9日〜1月27日◎新国立劇場 小劇場〈特設ステージ〉
〈料金〉9,800円 U‐25チケット 5,000円(全席指定・税込)
●松本、京都、豊橋、北九州公演あり
〈お問い合わせ〉パルコステージ 03-3477-5858(月〜土 11:00〜19:00/日・祝 11:00〜15:00)





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木野花演出の『クラウドナイン』破天荒な舞台の稽古場公開!

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入江雅人、宍戸美和公、平岩紙、石橋けい、正名僕蔵
木野花、三浦貴大、高嶋政宏、伊勢志摩


木野花の演出による舞台『クラウドナイン』が、12月1日より東京芸術劇場シアターイーストにて上演される。その稽古場がこのたび公開された。
 
『クラウドナイン』は、英劇作家キャリル・チャーチル作のイギリスの植民地だった時代のアフリカを舞台にした、ある家族を中心とした、バカバカしくも切ない破天荒なホームドラマ。
本作は実はとんでもない、ぶっ飛び設定満載の衝撃作。登場人物を演じる役者が一幕と二幕で変わるうえに、さらには登場人物の性と、演じる役者の性が変わる!ゲイカップル、レズカップル、不倫、少年愛まで出てくる赤裸々な性描写も満載。
本作では、一幕では三浦貴大がドレスを着て初の女性役に挑戦し、眦萓宏演じる一家の家長クライヴの妻・ベティを演じる。また、一幕では威厳のある家長・クライヴを演じていた眦萓宏が、二幕では心は乙女なゲイを演じ、5歳の少女役を現在47歳である正名僕蔵が演じる。
一幕と二幕で役柄がガラリと変わり、1作のなかで、二つの役を演じる俳優の姿を観ることができるという、個性派俳優たちの魅力を堪能できる舞台となっている。

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【あらすじ】
イギリスの植民地だった時代のアフリカ。この地を管理するために、本国からやって来たある家族の物語。
家長のクライヴ(眦萓宏)は、国家と常識を重んじる男らしい父親。だけど時折り襲う嵐のような欲望の奴隷。その妻ベティ(三浦貴大)は、夫を愛する貞淑な妻であろうとするあまり、夫の友人にも愛情のおすそ分け。一人息子エドワード(平岩紙)は、父親に認められる強い男になりたい!と願いつつ、夢中になるのはお人形遊び。家族が平和であれ,,と、全てを見て見ぬふりの祖母のモード(宍戸美和公)。
そこに隣人の、欲望のままに生きるハガネの女ソンダース夫人(伊勢志摩)、一見ワイルドなイケメン探検家ハリー(入江雅人)、男を知らない純情な家庭教師エレン(石橋けい)、そして、両親をイギリス兵に殺された従順な召使いジョシュア(正名僕蔵)が加わり‥‥
理想の自分と現実の自分自身。そのギャップに右往左往しながら暗中模索する、不器用な家族の、バカバカしくも切ない25年間の成長の軌跡。

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【囲み取材コメント】

木野花 
ここから追い込みの時期なので、皆がどれだけ体力的・気分的に限界に挑戦してくれるかが勝負だと思います。初演を上演した時は私も38歳でまだ若く、必死で脚本に食らいついて力任せにぶつかっていった感じで、一人で格闘していたので、やり残した思いが大きかったです。今回は役者を見ながら一緒に話し合って作っていくのが目標で、三回目ですが初演のように新鮮な気分で取り組んでいます。
全体として、もっと笑える芝居だと思うのですが、このメンバーだったらいけると思います。一人一人が面白いキャラを持っているので、お客さんが入ってどうなるのか楽しみです。

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眦萓宏
 
早く本番になって欲しいです。稽古場では木野さんが女王様のようなカリスマ調教師のように皆を導いてくれています(笑)。三浦君は本読みの時から女性っぽかったので、よく飲みに行くニューハーフの方みたいで、本当にただの “大きい女の人”という感じで全く違和感がないです。1幕と2幕で役が変わるので、休憩中に切り替えるのが大変ですが、それぞれだけでも完結出来る物語なので、二度美味しい作品だと思います。

伊勢志摩 
稽古の初日はトンネルの向こうに木野さんがいて“頑張ってたどり着かなければ”という感じでしたが、今はもう姿が見えて最後のダッシュをしているところで、トンネルを抜けると思いがけない派手でビビットな芝居になっていると思いますので、早く飛び出したいです。1幕の役はいつもやっているような自分に近いところでやれるのですが、2幕の役は全く違ってコルセットを着て矯正されているようなイメージで、精神的にも厳しいですが新たな発見もあって楽しんでいます。

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三浦貴大 
舞台は二回目でまだ客観視出来ないですが、徐々に役の心情も掴めて来たと思います。1幕で女性を演じるのですが、木野さんに見てもらいながら、歩き方の練習から始めて、足の毛も剃ってみました。意外と剃るのが大変だったり、足が汚かったり、“女性はこんなにも大変な努力をしているのか”と初めて知りました。今では私生活でも内股になりがちになっているので、それを直すのが大変です(笑)。

正名僕蔵 
先程の木野さんの「さらに追い込む」という話を聞いて尻込みしていますが、こらえて更に密度を濃くしていけたらと思います。1幕は抑圧された役で、2幕は5歳の白人の女の子で駆け回ってはしゃいで怒られるので、役の振り幅というか、運動量の差にまだ慣れないですが、頑張りたいと思います。
 
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平岩紙 
稽古場で客観的に見ていると凄く面白いのですが、自分はまだまだだと思うのでもっと掘り下げていきたいと思います。私は1幕2幕どちらの役も共通して純粋さを持っているので、心は一つで出来るので演じ分けやすいなと思います。何気ないシーンの会話が面白くて、1幕と2幕でがらりと変わるのが見どころだと思います。

宍戸美和公 
木野さんに尻を叩かれて今日まで来ました。衣裳を着て、(気分が)のれそうな気がしましたし、2幕のキャラクターは初演では出ていない初登場のキャラクターなので、自由にやらせて頂いています。

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石橋けい 
日々面白く変わっていっているので、ラストスパートで頑張りたいと思います。1幕と2幕でどれだけ気持ちを切り替えられるかが大変ですが、2幕では私の息子役をされる宍戸さんとのシーンを楽しんでいます。

入江雅人 
衣裳を着た時に、三浦君が女性を演じるバカバカしさがより浮かび上がって来たと思うので、早くお客さんの前でやりたいです。1幕の探検家の役は色んな人に手を出す役なので、面白く出来たらと思いますし、逆に2幕は笑いを誘おうと思わず真摯に演じようと思います。


ROLLYによる劇中歌歌唱が決定!
 
また今回、ROLLYが舞台『クラウドナイン』の劇中歌「クラウド9」を歌唱することが決定!
戯曲にある「クラウド9」の歌の歌詞を、フィギュアスケートの浅田真央がプログラムで使用したことでも記憶に新しいアラム・ハチャトゥリアンの名曲「仮面舞踏会」にのせて歌唱する。
「クラウドナイン」とは、真夏の抜けるような青空に浮かぶ積乱雲(入道雲)という気象用語が転じて、幸福の絶頂の“ハイ”な気分をさす。 その“ハイ”の気分を歌った「クラウド9」の歌。ワルツのリズムにのせ、揺れるような、まるで狂ったかのような世界に引き込む、ROLLYの歌声は必聴!

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【OLLYコメント】
Q1.舞台「クラウドナイン」に歌唱で参加するというオファーを受けての率直な感想をお聞かせください。
世界中に何万人もいるであろう歌い手の中からよりによって私ROLLYに白羽の矢が突き刺さった事に正直、何故?と驚きました!
Q2.実際、戯曲にある歌詞をハチャトリアンの「仮面舞踏会」にのせて歌うという収録をしてみていかがでしたか?
元々、歌が入っている楽曲では無いので演出家の木野 花さんと2人、スタジオで向かい合い、その場で詞にメロディを創作しながら録音した事は、私にとって実に有意義な経験でした。
Q3. お客様に向けてPRコメントをお願い致します。
ROLLYです!私が熱唱する世にも不可思議な「仮面舞踏会」がクラウドナインの舞台で、一体どの様に使われているか是非是非お楽しみにね!気に入って貰えると光栄です!

〈公演情報〉
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モチロンプロデュース 『クラウドナイン』
作◇キャリル・チャーチル 
翻訳◇松岡和子 
演出◇木野花
出演◇眦萓宏 伊勢志摩 三浦貴大 正名僕蔵 平岩紙 宍戸美和公 石橋けい 入江雅人
●12/1〜17◎東京芸術劇場 シアターイースト
〈料金〉6,800円 ヤング券3,800円(22歳以下、チケットぴあ前売のみ)(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉大人計画03−3327−4312(平日11:00〜19:00) 
●12/22〜24◎OBP円形ホール
〈料金〉7,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570−200−888 (平日10:00〜18:00)
 http://otonakeikaku.jp/2017cloudnine/



【資料・稽古場写真提供/モチロンプロデュース】



『江戸のマハラジャ』
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細貝圭、佐藤祐基、加藤虎ノ介で三人の孤児たちの共生と再生を描く『オーファンズ』稽古場レポート

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佐藤祐基、加藤虎ノ介、細貝圭

三人の孤児たちの深い孤独と再生を描き、幾度となく上演されている名作舞台『オーファンズ』が、細貝圭、佐藤祐基、加藤虎ノ介の出演、マキノノゾミの上演台本・演出で、10月14日〜15日、兵庫・西宮の兵庫県立芸術劇場文化センター阪急中ホール、10月18日〜22日、東京・青山の草月ホールで上演される。

『オーファンズ』は、蝕まれた魂が愛によって癒されていくというテーマで描かれた、ライル・ケスラーによる作品。1983年ロサンゼルスでの初演以降、世界各国で上演され続け、1987年には米国で映画化。また2013年にはトニー賞リバイバル作品賞と、主演男優賞にノミネートされるなど、今尚、不朽の名作として愛され続けている。日本では市村正親主演で劇団四季により1896年に本邦初演。以来、さまざまなカンパニーや俳優たちによって上演され、椎名桔平、伊藤高史、根津甚八、吉原光夫、など多くの俳優たちが熱演。直近では柳下大、平埜生成、高橋和也のキャストで、昨年2月に上演されている。
そんな作品に今回挑むのは、細貝圭、佐藤祐基、加藤虎ノ介。上演台本と演出はマキノノゾミが手がけ、名作を現代版として浮かび上がらせていく。

そんな作品の公開稽古が10月都内で行われ、作品の冒頭1場、2場が演じられた。

【1場】
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粗末な家具と、ゴミが散乱する室内で、落ち着きなく動き回っているフィリップ(佐藤祐基)の、どこか動物的な行動を写し出して場面ははじまる。そこに、兄のトリート(細貝圭)が戻ってくる。

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トリートは道行く人から奪い取った財布や貴金属を品定めしながら、時に激昂し、時に優しく弟に接する。この廃屋のような部屋で、トリートはフィリップを護り、かつ支配していて、弟が外の世界との接点を持つことを、極度に嫌っていることが伝わってくる。
 
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【2場】
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続くシーンでは、飲んだくれたトリートが、やはり泥酔状態のハロルド(加藤虎ノ介)を連れて家に戻ってくる。実はトリートは酔っているフリをしているだけで、ハロルドの持っていた鞄からいつものように金品を盗み、そのまま放り出すつもりでいた。

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だが、ハロルドが持っていた現金、有価証券などの桁違いの多さに、トリートは計画を変更。ハロルドを監禁し、もっと大きな金銭を得ればフィリップと二人、新しい生活をはじめられると企てる。だが、それは二人だけで完結していた世界に、他者を招き入れることであり……。

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この世界が新たな展開を見せることを予見させて、公開稽古は終了。続いて、出演の細貝圭、佐藤祐基、加藤虎ノ介、演出のマキノノゾミが囲み取材に応えて、公演への抱負を語った。

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佐藤祐基、加藤虎ノ介、細貝圭、マキノノゾミ

【囲みインタビュー】

──演出をしていて感じるこの作品の魅力は?
マキノ 少人数で稽古しやすい(笑)、あぁ、そういうことじゃなくて(笑)。すごく人間が剥き出しになっている話なので、俳優それぞれが嘘をつけない、剥き出しのままぶつかり合わないといけない。それは稽古自体がそうなので、僕にとっては稽古場が楽しいということは魅力なんだけど、俳優三人がガッツリやっているのを見られるのが魅力だし、観劇される方も男三人がガッツリ芝居をしているのを観られるのが魅力なんじゃないでしょうか?
──台本を読まれた時と、実際に稽古に入ってみて感じ方などは変わりましたか?
細貝 僕は翻訳劇をやったことも観たこともあまりなかったのですが、台本がとにかく読み易くて世界観にスッと入っていけるという印象でした。でも、いざ稽古に入ってみると本当に繊細なお芝居なんだなということが改めてわかって、だからこそやり甲斐があるし、三人しかいないということで、尚更繊細なところを三人の空気感の中でやっていくところに、個人的にはとてもやり甲斐を感じています。
加藤 そうですね。少人数であるということと…(しばし考えて)とにかく理屈ではないというところ、没頭していることが俺にとっては魅力です。「ここを見てくれ!」とかそういうことではなくて、今とにかく夢中になってやれている作品で、身体も頭もぱつんぱつんに疲れているんだけれども、ちょっとでも隙間があったら台本を読んでいる。そういうことができる時間が自分にとってはすごくありがたいことなので、そこが自分にとっての魅力です。
佐藤 毎日頭も心も身体もフル回転でやらせてもらっていて、やっと膨大な台詞も頭に入り、台本から離れて、探求している作業が1番楽しいです。噛めば噛むほど味が出る作品ですし、毎回稽古する度に「ここはこういう解釈でもいいのかな?」というものが生まれやすい作品だなと思います。とにかく男三人で演じているのが気持ち良いです。
 
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──演出家から見た三人の印象は?
マキノ 印象ですか?もっともらしい答えと、正直な答えとどっちが良い?
三人 (爆笑)。
──では取り混ぜて。
マキノ 三人それぞれ違うんですが、三人共今回一緒にやるのが初めてなので、1本芝居を作ると、例えばこいつはできあがるのが遅いんだな、とかね、データとして入ってくるんだけれども、最初だからね。かなり飛ばして無茶を言ったって、それに対する耐性がある人と、知恵熱が出たりする人がいますね。まぁ誰が誰とは言わないけど(笑)。人って引き裂かれる状態の時ってもともと魅力的に見えるので、トリート役の細貝にしても、すごく狂暴なところとそれを必死で抑制している時や、弟に対する支配と愛情と、その弟が自分から離れていく寂しさ、孤独、そういう色んな要素があって、大きく引き裂かれていくほど人って魅力的でセクシーだと僕は思います。ハロルドの加藤もどこまで与えるか、辛抱強く与えるのかとか、フィリップの佐藤は今まで開かれていなかった世界がどんどん開かれていく、すごく大きな落差や、引き裂かれた状態にもっていければ、この三人がとても人間的に色っぽく見えると思うので、それを目指しています。答えになっている?感じよく言おうとするのって難しいんだよね(笑)。
三人 (爆笑)。

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──細貝さんはアメリカ生活が長かったと思いますが、この舞台の風景などには親近感が?
細貝 僕が貧乏だったということですか?(笑)
──いえいえ。でも何かリアリティーを感じる部分は?
細貝 結構危ない通りとかあるんですけれども、そこには基本的に立ち寄らないようにしていましたし、基本的に英語で喋っている時と、日本語で喋っている時とは、全く感覚的に違うので、融合させるのはなかなか。
佐藤 でもトチった時に出ますよ、決して書いてはいけない言葉が(笑)。おー、アメリカ!みたいに(笑)。
──やはり弟さんの名前を呼ぶ時に発音が違いますね。
細貝 嘘でしょう!?(笑)普通にフィリップって呼んでますよ(笑)。
加藤 そういうことにしとけよ(笑)。
細貝 ああわかりました(笑)、そういうことにしといてください(笑)。
──役を演じる上でそれぞれ大切にしていることは? 
細貝 僕がよくマキノさんに言われるのは「ビートを刻んでろ」と。すごいんですよ、すぐキレるし、感情のアップダウンが激しいので、いつも落ち着きなく色々なことに気を張っている人間だってことを意識しろと言われているので、それを大切にしています。
加藤 これまた難しいな。ただ必死になってやっていて、一番この中では歳とっていますが、1回1回全力で、1日たりとも無駄にしないつもりで、気持ちだけでもせめて負けないというつもりです。
佐藤 フィリップという役はすごくピュアだし純粋なので、常に新しい発見をしていて、常に新しい「?」を見つけるように、というのをとても意識しています。

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──では、皆さんにメッセージを。
細貝 たくさん上演されてきた『オーファンズ』ですが、僕らにしか、この座組にしかできない『オーファンズ』になっていると思うので、たくさんの方に観て頂きたいですし、翻訳劇に対して敬遠されている方も、本当にスッと入れる翻訳劇なので、是非1回お試しあれ、ということで是非ご来場ください。
加藤 本当にその通りなんですよね。
細貝 ズルいよ!(笑)
加藤 だってさ(笑)。
細貝 ここですよ、キメるところは!
加藤 僕自身も翻訳ものって敷居が高い気がしていたのですが、この台本を頂いた時にすごくスッと読めたし、楽しめたので、ちょっと翻訳ものはな…と思っている人でも、スッと楽しんで頂けたらと思います。

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佐藤
 僕らの座組では「たちどころにできろ!」というマキノさんのお言葉がありまして「できろ」という言葉は存在しないのですが(笑)、男三人が汗をだらだらかきながらやっている三人芝居を、是非劇場に観に来てください。たちどころにできているように頑張ります!
マキノ テーマ自体はとても普遍的なものを持っていると思います。シンプルで。でもとても深いですし、尚且つ観ていて退屈せずに、あっという間に終わる芝居を目指していますので、是非構えずにいらしてください。理解できる、よくわかるお芝居です。そして今日は1幕の頭をご覧頂きましたけれども、1幕と2幕でまたガラっと変わりますので、そこも見どころですね。「どうしたお前たち!?」っていうくらいビジュアルが変わったりもするので、色々楽しめる要素の多い、濃密な三人芝居です。秋に観るには良い芝居なんじゃないでしょうか。
佐藤 ああ確かに。
マキノ 10月に観るにはピッタリの芝居なので。
佐藤 さすがです!
マキノ 是非いらしてください。

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〈公演情報〉
オーファンズキービジュアル
 
『オーファンズ』
作◇ライル・ケスラー  
翻訳◇小田島恒志 
上演台本・演出◇マキノノゾミ
出演◇細貝圭 佐藤祐基 加藤虎ノ介
●兵庫公演 10/14・15◎兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
〈料金〉6,000円(税込・全席指定)
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00〜17:00月曜休)
●東京公演 10/18〜22◎草月ホール
〈料金〉6,500円(税込・全席指定)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(全日10:00〜18:00)



【取材・文・撮影/橘涼香】



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