観劇予報

えんぶ4月号

稽古の現場

いよいよ開幕! Dステ 19th『お気に召すまま』本番直前、快調な稽古が進む稽古場レポート

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「こんなに笑えるシェイクスピアは初めて」と好評を博してきた青木豪演出による、Dステのオールメール・シェイクスピアシリーズ、第3弾として登場する、『お気に召すまま』が、10月14日〜東京・本多劇場で上演される(30日まで。のち、11月12、13日、山形・シベールアリーナ、11月19日、20日、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールでも上演)。

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シェイクスピア喜劇の中で最も幸福な物語とも言われる『お気に召すまま』を、青木豪がDステに合わせて、ここにしかない笑いを取り入れた上演台本と、演出で組み立てるとあって、その面白さは保証つき。たくさんの恋が交錯する、胸キュンもののハッピーストーリーが構築されている。最終版を迎え、きっちりと組まれたセットの中で進められていた稽古は、テンポよく、それでいて綿密な、1つの台詞、1つの動きを丹念に繰り返しながら続いていた。

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この日は、俳優集団D-BOYSの若手の出演者を中心に、アーデンの森の中でのシーンの稽古が行われていた。高慢な女羊飼いフィービー(山田悠介)に恋する羊飼いのシルヴィアス(大久保祥太郎)、2人の掛け合いが楽しい。特段声を高く作ったりはしていないのに、山田はきちんと仕草と存在感で、高飛車な女性を演じているし、彼女にメロメロの役どころの大久保が、ひたすら後を追う姿はまるで、いたいけな子犬のよう。強気の女性と、言われっぱなしの男性というのは、今の時代にも通じるものを感じさせるカップルだ。

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そんなフィービーが、従兄弟のシーリア(西井幸人)と羊飼いのコリン(三上真史)を連れた、男装のロザリンド(前山剛久)にやりこめられ、一目惚れしてしまう展開がまた面白い。演出の青木豪は、フィービーの変化を的確なアドヴァイスで確認。数回の稽古が繰り返されるごとに、確実に台詞の間合いがよくなり、動きが締まってくることに、本番への期待が掻き立てられる。

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そこから、場面は、旅人のジェイクイズ(加治将樹)、ロザリンド、シーリアらのやりとりを経て、いよいよオーランドー(柳下大)がアイドルのようにポーズを作って登場する。
柳下には軽やかさと同時に、稽古場でもキラキラしたスター性があって、目を惹きつけられる。オーランド―が、男装のロザリンドを当の本人だとは気づかずに、愛の告白の練習相手になってもらっているという、如何にもシェイクスピアらしい展開だが、そこにDステならではの軽やかさがあるのが、作品をよりPOPで、ロマンチックなものにしている。

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ロザリンドの前山は、結婚式の真似事にも、実は大いにときめいている恋する娘心を闊達に表現。シーリアの西井も、扮装写真のビジュアルの愛らしさに驚いたが、揃いのTシャツ姿でも、座り方、扇のあしらいなど、堂に行った女役ぶり。オールメールによる今回の上演が、シェイクスピア没後400年のメモリアルイヤーに相応しいレベルの高さと、楽しさを持っていることを確信した。

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特に、青木の演出が丁寧で、決して声を荒げることもなく、朗らかでいて粘り強いものだし、それに応える役者陣も真剣そのもの。出番を待つ、遠藤雄弥、牧田哲也が稽古を見つめる目も真摯で、本番に向け、ラストスパートにかかっている全員の熱気が感じられる時間となっていた。

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【青木豪インタビュー】

そんな作品を構築している演出家青木豪が、Dステ 19th『お気に召すまま』の、Dステならではの見どころや、最も大切にしているポイントなどを語ってくれた。
 
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──Dステの為に書かれた『お気に召すまま』の上演台本のポイントを教えてください。
基本的にメインどころ以外は、ほぼ皆2役以上をやっている、そこが今回の一番のウリです。『お気に召すまま』という作品は、宮廷部分と森に行ってからの大きく2つに分かれているので、原典は両者を結構行ったり来たりするのですが、上演台本の方は、極力最初は宮廷、後は森という風に分けてしまっています。その中で宮廷サイドと森サイドとで、全員2役以上やるというところが、彼らのために作ったポイントですね。シェイクスピアは『真夏の夜の夢』もそうですけれど、森に行ってから人間性を取り戻していくところがあるので、1人の人間の演じる二面性のようなものが出ればいいなと思って、キャスティング、上演台本と作っています。
──特にここが見どころというところはどこですか?
全体的になるべく笑いを多くしています。こういうことを言うのも、とも思いますが、でもどの『お気に召すまま』よりも笑いは多くしてありますので、お客様に笑って頂けたら嬉しいなと思っています。
──実際に稽古場で感じる手応えはいかがですか?
結構良いと思います。などと言って調子に乗り過ぎてもいけないので、控えめに言おうと思いながら(笑)、でもお客様にお金を払って観て頂く以上、自信を持ってお観せできるものにしないといけないので、順調に仕上がっています。

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──一番のポイントだという、2役の部分も効果的に機能していますか?
上手くいっています。今までもD-BOYSでシェイクスピアをやらせてもらった時に1人3役くらいやってもらっているんです。それは以前、翻訳家の松岡和子さんとお話させて頂いている時に、『リチャード三世』でアン王女が最初に出て来て、次に出てくるまでにすごく時間がたって、やっと出てきたら死んでいるのは何故なんだろう?と申し上げたら、「あれは他の役をやっているんです。香盤表を作るとわかりますよ」と言われたんです。それで今回『お気に召すまま』にはかなり小さな役が多いので、これ香盤表作ったらどうなるんだろう、と思って作ってみたら、確かに2役、3役やってもらって、なるべく少ない人数で上演すると、皆が色々な形で出てくるのが面白いなと。皆が演じ分けることを楽しんで頂けるのではないかと思っています。
──シェイクスピアもきっとこうしていたであろう、という読み解きですね?
そうですね。
──ますます楽しみが広がりますが、最も大切に伝えたいのはどんなところですか?
人を好きになるのは、すごく素敵なことだというのをメインに持っていきたいんです。これからの最終盤の稽古で、キュンと切なくなるところをどこまで盛り上げられるか。もうひとついけるぞ!と思っています。
──登場人物が盲目的な恋をしている人たちですよね。
しかもだいたい一目惚れなんですよね、皆。たいした理由はないんです(笑)。
──でもだからこそ良いんでしょうね。
そうだと思います。全員運命的に恋しているのがね。
──では、楽しみにされているお客様にメッセージをお願いします。
2時間ちょっとの間、劇場にきて楽しかったなと思ってもらえるように一生懸命作っています。色々なことを忘れて2時間楽しみたいなと思っていらっしゃる方是非、是非、劇場に来てください。出演者がとっても生き生きとやってくれているので、ご覧になったらきっと元気が出ると思います。純粋に「人を好きになることは素敵だ」ということを真ん中に置いてやっているので、是非楽しんで頂けたらと思います。
 
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〈公演情報〉
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Dステ 19th『お気に召すまま』
作◇ウィリアム・シェイクスピア
翻訳◇松岡和子
演出・上演台本◇青木豪
音楽◇笠松泰洋
出演◇柳下大、石田圭祐、三上真史、加治将樹、西井幸人、前山剛久、牧田哲也、遠藤雄弥、松尾貴史、鈴木壮麻、大久保祥太郎、山田悠介(台本の登場順)
●10/14〜30◎東京・本多劇場 
●11/12、13◎山形シベールアリーナ
●11/19、20◎兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
〈料金〉7,000円 召しませシート6,000円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉ワタナベエンターテインメント 03-5410-1885(全日11:00〜18:00)



【取材・文・撮影/橘涼香】


『イン・ザ・ハイツ』横浜公演




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小日向文世・秋山菜津子・安田顕らの『DISGRACED/ディスグレイスト -恥辱』最新稽古場レポート到着!

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9月10日からアヤド・アフタル作の『DISGRACED/ディスグレイスト -恥辱』が世田谷パブリックシアターにて上演される。
本公演は、2013 年、ピュリッツアー賞の戯曲部門で受賞し、2015年にはトニー賞ベストプレイ賞にもノミネートされ、ニューヨーク、ロンドンを震撼させた話題作で、演出は現代演劇界の重鎮、栗山民也で、今回が日本初上演となる。
「disgraced」は「辱める、地位や名誉などを失わせる」の意味。現代アメリカを舞台に、パキンスタン系アメリカ人の男と白人の妻、ユダヤ人の男とアフリカ系アメリカ人の妻という異なる背景をもつ4人が揃ったホームパーティーで、それぞれの信仰と社会政治の言葉の応酬はやがて驚くべき結末に繋がり、会話の表面から露呈される「人間の本質」を描く。


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【ストーリー】
 
彼は自分が成功者だと信じていた。だが、最後に掴んだものは……!
ニューヨークの高級アパートメントに暮らすアミール(小日向文世)はパキスタン系アメリカ人、企業専門の弁護士事務所に所属する優秀な弁護士だ。妻のエミリー(秋山菜津子)は白人の画家。ある日、アミールの甥エイブ(平埜生成)が訪ねてくる。エイブはアミールに、自分たちの指導者が逮捕されたので助けてほしいと訴えに来たのだ。拒否するアミール、だが妻のエミリーは助けるべきだと主張する。結局、審問に立ち合い、人生の歯車が狂いだす。ある夜アミールと同じ事務所で働く黒人弁護士ジョリー(小島聖)と、その夫でホイットニー美術館のキュレーター、ユダヤ人のアイザック(安田顕)が訪ねてくる。画家でもあるエミリーの作品がホイットニー美術館に展示されるお祝いのホームパーティだった。誰もが、成功を掴んだと思っていた、しかし、最後に掴んだものは……

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【稽古場レポート/都内稽古場より】

8月中旬、舞台「ディスグレイスト-恥辱」の稽古場。この日は、第三幕・パキスタン系アメリカ人の弁護士・アミール(小日向文世)のアパートメントで彼の白人妻、画家・エミリー(秋山菜津子)のホイットニー美術館での展示決定を祝うパーティーの場面。彼女の絵を招聘したのは、白人のユダヤ人キュレーター・アイザック(安田顕)。パーティーの参加者は彼らに加え、アミールと同じ事務所に所属するアフリカ系アメリカ人弁護士・ジョリー(小島聖)。平穏と成功の中から稽古はスタート。稽古場にはピリリとした空気が流れる。演出・栗山民也によって創り出される舞台上の“フィクション”が、大がかりな場面転換の無い構成も相まって、自らもパーティーの参加者であるような“リアル”な感覚として、脳内に入り込んでくる。

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物語は、アミールの甥・パキスタン生まれのアメリカ人・エイブ(平埜生成)が持ち込んだとある相談から動き始める。ひとたび狂った歯車は、水面に投げ入れた小石のように波紋を広げ、いつしか全員を巻き込む荒波と化していく。一言、また一言と放たれるたび、引き返せたはずの瞬間を誰も気づかぬまま通り過ぎ、取り返しのつかない荒波と化していく。立場が違えば本来異なるはずの「正義」の定義が共通のものとしてこの世界を覆っている現実の「嘘」が、舞台上で曝け出されていく。胸をえぐられるような感覚になる。男性と女性、イスラムとユダヤ、白人と有色人種。舞台上に、スピード感を持って世界の縮図が映し出される。本作のキャッチコピー「日本を代表する俳優陣が挑む!」に恥じぬ重厚な雰囲気は、開幕までまだ数週間ある稽古からも感じられた。

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〈公演情報〉
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『DISGRACED/ディスグレイスト −恥辱』
作◇アヤド・アフタル
訳◇小田島恒志・小田島則子
演出◇栗山民也
出演◇小日向文世、秋山菜津子、安田顕、小島聖、平埜生成
●9/10〜-25◎世田谷パブリックシアター
〈料金〉 S席8,800円 A席7,800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
●9/27◎日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
●9/30〜10/2◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
公式サイト:www.disgraced-stage.com


【撮影/矢野智美】




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32名の若手俳優たちが勢揃い!『露出狂』フォトセッションとワークショップ

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ZEPPブルーシアター六本木にて9月30日から開幕する『露出狂』公演の、キャスト、スタッフによる初顔合わせが29日行われた。32名のキャストが勢揃いしてのフォトセッションと、本作稽古前の全員によるワークショップのレポート、またコメントをご紹介する、

32名のキャストは、チーム露(あらわ)、チーム出(いずる)、チーム狂(くるう)の14人×3チームに分けられ、それぞれ異なるキャスト、配役で上演される。中でもチーム狂はU-23の俳優だけでの上演となる。
まずは作・演出の中屋敷氏を筆頭に、チーム露、チーム出に出演する4名のキャストが代表で挨拶した後、初めて集まったオールキャストによる写真撮影会となった。

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フォトセッションの後、それぞれのキャスト同士のコミュニケーションを高めるためのワークショップが行われた。わずかな時間内にいち早く二人組のカップルを作るトレーニングや、鬼役のキャストが10数える間に残った31名で人形を隠し、鬼がその人形を探し当てようとする間に他の31名がリアクションをしながら隠し通せるかどうかといったゲームなど、お互いを知らない大勢のキャストが1つの目的のために向かうための結束力、演技の連携を図るワークショップとなった。

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本作の出演者は、多くがオーディションを勝ち抜いた若手俳優たち。劇団での舞台経験や2.5次元ミュージカルでのレギュラー出演経験なども持つ実力派の若手から、今回が初舞台という新人までが混在している。本格俳優への登竜門として、前回、2012年のパルコ・プロデュース作品でも多くの業界関係者が劇場を訪れていて、実力を品定めした後に大きな舞台へ飛躍していった俳優たちが続出している作品だ。この32人のキャストから、どのくらいの俳優たちが大舞台へと飛び出していくかも本作の見どころとなる。

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【コメント】
中屋敷法仁(作・演出)
世の中にはいろんなイケメン俳優とかおもしろい俳優さんがたくさんいますが、この32人ほどバラエティ豊かな若手俳優たちはいないと思っています。中でもU-23の“チーム狂(くるう)”は舞台経験のない人までいる、若くて可能性のある人ばかり。この作品の新たな側面を、今回の皆さんから見せてほしいと思っています。3つのチームに分かれて、いろんな俳優さんにキャラクターを演じてもらうのは、僕自身もお客様に負けないくらい楽しみです。 舞台「露出狂」お見逃しなく!!

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市川知宏
「露出狂」は、これまでにも上演されたことのある作品ですが、これまでと同じではなく、どのチームもそれぞれに個性が出るようにしたいと思います。以前出演した舞台で「倒れるなら後ろにではなく、前に倒れろ」と言われた言葉が今もとても心に残っているので、今回も前のめりに演技する気持ちを忘れないよう頑張りたいと思っています。

陳内 将
「露出狂」に出てくるのはセンシティブな選手(キャラクター)が多いので、作・演出の中屋敷さんにはゴールキーパーになってもらって、僕は稽古でもどんどん攻めて、闘っていきたいと思います。これから自分が演じる役は、これまで他の俳優さんや女優さんが演じられているので、マネではなく自分たちの「露出狂」を創っていきたいです。
 
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小沢道成
32人の俳優と中屋敷さんで、ここでしか観ることができない演劇を創りたいと思っています。楽しみに待っていてください。

永島敬三
「露出狂」にはいろんなキャラクターが登場しますが、これまでいろんな俳優さんが演じてきました。今回はこの企画だけで一つのキャラクター3人の役者が演じるので、ご期待ください!

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〈公演情報〉
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パルコ・プロデュース
『露出狂』
作・演出◇中屋敷法仁
出演◇市川知宏、陳内将、小沢道成、永島敬三/小野一貴、川合諒、ケイン鈴木、高良亘、紺野真、
坂口涼太郎、渋谷謙人、鈴木勝大、砂原健佑、田中穂先、畠山遼、松井薫平、松井勇歩、見雪太亮/赤楚衛ニ、石賀和輝、井藤瞬、小松直樹、佐藤信長、三原大樹/井澤巧麻、池本啓太、菊池修司、鈴木翔吾、盒粁げ検中山龍也、飛葉大樹、三永武明
●9/30〜10/10◎Zeppブルーシアター六本木
〈料金〉 チーム露(あらわ)・チーム出(いずる)¥6,000(全席指定・税込)※9月30日(金)〜10月2日(日)は前半戦割引として各席種500円引きにて販売。
チーム狂(くるう)[23歳以下の俳優だけによる回]¥5,000(全席指定・税込)
U-23チケット¥4,000(観劇時23歳以下対象・当日指定席券引換・要身分証明書)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
〈HP〉http://www.parco-play.com/web/program/rsk2016/






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プレミアム・ファンタジー・アクト・シアター『カルメン〜ドン・ホセの告白〜』稽古場レポート

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不朽の名作『カルメン』を斬新な解釈と構成で作り上げるプレミアム・ファンタジー・アクト・シアター『カルメン〜ドン・ホセの告白〜』。その出演者座談会に引き続いて、稽古場の様子をお届けする。

ヴァイオリニストの川井郁子が、奏でながら踊りながら演じるカルメンと、ダンサーでありエンターティナーである東山義久が踊り演じるホセを中心に、個性豊かなキャストたちの顔ぶれで独自の世界を創造する上田遙の『カルメン』。ダンス界に常に新風を吹き込む上田ならではの世界観が、今回も構築されていて、役柄のキャラクターを前面に打ち出したダンス、ドラマ性の強いシーンが次々に展開され、まだ場面の一部でありながら、すでにそこには物語が動きうねりはじめている。

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まずは輪になってのパルマ(手拍子)。手がカスタネットのように鳴り響く。床を踏みならすサパテアードも力強い。ダンスミストレスのHARUMI(上田はる美)はフラメンコの専門家でもある。

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中塚皓平を中心としたガルシア一味のダイナミックなダンス。
 
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森新吾のガルシアに翻弄されるホセの東山義久。受け身の演技とダンスが多い場面だけに、憂いさえ感じさせる表情にホセの苦悩が伝わる。

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出番を待つ長澤風海は「死」の役。そのしなやかなで宙を舞うようなダンス力をどんなふうに発揮してくれるか楽しみだ。

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上田遙は1人1人に振りの意味を解説しながら、個々の動きとトータルのステージングを作り上げていく。 

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森新吾はすでに全身でガルシアに入り込んでいる。後ろには仲間役のTAKA、咲山類が控えている。

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ガルシア一味は新入りのホセを翻弄する。和田泰右、小寺利光、AMI、HARUMI。
左後方では、エスカミリオ役の大柴拓磨が皆の動きを見つめている。

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人生を狂わすファムファタールに出会ってしまったホセ。東山義久が表現する情熱的な愛と転落のドラマは大きな見どころだ。

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アグレッシブな音楽に合わせて跳ねるように踊る。この躍動感は今回のカンパニーの大きな魅力だ。

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ガルシアの猛々しさを表現するダンス。飛び込んで小寺利光に抱えあげられ、飛び降りてすぐ中塚
平に再びリフトされる森新吾。その敏捷さも素晴らしいが、全身で飛び込んでくる森をしっかりと受けとめるメンバーたちの力強さにも驚嘆する。
 
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アクロバティックでありながらアーティスティック、個々の高い技術力を存分に発揮させる上田遙の世界。この中にヴァイオリンを奏でながら踊る川井郁子が加わることを想像すると興味が尽きない。

このプレミアム・ファンタジー・アクト・シアター『カルメン〜ドン・ホセの告白〜』は、いよいよ8月4日からその幕を開ける。(7日まで。青山・草月ホールにて)


〈公演データ〉
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プレミアム・ファンタジー・アクト・シアター
『カルメン〜ドン・ホセの告白〜』
台本・演出・振付◇上田遙
音楽監督◇川井郁子
作曲◇川井郁子、T-LAYLA
出演◇川井郁子、東山義久、森新吾、大柴拓磨、長澤風海
AMI、HARUMI、TAKA、咲山類、小寺利光、中塚皓平、和田泰右
東間一貴、井本響太(ギター)
スペシャルゲスト 朱次Zhu Han)
●8/4〜7◎草月ホール
〈料金〉8,000円、カジュアルシート(3階指定席)6,500円、注釈付指定席 8,000円(※ステージの1部が見えにくい可能性あり)(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉カルメン公演事務局 03-3492-5300(平日14:00〜18:00)


※ 朱爾気鵑漣爾脇へんに含と書きます。



【取材・文/榊原和子 撮影/アラカワヤスコ】


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松井玲奈を中心に若き役者たちの熱がほとばしる『新・幕末純情伝』稽古場レポート

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松井玲奈の沖田総司が悲しみとともに人を斬り、石田明の坂本龍馬が新しい日本の夜明けのために命を賭けて奔走する!
つかこうへい七回忌の特別公演『新・幕末純情伝』が、6月23日からの天王洲 銀河劇場を皮切りに開幕する。つかの命日の7月10日は、ちょうど紀伊國屋ホール公演の真っ只中という、ひときわ思いのこもった今回の公演で、主役の沖田を演じるのは昨年SKE48を卒業したばかりの松井玲奈。これまで藤谷美和子、広末涼子、石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲ら名だたる女優たちが演じて高い評価を受けてきたこの役で女優としての1歩を踏み出す。

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また維新の志士・坂本龍馬には石田明、新撰組の土方歳三には細貝圭、岡田以蔵には早乙女友貴、桂小五郎に味方良介、勝海舟には荒井敦史など、若手の注目俳優たちが顔を揃えている。
そんな公演の稽古場が6月初旬に公開された。熱気溢れる稽古の様子を、写真とともにお届けする。

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【STORY】
徳川260年の泰平の世が、今まさに崩壊せんとしている文久3年。武士になりたい一身で、京都への道を急ぐ一群の男達がいる。近藤勇率いる、新撰組。その隊士の中に「女」がいた。沖田総司。小さい頃から男として育てられ、ただひたすら剣の修行を強いられてきた孤独な女――。
風雲急を告げる、時は幕末。勤皇、佐幕が入り乱れる動乱の京の街で、総司は愛する土方歳三のため、一人、また一人と勤皇の志士たちを斬り続ける。そして、そんな総司の前に、一人の男が立ちふさがった。その男こそ、日本に新しい時代をもたらす男。土佐の龍、坂本龍馬――。裏切りと憎悪渦巻く暗黒の時代、総司と土方、そして龍馬の胸を焦がす、熱い恋の行方とは?
そして、勝海舟、桂小五郎…幕末の若き志士たちが夢見た、新しい時代の夜明けとは?

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生まれは謎のまま旗本の家にもらわれ、勝海舟と兄妹として育てられた沖田総司。やがて新撰組に入り剣の腕を生かして活躍するが、そのなかで女性であることや胸の病に苦しみ、使命とはいえ人斬りをする自分に葛藤する。そんな女剣士・沖田総司はどこか儚さのある松井玲奈によく似合う。また、松井は剣道の素養があるだけに、剣の持ち方や、殺陣の太刀筋が綺麗に決まる。

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坂本龍馬役の石田明は、オーディションに応募してこの役を勝ち取ったというだけに気合い十分。長台詞を早くも自分のものにしていて、時折り関西弁のニュアンスが入るのも、龍馬の遊び心に通じるスパイスになっている。明るさと大人の男の余裕があって、松井の総司を包み込む懐の深さがあるカッコいい龍馬だ。

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坂本龍馬の見せ場の1つが、ジェットストリームの音楽とともに登場しての名台詞。「高度1万メートルの上空から見た雲海は〜」美しい風景になぞらえて総司への愛を語る言葉は、つかこうへいの詩的な言葉の力で一気に高まる名場面。
 
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龍馬に付き従う人斬り以蔵こと岡田以蔵には早乙女友貴。得意の殺陣や太刀さばきに目を奪われるのは当然として、総司の出自に以蔵が自分を重ねた台詞などで、吐き出す感情に迫力を見せる。

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龍馬を新選組へ導いた土方歳三は細貝圭だが、残念ながらこの日はほかの公演の本番中で不在。つか芝居の経験豊富な細貝が、龍馬を恋敵として対立する土方をどう見せてくれるか楽しみだ

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桂小五郎には味方良介。涼しげな容姿の中に新政府を仕切ろうとする政治力や、下層から這い上がってきた男のしぶとさとしたたかさを秘めている。

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後半に桂とその妻のエピソードが出てくる。そのシーンをより深めるために岡村が即興で演じさせた台本にはない夫婦の別れの場面。即座に対応する松井と味方。このやりとりが体に入って、桂小五郎もより人間性に陰影が増していく。
 
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勝海舟は荒井敦史。若手ながら大役に抜擢されただけあって、幕府側のキーマンとしての貫禄と押し出しは十分。総司役の松井との実年齢の近さが、2人の関係性をより強調する効果があって、総司への愛を抱きながらも政治に生きる男の葛藤をリアルに伝えてくる。

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龍馬から徳川慶喜の命乞いのため、岩倉具視に抱かれてくれと頼まれた
勝海舟。岩倉具視を演じるのは伊達暁で、芝居巧者として知られる伊達だけに、危ないシーンはハラハラするほど迫力満点だ。

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新撰組の隊士たちを演じるのは、近藤勇の久保田創を筆頭に、永田彬、黒川恭佑、須藤公一、大石敦士、吉成将、高橋邦春、縄田雄哉、村井亮らで、それぞれの個性を生かして全編で活躍。つか作品ならではの1人1人にスポットが当たるシーンも用意されている。

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岡村俊一の演出は内面を作るアドバイスが的確でわかりやすい。
「俺は無血革命ちゅうやつがやりたいんじゃ」と訴える龍馬。そのあたりの台詞が言いにくそうな石田に「無血革命のイメージを思い起こすためにはフランス革命のような流血革命を思い起こしながら喋るといい」と助言。その甲斐あって石田龍馬は台詞を無事クリア。

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幕末から明治へ、激動の時代の変化を有名無名の群像のうえに映しながら、つかこうへいならではの露悪的な台詞や下ネタの中に、それぞれの生きる本音や人が人を愛することの切なさが、鮮烈に浮かび上がる。そんな物語の中心で、時代に翻弄される女剣士・沖田総司。その儚い命の揺らぎが華奢な松井玲奈の姿に重なってひときわ切ない。
キャストほとんどが若く入れ替わった今回の舞台、つか作品の常連ベテランたちの支えはないが、そのハンディをはね返すだけの熱さが全編に溢れている。どの場面も、体当たりでぶつかる俳優たちの生命力が輝いていて、まさにつかこうへい七回忌に捧げるにふさわしい、若き役者たちの生き様で見せる『新・幕末純情伝』となっている。

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〈公演情報〉
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つかこうへい七回忌特別公演
『新・幕末純情伝』
作◇つかこうへい 
演出◇岡村俊一
出演◇松井玲奈、石田明
細貝圭早乙女友貴味方良介荒井敦史、伊達暁永田彬  ほか 
●6/23〜7/3◎天王洲 銀河劇場
〈料金〉
S席(1階・2階)¥6,800 A席(3階)¥5,800(全席指定・税込) 
7/6〜17◎紀伊國屋ホール
〈料金〉
¥6,800 (全席指定・税込) 
7/22〜24◎梅田芸術劇場メインホール
〈料金〉
S席(1階・2階)¥6,800 A席(3階)¥5,800(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉東京音協
03-5774-3030 (平日11:00〜17:00)



【取材・文/榊原和子 撮影/大倉英揮】


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粟根まこと、松永玲子ほか、キーポイントQ&A【演劇人の活力源】など連載中!
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