稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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インタビュー

舞台『銀英伝の新たな伝説が始まる! 『銀河英雄伝説 Die Neue These』永田聖一朗インタビュー

永田聖一朗 本データ9303

大人気作家・田中芳樹氏原作によるSF小説「銀河英雄伝説」。その銀河の歴史が、2018年、再び動き出した。
本作品は1982年に小説として刊行されて一躍ベストセラーになり、アニメ、漫画、ゲームなどの関連作品も多く、SFファンに語り継がれている。その小説の第一巻刊行から四半世紀の時を超えた2011年、舞台の『銀河英雄伝説』シリーズがスタート。2015年までに全11作品に渡る舞台シリーズを上演。累計動員数は約13万人に達し、惜しまれながらも幕を下ろした。
今回は新作アニメの放送にあわせて、舞台でも新シリーズが3年ぶりに上演される。その舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』で、銀河帝国側の主人公、ラインハルト・フォン・ローエングラムを演じるのは、舞台はこれが4作目になる若手俳優の永田聖一朗。コスチューム姿も凜々しい新ラインハルトに、作品と役柄への取り組みを聞いた「えんぶ10月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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ラインハルトの
若さという部分を大事に

──この作品はどんな形で知りましたか?
タイトルだけは知っていたんですけど、マンガもアニメも見る機会はなくて、出演が決まってから、見始めました。確かにSFなんですけど、会話劇というか、熱い人間ドラマだなと。
 
──演じるラインハルトにはどんな印象を持ちましたか?
カリスマ性も高くて、熱くて強い男だと思うんですけど、どこかに幼さというか、若さゆえという部分があるなと。ちょっと熱くなり過ぎてしまう部分とか、姉のアンネローゼのことになると理性を失ったり、若さゆえの過信だったり。そういう部分は自分もとてもわかるところがあるので、演じる上で、若さゆえの部分というのは大事にしていきたいと思います。
 
──舞台出演4作目でこの大作の主役ですが、プレッシャーは?
初舞台のときに思ったことなんですが、どの役だろうとやることは一緒で、そこで生き抜くこと、存在することが大事なんだなと。ですからこの作品も、ラインハルトとしてただ生き抜きたいし、そのことが楽しみというか。稽古が始まったら、どんどんラインハルトになって行くんだろうなというのが、すごく楽しみで、そっちの方が強いですね。

キャラクターを演じる
楽しさと出会って

──永田さんが俳優になりたいと思った動機はどんなことから?
地元の劇場に有名なミュージカルが来たんです。それを観て「わぁ、舞台って楽しそうだな」って。小さい頃はヒーローにも憧れてて、戦隊物のショーに行ったりしてました(笑)。
 
──憧れの世界だったのですね。そこに入ってみてどうでしたか?
最初はやはり苦しいこともありました。『テニスの王子様』に2016年から出るようになったんですけど、歌もダンスもできなかったし、できない自分も嫌いで。まだ高校生だったのですが、高校生だからといって甘えられないし、誰にも相談できなくて、家に帰って1人でシクシク泣いてました(笑)。そういう経験をする中で、少しずつ鍛えられてきて。
 
──演じる楽しさもそこで発見したのですか?
2年間1つの役をやらせてもらえることで、得るものが沢山あったんです。役を突き詰めていけるので、どうやってそのキャラクターを生き抜いていけばいいか、わかってくる。最初はそのキャラクターに見えないと受け入れられないという部分があるので、まずは形から入って行くんですけど、回を重ねていくうちにその形がどんどん染みついてきて、何も考えなくてもその形がやれたり、逆にその形を取り外しても、もともとのキャラクターに見えるようになったり。そういう経験から、キャラクターを演じるというのは面白いなと思いました。
 
──演技への柔軟性があるのですね。今回の大作も大丈夫ですね。
今はまだ稽古前なので余裕があるかもしれません。いっぱいいっぱいになってしまった状態も経験しているので。過去の自分にアドバイスしてあげたいです(笑)。
 
──最後にこの大作への意気込みをぜひ。
ラインハルト役はこれまで有名な先輩方が演じてこられた役ですが、自分がやる以上、その意味がないといけないなと思っています。ラインハルトって「誰にも負けない!」という気持ちが強いと思うんですよ。プライドも高くて。だから僕も「誰にも負けない!」という気持ちで、前作をリスペクトしつつ、超えられるように。自分なりのラインハルトとして、周りの方たちとともに、僕らの『銀河英雄伝説 Die Neue These』で、新たな伝説を作っていけたらと思っています。

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ながたせいいちろう○静岡県出身。2016年、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学9代目 菊丸英二役で本格的にデビュー。出演作品は、舞台『野球』〜飛行機雲のホームラン〜、舞台『モブサイコ100』続編など。12月28日〜『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』が控えている。

〈公演情報〉
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『銀河英雄伝説  Die Neue These』
原作◇田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)
演出◇大岩美智子 
構成・監修◇高木登
脚本◇米内山陽子
出演◇永田聖一朗    加藤将 畠山遼 釣本南 平川和宏 稲田恵司 大岩主弥 谷戸亮太
小早川俊輔 米原幸佑 伊勢大貴  小西成弥 碕理人 汐月しゅう 
海部剛史 
川上和之 大力 冨田佳孝 他
●10/25〜28◎Zeppダイバーシティ東京
〈お問い合わせ〉イープラス 0570-06-9919(全日10:00〜18:00)





【構成・文/吉田ユキ 撮影/友澤綾乃】




舞台『銀河英雄伝説』


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地人会新社第8回公演『金魚鉢のなかの少女』間もなく開幕! 堺小春・矢柴俊博・中嶋朋子 インタビュー

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国内外の上質な戯曲を取り上げて、毎回、注目の舞台を上演する地人会新社。その第8回公演として、カナダのニュージェネレーションを代表する人気劇作家、モーリス・パニッチが2002年に発表した『金魚鉢のなかの少女』を、10月6日から赤坂RED/THEAERで上演する。(12日まで)

【STORY】 
1962年秋、アメリカとソ連による一触即発の核戦争の危機、キューバ危機に世界は直面する。
主人公のアイリスは11歳、カナダの片田舎の海に面した小さな町に住んでいる。彼女にとっての危機は、キューバの危機より母が自分と父を置いて家を出て行こうとしている事だった。
アメリカ大統領がソ連に最後通告を送ったちょうどその頃、飼っていた金魚アマールが死ぬと、アイリスは浜辺に打ち上げられていた一人の身元不明の男を家に連れて来る。
男は一体誰なのか…アマールは生まれ変わって、家族を、そして世界を危機から救うのか?

家庭崩壊を阻止しようと孤軍奮闘する少女と、互いに一方通行の両親、正体不明の下宿人たちの間で繰り広げられるおかしな数日間の出来事。この作品で主人公アイリスに扮する堺小春、そして両親役の矢柴俊博と中嶋朋子に、稽古場で話を聞いた。

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中嶋朋子・堺小春・矢柴俊博 

一筋縄でいかない多様性のある物語

──この作品を最初に読んだときの印象から聞かせてください。
矢柴 設定が1960年代のカナダの田舎町で、時代のキーワードやキリスト教のキーワードとか色々散りばめられていて、最初はとっつきにくかったのですが、そこにとらわれずに読んでいくと意外と読みやすくて、家族の話だし演劇では一番扱うテーマかなと。ある閉じられた空間から飛び出したい人とか、そこに訪れた人によって家族が変化していく。そこに演劇の醍醐味がある気がしました。
 私は読んだ時からすごく好きでした。台本をいただいて読み始めたときは、今の私に馴染みのない言葉が沢山あって、どういうことなのかなと思いながら読み進めていったのですが、最後のシーンになったとき、あ、そういうことだったのかと。それを知ったうえでもう一度読んでみたら、すごく印象が変わりました。私が演じるアイリスの11歳のときの話なんですけど、彼女が大人になってその時の自分を振り返らずにはいられなかった想いがわかって、胸が苦しくなりました。
中嶋 最初に読んだときの印象と、稽古が始まって皆さんが読まれている感触と、全然違うものを感じましたので、お客様も色々なかたちで観ていただける作品なんだろうなと。アイリスに感情移入して、自分の過去として捉える方もいらっしゃると思いますし、他の登場人物に同調して観る方もいらっしゃると思います。すごいシンプルに家族の話であるようで、いやいや違うなという、一筋縄でいかない多様性もあって、戸惑いもしたんですけど、それだけ可能性があるんだと思ったらすごくワクワクしました。先ほど矢柴さんがおっしゃった翻訳劇の民族性の違いみたいなものは、いつも埋められないで苦労するんですが、この本はそれを一度置いて眺めてみるとすごく魅力的で、すごく不揃いな人間たちを、自分たちが愛着をもって演じられれば、お客様の中に色々なかたちで残る。そういう良い戯曲だなと。ですから今は毎日楽しく飛び込んでいってます。
──登場人物たちは意外とリアルで、たとえば父親とか下宿人のローズさんなどは身近にいそうな人たちですね。
矢柴 この父親はヒーローものとかテレビドラマの主役にはなれない残念さがありますよね(笑)。色々な趣味とか持っている父親って素敵ですけど、この父親は物理とか幾何学とかに詳しいんですけど、なんでも中途半端で(笑)、ちっちゃい嫉妬とかしたり(笑)。どこか僕自身の人生と重なる部分もあったりするので、久しぶりの舞台でたいへんな台本なんですが、すごく興味を惹かれています。

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どこか演劇のパロディのような

──妻のシルビアもどこか喜劇的な気がします。夫と別れようとして家を出るとき、階段で転んで骨折したり。
中嶋 (笑)。
矢柴 それに、骨折したのは手首だから、出ていこうと思ったら出て行けるのに、なぜかそのままいるんですよね。
──そういう関係がちょっと不可解でもあり、この戯曲ならではの面白さですね。
中嶋 この夫婦はなんかくだらないことでやりとりしているんですけど、ギリシャ劇っぽい部分もあるなと思ったりするんです。自分の意見を一生懸命しゃべってる討論劇みたいな面もあって、そこがパロディというかコメディの要素もあるのかなと。わーっと対峙してわーっと吐露するとか、やっていることはギリシャ悲劇と一緒で、シェイクスピアも独白劇で朗々と「ああなってこうなって」と語りますよね。そういう演劇のスタイルというものがすごく入っているなと。でもお互いに本質は全然しゃべれてないし、書かれているようでみんなの本心が書かれていないので、それを探って迷子になって、違う角度から見てみようと思ったとき、「これ演劇のパロディかな」と考えると、本人たちのやりたいこと、やれなかったことはここかなと探せたりするんです。
──俯瞰して見ると理解しやすい作品ということですか?
中嶋 それはこの作品だけでなく、ありふれた日常のように描かれている作品のほうが引き寄せるのが難しいんです。自分を見つめるのが難しいように。それでちょっとフィルターをかけて見ると、丁々発止しているシーンが「これってすごく悲しいシーンだな」と思えたり、逆に深刻な話をしているシーンが可笑しく見えたり、1回ずつ引いて見ないとわからない。でも矢柴さんはそういうのをパパッと掴むのがお得意で、矢柴さんが「こうなんじゃない?」っておっしゃったことに、私は「そうか!」って。広岡(由里子)さんもですけど、軽くおっしゃることに発見があるんです。
──矢柴さんは常にそういう視点を持っているのですか?
矢柴 いや、僕は心がない俳優なので(笑)。中嶋さんは詰将棋のように詰めていかれるんですよね、論理的にも感情的にも。このあいだ一緒に飲んだときに「台詞はゆっくりしか覚えられない」とおっしゃってましたが、僕はとりあえず台詞を入れて、心のない状態でしゃべって、「これを言うには心が必要なんだな」と、あとで気づくんです(笑)。まずはここに向かう、というのがあったほうがいいタイプなんだと思います。

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若い女性の輝きを刻んである台本

──堺さんは、アイリス役とどんなふうに取り組んでいますか?
 私はガッと殻に閉じこもってしまう部分があるのですが、たぶんアイリスはもっと自信はあるのかなと。ウソもつきますけど想像力も豊かで自分の世界観を強く持ってるんだなというのを、稽古が休みの日にちょっと俯瞰して見ることができて気づいたんです。いつも稽古中に皆さんが意見を交わしているのを見ながら、こういうやり方で役を掴んでいけばいいのかとすごく勉強になっているのですが、改めてそれで俯瞰で見たときに、もっと色々なやり方でやってみようと。私は頭がガチガチになりがちだけど、もっと柔軟な頭で役にダイブしていけたらと、皆さんの姿ですごく発見しています。
矢柴 これだけ若い女性の輝きを刻むような台本って、なかなかないと思うんですよ。30歳になったらやれない気がしますし、たぶん女優さんが人生で1回、出会うか出会わないかというすごい役だと思います。可哀想なだけの役ではなくて、全部をつかさどりながら、中にも入りながら、そして役者本人の資質も輝かせながら、その全部を物語に封じ込めていくような、これほど決定的な役はあるんだろうかという気がします。
 私が、今のこの年齢だからこそのアイリスへの見方と、もっと大人になって色々なことを経験してアイリスを見たときとは、たぶん全然違うと思うんです。だから今の私が感じているものや今の自分の感性を大事にしていかなくては、としみじみ感じながらやってます。
中嶋 小春ちゃんが、今しかできないことをやるというところにちゃんと立っている時点ですごいし、いいなあって思いますね。本読みから全部台詞が入っててびっくりしたのですが、それだけこの役はたいへんなんだと思います。詰めるところ、手放すところ、楽しむところ、色々なものをすごい勢いで飛び込んでやっていて、勢いだけではなくやろうとしているところもあって、そこは小春ちゃんの特性なんだろうなと、眩しく毎日見ています。

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3人でいるシーンは嬉しくて

──両親役のおふたりについて感じることは?
 アイリスは友だちもいないし、関われる人間がお父さんお母さんと下宿人しかいなくて、あとはへんてこりんな人物たちが台詞の中に出てきますけど(笑)、両親が世界の全てなんです。でも台詞にも出てくるんですが、両親は自分の世界に没入していて、だから「見て見て見て」というアイリスの気持ちが、稽古中に自分の中で高まってきて、「なぜ見てくれないの」みたいな気持ちになってます(笑)。アイリスってどちらにも似ているところがあるのかなと思っていて、お父さんの1つのことに固執して熱中するところはアイリスにもあって、お母さんとは同性というところでお互いの居方が独特のものがあるのですが、やっぱりお母さんが一番好きで、女の子だからお母さんに色々教えてほしいこともあって、存在がすごく大きいなと思います。ですから3人でいるシーンとか私は嬉しくて(笑)、2人がアイリスを挟んでケンカしていることもあるんですが、でも2人の顔が見えるだけで心がほっこりしたり、安心します。それだけに最後のほうになるとすごく揺れ動くものがあります。
──普段の中嶋さんや矢柴さんとのギャップや面白さなどは?
 シルビアは意外と本質的なことを言っているようで言わないですよね。今起きていることに興味があるのかないのかもよくわからない。でも中嶋さんは矢柴さんもおっしゃっていたように「中身が決まってないと台詞が出てこない」という方で、そこがすごいし、それはシルビアとのギャップかなと。昨日も「考えすぎ?」とかおっしゃっていましたけど、そこまで考えることは大切なんだと思いました。矢柴さんは面白くて、一緒に稽古していても素で笑いたくなっちゃいます(笑)。普段は観察力がすごく高いです。
矢柴 いや、そんなでもないからね(笑)。関係が役とかぶってるのは、アイリスは父親に色々な情報を流してくれるんですが、僕もよく出トチリするんです。自分の世界に入ってしまうので。そうすると「お父さんお父さん!」って(笑)。
 すぐまた出るのに、完全にはけてしまうから(笑)。
矢柴 この前も最後の一番大事なシーンでそれをやりそうになって(笑)。小春ちゃんはしっかりしてるんです。
──実際は楽しい親子なんですね。矢柴さんは中嶋さんと初共演ということですが。
矢柴 そうです。僕はテレビで『北の国から』を観てこういう世界に興味を持ったので、今こうしてご一緒しているのは不思議です。中嶋さんは芝居をしていてすごく冷静で、演劇のことをよく解っているなと。「野球が解っている選手」という表現がありますが、芝居が解っている。存在が演劇そのものですね。
中嶋 矢柴さんこそ、むちゃくちゃ軽やかかと思いきや、ぐーっと深いところに引っ張り込むエネルギーを発している方で、すごく面白くて目が離せないです(笑)。

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戯曲の完成度の高さを感じる傑作

──では最後にお客様へのアピールをいただければ。
 観る方の年齢によって、色々な感想が生まれる作品だと思いますし、観た方が誰に感情移入するのかというのはそれぞれあると思いますので、できるだけ色々な世代の方に観ていただきたいです。人生を振り帰る要素が沢山詰まっているし、観終わったあとに持って帰るものが沢山あると思います。
矢柴 台本を読んだときに、日本人のお客さんが知識的なギャップを超えたらすごく面白く思える本だろうなと思ったし、自分の友人たちとかが観にきてくれたとき、「楽しめたよ。観てよかった」と言ってくれる作品じゃないかと思っていたんですが、こうして実際に肉体化してみると、改めて傑作だなと思います。5人で作りあげていく時間に無駄がないんです。5人全員が、くだらない役割や重い役割、意味のある役割、すごく感情的な役割などを、それぞれ持つというところに戯曲の完成度の高さを感じますし、クライマックスに向けて一気に飛躍していく爆発力とか、相当の傑作だなと感じています。女優さんが出会うのは人生に1回と言いましたけど、僕ももしかしたら1回かもしれないなと。これほどまでの役割とこれほどまでにカタルシスを組み立てていく作品に加担させてもらえる経験は、そうないだろうと。うまくすれば非常に爆発力をもったシーンが沢山詰まった、おそるべき作品になる気がします。
中嶋 そう思います。だからむちゃくちゃ難しいんですけど。1回観て受けるもの、それは私たち次第というのはありますけど、そこで色々な要素を受け取って満足して帰っていただいたとしても、何回も観られる作品なんです。そのたびに「あれ?あれ?」って、人生のボタンを掛け替えていける。そういう作品だと思うので、ぜひ何回も観ていただきたいです。

プロフィール 
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さかいこはる○東京都出身。05年にミュージカル『アニー』オーディションに合格し芸能界デビュー。その後、学業に専念。2015年、活動を再開。主な出演作品は、映画『踊る大空港』『心が叫びたがってるんだ』『亜人』『曇天に笑う』『CHEN LIANG』、ドラマ『いつまでも白い羽根』、舞台『転校生』など。

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やしばとしひろ○埼玉県出身。早稲田大学内の演劇サークルで演技を始め、小劇場で活動した後、現在、映画・ドラマ・CMなどで活躍中。最近の主な出演作品は、ドラマ『僕とシッポと神楽坂』『駐在刑事』『まんぷく』『サバイバル・ウェディング』『指定弁護士』、映画『覚悟はいいかそこの女子。』『新宿パンチ』『先生!』『64』、舞台は朗読劇『陰陽師〜藤、恋せば 篇〜』など。

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なかじまともこ○東京都出身。1976年ドラマでデビュー。1981年に始まった『北の国から』で人気を博す。以後、映像と舞台で活躍中。最近の主な出演作品は、映画『妻よ薔薇のように(家族はつらいよ掘法戞慍搬欧呂弔蕕い茖押戞愴しい星』、舞台『岸 リトラル』リーディングドラマ『シスター』『ヘンリー五世』『愛のゆくえ』『BOAT』など。1990年ブルーリボン賞助演女優賞、2009年第44回 紀伊國屋演劇賞個人賞など受賞多数。

〈公演情報〉
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地人会新社第8回公演『金魚鉢のなかの少女』
作◇モーリス・パニッチ 
翻訳・演出◇田中壮太郎
出演◇堺小春 広岡由里子 古河耕史 矢柴俊博 中嶋朋子
●10/6〜14◎赤坂RED/THEATER
〈料金〉一般6,500円 25歳以下3,000円円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉J-Stage Navi 03-5912-0840  
 


【取材・文/榊原和子 撮影/友澤綾乃】



『光より前に 〜夜明けの走者たち〜』


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11年ぶりの上演となるタクフェス『あいあい傘』間もなく開幕! 宅間孝行・大薮丘・前島亜美 インタビュー

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宅間孝行が仕掛ける極上のエンターテイメント「タクフェス」。その 第6弾として『あいあい傘』が10月から11月にかけて東京・大阪をはじめ10会場で上演される。
2007年の初演以来、観客からの再演希望も多かった作品で、今回11年ぶりに上演されることになった。また、発売中の小説「あいあい傘」、10月26日全国公開の映画『あいあい傘』と、複数メディアの同時展開も行われることでも、大きな話題となっている。

舞台はとある田舎町。25年前に失踪した父と、その父を探す娘の、交差する想い──。
親子、そして家族の在り方が問われるこの時代に、あって当たり前、時には鬱陶しく思ってしまう親子の絆や愛を、真っ直ぐに見つめ直す作品だ。

この舞台で、作・演出を手がけ、役者としてはテキ屋の清太郎とその父の虎蔵を演じる宅間孝行。お茶屋「恋園庵」に出入りする酒屋の船田くんを演じる大薮丘。「恋園庵」の娘・麻衣子を演じる前島亜美。そんな3人が、『あいあい傘』の作品世界について語った「えんぶ10月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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大薮丘・宅間孝行・前島亜美

日常で何を大事にするか、
そこを大切に

──11年ぶりの上演ですが、再演するにあたって書き直したそうですね?
宅間 僕には珍しくかなりリライトしました。登場人物も少なくなってます。リライトしながら思ったんですが、これはすごく舞台向きの作品だなと。筋立てなどの大きな展開で見せるものではなく、人間関係とか会話で見せていく。だから役者さんたちは大変だろうなと。でも、そのぶんやり甲斐があると思います。
──そういう作品だから芝居の出来る方が多い座組なんですね。大薮さんと前島さんも若手の中では演技派で期待されていますが、お二人がそれぞれ演じる役は?
大薮 僕は酒屋の船田くんです。弱気な男の子で、芯は持っているんですが、なかなか思ったことを言葉に出せないんです。ストーリーの中で、そんな船田くんが変わるきっかけになる場面があって、たぶん難しいだろうなとは思うんですけど、楽しみでもあります。
前島 私は神社のそばのお茶屋「恋園庵」の娘で麻衣子です。神社の巫女をしています。この物語の主軸となっているのは2つの家族の話なのですが、こちら側の家族の娘として、麻衣子が抱えている想いや過ごしてきた時間があると思うので、それを人間関係や会話の中で見せていければいいなと思っています。
──お二人はタクフェスの舞台を観たことは?
前島 私は以前、別の舞台で知的障碍の少女をやらせていただいたとき、参考になりそうな作品のDVDなどを沢山観たんです。その中にタクフェスの『くちづけ』があって、ちょっと衝撃的なくらい心を打たれまして、自分が人と向き合っていく中で、とても影響を受けた作品だったんです。ですから、今回タクフェスに出演させていただくことになって、本当に嬉しいし、本当に幸せです。

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大薮 僕も同じで、劇場で『くちづけ』や『ひみつ』を観たんですけど、めちゃくちゃ引き込まれてしまって。初めはゲラゲラ笑って、宅間さんのアドリブというか、それが凄くて、大笑いしてたら、いきなりシリアスな会話に変わって、感情が入って泣きそうになって。あれ、なんなんでしょうね、凄かった! だから今回の話を聞いたときは、飛び上がりたいくらい嬉しかったです。
──宅間さんは演出家として、このお二人に期待するものは?
宅間 俳優さんってどうしても台詞へのアプローチになることが多いんですが、そうじゃなく、今回の芝居で必要なのは、「そういう人」であってほしいということで。二人が持っているものでいいので、例えば船田くんの役なら、いじめられてるというシチュエーションは誰にでも少なからずあることで、そこを突き詰めて考えればいいし。麻衣子なら、親に愛されてないんじゃないかという想いがあって、でも愛されたくてみたいな、若干ゆがんでるところがあるわけです。そういう人たちが色々な局面で、どう立ち振るまうかということですよね。だから僕らが日常で何を大事にするか、そこを大切にしていたら、そんなに難しくはないと思います。例えばお客さんを小気味よく定期的に笑わせなくてはいけないとか、そういうことになったらそれは難しいけど(笑)。
──でも宅間さんは、場面によってはいきなり振ってきますよね?
大薮 あれ恐いですよね(笑)。
宅間 (笑)大丈夫。船田くんも麻衣子も別に笑いを担当するわけではないので。でもみんな、タクフェスの舞台に立つと、なぜか笑いを欲しがりになっていくんだよね(笑)。

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大変なぶん役者にはやり甲斐のある作品に

──お二人は舞台のどこが好きですか?
大薮 僕は芝居を観るのがすごく好きで、映画も沢山観るんですけど、結局、生きてる人間を観るほうが興奮するし、僕もああいう芝居がしたいなと、刺激をすごく受けるんです。でもそう思っても、なかなかその通り出来ないし、出来てるかもわからない。自分の芝居が良かったのか良くないのかも、よくわからないんです。でも今回もそうですが、出たいなと思ったり、好きな作家の方や演出家の方の作品に出られることは、本当に幸せなので、今回も立ち向かって行きたいと思っています。
前島 私はこの世界にはグループ活動から入って、小さい時から歌ったり踊ったりしてきたんですけど、そういう輝いている世界は自分に向いてないなと思う気持ちがあったところに、演劇と出会ってすっかり演劇が好きになってしまって。素晴らしい作品に出会ったときは、本当に生きていてよかった! と思うし、自分の人生を肯定してもらえるし、心を動かされるって素晴らしいなと思います。とにかく勉強しようと思って舞台を見まくっていて、今回も沢山学ばせていただきたいと思っています。
──こういう若い役者さんを迎えて、タクフェスとしても新鮮な公演になりそうですね。
宅間 お二人もですが、ほとんどが初めての役者さんばかりなんです。だからいい意味でどうなるかわからないと思っているし、役者さん次第で大きく変わりそうな気がしています。初演より役が少なくなっているぶん、それぞれの役の厚みが増しているので、役者さんたちは、やりようによってはすごくやり甲斐があるんじゃないかな。

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──そんな舞台『あいあい傘』のアピールを、改めていただきたいのですが。
大薮 脚本がすごく面白くて、宅間さんの演出でさらに面白なるに違いないと思っているので、それをちゃんとお客様に伝えないとという気持ちです。タクフェスは本当にお客様が楽しめる舞台なので、今回も一緒に楽しんでもらえるように頑張ります。
前島 先日、映画版も試写で拝見したのですが、号泣しながら見ました。すごく心打たれたので、舞台版も頑張りたいと思っています。家族と親子とか人との繋がりが素敵な作品なのでそこを伝えたいし、東京だけでなく色々な場所で公演できる舞台はそうはないので、そこも嬉しいです。
宅間 映画版も公開されますが、違うところ、逆に映画を補完してるところもあります。キャストの違いでまた変わるので、シェイクスピアではないですけど、演じる人が変わることでどう見えるか、映画版と見比べると、より一層この舞台も楽しめるかもしれません。小説も出ていますし、色々な『あいあい傘』の世界を楽しんでください。

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【プロフィール】
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たくまたかゆき○東京都出身。脚本家、演出家、俳優。1997〜1999年東京セレソン。その後、2012年まで劇団「東京セレソンデラックス」、以降は「タクフェス」を主宰。作家・演出家・監督・俳優として映像や舞台で活躍、辻本茂雄とのユニット「つじたく」でも活動中。劇団作品の映像化が多く、ドラマ『歌姫』『間違われちゃった男』(脚本.監督)、映画『くちづけ』(脚本.出演)など。映画『あいあい傘』(脚本・監督)が10月26日より全国ロードショー。
 
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おおやぶたか○石川県出身。高校卒業後上京、俳優としてデビュー。主な出演舞台は、三ツ星キッチンプログレス公演『魔法のスープ』(主演)、テトラクロマット『風は垂てに吹く』(主演)、 ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、ウォーキング・スタッフプロデュース『D51-651』、Nana Produce Vol.9『真空家族』など。年末に『明治座大合戦祭, 歳が暮れ・るYO』に出演予定。

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まえしまあみ○埼玉県出身。2010年アイドルグループSUPER☆GiRLSのメンバーとしてデビュー。2017年SUPER☆GiRLSを卒業。女優として映像や舞台で活躍中。最近の主な出演舞台は、『デスノート The Musical』『クジラの子らは砂上に歌う』『幸福な職場』『煉獄に笑う』『デパート』『BLOODY POETRY』『バクステ』など。声優としても活動、NHKオーディオドラマ「夜露姫」などに出演。

〈公演情報〉
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タクフェス第6弾『あいあい傘』
作・演出◇宅間孝行 
出演◇星野真里 宅間孝行 
鈴木紗理奈 竹財輝之助 弓削智久 大薮丘 前島亜美 
越村友一 柿澤仁誠(Wキャスト) 佐田照(Wキャスト)  
モト冬樹  
川原亜矢子 永島敏行
10/5(プレビュー公演)◎志木市民会館パルシティ
10/8◎仙台電力ホール
10/21◎鳥栖市民文化会館 大ホール
10/24◎栃木県足利市民プラザ・文化ホール
11/2〜11◎サンシャイン劇場
11/15◎りゅーとぴあ・劇場
11/18◎はつかいち文化ホールさくらぴあ大ホール
11/23・24◎道新ホール
11/30〜12/4◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
12/6〜9◎ウインクあいち
〈お問い合わせ〉ネルケプランニング 03-3715-5624(平日11:00〜18:00)




【取材・文/宮田華子 撮影/友澤綾乃】



『光より前に 〜夜明けの走者たち〜』


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廣瀬智紀と川栄李奈がW主演する舞台『カレフォン』間もなく開幕! 廣瀬智紀インタビュー

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鈴木おさむが作・演出を手がけ、廣瀬智紀と川栄李奈がW主演する舞台『カレフォン』が、10月4日から東京・オルタナティブシアター他で上演される。(10月21日まで。そののち大阪、廿日市、川越、仙台、七飯町、札幌公演あり)
 
主人公の結城茜は派遣OLとして働いているが、うまくいかない日々に悩んでいる。そんなある日、クローゼットにしまってあった古いスマホが突然鳴り出し、そこから聞こえたのは、2年前に病気で亡くなった恋人の声だった──。
切なく泣けるこのラブファンタジーは、女子の恋心を絶妙に描くシンガーソングライターの大塚愛が主題歌を書き下ろすなど、話題満載の舞台だ。
 
この犁磴恋疂語で、スマホとなって恋人を励ます藤原駿役を演じる廣瀬智紀に、作品への取り組み、俳優としての最近の活躍などについて、じっくり話してもらった「えんぶ10月号」のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。

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癒しを求めている人の心が
温まってくれたら

──キャッチコピーが「泣き恋」ということで、切ない恋物語になりそうですね。
今回、(鈴木)おさむさんが、「ラブファンタジーで、ガッツリ少女漫画テイストの作品に」とおっしゃっているように、とてもファンタジックなお話だと思います。その要素を一番担っているのが僕の役どころかなと思っています。
──鈴木さんとはドラマの『私のホストちゃん』からの長いお付き合いですが、間近で見て鈴木さんの才能をどう感じていますか? 
すごく幅広い才能を持っていらっしゃる方で、5月に公開になった初監督作品の『ラブ×ドック』にも出させていただいたのですが、女性の心をグッと掴むような素敵な世界観が描かれています。作・演出される舞台も色々拝見していて、結構ロマンチックな作品も多いし、かと思えば『美幸』のような、人間が触れずにいたいような部分を追求する作品を作ったり、本当に凄い方だなと。
──今回も、ロマンチックな中にも人間心理をきめ細かく描く部分がありそうですね。
観ている方が感情移入しやすい作品になると思います。川栄さん演じる茜はOLですから、仕事や会社で色々なことがあるのですが、お客様もきっと同じような経験があると思うんです。そういう時に励ましてくれる「スマホのカレ」みたいな存在がいたらいいなと思っていただけたら、僕としては嬉しいです。
──鈴木さんの鋭いアンテナで、今の時代にはこういうラブファンタジーが必要だと思ったのかもしれませんね。
若い人に限らず、癒しを求めている方が沢山いらっしゃると思います。この舞台がその癒しになれたらいいし、観た方々を勇気づける、元気づける作品にしたいなと。まず作品が面白いのは大前提なんですけど、面白いだけでなく、良い世界に迷い込めたなという感覚になっていただき、心温まって帰ってくださったらと思っています。
 
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体会系なので
簡単にへこたれないんです

──廣瀬さんはデビューしてまもなく10年目に入ります。着実にフィールドを広げてきましたが、最初は役者志望ではなかったとか?
役者になったきっかけはスカウトで、当時は何か表に出られる仕事で自分にもできることはないかと模索していたところだったので、運命的なものを感じました。ただ、事務所に入ったからといって仕事がすぐあるわけではなくて、結局どの世界でも仕事をするための努力は必要なんだと気づいたんです。初舞台から右も左もわからないままやってきて、その中で自分なりに経験を積んで、今はこうして色々な仕事をさせていただいていますが、どこかで努力を怠ったらそこで止まっていただろうなと。繋がりもそうですよね。一生懸命やったら繋がる世界だというのは凄く感じていて、結構自分に甘いタイプなので、自分にも言い聞かせて奮い立たせている部分もあるんです(笑)。
──外見に似ず、意外に根性とかファイトとか、内に秘めていそうですね。
ずっとサッカーをやっていたので、結構メンタル的なものは鍛えられているかもしれません。体育会系なので簡単にへこたれないんです。凄くポジティブに生きられるし(笑)。
──意外性で言えば『スカーレット・ピンパーネル』で、ミュージカルも出来る役者さんなんだと。
あの作品は、もっともっとやりたかったと思うくらい楽しくて、歌うことも楽しかったです。最近気づいたんですけど、僕、合唱が好きだったんです。中学生の頃、合唱祭みたいなのがあって、そういう時も進んで指揮者に立候補して。 
──指揮したのですか? 凄いですね。
三拍子か四拍子くらいの簡単な指揮ですから。みんなで歌うとか、みんなで何かをやる作業が好きだったんだと思います。だから舞台もずっと好きでやってるのかなと。ただ、歌うことも仕事にするとなると好きだけじゃできないので、そういうところは1つ1つスキルアップしていきたいですね。やっぱりミュージカルは難しいですから。

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色々なことで人の心を
動かせるように 

──そしてもう1つ、大きなキャリアになった『髑髏城の七人Season月』はいかがでしたか。
どの作品も向き合い方は変わらないでいたいと思うのですが、やっぱり『髑髏城〜』は向き合った期間が一番長かったりするので、人生の中では忘れることのない、きっとひと時も忘れない経験だろうなと。あと…幸せだったんです、凄く。座長の宮野真守さんをはじめ、カンパニーの方々がみんな仲良くて、本当に1つの大家族のように作品に臨めていた。だから終わっちゃうのは淋しかったし、ずっとやってたいなと。『髑髏城〜』に恋してましたね、ずっと。
──カンパニーの中でも愛されキャラだったと聞きます。どこに行っても愛されるタイプなのですね。
いえ、迷惑ばかりかけてます(笑)。この世界に入った頃は、個性の強い人が多い中で、自分をどう出せばいいのかわからなかったのですが、無理しないで自然体でいようと。『弱虫ペダル』の巻島裕介を演じてからそう思えるようになりました。やっぱりオリジナルというか、自分のままでいいじゃん? と。それから結構、天然とか言われたりするんですが(笑)。でもふわふわしてるように見えるなら、逆にそれを武器に、舞台上でガラッと違う印象を出せばいいんじゃないかと思っています。
──この先俳優として目指すものはありますか。
あえて挙げるなら時代劇ですね。『髑髏城〜』をやってから、より興味が湧いたので、大河ドラマのような大作で大きな役をやれる実力を身に着けていきたいです。それと最近思い始めたのが、例えば新感線の役者さんみたいに、映像作品とかに出ても戻る場所、劇団ではないですけど、そういうホームグラウンドを自分も持ちたいなと。戻れるようなチームがあって、そのチームで公演とかイベントとか、それこそボランティア活動もできたらいいなと。世の中に有用なそういうチームを作りたいなというのがあって。夢なんですけど。
──指揮者もですが、意外とリーダー気質がありそうですね。
いやいや! 僕じゃなくて誰かがそういうのを作ってくれたらいいなって(笑)。でも昔は、自分なんてという気持ちがあったのですが、最近、自分でもやろうと思えばできるかなと。同じ世代で演出をしている方もいるし、自分のやりたいことを追求する姿勢は大事だなと。色々なことで人の心を動かせるようになりたいんです。そしてできれば、誰かの背中を押したり、前に進むきっかけを作れたらいいなと常々思っているんです。
──この『カレフォン』もそういう意味では、沢山の人を励ます作品ですね。
本当にそうです。鈴木おさむさんの温かい部分、ロマンチックな部分、乙女心(笑)みたいなところがふんだんに現れています。キャスト5人、カンパニー一同、心を合わせて、観てよかったと思って頂けるものを作りあげますので、ぜひ観にきてください!

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ひろせともき○埼玉県出身。テレビ朝日系ドラマ『私のホストちゃん』で注目を集める。主な出演作は、ドラマ『エイジハラスメント』『男水!』『掟上今日子の備忘録』。映画『セブンデイズ』(主演)『天秤をゆらす。』(主演)『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。』(主演)主題歌も担当『HiGH&LOW THE MOVIE2/3』映画『刀剣乱舞』が2019年公開予定。舞台『私のホストちゃん』『弱虫ペダル IRREGULAR~2つの頂上~』(主演)『ダイヤのA』『WORLD〜beyond the destiny〜』(主演)ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』『髑髏城の七人Season月』ミュージカル『スサノオと美琴〜古事記〜』(主演)など。

〈公演情報〉
カレフォン画像
 
『カレフォン』
作・演出◇鈴木おさむ
音楽◇大塚愛
出演◇廣瀬智紀 川栄李奈/戸塚純貴 柳美稀 山崎樹範
●10/4〜21◎オルタナティブシアター
〈料金〉8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉イベントインフォメーション 0570-550-890(平日13:00〜17:00)  
●10/27・28◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●10/31◎はつかいち文化ホールさくらぴあ
●11/3◎ウェスタ川越大ホール
●11/6◎仙台電力ホール
●11/11◎七飯町文化センターパイオニアホール
●11/13◎わくわくホリデーホール(札幌市民ホール) 
〈公演HP〉https://www.krph.jp



【取材・文/宮田華子 撮影/友澤綾乃】



『光より前に 〜夜明けの走者たち〜』


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花組芝居が3バージョンで魅せる泉鏡花の名作『天守物語』いよいよ開幕! 加納幸和・丸川敬之 インタビュー 

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魔ものが巣くうと恐れられ、誰も近づかない白鷺城第五重の天守閣──
主・富姫が妹分亀姫に贈った鷹を探しに訪れた、若き鷹匠・姫川図書之助と出会い、恋をしてしまう──。
泉鏡花の名作『天守物語』を原作に、加納幸和が構成・演出を手がける花組芝居『天守物語』が10月3日から、あうるすぽっとで幕を開ける。(8日まで)
今回は小林大介が富姫、丸川敬之が図書之助を演じる《泉組》と、加納が富姫、押田健史が図書之助を演じる《鏡組》の2組に分かれ、さらに新座員の永澤洋が富姫、武市佳久が図書之助を演じる1回だけの公演「新座員顔見世抄」もあり、なんと3バージョンでの豪華な上演となっている。
 
そんな注目の舞台で、《泉組》で図書之助をつとめることになった丸川敬之と、《鏡組》で富姫を演じる作・演出家の加納幸和に、この名作の世界や劇団としての花組芝居について語ってもらった「えんぶ10月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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丸川敬之・加納幸和 
 
刺激的なWキャストの富姫と図書之助

──本公演としては18年ぶりの『天守物語』ですが、演出は変わりそうですか?
加納 ちょっと変えようと思っています。1977年に(坂東)玉三郎さんが増見利清さんの演出でやった日生劇場の公演があったんです。それを観たのが、この世界に本気で入ろうと思った動機の1つでした。劇団を作ってから鏡花もやりはじめたんですが、『天守物語』は日生で観た舞台が強烈すぎて、真似しちゃうからやらないでおこうと。10周年の97年に、やっと真似しなくても作れると思って、ハードロックを入れたりして上演しました。今回は、思いきって王道で行こうと。97年版の良いところも残しつつ、という演出になると思います。
 
──見どころの1つが《泉組》と《鏡組》、富姫と姫川図書之助がWキャストですが、なんと立役の小林大介さんが富姫を。
加納 本人も「どうせ図書だろう」みたいなところがあったんですが(笑)、でも彼が図書だったら、こういう風にするというのが見えてしまうところがあって、本人もそう思ったらしく、「富姫やりたいんですけど」と。最初は冗談だろうと思ってたら(笑)、本気だったんです。
 
──そのWキャストは加納さんにとっても刺激的ですね。
加納 ますます、ちゃんとやらないとまずいなと。こういう動きだけど、こういう感情だから逆にこっちの動きになるとか、自分で作りながら分析して、しかも伝えなきゃいけない。前にやった役ですけど、改めて作っていくことになるので、良い経験です。

──そして図書之助に抜擢された丸川さんは、聞いたときはいかがでした?
丸川 びっくりしました。これまで図書之助は桂(憲一)さんしかやってなかったので。でも最近、桂さんの役をやらせて頂くことが多くて、そのたびに震える思いをしていたのに、まさかこの作品でもやらせてもらえるなんて。
 
──丸川さん抜擢の決め手はどんなところですか?
加納 富姫の小林が背も高いし、ちょっとごついので(笑)、相手役はそれより大きくて、顔もキリッとしてるほうがいいなと。それに大介の女形は初めてで、不確定要素が多いので、ある程度できる丸川なら安心なので。もう1人の図書の押田(健史)も、まだ未知数なところがあるので、そちらは僕の富姫で引っ張っていけばいいと。

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劇団が一番緊張するし一番大変な場所

──丸川さんは入団して11年目ですが、花組芝居に入ろうと思ったのは?
丸川 地元で劇団をやってたんですけど、大衆演劇を見る機会があって、面白いなと。見得を切りたいのと、女形をやってみたいという、それだけの理由で上京したら、たまたま花組芝居のスタッフに高校の後輩がいて、募集してるらしいと教えてくれたんです。
加納 面接のとき「女形がしたいんです」と言うから、「難しいかもしれない」って(笑)。
丸川 でも、何回か面白い女形みたいなのをやらせてもらってます(笑)。
 
──外部出演も多いですが、花組でしか得られないというのは?
丸川 一番感じるのは、劇団ならではの阿吽の呼吸というか、一緒にやっていくうちに、先輩たちや同期の感覚がわかってくるので、それはやっぱり大きいですね。その場で作り上げるんじゃなくて、積み重ねてきた良さを感じます。でも劇団に出るときが一番緊張するし一番大変です。
 
──踊りも発声も、特別な技術が必要な舞台ですからね。
加納 彼は音楽をやってるので、耳が良いんです。鏡花に限らず古典の影響を受けている台詞は、音をきちっと変えないと、ただでさえ難しい言葉が、ますますわからなくなるんです。彼はそこは安心なんです。
 
──ほかの鏡花作品や古典でどんどん活躍できそうですね。最後に加納さんからメッセージを。
加納 ようやく僕も17歳の時の衝撃を、客観的に見られるような年になりましたので(笑)、あの時の感動は大事に、同じように初めて見た方が、歌舞伎でもないし現代演劇でもないし、これは何だろうと。こんな見せ方もできるんだ、日本の演劇はこんなに幅が広いんだというものを上演しますので、ぜひ観ていただければ嬉しいです。

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丸川敬之・加納幸和 
 
かのうゆきかず○兵庫県出身。87年、花組芝居を旗揚げ、ほとんどの作品の脚本・演出を手がける。俳優としても映像から舞台まで幅広く活躍中。歌舞伎の豊富な知識を生かし、カルチャースクールの講師も勤める。最近の主な舞台は、『ギルバート・グレイプ』『八百屋のお告げ』『ディーラーズ・チョイス』『鉄瓶』『石川さゆり特別公演』『配達されたい私たち』『龍が如く』音楽劇『悪名』『グリーンマイル』『ドレッサー』など。
 
まるかわたかゆき○広島県出身。06年『ザ・隅田川』より花組芝居に研修生として参加。07年『かぶき座の怪人』より入座。13年愛媛・坊ちゃん劇場で半年に渡りミュージカル『げんない』に出演。15年、NHK木曜時代劇『ぼんくら2』にレギュラー出演。柿喰う客『俺を縛れ!』経済とH『ベゴニアと雪の日』『舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONE』など外部出演も多数。


〈公演情報〉
花組芝居『天守物語』
天守物語画像
 
原作◇泉鏡花  
構成・演出◇加納幸和 
出演◇加納幸和 原川浩明 山下禎啓 北沢洋 秋葉陽司 松原綾央 磯村智彦 小林大介 谷山知宏 丸川敬之 二瓶拓也 押田健史 永澤洋 与作改メ武市佳久
ゲスト出演◇桂宮治
●10/3〜8◎あうるすぽっと
〈料金
前売5,800円 当日6,200円/U-25前売 2,500円 当日2,900円(全席指定・税込) 
※新座員顔見抄(10/5 19:00)
前売3,000円 当日3,400円 
〈お問い合わせ〉花組芝居 03-3709-9430




【取材・文/宮田華子 撮影/友澤綾乃】



『光より前に 〜夜明けの走者たち〜』


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