稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

『ストリップ学園』

インタビュー

倉持裕の大人のコメディドラマ『誰か席に着いて』まもなくシアタークリエ開幕!田辺誠一・木村佳乃・片桐仁・倉科カナ インタビュー

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倉科カナ 木村佳乃 田辺誠一 片桐仁

今、最も注目を集める劇作家の1人、倉持裕が作・演出。そして田辺誠一、木村佳乃、片桐仁、倉科カナという豪華キャスト陣で描かれる大人のコメディドラマ『誰か席に着いて』が、シアター1010でのプレビュー公演を経て、11月28日からシアター・クリエで開幕する。(12月11日まで。その後、全国ツアーあり)
 
芸術家支援の財団で、来年の助成金対象者の選定に集まった2組の夫婦が、崇高な芸術とその未来について語りあうはずが……実は4人はそれぞれに自分が抱える問題で頭がいっぱい。そこには、プライド、嫉妬、嘘、名声、金など、利己的な問題が山積みになっている。次々と明るみになる各々の隠し事に、果たして4人が迎える顛末とは──?という問いかけが、倉持ワールドならではのシニカルでテンポの良い会話のなかで、繰り広げられていく。
そんな大人のコメディに挑む実力派俳優たちが、稽古たけなわの時期に、作品のこと、役柄のこと、更に互いの魅力までを語り合ってくれた「えんぶ12月号」のインタビューをご紹介する。

膨大な台詞の中に詰まった「夫婦あるある」「兄弟姉妹あるある」

──脚本を読んだ作品の印象から教えてください。
田辺 ワンシチュエーションで登場人物6人がずっと喋っている、今まで映像や、舞台も色々やらせて頂いてきましたが、こういうシチュエーションの芝居って初めてで、膨大な台詞量に驚いたのが第一印象でした。これ覚えられるのかな?と。
片桐 またまた! 一番覚えてるじゃないですか!
木村 今の段階で、唯一台本を離してますものね。羨ましくて。
片桐 どうやって覚えているんですか?
田辺 家に帰って、お酒飲みながら読んだり。
木村 でも、量が多いうえに長台詞がある訳ではないから、1人で読んでいても覚えられないんです。実際に皆さんとやりとりしないと。
田辺 誰かに読んでもらうといいよ。
片桐 えっ? 奥様に読んでもらうんですか?
田辺 うん。
片桐 マジで!?  じゃあ奥様はこの話を知っているんですね?(倉科に)どうやって覚えてる? 台本一番汚れてるから相当読み込んでるるんじゃ?
倉科 それは扱いが雑なだけです(笑)。でも稽古期間があるから、稽古の中で徐々にきちんと覚えていけばよいかなって。
木村 そう、稽古で覚えようね! 倉持さんもそれでいいと。倉持さんは、台詞のニュアンスが合っていればOKではなくて、語尾まできっちり台本通りに言えないのなら、台本を持ってくださいっておっしゃるので。
倉科 句読点にまでこだわられますよね。「えっ」とか思わず入ってしまっても止められるので、堂々と持っています(笑)。
木村 私にとっては、まず読んだことがないタイプの台本でした。倉持さんの笑いってとても知的で、洗練されていて、例えばバナナの皮を踏んで、滑って転んで笑うというような、わかりやすい笑いではないので。
片桐 いや、その笑いはかえってハードル高いですよ(笑)。
木村 だから例えばって!(笑)。すごく奥深い笑いなので、面白かったけれど、演じるのは難しいなと思いました。
片桐 僕は倉持さんの作品に初めて出たのが05年で、やっぱりワンシチュエーションの会話ばかりの舞台で、面白かったし、また出たいなと思っていたから嬉しかったですね。読んで、これは倉持さんの好きな世界だな! と思ったから、楽しいけれども確かに難しい。1つ1つに対しての演出も緻密だし。
倉科 台詞のどこが誰の言葉を受けていて、誰に発しているのかが、読んだだけだとわからないくらい細かいですよね。
田辺 あぁ、それはある。
倉科 だから皆さんとお稽古して初めて、そういうことか! と思うところも多くて。
──台本を読んだ印象と、皆さんでお稽古した時の印象が違うのですか?
片桐 そうですね。やっぱり人の声で読むと全然違います。だから、ご覧になる方にはきっとよく伝わる、リラックスして観てもらえるものになると思います。「夫婦あるある」「兄弟あるある」が満載なので。

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リアリティーのあるそれぞれのキャラクター

──役柄にはどんな感じで取り組んでいますか?
田辺 僕が演じる哲朗は、基本の設定としてはずっとイライラしている役なのですが、そのカラーだけで行くのは違うなと。絡む相手によって、ここはもっと抑えていいんだなとか、稽古の中でわかってきたので、今探っているところです。
木村 私の演じる織江はスランプに陥っている脚本家で、長女なので自由なんです。私自身は次女で、カナちゃんが本当は長女なんですけれど、長女って自分ルールで妹を支配しようとするところがあって、それは私の娘や長女の友だちを見て参考にしています。作家という職業についても、20年来の親友の作家さんをモデルにさせてもらっているんですが、生み出す仕事って本当に大変だなとつくづく思います。だから織江は、夫が妹と浮気しているなんて全く気づいていないし、基本的に自分が書けないことにいっぱいいっぱいで気づく余裕もないんです。でも夫を愛しています。
片桐 僕は売れないミュージシャンなんですが、僕は以前、倉持さんに自説のアーティスト論を語ったことがあって。作品って、作家が「こういう意図で創ったものです」と言って回って、しかるべき人に認めてもらえて初めて値段がつくんですけど、「本当はそんなこと言いたくない、観た人に自由に感じて欲しい」というような話をしたら、それがそのまま台詞になっていて!(笑)「これ、俺が言ったことじゃないか!」とびっくりしました。
木村 さすが作家ですね(笑)。何気ない会話をちゃんと覚えている。
片桐 だから奏平という役には、結構身につまされるものがあります。
倉科 私が演じる珠子は、ずっとイライラして怒っています。倉持さんが「俺、好きなんだよ」っておっしゃって。
片桐 カナちゃんのことが?!
木村 問題発言ですね?(笑)
倉科 違う、違う、怒っている人が!(笑)「俺が書く人、怒っている人が多いんだよ」って。
田辺 あぁ、それはあるかも。
木村 私の役も結構怒ってますよね。
倉科 珠子の気持ちもわかるなと思って。元々プロのダンサーで踊りたいのに踊れないフラストレーションがたまって、八つ当たりをしたり、本当はそんなこと思っていないのに、という外れたポイントで怒ってしまったりすることってありますから。
片桐 たまっているとそうなるよね。
倉科 とてもリアリティーのあるキャラクターなので、演じていて理解しやすいです。
──倉持さんの演出にはどんな印象を?
田辺 僕は倉持さんの演出を受けるのは初めてなので、どんな感じなのかな? と思っていたのですが、本当に穏やかで的確です。「こうしてみて」という指示が繊細で、僕がよく行く整体の先生が「ちょっとズレてるから」って、ほんの軽くチョイチョイと触れるだけで。
片桐 そんなに優しいんですか?
田辺 そう、他のところに行くと結構バキバキという感じなんだけど、その先生はチョイチョイと触るだけで、やられた感が全然ないのに効く。それに通じるなと思います。
木村 すごくわかります。声を荒げることもなく、知的でね。微妙なニュアンスをおっしゃるんです。「この語尾もう少し強くしましょうか?」とか。
片桐 「やっぱり戻しましょう」とかね。
田辺 すごい方向転換をする訳ではないのに、変わっていく。
倉科 だから演出を受けていてとても面白いですね。
木村 特に私は3年ぶりの舞台なので、こういう現場で、皆さんが演じるのを見て一緒にやれるのが楽しいです。

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居心地の良い稽古場で生まれる連帯感

──少し視点を変えて、夫婦の役柄で感じているお互いの魅力を語ってください。
木村 私は田辺さんが「メンズノンノ」でモデルをなさっていたのを見ていた世代なので、なんてハンサムな人だろうと思っていたのですが、実際にこうしてお仕事をご一緒させて頂くようになってからは、その上に優しい方だなと。そんなに口数が多い方ではなくて、物静かだけれど、私がワイワイ話しかけても「うん、うん」とうなずいてくださるし、女性が一緒にいて楽なタイプですね。ああしろ、こうしろと言う訳ではなく、包容力があって。
片桐 なるほど!  品があるしね。飄々としてるし。
木村 あと、すごく面白いのが田辺さんの表情です。田辺さんの哲朗とカナちゃんの珠子が不倫をしている関係なんですが、もう田辺さんがカナちゃんを見る度にやたらニヤニヤ笑いかけていて(笑)、それがもうなんとも言えない可愛い笑顔で! ここ是非注目してください。哲朗の珠子に対する態度は必見です!
片桐 もう露骨だよね。なんで俺たち気づかない設定なんだろうっていうくらい(笑)。
木村 私はこれまでの現場で、心身共に限界だった時にとても温かく接してくださって、助けて頂いたという印象が強かったので、夫役が田辺さんだと伺った時には嬉しかったです。
田辺 木村さんは本当に面白い人で、基本的にパワフルでポジティブだから、一緒にいて気持ちがいいです。切り替えも早いしね。
片桐 確かに演出家の指示に対する反応も早いですね。PTAの会長とかバリバリやりそうですよね。
田辺 うん、そうそう。
木村 あ、でもそれは本当にバリバリやるかも(笑)。どうせやらなければいけないことなら、楽しくやりたいと思うタイプなので。
田辺 そういうところが良いですね。そちらは?
片桐 僕らは、カナちゃんがデビューの頃に一緒に仕事していますからね。深夜枠で1分半のコントを100本撮ったんです。
田辺 えぇ?
倉科 本当に大変でした! 撮っても撮っても終わらなくて。
片桐 半ばやけくそだった(笑)。
倉科 でも面白かったですよ。どこかで遊びの延長のような気分もあったし、若かったなって。
片桐 だからその頃のことを思うと、立派な女優さんになられたなと思います。
倉科 だって10年ですもの。ただ普通に大人になっただけです(笑)。でも仁さんは変わらないです。あの時のまま。
片桐 まさか夫婦役になるとは思いもしなかった。14歳も離れているし。
倉科 仁さんと夫婦役だから、もっとフランクな関係かなと想像していたら、ケンカばかりしていて(笑)。もうずっとケンカしていますよね。
片桐 目も合わせない。
倉科 合わせたら爆発するから。
片桐 たまったものがあるから。でもここまで密に芝居するのは初めてだし、新鮮だよね。
倉科 居心地が良いです。
片桐 この稽古場全体が居心地が良い。福田転球さん、富山えり子さんも含めて、皆さん素敵な人ばっかりだから!
木村 長い稽古だし、全国ツアーもある長い公演だから、仲良く力を合わせて、怪我のないようにやっていきたいですね。
──稽古場の和気藹々とした雰囲気が伝わります。では改めて、意気込みをお願いします。
田辺 人間の可笑しさが出ている芝居ですので、きっとクスクスと笑って頂ける舞台になると思います。楽しみになさっていてください。
木村 どこで笑って頂けて、楽しんで頂けるのか、私達もそのお客様の反応を楽しみにしていますので、是非劇場に足をお運びください。
倉科 皆さんの足を引っ張らないように頑張ります!
片桐 そこ?(笑)夫婦とか、姉妹とか身につまされる話と、芸術論も入っていて、シアター・クリエにぴったりのお芝居になっていますので、楽しみにしていてください。

【プロフィール】
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倉科カナ 木村佳乃 田辺誠一 片桐仁

たなべせいいち○東京都出身。85年、16歳の時「Art Project Swim」を結成、映画製作、絵画、小説、写真等の創作活動を展開。87年『メンズノンノ』専属モデルとしてデビュー。92年には俳優デビュー、以後、俳優、映画監督、アーティストと多彩な活動を続けている。映像はもちろん、蜷川幸雄、宮藤宮九郎演出作品や、劇団☆新感線など舞台出演も多い。近年の主な舞台は『八犬伝』『キレイ 神様と待ち合わせをした女』など。 
 
きむらよしの○東京都出身。96年女優としてデビュー、97年映画『失楽園』で日本アカデミー賞新人賞受賞。数多くのドラマ、映画で活躍。近年の作品にはドラマ『僕のヤバイ妻』、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』など。バラエティにも積極的に出演、活動の幅を広げている。主な舞台作品は『モーツァルト!』『さらば、わが愛 覇王別姫』地球ゴージャスプロデュース公演Vol.10『星の大地に降る涙』『抜目のない未亡人』など。
 
かたぎりじん○埼玉県出身。多摩美術大学在学中に小林賢太郎と「ラーメンズ」を結成。お笑いコンビとして人気を博す一方、俳優としても活躍。また「エレキコミック」とのユニット「エレ片」としてのライブ活動や、彫刻家としての作品発表など、多岐に渡る活動を展開している。主な舞台作品は『レミング—世界の涯まで連れてって』『小野寺の弟・小野寺の姉』『ライクドロシー』『海峡の光』『鎌塚氏、振り下ろす』など。

くらしなかな○熊本県出身。高校在学中に「SMAティーンズオーディション2005」でグランプリを受賞したのをきっかけにタレント活動を開始。06年に女優デビュー後、09年NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』でヒロインを務めるなど、テレビドラマ、映画と、多くの作品に出演している。主な舞台作品は『シダの群れ』『真田十勇士』現代能楽集VIII『道玄坂綺譚』『ライ王のテラス』など。

〈公演情報〉
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『誰か席に着いて』
作・演出◇倉持裕
出演◇田辺誠一 木村佳乃 片桐仁 倉科カナ/福田転球 富山えり子
●11/28〜12/11◎日比谷・シアタークリエ チケット好評発売中
その他、全国ツアーあり
〈お問い合わせ〉03-3201-7777 東宝テレザーブ(9時半〜17時半)



【構成・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】



『江戸のマハラジャ』
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花組芝居創立30周年アニバーサリーイヤーのラストは浪漫歌舞伎劇『黒蜥蜴』加納幸和インタビュー

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本年、2017年に創立30周年を迎えた花組芝居。そのアニバーサリーイヤーの掉尾を飾るのは、江戸川乱歩の名作を舞台化する浪漫歌舞伎劇『黒蜥蜴』。美貌の女盗賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎の対決と恋の駆け引きが見どころの本作を、今回は【黒天使組】と【黒夫人組】のWキャストで上演する。

【あらすじ】
有閑マダム「緑川夫人」の正体は、腕にトカゲの入れ墨を持つ女賊・黒蜥蜴。
ホテルに滞在中の富豪岩瀬に近づき、令嬢早苗を誘拐するが、名探偵明智小五郎によって取り戻されてしまう。
ところが自宅に軟禁状態の早苗は、人間椅子のトリックによって再び黒蜥蜴の手に。女賊は早苗と引き換えにダイヤモンド「エジプトの星」を要求する。
そんな黒蜥蜴の裏をかき、明智は変装して彼女を追跡、ついにアジトをつかんだ。
しかしそこには盗んだ宝石類と共に、剥製化された美しい人間達のコレクションが陳列されていた…。

今回、この舞台の脚本と演出を手がけ、【黒夫人組】では黒蜥蜴役を演じる、花組芝居の座長・加納幸和に、今回の企画意図や創立30周年への思いを聞く。

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黒蜥蜴という人はどこか寂しくて愛に飢えている

──花組芝居では初上演の『黒蜥蜴』ですが、【黒天使組】と【黒夫人組】というダブルバージョンにしたわけは? 
『黒蜥蜴』というのは原作がよくできていて、できすぎていて登場人物が少ないんです(笑)。そこで小林少年を出したり色々やってみたんですけど、役をあまり増やすと焦点がぼやけてしまう。でも役者が余ってしまうので、じゃあダブルにしようと。新作でダブルを作るのはしんどいんですけど、2年前の『毛皮のマリー』もダブルでやりましたので、なんとかできるんじゃないかと思ったので。
 
──主人公の黒蜥蜴ですが、加納さんはどんなふうに表現したいですか?
美しいものが大好きで、盗んでまで自分のものにしたいという欲が強い人ですけど、どこか寂しいんじゃないかなと。明智のことも好きになりますけど、子分にした雨宮のことも好きで同時進行させてしまう。なんて浮気な女だとも思いますが、ちょっと愛に飢えているところがあって、そこに雨宮は擦り寄ってしまうし明智も心が傾いてしまう。そういう部分はちゃんと見せたいなと思っているんです。
 
──ダブルで谷山知宏さんも同じ役を演じますが、見せ方などの違いは?
僕のほうは明智が小林大介で雨宮は押田健史、2人とも年下なのでお姉さんに見えないように(笑)。谷山のほうは逆に明智の桂憲一が年上ですから、対等に見えるようにがんばってほしいし、雨宮の丸川は同期なので、同期同士で刺激し合えばいいんじゃないかと。谷山はダンスができるので洋風にしようかと思っていて、僕の方は和風になるかもしれません。
 
──今回、30周年ボーイという方たちが出るそうですね。
30周年の記念公演に参加しませんかと、30歳以下を条件で募集したんです。9人参加するので大所帯です。出番は黒蜥蜴の恐怖美術館の手下とか、警部の部下(刑事)とか作って出てもらいます。

こんなに他の演出家の現場を知っている演出家はいないと

──劇団を30年続けているというのは、それだけでも1つの財産ですね。
ここまでこられたのは、基本的に人手に困らなかったことで、それはものすごく有り難かったなと。役者とかスタッフが足りないということは一度もなかったので。もちろん出入りはありましたけれども、やめない人が多いんです。
 
──やめないのは花組芝居にいるのが楽しいからでしょうね
それは心がけました。芝居作りはアーティスティックな作業ですから、表現に関してはわがままな連中が集まって来ますけど、いろいろ追求しているうちにカリカリしても、最終的にはホッとする現場にしたいと思っていましたから。

──歌舞伎を基本に置くという花組のカラーも、ずっと変えないできましたね。
最初はそれなりに試行錯誤はありました。でも10年過ぎたあたりから、表現上の共通言語みたいなものができて、ここを赤くしようと言うと同じイメージを持てるようになりました。それはずっと一緒に作りながらやってきたからだと思います。

──加納さんは俳優として様々な作品に出ていますが、それも劇団にとって刺激になっているのでは?
有り難いことに色々な演出家さんに演出してもらえるので、それを劇団に持って帰ってくるんです。最初はみんな戸惑うんですけど、それはそれで面白いとついて来てくれるので。こんなに他の演出家さんの現場を知っている演出家はいないと思います(笑)。
 
──最後に、30周年から次への新しいステップの一言をいただけきたいのですが。
以前「歌舞伎から入って歌舞伎から離れようとしている」と言われたんですけど、歌舞伎がもしも現代劇であり続けていたらどうなるかということを考えてきて、30年経ってようやく、これもできるようになったあれもできるようになりました。
今回、浪漫歌舞伎劇と付けたのも、『黒蜥蜴』を歌舞伎でやったらこうなるよというのを見ていただきたいので。歌舞伎の方は『黒蜥蜴』に義太夫を入れたりするのは嫌がるかもしれませんが、花組芝居は歌舞伎の持っている古典の要素を使いながら新しい劇を作っていく。歌舞伎の先取りというか、もし歌舞伎の方がご覧になったら、こういうのをやりたかったと悔しがるような、そういうものを作っていきたいと思っています。

【プロフィール】
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かのうゆきかず○兵庫県出身。87年、花組芝居を旗揚げ、ほとんどの作品の脚本・演出を手がける。俳優としても映像から舞台まで幅広く活躍中。最近の主な舞台は、『サド侯爵夫人』『ギルバート・グレイプ』『八百屋のお告げ』『ディーラーズ・チョイス』『鉄瓶』『配達されたい私たち』『龍が如く』音楽劇『悪名』『グリーンマイル』など。歌舞伎の豊富な知識を生かし、カルチャースクールの講師も勤める。

〈公演情報〉
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『黒蜥蜴』
原作◇江戸川乱歩
脚本・演出◇加納幸和 
作曲◇鶴澤津賀寿 杵屋邦寿

キャスト表【黒天使組】【黒夫人組】
黒蜥蜴/谷山知宏 加納幸和
明智小五郎/桂憲一 小林大介
雨宮潤一/丸川敬之 押田健史
岩瀬庄兵衛/原川浩明 山下禎啓
岩瀬早苗&桜川葉子/二瓶拓也 堀越涼
女中マリ子(秦万里)/秋葉陽司 松原綾央
岩瀬富子夫人/植本純米 横道毅
小林芳雄/大井靖彦 美斉津恵友
浪越速太警部/北沢洋
奥村文代/磯村智彦 嶋倉雷象
手下 北村六平/与作
手下 合田権蔵/ミヤタユーヤ
刑事 石花竜/永澤洋 菅山望
刑事 佐居庄一/小坂竜士
刑事 芝満男/笹尾京平 寺内瑞樹
刑事 伊組谷冠二郎/奥村啓介 山崎正悟

●12/2〜10◎あうるすぽっと
●12/16・17◎近鉄アート館 
〈料金〉一般・
前売6,000円/当日6,400円 U-25割引・前売2,500円/当日2,900円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉花組芝居 03-3709-9430






【取材・文/宮田華子 撮影◇岩田えり】




『江戸のマハラジャ』
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扉座のエンタテインメント作品『江戸のマハラジャ』まもなく開幕! ラッキィ池田インタビュー

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天下泰平を謳歌する江戸の町に現れる謎のインド人たち。その正体は…。
映画『踊るマハラジャ』で知られるインド舞踊のボリウッドダンス。その華やかな踊りを取り入れたエンタテインメント作品『江戸のマハラジャ』が、劇団扉座と人気振付家ラッキィ池田とのタッグで上演される。
扉座公演をはじめ、横内謙介が外部で作るミュージカル作品でも振付を担当、四半世紀の付き合いというラッキィ池田が、初めて提案して実現したという今回の企画。熱い思いを込めたこの作品について、ラッキィ池田に語ってもらった。

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アングラのギラギラのエネルギーに魅せられて

──ラッキィさんが横内さんと作品を作るようになったきっかけは?
最初に一緒の仕事をしたのは、たぶん『洒落男たち〜モダンボーイズ〜』(1994年)だったと思います。河毛俊作さんの演出で木村拓哉さんが主演の浅草の芝居小屋の話で、僕は振付をしました。もともと演劇は好きで、初めて演劇に触れたのはアングラなんです。友達に連れて行かれた花園神社の唐十郎さんの公演や高田馬場のガード下のつかさんの芝居で、あのギラギラのエネルギーに魅せられて、それをきっかけに新劇だとか紀伊國屋ホールの公演とか、面白いとか言われているものを観るようにしていたんです。
──そのギラギラのエネルギーはラッキィさんの踊りにも影響を与えたのですね。
アングラでは音楽とか踊りを奇抜に使ったり、驚かしに使ったり、言わば邪道に近いことをするんですが、そこの部分が好きで、普通のミュージカルで綺麗にまとまっていると、何故わざわざそこで歌と踊りの意味があるんだろうと思うんです。そういう中で、横内さんとの仕事はちょっと違っていて、たとえば『ドリル魂』(2007年)という作品は、ただ建築をドタバタ建てるだけの話なんですが、すごくバカバカしい感じなのにエネルギーが溢れていて泣けてくる!こういうのこそミュージカルだと思ったんです。

ああいうカオスの世界を舞台で作ってみたい

──そんなお付き合いの中で、今回、ラッキィさんから、ボリウッドダンスを舞台化したいと提案したそうですね。
映画の『踊るマハラジャ』を見た時に、昭和の香りがしたんですよね。昔の日活映画とかで見ていたエネルギーが、フィルムの向こうから押し寄せてきて、ああいうカオスの世界を舞台で作ってみたいと。横内さんに提案したら乗ってくれまして、江戸を舞台にした『江戸のマハラジャ』という作品を書いてくれることになりました。
──その中でどんなボリウッドダンスが出てくるのでしょう?
ボリウッドダンスは今では世界的に流行っていて、ハリウッド化して新しくなっている部分もあるので、どのあたりの踊りを見せたらいいのか、そこは日本でボリウッドダンスを教えているSPICE侍というグループと相談しながら作っています。新しいテイストを取り入れつつ、皆さんが知っている『踊るマハラジャ』のイメージも残しつつ、江戸も感じさせないといけない。でも面白いダンスを見ていただけると思います。
──横内さんとは長いおつきあいですが、ラッキィさんが一番刺激を受けている部分は?
僕がすごいなと思う部分は、全ての芝居の最後の10分、そこでとてつもないものをぶつけてくるんです。それまでは客席が観やすいように色々アレンジして、でもそこの10分は何ものにも迎合せず、僕が打ち出したいのはこれなんだというところをドーンと出してくる。これが演劇だなと思いますし、横内さんはテレビや映画の脚本も書けるだろうけど、やっぱり好きな舞台を守っているんだという、その芯の深さを感じますね。
──そんな2人で作る舞台の見どころをぜひ。
人間の持つエネルギーですね。人と人が出会った時に無限になる勢い、エネルギー。そして演劇には、これを観てどう感じてくれてもいいですよという自由さがあって、それによって観る側も心が解放される。そういう自由さとエネルギーを、この舞台から感じてほしいです。
 

【プロフィール】
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らっきぃいけだ○東京都出身。80年代より独創的な発想の振付で注目を浴び、テレビ番組、CM、映画、舞台などの作品を数多く手がけている。アニメ『妖怪ウォッチ』の「ようかい体操第一」「ゲラゲラポーのうた」が子どもたちに爆発的人気に。NHK・Eテレ『いないいないばあっ!』『にほんごであそぼ』の振付レギュラー。作詞、雑誌連載、吉本総合芸能学院(NBC)の講師などでも活躍。俳優としても『オーシャンズ11』(14年)などに出演している。

〈公演情報〉
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厚木シアタープロジェクト ネクストステップ第7回公演
劇団扉座第61回公演『江戸のマハラジャ』
作・演出◇横内謙介
振付◇ラッキィ池田・彩木エリ
出演◇岡森諦 中原三千代 有馬自由 伴美奈子 犬飼淳治 高橋麻理/篠山輝信 花柳輔蔵  ほか
●11/25・26◎厚木市文化会館 小ホール
11/29〜12/10◎座・高円寺1
〈料金〉
【厚木公演】前売券4200円/当日券4500円 特別割引学生券1500円(扉座・厚木市文化会館でのみ取り扱い。当日学生証持参)(全席指定・税込)
【東京公演】前売・当日共4500円 学生券3000円(扉座でのみ取り扱い。当日学生証持参)(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉劇団扉座 03-3221-0530





【取材・文/宮田華子 撮影/岩田えり】



『サロメ』
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芝居のリアリティは舞台も映像も同じ。8年ぶりの映像作品出演!中川晃教 特別インタビュー

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舞台で活躍中の中川晃教が、11月25日(土)からNHK総合テレビで放送される、大河ファンタジー『精霊の守り人〜最終章〜』に、ラダール役で出演する。ミュージカルを中心とした舞台活動と、自身の音楽活動に主軸を置く中川にとって、8年ぶりの映像ドラマ作品出演となった。久しぶりの映像現場での芝居は、舞台の芝居とどう違っていて、どう繋がっていたのか。そこから考える芝居への思いなどを聞いた。
『精霊の守り人』は上橋菜穂子原作の小説『精霊の守り人』シリーズが原作のドラマ作品。2016年3〜4月に第汽掘璽坤鵝2017年1〜3月に第競掘璽坤鵑放送された。最終章では、原作の『闇の守り人』『天と地の守り人』を元に描かれる。

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舞台での方法を応用しながら細かく芝居できるところが楽しい

──8年ぶりの映像作品となりましたが、ラダール役を演じるうえで、その作業は舞台のときと変わらないですか?
変わらないです。ただ、映像は撮影に入って、テストのあとすぐに本番なので、そういう意味では自分の中で感情として出来上がっていなくてはいけないですね。頂いたラダール役にしどころを感じたので、自分の中での準備や、どう演じようか考えるのが楽しかったです。そして、綾瀬はるかさんが演じるバルサにとってどうあるべきか、関わる役とどう芝居を作っていくかなどを考えました。一番舞台と違うところは、カメラがあることと、引きと寄りがあること、その角度ひとつで意思が強くも弱くも見えるので、そこを逆算して組み立てていくところですね。圧倒的に映像の経験値がないですが、舞台での方法を応用しながらも、大枠は違わないと思いますし、むしろもっと細かく芝居できるところが楽しいですね。
──働いている脳の感覚は同じですか?
同じです。でも、より集中力が高いかもしれません。舞台は空間も大きいので、例えば2000人を感動させる全体の空間を埋めるためには、目の前の集中力ではなく、いかに客席の一番奥まで集中するかと思ったときの、体の開き方ひとつが違うんです。映像の場合は近くの空間と引きの空間があるので、その切り替えは必要ですね。
──目の前に観客がいる状況と、いない状況というのは?
そこは当然全然違いますよね。でも作品によっても違います。舞台でも和田憲明さん演出でやらせて頂いた『死神の精度』では、客席に背を向けろと言われました。客席は壁だと思って、客がいることを意識しなくていいということですよね。後ろにいる人に話しかけているのに、前を向く芝居を求められる作品もありますし、劇場のサイズそれぞれの見せ方によって、役者が個人で判断して見せている場合もあります。そこは舞台も映像も同じかなと思います。

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自分がやってきたことが間違いではなかった、益々精進して行きたい

──演じるうえで『精霊の守り人』ならではと思ったことはありますか?
『精霊の守り人』は、ファンタジーという肩書きが付いている点で言うと、キャラクターひとつひとつが濃いです。その登場人物のキャラクターに負けては駄目なんです。カンバル国王・ログサム役の中村獅童さんが話していた言葉が印象に残っていますが、「ログサムは強い人間だから、あえて大きくやっている」と。それは芝居が大きいということではなく、感情や表現であり、その芝居がこの役に合っているんですよね。もちろんずっと大きいわけではなく、人間様々な状況がありますから、そのリアリティは舞台も映像も同じだと思うんですよね。この作品に出演している人それぞれ、ファンタジーならではの役に負けないキャラクターを、ちゃんと作れる人達が集まっていると思います。役者の力量で大きく変わってくる作品で、非現実空間の中でリアルに芝居をしている人達です。そこが音楽やダンスになっていくミュージカルと共通するなと感じます。
──確かに映像作品のなかでも、ファンタジーという要素が独特で、舞台ファンで『精霊の守り人』を好きな方も多いのではないかと思います。
獅童さんもこれを歌舞伎でやったら、ミュージカルでやったら、『LIFE! 〜人生に捧げるコント〜』でやったら面白いんじゃないかって話してたんですよ! カンバル王国のメンバーが、本気でコントにしたら面白いんじゃないかなと、それくらいソフトとしてすごくしっかりしたものですよね。
──改めてこの作品を終えていかがですか?
ひとことで言うと、今回自信がつきました。映像の初めての仕事だった『コンカツ、リカツ』、次の大河ドラマ『天地人』は、どちらも腑に落ちていなかったですが、今回8年近く経って、その間に舞台で経験してきたことが間違っていなかったんだと。映像と舞台は同じなんだと思いました。
──8年前は同じだと思えなかった?
気負っていたと思います。舞台と映像は違うものだと思っていましたね。8年間、本気で一作一作とぶつかって得て来たものが、今すごく身となってひとつの自信になったと思います。さらに今回吸収出来たことや、共演者の方達から頂いた刺激から、もっと出来ると思える気持ちも生まれました。自分がやってきたことが間違いではなかったんだと、読売演劇賞最優秀男優賞、菊田一夫演劇賞を取らせて頂いたタイミングでもありますし、益々自分を鼓舞して、精進して行きたい気持ちです。

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実はストレートプレイをやりたいと思っている

──最近は舞台といえばミュージカルが続いていますが、ストレートプレイはいかがですか?
実はすごくやりたいです。ストレートプレイをやりたいと思う一番の理由は、繊細に表現出来るから。『精霊の守り人』でも思いましたが、映像は寄りますし、しかも色んな角度から寄られますよね。その時に、自分がそのことを意識しながら、何を芝居するかというところが、すごく繊細に映り、そこを舞台ではもっと大きいところで表現しています。大きく出来るということは、小さい確実なものを持っているから拡大出来るわけで、実はどちらも出来ることがミュージカルにとっても、映像にとっても、音楽にとっても生かされることだと思えたんです。
役者の力で持っていくというところに、演出家の方針みたいなものを感じる場合もありますし、役者はあくまでも役であって、こういう作品を作りたいんだというものがはっきりと伝わって来る演出家もいます。例えばそれは、和田さんとやったときには、和田さんが描く作品のなかの、その人間として自分が存在できるかを大切にしたくなるんです。それは、こういうストレートプレイの世界なんだと提示されているから、自分がその駒になり、こういうふうにやりたいけれど出来ないという役者としての葛藤が生まれ、自分の役割が明確になる。逆に拮抗しあう役者の力量が問われる作品もありますし、色んなストレートプレイがあるので、もっと自分のなかで知りたいなという思いが、純粋な興味としてあります。どこかストレートプレイじゃないと表現出来ない、試せない部分に魅力を感じますし、絶えずアンテナを張っています。
音楽は自分の中に最初からあったものです。そして、ミュージカルをやったことによって、自分に音楽があったことが、ミュージカルの扉を開く一番の武器だと確信することが出来ました。芝居から生まれるのがミュージカルで、何を表現して何を語りたいかが音楽になっていくので、歌は音符だけではないんですよね。僕は、ミュージカルにおいてプロだと思いたい気持ちが強くなったことで、初めてストレートプレイに挑戦しようという思いに至っているので、ストレートプレイをやる前とそれ以降とでは、台本の読み方も変わりましたし、役の作り方も当然幅が広がり、自分じゃない人間を演じることの意味を柔軟に捉えられるようになりました。

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舞台を好きなお客さんがハマるひとつの要素になる

──最後にメッセージをお願いします。
舞台が好きなお客さんも『精霊の守り人』を見たら、原作を読みたいと思うだろうし、色んなキャラクターに感情移入することで見えてくる世界もあるだろうし、物語の内容を詳しく知らずに見ている人も、テレビドラマの今までにない魅力を感じて頂けると思います。森の中や、時代の中の建物や景色、シチュエーションが、本当に私達が住んでいる日常とは全然違うところにあり、そこに生きている人間たちを描いていますが、着ているもの、肌の色など、どこか今の私達と同じなのかなと思って見てみると、時代としては現代ではなく、そこに色んなイマジネーションが掻き立てられる面白さがあります。
それは舞台を好きなお客さんからすると、ハマるひとつの要素になるでしょうし、バルサの視点で三年に渡ってストーリーが展開していく、そんな舞台がもしあったならば、ものすごいバジェットですよね。僕が関わった作品で考えると『銀河英雄伝説』がそういう形でした。舞台ではなかなか出来ないような超大作に匹敵するような作品だからこそ、絶対に楽しいと思ってどんどん見たくなると思います。そして僕自身も、この作品を経験する前と経験した後とでは、確実に変わったと思いますし、見てくださっている方にもそう思って頂ける、ターニングポイントになった作品だと思います。ぜひご覧ください。

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なかがわあきのり○宮城県出身。01年自身の作詞作曲による「I WILL GET YOUR KISS」でデビュー。02年日本初演のミュージカル『モーツァルト!』の主役に抜擢され、初舞台にして第57回文化庁芸術祭演劇部門新人賞、第10回読売演劇大賞優秀男優賞、杉村春子賞を受賞。以後音楽活動と共に数々のミュージカル、ストレートプレイに出演。最近の主な舞台作品は『CHESS』『グランドホテル』『フランケンシュタイン』『ビューティフル』など。昨年の『ジャージー・ボーイズ』で演じたフランキー・ヴァリ役で第24回読売演劇大賞最優秀男優賞、菊田一夫演劇賞などを受賞。

〈作品情報〉
NHK大河ファンタジー『精霊の守り人〜最終章〜』
2017年11月25日(土)スタート
NHK総合 毎週土曜 午後9時00分から9時58分 <連続9回>



【取材・文・写真/岩村美佳】



『サロメ』
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舞台『義風堂々!!』が開幕! 志村玲於・古川毅・早乙女友貴・小野健斗インタビュー

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前田慶次の莫逆の友・直江兼続の物語として、月刊コミックゼノンで連載中の「義風堂々!!」が舞台化され、11月17日にAiiA 2.5 Theater Tokyoで開幕した。(26日まで。そののち大阪でも上演)。
 
この作品は「花の慶次-雲のかなたに-」の魂を受け継ぐ作品として、2008年より連載を開始。「花の慶次」で、原作者の原哲夫自身が描き切れていなかったと語る、"義"を貫く漢の生き様を力強く描いている。

【 あらすじ 】
時は戦国時代。上杉家軍師・直江兼続(猪野広樹)は従者・茂助(志村玲於)忍び・次郎坊(早乙女友貴)と共に、命を賭して上杉家盟主・上杉景勝(伊藤裕一)に仕えていた。
ある時、遊郭で天下一の傾奇者にして伝説のいくさ人・前田慶次(鍵本輝)と出会い、二人は『莫逆の友』となってゆく。
『義』で結ばれた兼続と慶次は、時の関白・豊臣秀吉(窪寺昭)による佐渡攻めの謀略を乗り切る。
だが、徳川家康(ブラザートム/天宮 良)に兼続の出生の秘密を悟られてしまい、忍び・下坂左玄(小野健斗)や名軍師・島左近(古川毅)たちが次々と動き出すー。
主人公となる上杉家軍師・直江兼続をめぐる人々の中で、兼続の従者・茂助役の志村玲於、徳川方の名軍師・島左近役の古川毅、兼続の忍び・次郎坊役の早乙女友貴、家康の忍び・下坂左玄役の小野健斗が、扮装姿も凜々しく集まってくれた「えんぶ10月号」のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介。

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小野健斗・早乙女友貴
古川毅・志村玲於

原作もののプレッシャーをバネにして

──戦国時代の話ですが、時代ものへの興味は?
志村 昔からこういう戦国ものは好きでした。アニメ系だと『戦国BASARA』ものとか。それに時代劇を見たり、ゲームをやったりというのはありました。
古川 僕は小さい頃から時代ものが好きで、父親と大河ドラマを見ていた時期もあります。安土桃山時代を背景にした作品は大好きで、直江兼続とか上杉景勝もよく知っています。
──早乙女さんと小野さんは、時代ものには沢山出ていますが、原作ものに出るときのハードルは?
小野 やっぱり演じる以上は原作をより面白く皆さんに届けたいという気持ちが強いですね。
早乙女 実写化というか、原作ものをやるときはプレッシャーがあります。でもそのプレッシャーをバネにして、漫画とは違った魅力だったり、良さを出していけたらいいので。
──志村さんと古川さんは、こういう舞台は初めてだそうですね。お互いに、この部分は舞台に向いているなというところは?
古川 玲於は明るいんです。いい意味で人柄が演技に出ると思うので、そこは向いています。それに日頃からお芝居をやりたいと言っていて、殺陣も習ったりしているので、今回一緒なのは心強いです。
志村 毅は真面目だし、すごく誠実です。そういうところが島左近という役に、すごく合っているんじゃないかな。自分が信じた道を迷わず進むタイプなので、今回の経験を自分のやりたいことに生かしていけるのではないかと思います。
 
同じ作品でも、エネルギーや空気感は毎回違う

──早乙女さんと小野さんは共演経験がありますね。お互いについては?
小野 友貴は、とにかくずば抜けて殺陣がうまい。速いし、ついていけない。
早乙女 でも健斗に殺されたよね。1対1じゃなくて何人がかりだったけど(笑)。健斗の殺陣もカッコいいです。タッパがあるので迫力が増す。今回、槍とか持ったら、戦う範囲が広がるので、怖いんじゃないかな(笑)。
古川 話を聞いてて、ちょっと不安になってきた(笑)。
志村 僕は殺陣は絶対やりたいんです。でも茂助にそういうシーンがあるか、まだ微妙なんです。
──早乙女さんから殺陣についてアドバイスするとしたら?
早乙女 技術の話は置いておいて、まず力まないこと。力が入っちゃう人がいるんです。力むとロボットみたいな硬い動きになるし、体力もなくなっていく。力まず楽しんでやるといいんじゃないかな。それに好きかどうかですよね。好きだったら練習も楽しめる。あとは色々な方の良いところをとって、自分なりにアレンジすることですね。
──カッコいい“漢”の戦いが楽しみですね。最後に意気込みを。
志村 原作を好きな人も、今回僕たちが出ることで初めて知った人にも、絶対に楽しんでもらえる舞台にしたいです。共演の方たちから刺激を受けて、日々進化していきたいし、その進化をぜひ見ていただきたいので、ぜひ劇場に目撃しに来てください。
古川 今回、僕は初舞台なので、先輩方から色々なものを盗めたらと思っています。それを成長の糧にしたい。後になってこの舞台を振り返ったとき、しっかり戦っていたなと思えるように、真正面からぶつかって沢山のものを得たいと思います。
早乙女 今回、全部で20公演ありますが、同じ作品でも、人から出てくるエネルギーや空気感は、毎回まったく違うんです。そこが舞台の魅力ですし、それを体感しにきてください。
小野 戦国時代、人はギリギリで生きていたと思うんです。だからギリギリのところで演じていかないと意味がないと思うし、1人1人がギリギリのところまでもって行くことが、当時の人たちの生き様をお客様に伝えることになる。みんなでギリギリまでがんばって、戦国時代の漢の生き様を伝えられたらと思っています。

【プロフィール】
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小野健斗・早乙女友貴
古川毅・志村玲於

しむられお○東京都出身。2015年9月、「EBiDAN」(エビダン/恵比寿学園男子部)内から選抜された9人組ダンスボーカルユニット「SUPER★DRAGON」として活動中。2017年1月『BIOHAZARD THE Experience』で舞台初出演を果たした。
 
ふるかわつよし○東京都出身。2015年9月、「EBiDAN」(エビダン/恵比寿学園男子部)内から選抜された9人組ダンスボーカルユニット「SUPER★DRAGON」として活動中。舞台はこれが初舞台になる。

さおとめゆうき○福岡県出身。1歳半で父・葵陽之介が座長をつとめる劇団朱雀で初舞台を踏み、2015年の劇団解散まで所属。劇団公演以外にも舞台出演は多数。近年の主な舞台は『蒼の乱』『南の島に雪が降る』『つかこうへいダブルス』『オレノカタワレ』『AZUMI・幕末編』『THE SHINSENGUMI2015』『TRUMP』『刀舞鬼 -KABUKI-』『新・幕末純情伝』『瞑るおおかみ黒き鴨』『あずみ 戦国編』『ちるらん 新撰組鎮魂歌』『ALATA』など。

おのけんと○東京都出身。モデルから、06年の舞台『ミュージカル・テニスの王子様』で俳優デビュー。最近の出演舞台は、『カフェ・パラダイス』『初恋モンスター』ミュージカル『花・虞美人』『Fate/Grand Order THE STAGE -神聖円卓領域 キャメロット-』『煉獄に笑う』舞台『K-MISSING KINGS』など。

〈公演情報〉
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舞台『義風堂々!!』
原作◇「義風堂々!!」シリーズ
「義風堂々!! 直江兼続-前田慶次 月語り-」(原作:原哲夫・堀江信彦、漫画:武村勇治) 「義風堂々!! 直江兼続-前田慶次 酒語り-」(原作:原哲夫・堀江信彦、漫画:武村勇治) 「義風堂々!! 直江兼続-前田慶次 花語り-」(原作:原哲夫・堀江信彦、作画:出口真人)
脚本・演出◇きだつよし
出演◇猪野広樹 鍵本輝(Lead)/志村玲於(SUPER★DRAGON)  古川毅(SUPER★DRAGON)  早乙女友貴 小野健斗伊藤裕一ブラザートム 天宮良(Wキャスト/東京公演のみ)  ほか 
●11/17〜26◎東京 AiiA 2.5 Theater Tokyo
●12/9・10◎大阪 メルパルクホール
〈お問い合わせ〉東京公演/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)




【取材・文/吉田ユキ 撮影/岩田えり】




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