稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

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インタビュー

人気コミックの舞台化『四月は君の噓』 安西慎太郎×和田雅成インタビュー

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新川直司原作の人気コミックで、累計500万部を超えた『四月は君の嘘』。この作品が待望の舞台化となり、8月末から9月にかけて、東京と大阪で上演される。 
作品の内容は、あるトラウマを抱えた元天才ピアニスト有馬公生が、ヴァイオリニストの宮園かをりと出会ったことや、仲間との友情で立ち直り、改めてピアノに向き合っていくという青春物語だ。

出演者は、有馬公生に安西慎太郎、宮園かをりに松永有紗、その友人やライバルたちとして河内美里、和田雅成、山下永夏、横井翔二郎といった若手俳優たちが顔を揃えている。その出演者の中で、親友同士の役となる安西慎太郎と和田雅成に、この作品のことお互いのことなどを語ってもらった。

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安西慎太郎・和田雅成

初めてのラブストーリー、ちゃんと恋をしたい

──原作を読んでの印象を教えてください。
和田 一人ひとりのキャラクターが魅力的だなということと、漫画に音はないのに音楽が聴こえてくるようで、そこがすごく面白いなって。今まで読んだことのないジャンルの作品なので、そこが僕は素直に面白かったです。
安西 まず題名が『四月は君の噓』ということで、嘘?…どんな“嘘”なんだろうなと思って読んでいて。その“嘘”を把握するまでの、人と出会って、出会ったことによって成長して、っていうお話がすごく素敵だなと思いました。キャラクターに魅力もあるし、自分が今まで読んだことのないような作品だったので、新鮮さもありましたね。
──本作はラブストーリーの要素がありますが。
安西 僕はラブストーリーは初ですね。
──どういう気持ちで取り組みますか?
安西 有馬公生として、ちゃんと恋をしたいなというふうには思います。
和田 僕の役の渡は恋多き男ですけど、恋愛恋愛してないんですよね。だからそこは気にしないです。渡もそうだと思うんですけど、僕も“人”が好きなので。そこがうまくリンクできればいいなと思いますね。
──ご自身が演じる役柄への印象や感じる魅力は?
和田 渡はいいヤツです、ほんとに。チャラく見えるけど、漫画を読んだ人はわかると思う。公生も「渡は良いことを言う」って言いますけど、本当にそうで。「星は夜輝くんだぜ」とか、確かにそうだなってことを、渡ならではの言い回しで言うんですよね。でも、ちょっと残念なヤツで。イケメンだし、スポーツ万能だし、良いこと言う、でもちょっと残念なところが魅力なのかなと思います。
安西 公生は、色々な人と出会って、色々な人の影響を受けて、変わっていくところ。音楽で苦しんだ人間が再び音楽の楽しさを取り戻す、ということがすごく素敵だなと思うんです。
──この舞台の特徴に「生演奏」がありますが、普段、クラシックの音楽を聴く機会はありますか?
安西 機会はないですけど、聴かなくちゃいけないなとは思ってます。クラシックだけじゃなくて、この作品に関する音楽のことはちゃんと頭に入れておきたいなと思います。
和田 僕は家では聴かないですけど、地方公演でホテルに行くと聴きたくなるんですよね。
安西 ああ、わかる。
和田 だから地方公演に行くと聴く機会が増えるかもしれない。ホテルってベッドの近くにラジオみたいなのがあるじゃないですか。心を落ち着かせる効果があるかわからないですけど、寝る前とかに聴いて、いい気持ちになったなと思ったら寝ます。
 
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なにかに没頭する姿はすごくカッコいい

──お互いについて、役柄と似ているところを教えてください。
和田 しんた(安西)は、1つのことに没頭できるタイプなんですよ。公生もかをりと出会ったことで、だんだんピアノに没頭していくじゃないですか。ご飯も食べずに没頭する。それができる人って強いと思うんですよね。そういうところが、しんたと公生は似てるのかなと思います。
──没頭する姿を見たことありますか?
和田 基本的に稽古中からそうです。前に舞台で共演したときに、しんたは槍を使う役だったんです。槍の扱いって難しくて、普通の稽古だけでは見せるレベルにならない。だからしんたは残って練習をしていて。それをやってる時のしんたってカッコいいんですよね。公生もそうだと思うんです。なにかに夢中になれる人ってすごく素敵だと思います。
──没頭してカッコいいと言われてどうですか?
安西 そうだと思います。
和田 うるせえ(笑)。 
安西 嘘です嘘です(笑)。そうですかね? 没頭するっていうか、普通に「ちゃんとやろう」という意識なんですけどね。あんまり1つのことに集中しすぎてもダメだとは思うんですけど。
──和田さんと渡はどうですか?
安西 残念感ですね。
和田 うるせえ!(笑)
安西 ただ残念感のパーセンテージってすごい大事で。渡くんは95から97か98パーセントくらい素敵で、残りの2、3パーセントがなんか残念なんですよ。でもそこがお客さんが目を引かれるところでもあるのかなと思うんですけどね。和田くんも渡くんも共通して。
──感じたことありますか残念感?
安西 エピソードとかは特にないんですが、醸し出す空気感というか。
和田 ふふふっ(笑)。
安西 絶妙な残念感が。
和田 うるせえよ(笑)。
──そう言われていかがですか?
和田 否定はできないです。自分でもわかってる部分だし。でもさっきも言ったように、渡はパーフェクトな人間じゃなく、どこか欠けているからこそカッコいいし魅力的。そういう部分を持ってる人を僕は素敵だなと思うので、言われると嬉しいですね。

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先を見据えていかないと続かない仕事

──舞台化にあたり、挑戦したいことや意識していきたいところは?
和田 渡は公生に影響を与えた1人だと思うんですね。だから渡としても、役者・和田雅成としても、安西慎太郎にこの作品を通して影響を与えられたらなと思います。
安西 出演させていただく以上は、やっぱり作品の魅力をしっかり伝えること、作品を通してお客様に何らかの形で楽しんでいただくことしか考えてないです。あとは公生のキャラクターをしっかり出していくことですね。それと個人的なことを言うと、終わったときにスタッフの皆さんとかキャストの皆さんとか、お客さんもそうですが、「あの人とまた仕事したい」「あの人の舞台また観に行きたいね」と思っていただけるように、ということですね。
──おふたりは何度目かの共演ですが、お互いの“俳優として素晴らしいところ”を教えてください。
和田 しんたは芯がぶれないところですね。そして、いい意味で上に行く気持ちみたいなのがすごく強いので、刺激をくれる人ですね。負けたくない、という気持ちにさせてくれます。
──それは一緒にお芝居をしているときに感じるのですか?
和田 すごく感じます。今まで共演した作品は、しんたが主演をやっていることが多かったので、どこかで「負けないぞ」と思いながら。
──今作も安西さんが主演ですが。
和田 今回は自分でも渡だなと思いますから。例えば役柄が被っている作品でしんたが主演というときに、もちろん立てるところは立てますけど、自分の見せ場ではちゃんとさらうぞと。そういう気持ちにさせてくれる人です。
──安西さんから見た和田さんは?
安西 今言ったようなことを、そのまま感じられる人だなと思います。言っている言葉とかやっている行動とか見ていると、すごく意志が強いし、きっと夢もすごく大きいでしょうし、そこに向かってちゃんと進んでいる。「どうやって進もうか」というのも、ちゃんと考えてる人だなというのは、言葉よりも佇まいとかで、一緒にいると感じますね。
和田 この仕事は生半可な気持ちでできるものでもないし、やっぱり今だけを考えるんじゃなく、先を見据えていかないと続かないと思っていて。いつまでも走り続けようと思っているので。

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ボケとツッコミの掛け合いが楽しい2人

──何度も共演しているからわかる、和田さんのおもしろい部分ってなんですか?
安西 この掛け合い、ボケとツッコミと言っていいのかわからないですけど、今日久しぶりに会ったんですけど、すごく楽しいですね。すごいツッコみたがる(笑)。
和田 お前がボケたがるんだろ!(笑)っていう感じなんですよ。自分から仕掛けてくる。かまってちゃんなんですよ。すごいかまってちゃん(笑)。そこがしんたの可愛らしいところで、しっかり座長として立ってるのにそういうところがあるから。うわ、むかつく!褒めてる!(笑)
──かまってちゃんなんですか?
安西 まあ、かまってちゃんっていうか……かまってちゃんですね。可愛いんですよ、ちゃんと。
和田 うるせえ(笑)。可愛いですよ、ちゃんと。ちゃんとね。
安西 憎まれる方じゃないので。
和田 あははは!誰かに思いっきり憎まれろ! (笑)
──では最後に観てくださる方にメッセージを。
和田 原作が好きでくるお客様の中には、舞台を初めて観る方もいると思うんですけど、そういう方には舞台を好きになってもらいたいですね。逆に、舞台を観て原作を好きになってもらえたら、それも僕たちにとっての幸せなんじゃないかなと思います。この作品の素晴らしさをお届けできるようにがんばりたいです。劇場でお待ちしております!
安西 和田くんの言った通りです。選ばれた以上は、この『四月は君の噓』の魅力をちゃんとお届けできるよう、カンパニー一丸となって作っていきたいです。ぜひ楽しみにしていてください。
 

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あんざいしんたろう○1993年生まれ。神奈川県出身。2012年、舞台『コーパス・クリスティ 聖骸』でデビュー。主な出演作品に、TVは日本テレビ『男水!』、TBS『アリスの棘』、舞台は『エドワード二世』、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシリーズ、『武士白虎 もののふ白き虎』、『僕のリヴァ・る』、『ARCADIA  アルカディア』、『Sin of Sleeping Snow』、『喜びの歌』、『幽霊』、『幸福な職場〜ここにはしあわせがつまっている〜』、『スーツの男たち』、『男水!』など。7月にSHATNER of WONDER #6『遠い夏のゴッホ』(主演)、10月・11月に『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』への出演が控えている。

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わだまさなり○1991年生まれ、大阪府出身。大阪での活動を経て、2013年『合唱ブラボー!〜ブラボー大作戦〜』以降、活動の拠点を東京に。主な出演舞台に、『おそ松さんon STAGE 〜SIX MEN'S SHOW TIME〜』、舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺、『弱虫ペダル』、『里見八犬伝』など。6/29〜7/2@新神戸オリエンタル劇場で劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪『天下無敵の忍び道』に出演中。11月に泪橋ディンドンバンド供惱だらけの夕陽』への出演が控えている。情報バラエティ番組『猫のひたいほどワイド』(テレビ神奈川)火曜日レギュラー出演中。
 

〈公演情報〉
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原作◇新川直司『四月は君の嘘』(講談社「月刊少年マガジン」所載)
脚本◇三浦香
演出◇伊勢直弘
出演◇安西慎太郎 松永有紗 河内美里 和田雅成 山下永夏 横井翔二郎 他
●8/24〜9/3◎AiiA 2.5 Theater Tokyo
●9/7〜10◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉プレミアムシート9,800円[特典付き・前方座席] 一般席6,800円(全席指定・税込)
 ※未就学児の入場不可 
〈お問い合わせ〉03-5793-8878(平日13:00〜18:00)

c︎新川直司・講談社/エイベックス・ピクチャーズ株式会社



【取材・文/中川實穂 撮影/岩田えり】





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TOKYOハンバーグ×B.LET’S合同企画『纏わるひとびと』座談会

かつて地方都市の、不良のたまり場だった高校のラグビー部をまとめ上げ、全国大会の常連校に育てた伝説の監督がいた。地元の英雄だった彼が急逝して十数年後。
彼に興味を持った女性ドキュメンタリー映画作家が、彼の家族と周りの人びとを取材するうちに浮かび上がる真実とは…。

京都で1回きりのつもりで活動を始め、人間の愛らしさと醜さを表現したいと作品を発信し続けているB.LET’Sの滝本祥生が、実際にあった事件をモチーフに書き下ろし、伊勢市出身で、観客が”一筋の涙”をこぼすかどうかに重点を置きながら、血縁・家族関係を軸に描いてきたTOKYOハンバーグの大西弘記が演出を担当する注目作。

ドキュメンタリー作家を演じる永島広美(B.LET’S)と、彼女に取材され、知らなかった事実と向かい合うことになる伝説の監督の娘役を演じる永田涼香(TOKYOハンバーグ)。

この夏、この合同公演でしかできない作品を作ろうと格闘している4人に、本番直前の稽古場にて創作過程を聞いた。


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TOKYOハンバーグとB.LET’Sのメンバー

劇作と演出の挑戦

——今回の作品は実際にあった事件を基にされているそうですが、脚本の滝本さんと演出の大西さん、どちらが決められたのですか。
滝本 わたしですね。いくつか提示して、選んでもらいました。
大西 ぼくは実際にあった事件、それもちょっときつい事件だったので、最初は反対でした。何度も滝本さんが提示してくれた対案を「これは? これは?」と推したのですが、彼女は「でも、わたしはこれをやりたい」と。「じゃあ、お願いします」と決めたら、あとは自由に書いてもらいました。そしたら、こんなに複雑な本が上がってきて、かみ砕くのに時間がかかりましたね。
滝本 演出の大西さんに自由に書いていいと言われたので、自分が演出をするんだったら書けないようなことも書かせてもらえて、自分の劇作の幅が広がりました。普段、自分の劇団だと日常を描くことが多いので、日常とフィクションをうまく融合させるのが得意な大西さん、TOKYOハンバーグとの合同企画だからこそ、書けるものに挑戦できました。
——先日、最終稿を読ませていただきました。ドキュメンタリー映像作家の女性が軸となっているので、取材シーンや回想シーンなど、時間軸や場所の異動が多くて、演出を考えるのは大変そうな印象を受けました。
大西 今回、脚本が別ということで、最後の着地点がなかなか見えなかったので大変でした。創っては壊す、創っては壊すを何度も、こんなに繰り返した作品はこれまでなかったです。

信頼するが故の難役

——このお話の一つの軸となる、ドキュメンタリー映像作家を演じられる永島さんは、ここまでこの役と付き合ってきて、いかがですか?
大西 とは言っても、まだ台本が完成したばかりだから・・・。
滝本 実はラストシーンを書けたのが6月20日頃で。
永島 まだ分かんなさが・・・・・・。(取材時7月8日)永田さんが演じる、ドキュメンタリー映画の題材にしているラグビー部の監督の娘との距離感とか・・・・・・。すごく難しくて。
——永田さんはいかがですか?
永田 人っていろいろ抱えて生きているとは思うんですけど。今までの自分が持ってきたもの以上のものを抱えている役で。さらに、それを抱えたまま人と普通に接するっていうところの難しさを感じながら稽古してます。
——後半、家族の秘密を知る、大変な役だと思います。想像するのも難しいというか・・・。
永田 自分の役について、最初のうちは全然、見えてこなくて。徐々に演出がついて、まわりの人物が立って物語が進んで行くに従って、まわりの人を通して、見えてくるようになったかなとは思っています。
滝本 彼女は何度か一緒にやったことがあって。どんな役でもこちらの期待以上のものを提示してくれるんです。若い、今23才なんですけど、難しいことも自然と身体が対応しているんですね。難しい役であるほど、応えてくれる人なんじゃないかなと思っています。とても信頼しています。
——こうおっしゃっていますが、いかがですか?
永田 セリフも演出も本当に、すべてのことに対して「ありがとうございます!」って思うんです。それを自分が、「ごちそうさまです!」みたいな感じで返せたらいいなって。まだ全然至らないところばかりで、今は「悔しい!」っていう感じです。
——先ほどの発言にあった「回りが立ってきたら、自分が見えてきた」っておっしゃっていましたが、それが素敵だなと。自分の役が大変だったら、そのことばかり考えそうですが、回りが見えているというか、客観性を保っているのがお若いのにすごいなと。
永田 癖っていうか、わたしすごい中に入っちゃうというか、自分の役のことばっか考えちゃって。よくない癖だと思ってるんです。この癖をどうにかこう、毎回、毎公演、毎公演、ちょっとずつでも変えていかなきゃなって思っていて。今回の作品も自分の役のことをずっと考えてきて、もうちょっとわけ分かんなくなってきちゃったんで。じゃあもう、主人公の監督のことを考えたりとか、自分の身内、親しい関係の中から何かって、切り替えて、挑戦はしてるんです。
——これからまだまだ発見や変化がありそうで、楽しみですね。
永田 まだまだです。

愛のある作品を目指して

——どんな作品にしたいとお考えですか?
永島 愛のある作品にしたいです。今、全然、自分の中の愛がスカスカなので。愛のある作品に・・・。
——愛はどこから手に入れられそうですか?
永島 周りから。一緒にやってるみんなからです。自分じゃもう、何もつかめないんです・・・・・・。わたし、普段、人にあんまり愛情を持ってない気がするんです。自分のことは愛しいんですけど、回りの人のことを愛せない自覚があるんです。でもこの作品はそうじゃないから、自分から周りの人を愛せるようになりたいなとすごく思っています。
——役を演じる前に、まずは自分を変えるところから始まるのですね?
大西 たぶん、彼女は役を作っていく中で、難しい回路から入って行くんだと思うんです。だからアウトプットがすごく遅いんだけど、出てきた物、表現はスゴイ。彼女はいつも観ていたい役者さんですし、稽古の途中でも魅了される瞬間がバンバンあるので、これからですね。
——愛のある作品になりそうですね。楽しみにしたいと思います。

【プロフィール】
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大西弘記(後列左)
おおにしひろき○三重県出身。TOKYOハンバーグ主宰/劇作家/演出家/俳優。1999年に伊藤正次演劇研究所に入所し演劇を始める。2006年に自らの作品を上演するためTOKYOハンバーグを立ち上げ、以降すべてを脚本・演出担当する。

滝本祥生(後列右)
たきもとさちお○京都府出身。B.LET’S主宰/劇作家/演出家。近畿大学で演劇・芸能を専攻。京都の劇団「MONO」にスタッフとして参加し、退団後、創作戯曲の上演を目的に演劇ユニット「B.LET'S(ビーレッツ)」を結成。以降の全作品の作・演出を担当する。

永島広美(前列右から2人目)
ながしまひろみ○茨城県出身。2010年まで劇団ギルドに所属、多くの作品・劇場で主演を務める。2009年からB.LET'S公演に参加、2013年より正式に加入。NHK青春アドベンチャー等に出演、精力的に活動中。

永田涼香(前列右端)
ながたりょうか○大阪府出身。中学の演劇部、高校のサッカー部を経て、桐朋学園芸術短期大学に入学。卒業後、フリーで活動したのち、2016年TOKYOハンバーグ『愛、あるいは相、それは哀。』に出演。その後入団。

【公演情報】

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TOKYOハンバーグ×B.LET’S合同企画
『纏わるひとびと』
作◇滝本祥生 (B.LET’S) 
演出◇大西弘記 (TOKYOハンバーグ)
出演◇永田涼香・山本由奈(以上TOKYOハンバーグ) 永島広美・大田康太郎(以上B.LET’S) 甲津拓平(流山児★事務所) 白石花子(劇団民藝) 海老原恒和(officeshrimp) 真保栄千草(MAXSTAR) 平岡亮(オフィス斬) 岡田昌也 三村慎(アミュレート) 上田尋 宇鉄菊三(tsumazukinoishi)
7/12〜19◎新宿サンモールスタジオ

【取材・文・撮影】矢崎亜希子



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神戸三宮シアター・エートーこけら落とし公演! OSK日本歌劇団『HIDEAWAY ハイダウェイ』 華月奏・翼和希インタビュー

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2017年、劇団創立95周年という節目の年を迎え、ますます意気上がるOSK日本歌劇団。神戸三宮シアター・エートーのこけら落としという記念すべき公演『HIDEAWAY ハイダウェイ』を、元宝塚歌劇団演出家で、現在、ミュージカルやレビューの刺激的な舞台を精力的に創り続けている鬼才荻田浩一を迎えて上演する(7月13日〜17日)。
 
『HIDEAWAY ハイダウェイ』は、その名の通り「閉ざされた空間」での様々なシチュエーションが、時に激しく、時に麗しく、折り重なって紡がれるショー。神戸三宮に誕生した客席数100という小劇場シアター・エートーに相応しく、舞台と客席の密な空間を活かし、無限に広がる光と闇の中で繰り広げられる。メンバーは、OSK日本歌劇団ならではのダンス力に優れ、加えて歌唱力にも秀でた若手たちが選抜され、「荻田ワールド」と称される幻惑の世界とタッグを組んでのショータイムとあって、今、大きな期待が集まっている。
そんなステージで、劇場公演初主演を果たすOSK日本歌劇団の若手男役スター華月奏と、共にこの舞台を創る若手ホープの翼和希が、作品への思い、クリエーター荻田浩一の魅力、また創立100周年に向かって歩み続けるOSK日本歌劇団と、男役としてそれぞれが描く未来像などを語り合ってくれた。

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翼和希・華月奏

様々に展開し、果てしなく広がる「閉ざされた空間」

──『HIDEAWAY ハイダウェイ』、閉ざされた空間で繰り広げられるソング・サイクルショータイムということで、ミステリアスな想像力を掻き立てられるタイトルですが、まず内容について今お話し頂ける範囲で教えて頂けますか?
華月 今回公演をさせて頂くシアター・エートーが、客席数100という小劇場なので、その空間自体をタイトルにある通りの「閉ざされた空間」に見立てて、ショートストーリーを歌をメインとしたお芝居でつないでいく、1時間半ノンストップの舞台になっています。
 場面毎に時空間が変わって、物語を歌でつないで行く中に、芝居要素が多く入っている形です。
──ということは、ショーと言うよりはむしろ芝居仕立てですか?
華月 いえ、やはりショー要素が強いよね?
 ショー寄りですね。
──そうしますと、お二人の役どころは全体を通じて通し役なのですか?それとも場面毎に変わる?
華月 一貫しているような、していないような。前の場面からつながっていったり、派生していったりしながら展開していく感じです。
──例えば幕開きでは、どういう役柄で登場するのですか?
華月 私が「さすらい人」で。
翼 「若者」です。
華月 まず、ホテルのロビーで私が「さすらい人」としてさすらっているところから始まって、そこで「若者」の翼と一緒に歌うのですが、そこから場面が続いていって、今度は不意に止まってしまった列車の中で、たまたま乗り合わせた二人としてまた出会ったりもします。その不意に止まってしまった列車の中というのも「閉ざされた空間」なんですね。そんな風に場面ごとに、「閉ざされた空間」が出てきます。ですから、ショーハウスで歌う人にもなれば。
 牢獄に囚われたりもします。
華月 そう、囚人にもなるし、恋人を失った役になったり。
 決して部屋の中だけが「閉ざされた空間」というわけではなくて、船の中の出来事だったり、薔薇の庭園だったりもするんです。庭園の場面では、城月れいさんが演じる荒れ果てた庭園に留まっている孤独な夫人を、私の薔薇の精が誘惑したりもします。
華月 心が閉ざされているということも「閉ざされた空間」という解釈なので。

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──さすが「荻田ワールド」という展開ですね。
 先生の発想についていくのが大変です(笑)。
華月 あーこうつながっていくのかと、今稽古をしていてもワクワクします。台詞と言えるほどの台詞はほとんどなく、芝居はすべて歌で表現するので、とにかく譜面が膨大で。
 格闘していますよね。
華月 最大1曲だけで15ページ?
 ありますね。
華月 何人かで掛け合いで歌っていたりはするのですが、それでも10ページ越えの曲が何曲もあるんです。覚えるだけでも必死ですが、発見もたくさんあるので。
──荻田浩一さんの書かれる歌詞は深いですものね。
華月 言葉の世界観が独特で、あ、こんな言葉で紡がれるのかと思います。本当に不思議な魅力のある世界観で素敵です。
──特にお二人共、歌唱力は折り紙付きですから、それだけ歌が多いととても楽しみです。本当に様々な場面が観られそうですね。
華月 「閉ざされた空間」というと、暗いイメージをお持ちになる方もいると思うのですが、決してそういう場面ばかりではなく、ちょっとコミカルだったり、激しかったり、弾けているシーンも色々あるので、楽しんで頂けると思います。

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摩訶不思議だからこそ惹かれる「荻田ワールド」

──こけら落とし公演ということも含めて、今回、華月さんは劇場公演で初主演という大きな機会となりますが。
華月 劇場公演で主演させて頂くのは初めてですから、プレッシャーや緊張もありますが、その機会が翼と一緒で良かったなと。
 えっ!
華月 二人で一緒にハーモニーを奏でるのも初めてなのですが、やっていてとても気持ちが良いですし、今まで同時期の公演で別チームでやることが多かったので、やっと一緒にできる!という気持ちがあります。
──華月さんの言葉を聞いて、翼さんいかがですか?
 (声を大にして)嬉しい〜!!
華月 (笑)。
 華月さんとは、今まで一緒の公演に出させて頂いたこともあったのですが、確かによく考えてみると一緒に歌わせて頂いてないんです。2年前にやはり荻田先生が演出してくださった松竹座の公演『Stormy Weather』で、ご一緒させては頂いたのですが、本当に何小節かだったので、今、こうして何曲も一緒に歌わせて頂けて、歌稽古などもずっと一緒なので、とても勉強になります。難しい曲も多いので必死ではありますが、頑張ってついて行こうと思います。
──ではお互いに良い刺激も?
華月 すごくあります。学年が離れているので、私がもっと余裕がなければいけないと思うのですが、でも良い刺激というか、良いプレッシャーをかけてくる存在なので。
 いえ、「華月さん待って〜!」といつも思ってます!どんどん先に進んでいかれるから、ひたすら背中を追ってます!
──やはり、劇場公演ということで、また違うものがありますか?
華月 これまで私たちが主演させて頂いたのは『OSK Revue Cafe』という公演で、ディナーショーではないのですが、会場の雰囲気としてはディナーショーに近いもので、お客様も円卓に座っていらっしゃるんです。でも今回は劇場なのでお客様と向かい合うわけです。その中で、8人という少人数で、どうお客様との空間を埋めて、どう色々な世界を繰り広げていけるのか。実際に舞台に立ってみないとわからないこともあるとは思いますので、頑張っていかなければと。チームワークよくね!
 はい!頑張ります!
──先ほどからお話に出ている荻田ワールドの魅力については、どう感じていますか?
華月 まず作品創りをする過程で、私たち1人1人を本当によく見てくださっているんです。『Stormy Weather』の時にも出演者の歌と踊りを1人ずつちゃんと見てくださって、そこから場面を作ってくださったのが何より印象的でしたので、まず私たちとまっすぐ向かい合ってくださることをありがたいと思います。作品としては、本当に独特の世界観を持っていらっしゃるので、そこに出られることが嬉しいです。
 荻田先生の作品は何回も観たくなるというイメージがすごくあります。1回では見きれないほどの不思議な世界観で、観終わった後に、あの場面はどういう意味だったのだろう?と考えさせられます。舞台上のあちらこちらで様々なことが起こっているので、「あれは?」と気になって、もう1度観たい!と。
華月 良い意味で摩訶不思議だから、なんだったんだろう?と後々まで興味を引っ張られるよね。
 あの人はどうなったの?とか、もしかしたらこういうこと?と、妄想を掻き立てられます。特にショー作品は台詞で何かを伝えるのではないので、この人が今、ここにいる意味はとか考えだすと、限りなく興味が広がります。ですから今回も、先生のお話を伺っていると、自分が演じる役に対してもどんどん想像が膨らんで、出演者同士もお互いに、「じゃあこうやってみようかな?」とか「こういうパターンも考えられるかも?」と、話し合っているので、更にステージングが豊かになっていると思います。

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──私たち観客側からすると、荻田作品はどこで何が起きているかわからないので、シアター・エートーのような小劇場空間ですと全体が見られますし、より魅力がわかると思います。
華月 客席のどこからでもすべてをご覧頂けるので、是非隅々まで堪能して頂きたいです。
──今年、OSK日本歌劇団は劇団創立95周年という記念の年を迎えましたが、今この時にOSKの一員として感じていることは?
華月 95周年という年、この瞬間をOSKの一員として迎えられたことを、誇らしく幸せに思います。たくさんの先輩方が築いてきてくださったからこその今なので。
 私は男役がやりたい!という気持ちで受験したのですが、幸運にもOSKの一員として入れて頂くことができた。私を受け入れてくれた劇団には感謝しかないです。入団して5年目で、これまで松竹座の公演にはすべて出させて頂いていたのですが、今回、この『HIDEAWAY ハイダウェイ』に出させて頂くことで、6月にあった松竹座公演を初めて客席から観る機会に恵まれました。そこで、客観的に「これがOSKなんだ!」という感動がありました。自分が出させて頂いていた舞台を改めて知ることができ、客席からはこう見えているのだったら、自分自身もこういうこともできたのではないかと学ぶことも増えたので、今後の課題にしていけたらと思っています。
──ここから、更に100周年という大きな目標がある中で、この『HIDEAWAY ハイダウェイ』公演は、お二人を筆頭に期待の若手が出演するわけですが、100年へ向かう歩みの中で、どんな男役になって行きたいかというビジョンなどは?
華月 私はどちらかと言うと今までは少年に近い役や、中性的な役柄を頂くことが多かったので、もっと深みを増して、渋さも出しながら、同時に中性的な役柄も演じ続けられるような、幅広く何にでも対応できる男役になっていきたいと思います。もちろん歌も踊りもお芝居もとことん極めていきたいです。
 私も歌も踊りもお芝居もまだまだ至らないことばかりなので、とにかくお稽古を重ねて進化していきたいです。「止まったらあとは下降しかないよ」と、よく教えて頂くので、常に技芸への向上心は落とさずにいたいです。その上で男役は女性が男性を演じる難しさがありますから、上級生の方々から見て学んで勉強するのはもちろんですし、1つの色に固定されず、どんな役でも大丈夫と言ってもらえる男役になれるように、頑張っていきたいです。
 
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女性の理想と夢が詰まっている男役を極めたい

──そんなふうに取り組んでいる「男役」というものの魅力を改めて語るとすると?
華月 現実の生活の中では見られない存在であるところでしょうか。まず、本物の男性だったらここまではやらないであろうことをする。仕草1つとっても舞台の上でだけ成立する美があります。私自身、歌劇も男役の存在も知らないまま、OSK日本歌劇団の舞台を観て、初めて「男役」という歌劇だけの世界があることを知って、「なんてカッコいいんだろう!」と思ったのがこの世界に入ったきっかけでしたから。
──それまで、様々なダンスを習得して、ステージ経験もあったそうですね。
華月 はい。当時は普通にダンサーになることを目指していたのですが、OSKを観て、全く知らなかった歌劇の世界、男役の存在を知った時のインパクトは衝撃的でした。そこから「自分も男役になりたい!」と思って歌のレッスンも始めたので。
──では、OSKに出会ったことが、人生のターニングポイントでもあった訳ですね。
華月 はい、こんな世界があったのか!と虜になりました。
──翼さんはいかがですか?
 私も初めて歌劇を観て、「男役さんカッコいい!やりたい!」というのが志望動機でした。小さい男の子が「ウルトラマン」を見て「ウルトラマンになりたい!」と思ったくらいの感覚で(笑)。女性の理想像と夢が詰まっている。現実では見られないものが見られるのが歌劇の良さだと思うので、劇場でひととき夢の世界に浸れる、良い匂いもしますし(笑)。でもそれだけ私自身の憧れが強かっただけに、今、男役の難しさに直面してもいます。その理想像を体現する為には、ストイックな意識と、常に男らしさ、カッコよさを研究する精神が必要なので、男役って深いなと思っています。その人が持っている魅力に加えて、様々な映画などから選りすぐりの仕草などを取り入れて出来上がっていくものなので、日々勉強です。
──その目線から、先輩の華月さんをご覧になって、いかがですか?
 華月さんは歌も踊りも芝居も全部おできになる方で、例えば振り覚えなどもすごく早いんです。しかも振付を受けている時に、ご自身はできているときでも、下級生がまだ理解ができていないといち早く気づいてくださって、「これはこうでいいですか?」と、率先して先生に確認してくださったり、本当にありがたいです。音もすごく敏感に捉える方で、私が見逃してしまっていることも「翼、ここはこうだよ」と教えてくださるのんです。
華月 でもそれ、すごく口うるさい人って感じがしない?(笑)
 とんでもないですよ!(笑)あぁ、こんなにちゃんと見て頂けているんだって、どれほどありがたいか!しかも、指摘するだけでなく「こうした方がいい」というアドヴァイスもしてくださるので、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。
──華月さんから、翼さんをご覧になってはどうですか?
華月 やはりパワーがありますね。まだ5年目だということもあると思いますが、翼の持っているパワーには破天荒なものがあります。でもとても真面目で、時には楽譜とにらめっこをし過ぎて外界をシャットアウトしてしまうこともあって(笑)、心配したりしますが、人懐っこくて犬みたいだなと(笑)。歌も踊りも芝居もパワフルですね。ちょっと元気良すぎだよ!という時もありますが(笑)。この公演『HIDEAWAY ハイダウェイ』で、私自身もそうですが、翼も今まで見せたことがないものを、お客様にお見せできるのではないかと思います。あとは…翼にこれを言うのは抵抗もあるのですが、怖い存在でもあります。だからこそ今回一緒にできるのが嬉しいし、「私も負けていられないぞ!」と、お互いに切磋琢磨してやっていきたいです。

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8人の出演者全員が、新たなことに挑戦して!

──では改めて『HIDEAWAY ハイダウェイ』への意気込みと、楽しみにされているお客様にメッセージを。
華月 「hideaway」というテーマなのですが、先ほども言いましたように決して暗い作品ではありませんし、みんなで今までやったことがないものにも挑戦し、たくさんの歌を唄い、芝居もありと、盛りだくさんに楽しんで頂ける作品です。密度の濃い90分になると思うので、出演する側としても楽しみです。
 きっとご覧になるお客様が「えっ?華月さんがこんなことをするの!?」と驚かれるような、ドキドキするシーンもたくさんあります。一貫したテーマとしては「hideaway」なのですが、実は「閉ざされた空間」というのはこんなに広いんだよ!という驚きを、幕をあけたら必ず感じて頂けると思います。本のページがどんどんめくられていくイメージで、16場面ありますが、どの場面をとっても話題にすることができるし、その全てに「あの場面は?」と話して頂けるたくさんの要素があるので、是非楽しみにしていてください。
華月 8人の出演者全員が、新たなことに挑戦しているので、全員を観て頂けたら嬉しいです。今日は華月メインで、今日は翼の日とか、今日は城月の日という具合に。
 はい、ですから8回は観て頂きたいです!
──全部で13公演。なんと1日3回公演の日もありますね。
華月 未知の領域なのですが(笑)。本当に色々な場面があり、全員が様々な形で出演しているので、是非何回も劇場に足を運んでください。お待ちしています!


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翼和希・華月奏

はなつきそう〇愛知県名古屋市出身。09年大阪松竹座『レビュー春のおどり』で初舞台。絶対音感を持った豊かな歌唱力に定評があり、また、幼少期よりジャズダンス、クラシックバレエ、HIPHOP 等、様々なジャンルのダンスを習得。OSKの舞台でその実力を存分に発揮している。 OSKの研修所入所以前に『a-nation’04』『 EXILE LIVE TOUR 2005』などに、アクトダンサーとして出演した経験がある異色の経歴の持ち主。 近年では14年『プリメール王国物語』、15年〜17年にかけてのロングラン公演となった『紅に燃ゆる〜真田幸村 紅蓮の奏乱〜』、17年『高山右近伝』等、芝居の舞台でも重要な役割を果たしている。 また、少人数で形成された歌中心の公演『OSK Revue Cafe』では、16年1月『 Bonjour !!』での初主演を皮切りに、同年8月『 BLUE MOMENT』17年1月『Hopeful』6月『New York, New York』と連続して主演を務め、今回の『HIDEAWAY ハイダウェイ』が、劇場公演初主演作品となる。劇団創立100周年を目指すOSK日本歌劇団の、将来を牽引することが期待される若手男役として活躍している。

つばさかずき〇大阪府枚方市出身。13年 大阪松竹座『レビュー春のおどり 〜桜咲く国』で初舞台。 歌・ダンス・芝居、三拍子が揃った実力と、キュートな笑顔が魅力の男役として注目を集める。16年には入団3年目にして『OSK Revue Cafe』の『Wake up !!』で初主演を飾り、堂々とした舞台を繰り広げて観客を魅了。同年11月『Sing! Sing!Sing!』、17 年6月『イロトリドリ』と立て続けに主演を務め、客席を包み込む歌唱力で好評を博す。芝居作品でも、17年に近鉄アート館と東京銀座博品館劇場で上演された真・桃太郎伝説『鬼ノ城〜蒼煉の乱〜』で、主演の高世麻央が演じるイサセリ皇子と共に旅をするユンを熱演、話題を呼んだ。日々進化を遂げる有望な若手ホープとして、更なる躍進が期待されている。 

〈公演情報〉

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OSK日本歌劇団 神戸三宮シアター・エートー こけら落とし公演
『HIDEAWAY ハイダウェイ』
作・演出◇荻田浩一
出演◇華月奏、翼和希、城月れい、麗羅リコ、栞さな、穂香めぐみ、壱弥ゆう、雅晴日
●7/13〜17◎神戸三宮シアター・エートー
〈料金〉前売/SS席7,000円  S席6,000円  補助席5,000円 (当日/500円加算)
「U_25 S席」5,000円(25歳以下・要身分証明書) 
「はじめて割」1組2名・S席2名で6,000円(OSKを初めて観劇する方向けペアチケット・要氏名、連絡先登録)各回5組10名限定
「学割補助席」4,000円(要身分証明書) 
「学生3人割」1組3名・補助席3名で6,000円(土日限定・要身分証明書)各回2組6名限定
※「U_25 S席 」以下の企画券はOSK日本歌劇団電話受付のみの販売 
〈お問い合わせ〉OSK日本歌劇団 06-6251-3091(10時〜17時)



【取材・文・撮影/橘涼香】



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多摩ニュータウン×演劇プロジェクト『たまたま』の全貌に迫る!瀬戸山美咲×吉田能×浅井要美×亀島一徳 座談会

街も人も「たまたま」が面白い!

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開館30周年を迎えたパルテノン多摩は、“わが町”の演劇化に挑みます。劇作家・演出家に迎えたのは、人気劇団「ミナモザ」を主宰する瀬戸山美咲さん。ここでは、音楽担当で、俳優として舞台にも立つ吉田能さん、オーディションで100人以上から選ばれた浅井要美さん、亀島一徳さんとの座談会をご紹介。多摩ニュータウン×演劇プロジェクト『たまたま』の全貌に迫ります!


計画外の「たまたま」を描きたい

——瀬戸山さんは今回のオファーを聞いて、まずどう思われましたか。
瀬戸山 私はこれまで、世田谷パブリックシアターで地方の方と演劇を作ったり、広島の子どもたちと原爆のことを芝居にしたりしてきたので、その流れで声をかけていただいたと思いました。報道で、多摩ニュータウンの高齢化や過疎化といった社会的問題を聞いていたので、これは私がやる意味がある、というふうにも感じました。自分が主宰する劇団で社会的なテーマをやることが多いので。
——それまで多摩ニュータウンを訪れたことは?
瀬戸山 生まれは東京都なんですけど、まったくなかったんです。今回のお話をいただくまで、多摩センター駅に降りたこともなくて。
——実際に来てみて、いかがでしたか。
瀬戸山 駅の周りはとにかく賑やかで、子どもたちもたくさんいて。報道されていたイメージとずいぶん違っていたので、びっくりしました。あとは「歩車分離」にも驚きました。歩道に車が乗り入れないように設計された、すごく安全な街。子育てをするにも本当にいい街だろうな、と思いました。
——今回のプロジェクトに向けて、まず行ったのはどんなことでしたか?
瀬戸山 そもそも多摩ニュータウンとは何なのか、ニュータウンマニアの方にお話を聞きに行きました。実はパルテノン多摩の学芸員だった方なんですけど(笑)。
——そのとき印象に残ったことは?
瀬戸山 都市計画についての話です。報道を見て、「そもそも計画段階で、高齢化や過疎化を想定してなかったのか?」と考える人もいると思うんです。でもそのニュータウンマニアの方は、「町づくりの計画は何年かで終了するし、人間は何十年も先のことまで完璧に想像することはできない」と。私はそれを聞いて、「ああ、そうだな」と思ったんです。もちろん長いスパンで物事を考えるべきだけど、考えた通りになることはほとんどない。だから30年後のことは30年後の人が引き継いで、もう一回ちゃんと考え直さなきゃいけないんじゃないか、と。そういう計画していなかったことの面白さを芝居にしたいなと思って、今回のタイトルを『たまたま』にしたんです。


オーディションで多摩ゆかりの2人が合格

——浅井さんと亀島さんは、なぜオーディションに応募しようと思ったんですか。
浅井 私は去年、パルTAMAフェスの野外劇に出演させていただいたんですけど、そこで知り合った文学座の山森大輔さん(今回の『たまたま』にも出演)から「今年もパルテノン多摩で演劇があるから、受けてみたらいかがですか」と言われて。
瀬戸山 私の劇団公演も見に来てくださったんですよね。
浅井 ええ。そのお芝居が、すごく良かったんです。舞台がきれいで、緊迫感もあって。それで瀬戸山さんとご一緒できればと思ったのがきっかけです。また、私は多摩市に住んで30年。パル多摩には演劇や映画などの恩恵をいっぱい受けてきましたので、今年も何か関われたらと思ったんです。
瀬戸山 浅井さんは、文学座のシニアクラスに通われていたそうですね。
浅井 私、60歳までは中学校の教員をしてたんですよ。
瀬戸山 え、そうなんですか!
浅井 定年退職してボーッとしてるのももったいないので、学生時代にやっていた演劇をやってみようと。今はそこの卒業生で作った「プラチナネクスト」という演劇集団のメンバーになって、年に2本ほど公演をしています。
——亀島さんは劇団ロロの所属ですが、今回はなぜオーディションに?
亀島 僕も多摩センターが地元なんです。小学生から19歳まで住んでいて、10代前半の初デートも、パル多摩4階にあった「ミラクルラボ」でした(笑)。
瀬戸山 何ですか、ミラクルラボって。
亀島 昔、おもしろ化学実験室みたいな施設があったんですよ。
瀬戸山 健全な初デートですね(笑)
亀島 今は多摩を出て、役者の仕事を始めて8年くらい経つんですけど、ここ数年、多摩センターで演劇が盛り上がっているという話は聞いていて。「何で俺が呼ばれないんだ!」と思っていたわけです(笑)。だから今回、ようやくパル多摩の芝居に関われて嬉しい。


ツイッター経由で参加した俳優&音楽家

——吉田能さんは、瀬戸山さんが声をかけられたとか。
瀬戸山 今回の音楽は、なるべく多摩の音楽家の方にお願いしたかったんですけど、なかなか適任の方を見つけられなくて。そんなときに、私が書いたツイッターのオーディション情報を見て、反応してくださったのが吉田さんだったんです。
——吉田さんのことはもともとご存知で?
瀬戸山 はい。吉田さんは俳優とピアニストの両方の活動をされているんですけど、俳優としては舞台で何度か見ていて、ピアニストとしてもYouTubeで見て、カッコイイなと思ってました。
——吉田さんのツイッターの反応は、どんなものだったんですか?
瀬戸山 「出たかったー! 俺、多摩センターに住んでたのに!」みたいな。それを見て、「吉田さんなら私が求めていたものにすべて当てはまる!」と思ったんです。実は多摩ゆかりの音楽家と同時に、20代に見える男性キャストも探していて。「吉田さんはどっちも揃ってる!」と思いました。
——オファーが来て、どう思いましたか?
吉田 実は僕も1割くらい、瀬戸山さんの目に留まらないかなと思っていたんです(笑)。だから嬉しかったですね。
瀬戸山 吉田さんは実家を出てからも、この近辺に住んでいらっしゃったそうですね。
吉田 兄弟3人で永山に住んだり。やっぱり、空が広いところがじゃないと、と思って。
——多摩の魅力は、空の広さですか?
吉田 それはありますね。僕の実家は、昔、落合五丁目のサンピア多摩のすぐ近くだったんです。
浅井・亀島 ああ〜。
瀬戸山 サンピア?(笑)。
吉田 坂のてっぺんに施設があって、昔はそこのプールで遊べたんです。
浅井 スライダーがあってね。
亀島 僕もよく遊んでました。
吉田 中央公園も宝野公園もすぐそばで、周りに高層マンションが一切ない時代。だからすごく見晴らしが良くて、空も広かった。
亀島 宝野公園の桜、すごくきれいですよね。
吉田 有名な桜の名所に行かなくても全然いいくらいに。
浅井 多摩にはきれいなところがいっぱいありますね。だから1回市外に出ても、戻ってくる人が多いんです。「やっぱり多摩がいい」って。
吉田 絵になる場所が多くて、歩くだけで勝手にセンチになれますから(笑)。あと、この20年くらいで、すごく町の景色が変わったと思うんですよ。その移り変わりにも、僕はグッときます。

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多摩中央公園(多摩市)


人が生きるためのすべてが揃う町

吉田
 そういえば鶴牧東公園の野外コンサートって、まだやってるんですか?
浅井 ああ、昔、ありましたね。チック・コリアが来たりとか。
瀬戸山 そんなすごい人が来たんですか!?
吉田 そうなんですよ。僕の父親が実行委員をしていたので、テントを立てるのを手伝ったりもして。
亀島 鶴牧東公園って、ガリバー山のところですか?
吉田 ガリバー山……たぶんそうです。あの、ジャブジャブ池がある山。
亀島 ああー、はいはい(笑)。
瀬戸山 お二人は今、おいくつですか?
亀島 僕は30歳です。
吉田 僕は31です。
瀬戸山 ほぼ同世代ですね。
吉田 でも僕、ガリバー山っていう名前、いま初めて聞きました。きっと橋を挟むと、文化が違うんですね(笑)。
瀬戸山 え、橋を挟むだけで!? 面白い(笑)。

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亀島さんがガリバー山と呼んでいた築山(多摩市鶴牧東公園)

——今回はこの3名のほかにも、プロの役者さんが多く参加されるとか。
瀬戸山 パル多摩の方が、できれば今後、他の地域にもこの作品を持っていきたいとおっしゃっていたので、集中して稽古に参加できる方とつくることにしました。ただ、市民の方に関わっていただく機会も作りたくて、スタッフを募集したり、公募の方も交えてワークショップをやろうと思っています。
——どんなワークショップですか。
瀬戸山 毎週日曜日に多摩ニュータウンのどこかに行って、見てきたものを芝居にしてもらいます。それを本公演でも使わせていただくかもしれないので、お3方にはぜひ、いろんなところに私たちを連れていってほしいです。それこそ初デートの場所とか(笑)。
吉田 僕はよく好きな女の子と、パル多摩の大階段に腰掛けて話してました(笑)。
亀島 プラネタリウムもデートスポットでしたよね?
吉田 ベネッセの上の?
亀島 あれって、まだあるんですか?
浅井 ありますよ(笑)。
瀬戸山 買い物するところもあるし、わりと何でもあるんですね。
亀島 衣食住、だいだいのことはここで済みます。
瀬戸山 そこが良いところで、物足りないところでもあるとオーディションで言われてましたね。
亀島 この町には、人間が死なないためのものは、すべて揃ってる。でも死ななければいいのかというと、人間、そうじゃないじゃないですか。10代の頃は、そこに退屈や物足りなさを感じていたんです。
瀬戸山 「死の匂いがしない」ともおっしゃってました。
亀島 歩者分離もあり、安全で住みやすい。けど多摩センターを出たら、世の中そうはなってない(笑)。そういう、好きから嫌いかも含めて、自分の故郷に対する感情の答えを今回見つけたいです。


多摩ニュータウンに、未来の日本が見える

——浅井さんは、今回の『たまたま』がどんな作品になるといいと思いますか。
浅井 多摩ニュータウンは住みやすくて、パルテノン多摩のような施設もあって、文化も高い。でも子どもの数は減っていて、小中学校の統廃合も進んでいます。今回のような演劇が、それを食い止めるような、若い人を呼び込むツールになるといいなと思います。あと私の友達はみんなシニアなので、同世代にもアピールできたらいいなと思いますね。
——吉田さんはいかがですか。
吉田 多摩センターって、迷走したところもけっこうあると思うんです。僕が住んでいた頃も、「何でそうなっちゃうの?」って思ったりしてましたから。でも、そういうところも含めて、多摩の全部を好きになれるような作品になったらいいなって思います。あとは元住民らしく、細かいツボを突いていきたい。「ああ、それ、あったあった!」って思ってもらえるような(笑)。
瀬戸山 そういうローカルな話ほど、外から見てもワクワクします。「橋を1本渡ったら文化が違う」とか(笑)。
吉田 でもそんな話は、よそにはよそで、あるんじゃないかと思うんですよ。
瀬戸山 そうだと思う。高齢化も多摩だけの問題じゃなく、今、日本中の町が直面している問題。多摩ニュータウンは全国的にもニュータウンの先駆けなので、これからほかの町に訪れることが、もうすでに起きてるわけです。だからほかの地域の人が見ても、自分たちに関係があると思ってもらえる話になるんじゃないかな。
——まだ準備段階ですが、改めて、瀬戸山さんは『たまたま』をどんな作品にしたいと思っていますか。
瀬戸山 以前、1970年代に多摩ニュータウンに入居した第一世代の方に取材をしたら、当時の町の様子がすごく面白かったんです。まだ駅前にお店が何もなくて、電車も今のように速くない時代。サラリーマンのお父さんたちは朝、まだ暗いうちに家を出て、夜も暗くなってから帰ってきた。でも疲れて帰っても、近くにお酒を飲む店もない。「どうするんだ?」となったときに、どこからともなくラーメン屋台が現れて、お父さんたちが集うようになったそうなんです。あと、20〜30代くらいの若い世帯が一気に入居して来たので、野球チームがたくさんできたり、子どものためのお祭りや運動会もできたらしい。
浅井 どんと祭とかね。地域のおじいちゃんおばあちゃんの仕切りで、学校の校庭でどんと焼きを焼いてました。
瀬戸山 そういうことは、最初の都市計画には書いてなかったと思うんです。そんな、人が集まることでできていった計画外のことに目を向けたい。あとはやっぱり、地元の人に「多摩に住んでいて良かった」と思ってもらえるような作品にできたらと思いますね。
——多摩市民でなくても『たまたま』は楽しそうですか?
瀬戸山 都心からも人を呼べるようなものを発信したいですね。この1年くらい多摩に来ていて感じるのは、意外と都心の方からも近いし、空が広くて、大きな公園もあって、パルテノン多摩というすごくいい施設もある(笑)とてもいい街だということ。まだここで演劇を観たことがない人も、足を運ぶ機会になったらいいなと思っています。
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【プロフィール(右より)】
瀬戸山美咲
劇作家・演出家・ミナモザ主宰。2001年にミナモザを旗揚げ。現実の事象を通して、社会と人間の関係を描く。代表作に『ホットパーティクル』『指』『エモーショナルレイバー』など。世田谷パブリックシアターのワークショップや、ロンドンバブルシアター『ヒロシマの孫たち』など、コミュニティの人とつくる演劇にも継続的に携わっている。また、蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』(16年)、行定勲監督『リバーズ・エッジ』(18年)などの映画脚本でも活躍中。

亀島一徳
1986年生まれ、東京都出身。ロロ所属。小中高と多摩センターで育つ。ロロには09年の旗揚げから参加し、ほぼ全作品に出演。映像も含め外部作品への出演も多数。近年の主な舞台出演作に、東京グローブ座で上演された『TOKYOHEAD〜トウキョウヘッド〜』、KUNIO12『TATAMI』、サンボン『口々』、木ノ下歌舞伎『勧進帳』『東海道四谷怪談―通し上演―』などがある。

吉田能
1985年生まれ。東京都出身。多摩市には小学校入学時より20年以上住み続けた。現在、三兄弟トリオバンド「花掘レ」、コントユニット「PLAT-formance」に所属。舞台への楽曲提供、演奏、俳優としての出演など幅広く活動している。主な出演作に『神の左手』(キコ/qui-co.)、『奇跡の年ANNUS MIRABILIS』(趣向)、『ダズリング=デビュタント』(あやめ十八番)など。音楽を担当した舞台に『ダニーと紺碧の海』(藤田俊太郎演出)、手塚治虫生誕90周年記念『Amazing Performance W3』(ウォーリー木下演出)など。

浅井要美
1950年群馬県高崎市生まれ。1987年より多摩市在住。劇団文学座プラチナクラスを卒業、 演劇集団プラチナネクスト所属。主な出演作「善人の条件」「太夫さん」「真夏の夜の夢」「音楽劇 海は天才である」「ベテルギウスが消えるまで」「愛いっぱいの愛を」(パルテノン多摩×FUKAIPRODUCE羽衣)等。また、オペラの進行の語りや、地域では、「絵本の読み聞かせ」「群読の会」で活動している。

【公演情報】
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多摩ニュータウン×演劇プロジェクト
『たまたま』
作・演出◇瀬戸山美咲
出演◇浅井要美 浅倉洋介 石田迪子 大原研二 亀島一徳 小林あや  とみやまあゆみ 中田顕史郎 前原麻希 町田マリー まりあ 目次立樹 山中志歩 山森大輔 吉田能 ワタナベミノリ
8/4〜6◎パルテノン多摩 小ホール


【インタビュー/泊貴洋 人物撮影/疋田千里】



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岡田達也ロングインタビュー「現役感を失わずに いつまでも舞台に立っていたい」

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俳優・岡田達也が演劇集団キャラメルボックスへ入団したのは1992年。演技経験ゼロの24歳が演劇と格闘すること25年。そこにはきっと、数え切れない程の喜怒哀楽が渦巻いていたに違いない。限られた時間内にその全てを訊くことは出来ないが、岡田達也の“現在”を知るべく、ロングインタビューをオファーした。現在から過去へ、過去から未来へ。心優しき俳優が語る、25年+未来の物語――。(えんぶ6月号より転載)

僕から畑中へ連絡して
「絶対に出ろ」と


――本日はよろしくお願い致します。岡田さんは92年にキャラメルボックスへ入団しているので、今年が入団25年目になるとか。
 そうなんですよ。人生で最も長く続いたことが演劇になっちゃいました。
――キャラメルボックス歴イコール俳優歴で合ってます?
 はい、そうなります。25年です。
――そういった節目のエピソードもインタビュー後半でお聞き出来ればと思います。まずは近作のお話から。17年3月には『鍵泥棒のメソッド』に出演されましたが、これに関する振り返りをお願いします。
 『鍵泥棒〜』は初演の評判が非常に良く、且つ僕自身も手応えを感じていたものですから、再演をやると聞かされた時は、正直「出たいな」と思いました。後に改めて出演オファーをもらい、二つ返事で「やります」と答えたのですが、更に「今回はきみと畑中(智行)のコンビを検討している」と言われて、これは尚更やりたいなと。畑中とがっつり絡む機会はここ10年位なかったし、そこに大きな魅力を感じました。その後すぐ、僕から畑中へ連絡して「お前のところへ『鍵泥棒〜』の出演オファーがいくはずだから、絶対に出ろ」と。メインキャストへのオファーは、僕と畑中と、あと実川(貴美子)に出ていて、実川は少し迷ったらしいのですが、僕が中野の居酒屋へ連れて行き「何が起きても俺と畑中が何とかしてやるから絶対に出ろ」と説得しました。

だったら舞台上で
相まみえてみたい


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キャラメルボックス2017スプリングツアー
『鍵泥棒のメソッド』
原作◇内田けんじ(『鍵泥棒のメソッド』) 脚本・演出◇成井豊
出演◇畑中智行 実川貴美子 岡田達也 西川浩幸 大森美紀子 森めぐみ 金城あさみ 大滝真実
山雄也 竹鼻優太 山根翼/石橋徹郎(文学座) 久保田秀敏
2017/3/2〜12◎サンシャイン劇場、3/18〜20◎梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ


――そういう説得は普段からよくやられる?
 いや、このチャンスを逃すと次に畑中と出来るのはいつになるのだろう? という想いがあったので、本公演でがっつり組めるチャンスは逃すべきではないと、それで電話をしました。普段はこんなこと言わないです。
――それ故に、畑中さんや実川さんに対する想いも込められているのかな? と。
 それもあります。出演作品を観ていて、二人とも良いキャリアを重ねてきているなぁと感じていたので、だったら舞台上で相まみえてみたいなと。それは素直な気持ちですね。畑中なんて、あまりにも共演する機会が少ないから、思い切って二人で公演をやろうか? と話していたんですよ。二人芝居用の台本も用意して、これで稽古場公演をやろうというところまで思い描いていたものですから。こういう話をしていると、まるで僕が畑中のことを好きみたいですが、そんなことはないですよ。
――いやいや、いいじゃないですか。
 ま、アイツはオレのこと好きかもしれないけど(笑)。
――間違いない(笑)。岡田さんプロデュースで二人芝居をやろうと思わせる程、俳優・畑中智行が存在感を放っていたということですよね。
 これ、文字にしにくいかもしれないけど、やはり、どこか似ている所が多いんです。僕も畑中も決して上手い俳優ではなくて、おそらく劇団へ奉仕する力が非常に強い二人なんですよ。我々の存在価値は多分そこにしかない。だから、彼の悩みも苦悩もよく分かる。……あれ、何の話でしたっけ?(笑)。とにかく、そういう流れでメインキャストの三人が決まり、僕としてはその時点で満足がいくというか、久しくがっつり絡んでいないメンバーとやれるというだけで非常に楽しみな公演でした。いざ幕を開けてみたら、新人抜擢ステージもあり想像以上に大変でしたが、若手を抜擢して経験を積ませるというのはキャラメルボックスの常套手段でもありましたし、結果的にやって良かったなぁと思っています。

多面性、それに尽きます

――岡田さん待望の共演。感想などはいかがでしょう?
 ええっと……。うーんとねぇ……(熟考)。畑中に関して言うと、以前より「俳優のこだわり」みたいなことが明確に出てきていると感じました。俳優としての理論も昔より確立しているし、良い意味で、より頑固な俳優になった印象が。それは事前に予想していたので、その意味では想定の範囲内でもありましたし、共演自体はすごく楽しかったです。
――岡田さん自身のやり甲斐はどうでした? 「コンドウ」は多面性が求められるキャラクターですよね。
 やり甲斐のある役でしたねー。多面性、それに尽きます。僕、コンドウの記憶がない時は内股で、記憶がある時はがに股で歩いていて、要は身体表現すら変えちゃった。ただ、記憶喪失になった人間が歩き方まで変わるのか? と問われたら、医学的見地も含めて、そこはよく分かりません。そういうことをお客さんにつつかれたら困るなぁと思ったけれど、でもこれは演劇なんだからと、歩き方もチェンジしてしまおうと決めました。映画の香川(照之)さんもやっていることですし、「僕が観客なら面白いと思うこと」に挑戦出来たので、演じた本人は満足しています。お客様にも概ね好評でした。アンケートで「本当に記憶を失っているように見えた」とか「あの演じ分けは素晴らしかった」とか、珍しく褒めて頂けて、とても嬉しかったです。

「でもこれ、普段のお前ら
まんまだろっ!」


――岡田さんが思う、『鍵泥棒〜』のベストシーンを挙げて頂くとしたら?
 一個人としては多面性が見える面白さが好みだし、演じる楽しさもそこに尽きるのですが、シーンとしてたっぷり楽しんだという意味では、畑中と二人で「刺す練習をするシーン」。あれって最早二人の日常をそのままやっているような感覚で、稽古場で初めてやった時も、成井(豊)さんがめちゃめちゃ笑ってくれて、「でもこれ、普段のお前らまんまだろっ!」と。
――役柄同士の掛け合いから俳優同士の関係性が透けて見えることがプラスに転じる。演劇特有の魅力だと思います。
 あくまで付加価値として捉えて楽しんでもらえたらイイですね。ボケる畑中も突っ込む僕も、役柄を越えて、役者達本人が楽しんじゃっているから。「……お客さんは置いてけぼりかも」「いや、大丈夫。ついて来てくれる!」とか言いながら、二人で丁々発止やったのは、とても、とても、楽しい時間でした。

記号ではない「何か」を
乗せていくことで


――そして、今号のえんぶが発売される頃には『スキップ』の出演を終えていると思います。『スキップ』には04年に続いて二度目の出演で、同じ「桜木」役です。
 役の年齢なら今の僕の方が全然近いので、年相応にやれるのではないかと思っています。13年前はちょっと背伸びをしながらやっていました。アプローチの方法が具体的にどう変わるか? というよりも、あれから13年経ち、自分の中から何が出てくるのだろう? ということが僕自身の楽しみです。
――桜木という人物の魅力について、どのように考えていますか?
 とても良い人で、素敵な男性なんですよ。包容力があって、優しくて。演劇でやるのであれば、僕なんかよりもっと「おじさん然とした人」が適任だと思う。僕も年齢的には十分おじさんなんですが、記号としてのおじさん感というか、見た目とかフォルムとか、そういう問題。だとしたら、自分は記号ではない「何か」を乗せていくことで桜木に近づいていけたらなぁと、そんなことを考えています。13年前も同じ葛藤をしましたし、それは今でも思うことです。
――僕が思うに、ですけど、桜木の外見というより、彼の温かさや思いやりの深さ、そういう内面性が岡田さんに通じるのではないでしょうか?
 あ、嬉しいことを。ありがとうございます!

初演には
絶対負けたくないですから


――で、気付いたのですが、『鍵泥棒のメソッド』も、『スキップ』も、それから『水平線の歩き方』なども、岡田さんは同じ役を複数回担われることが多いですね。これは「あの役は岡田達也しかいない!」と、関係者や観客から寄せられる期待の高さを表しているのでは?
 おお〜。今度何かご馳走します。
――(笑)。再演で同じ配役につくということ、岡田さん自身はどう思われます?
 そうですねぇ。新しい役にチャレンジしたいという欲もありますし、再演の機会を与えてもらったらどこまで掘れるだろう、という欲もあります。だから、良いも悪いも両方あるし、もちろんプレッシャーもあります。初演は美化される傾向が強いので、それを超えようとも、超えたいとも思う。やはり、初演には絶対負けたくないですから。僕一人の力でどうこう言うことではありませんが、「あの作品は昔の方が良かった」とは言われたくない。絶対に。
――おそらく『スキップ』にも、そういう戦いがあるのでしょうね。
 だと思います。今回の座組で言うと、初演の『スキップ』に出た俳優は僕だけなんですよ。「初演を超えたい」という想いは、他の出演者よりやや大きいかもしれない。かと言って全く別物になるとも想像しにくいし、初演と同じ魅力が詰まった作品にしたいと考えています。

あの関係性が大好きで、
それが一番の要因です


66

――俳優生活25周年のお話も。キャラメルボックスへ入団して25年。この時間経過について考えることはありますか?
 うーん、考えたり考えなかったり、ですかね。あっと言う間とは思わないけれど、長く続けてしまったなぁというのが正直な気持ちで。気が付いたら抜けられなくなっていた、という。
――25年を振り返り、「もう一度やってみたい」と思う役柄や作品などは?
 僕、そういうこだわりが少ないんですよねぇ。うーん……。これ、もう叶わないけれど、『TRUTH』を初演のメンバーでもう一度やってみたいかな。若き上田藩士達の青春群像劇で、僕、上川隆也、大内厚雄、菅野良一、辞めちゃった南塚康弘と清水誉雄、その六人が車座になって話しているシーンが、とても印象深いです。あれは劇団内部の立ち位置をそのまま当て書きしてもらっているんですよ。自分で言うのも変だけど、僕がリーダー役で、上川さんはテレビの仕事で既に有名になっていたから、ちょっと跳ねっ返りみたいな役、大内は無口で頭が良く、菅野は理系で理屈ばかりこねて、南塚は身体が利いて真っ直ぐな性格、清水は当時まだ若手だったけど、年上の奥様がいたのでそういう役、この六人の師匠が西川浩幸、これは当時の劇団内縮図がそのまま舞台に繋がっていました。あの関係性が大好きで、それが一番の要因です。それから、『TRUTH』はキャラメルボックスが書いた初めての悲劇。救いのない物語で、「これはお客様にどう受け止められるのだろう?」と思っていたから……、神戸公演初日のカーテンコール、あれは一生忘れられないです。やっぱり当て書きは強いですよ。もう無理だけど、出来ることならあのメンバーでもう一度やってみたい。

役作りも
していないんじゃないかなぁ?


――これまで演じてきたキャラクターの中で、最もご自分に近いと感じるキャラは?
 そういう意味では『水平線〜』ですかね。あれも当て書きです。偶然だけど、成井さんと僕の境遇が似ていて、母親が看護師で、父親がダメな人。似たような環境で幼少期を過ごしてきたから、実体験も込みで書いてもらいました。だからフィットしない方がおかしいというか、正直僕、役作りもしていないんじゃないかなぁ? 台詞を覚えて喋っているだけなので、乱暴な言い方ですけど、「役作りはどのように?」と質問されたら、「……してないかも」と答えます。内面というか、性格はさほど近くないですけど。僕は口下手でもないですし。「役作りをしていない」なんて言ったら(『水平線〜』で共演した)岡田さつきに怒られそう。「アンタ役作りやんなさいよ!」って。
――やはりどの役も「岡田達也じゃないと!」という印象がありますね。『水平線〜』は是非もう一度観たいです。
 でも僕、来年50歳なので、もう幸一はやれないでしょう。あれは三回やらせて頂いたし、しゃぶりつくした感があります(笑)。

もう少し頑張ってみようと、
考え直した瞬間でした


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――来年50歳ということは、今年が40代最後の年。気が早いかもしれませんが、「40代の岡田達也」はどうでした?
 去年だったかな、キャラメルボックスでの出演ステージ数が二千五百を越えて、外部出演を加えると、おそらく生涯ステージ数三千は越えている。三千を越えたのは劇団の中でも西川さん、坂口(理恵)さん、僕くらいで、こうなってくると、普段から「芝居が楽しいと思えない」と公言している僕ですが、最近は「ここまできたら、意地で誰よりも板の上に立ってやろう」と思うようになりました。俳優能力で勝負出来ないのなら、現役感で勝負してやろうと。隙間産業でいいから誰もやらないような仕事を請けて、いつまでも舞台の上に立ち続ける俳優を目指すというのはどうだ? と今は考えています。ほんと、楽しくないくせに(笑)。先日お亡くなりになったカクスコの井之上隆志さんと『樹海』というお芝居で共演した際、その頃の僕は気持ちがあまり前を向かなくて、飲んだ席で「自分なんかが舞台に立っていて良いのだろうかと悩むんです」と、ついポロッと言っちゃったんです。そうしたら井之上さんが「いやいや、岡田くんがいるから自分の面白さが引き立たせてもらえるんだよ。拾ったりつっこんだりしてもらえなかったら、舞台上の僕は単なるヘンな人になってしまう。だけど、岡田くんはどんな球を投げても必ず受けてくれる。それは俳優として大切な仕事じゃないのかな」と言って下さった。その一言で、気持ちがスーッと楽になりました。あれは本当に救われた。だったらもう少し頑張ってみようと、考え直した瞬間でした。

このメンバーで五人芝居が
出来ないかな? と


――そしていよいよ、来年から「50代の岡田達也」が始まります。どんな予想をしていますか?
 いやー、想像つかないですよ。人間ドックへ行っても、まぁ元気なんです。内蔵に悪いところがひとつもなく、ガンマGTPもとても低い。だから僕、あまり二日酔いにならないんですね。唯一腰痛持ちで腰が若干とかありますけど、内蔵が元気なうちは大きなアクシデントのない限り、舞台に立てるはずなので。現役感を失わずいつまでも舞台に立っていたいというスタンスは、50歳になっても基本変わらないと思う。もしかしたら今よりもうちょっとだけお芝居が好きになっているかもしれない。そうあって欲しいなぁと願いながら、舞台に立っているのではないでしょうか。
――今後やってみたい役、挑戦したいことは?
 なかなか叶わないと思うけれど、僕、カクスコが大好きなので、ああいう世界観のお芝居をいつかやってみたいと思っています。それと、飲む度にこの話になるのですが、西川さん、近江谷(太朗)さん、上川さん、自分、今は芝居を辞めちゃった今井義博、このメンバーで五人芝居が出来ないかな? と。
――それ、是非実現して下さい!
 西川さんと近江谷さんはOKで、西川さんに至っては「俺が脚本を書く」とまで言ってくれて。引退しちゃった今井くんが少し渋っているのと、あと上川さんのギャランティの問題かな(笑)。でも良くないですか? キャラメルオールドの男五人芝居。それこそカクスコ的な世界観で。
――夢しかないですね、もう。純度1 00%の夢がたっぷり詰まったプラン。
 酔うといつもこの話になる(笑)。「上川さんにいくら払えばいいんだろう?」みたいな。

少なくともそっぽを
向かれているわけじゃない


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――前回岡田さんにロングインタビューをしたのは09年で、その時はこんなことを仰っていました。「いつの日か『俺は演劇が好きだ!』と言えて、演劇の神様が振り向いてくれるんじゃないかという、そんな夢見がちなことを思ったりします」。
 そんなこと言ってました? 全然変わらないなぁ。すごい。
――その取材から今日まで、演劇の神様が振り向いてくれた瞬間はありましたか?
 僕自身の基本的なスタンスは、その言葉とずれていません。でも……、多少なりとも、神様には嫌われていないだろうと、思えるようになりました。そうじゃないと今、舞台の上にいられないので。少なくともそっぽを向かれているわけじゃないなと。相変わらず振り向いてはもらえないですが(笑)。やはり、意地だけでここまで来ましたからねぇ。演劇が好きで選んだ道じゃないからこそ、いざ入ってみて、「自分はこんなにもお芝居が出来ないのか?」と、やればやるほどコンプレックスが強くなり、それを何とか払拭しようと……。本当は辞めちゃうのが一番良いのですが、それをやったら後悔すると思うので。この「俺は芝居が出来ない」というコンプレックスを1ミリでも剥がしていきたいなぁと、その気持ちが僕の原動力になっています。

もうちょっとだけ
上手くなりたい。その連続です


――岡田さんほどのキャリアでも、そういうことを考える日がある?
 こういう特殊技能の仕事って、やればやるほど見えてくるものがあり、コレは出来るようになったけどアレはまだ出来ないとか、本当にきりがないんです。悔しさばかり残るから。こんなところで逃げ出しちゃったら絶対後悔すると思いつつ、もう少しきちんとお芝居が出来るようになるまで頑張らないとダメだと自分を諭したり。俳優としてここまで生きてきちゃったので、後悔したくないですからね。いま芝居を放りだしたら絶対後悔する。もうちょっと、もうちょっとだけ、上手くなりたい。その連続です。
――これを読んでいる読者も、そして僕も、そういう気持ちを共有出来ると思います。どんな分野にもありますよね。慣れた分だけその先が見えて、ゴールなんてどこにもない。ここまでやってきた自信と、その遥か先を見渡す絶望と。
 自信とコンプレックス、両方あるといいのでしょうし、それが健全だと思います。自信の塊みたいな人のお芝居は観たくないし、コンプレックスの塊みたいな人のお芝居も観たくない。すみません、なんか暗い話になっちゃった。
――とんでもない。とても興味深いです。今日の続きをまたいつか聞かせて下さい。
 もちろん。僕も楽しみにしています。
――最後に、どんな視点でも構いませんので、岡田達也の近年の野望をひとつ。
 野望はアレです。演劇をやりながら鳥取県知事をやりながら串揚げの店をやるという。
――あはは(笑)。完璧な人生ですね。
 みっつを成立させる。これが野望です。飲み屋と県知事と俳優をやっている日本人は誰もいませんから。これです!


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おかだたつや○68年2月13日生まれ。鳥取県鳥取市出身。俳優。鳥取工業高校から大阪芸術大学芸術学部放送学科へ進学。卒業後、憧れだった東京へ上京。サラリーマンをやりながら演劇鑑賞を始め、後にキャラメルボックス作品と出会う。92年に演劇集団キャラメルボックスへ入団。93年、『四月になれば彼女は』で初舞台を踏む。以降、劇団を代表する俳優のひとりとして数多くの作品に出演。近年は外部公演にも積極的に参加し、活躍の場を広げている。

【次回予定】
プリエールプロデュース
『世襲戦隊カゾクマン供7/21〜30◎赤坂RED/THEATER
09
作・演出◇田村孝裕(ONEOR8)
出演◇山口良一 熊谷真実 芋洗坂係長 西山水木 田中真弓 岡田達也 曽世海司 他
7/21〜30◎赤坂RED/THEATER

文◇園田喬し 撮影◇曳野若菜(人物)伊東和則(舞台)



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