稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探ります。

観劇予報は2019年2月20日に引っ越しました。
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レビュー速報

美しく、どこか空怖ろしい物語、おぼんろ『ビョードロ〜月色の森で抱きよせて〜』上演中!

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ライブハウスでありミュージカルを上演する劇場としても知られる新宿FACE、その内部が異次元の不思議な森に姿を変えていた。
空間から造ることをも含めて物語を立ち上げる劇団「おぼんろ」、その手作り感満載の舞台美術は今回も期待を裏切らない。FACEの本来のステージ部分にまでセットが建て込まれ、中央のアクティングエリアは客席と地続きに、そこから四方に伸びた通路を登場人物たちが風を孕んで駆け抜ける。
隅々まで工夫が凝らされ、観る者と一体化した空間で、まるで絵本のように美しい、だがどこか空怖ろしい物語が、瞬きする間もないほどの密度で繰り広げられていく。

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【あらすじ】
愛されたい。でも、近寄ってほしくない
「ビョードロ」と言うのは、鬱蒼とした森の奥底に住まう民の名前。彼らは、「病原菌」を作り出す技術を持っていて、何百年もの間、忌み嫌われてきた存在である。しかし、作られた病原菌は細菌兵器として戦争や政治に利用されることが常であった。
あるとき作られた一体の病原菌は「ジョウキゲン」と名付けられた。彼は彼なりに無邪気に意気込み、自分を造り出した「ビョードロ」を喜ばせるため、より凶悪な「病原菌」になろうとし続ける。手を触れればどんな者でも苦痛を伴わせて殺してしまう「ジョウキゲン」は、次第に、自分がある願いを抱いていることに気付く。それは、絶対に絶対に叶えられてはならない願いなのだった────。

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物語の内容はシビアで重い。2013年の初演ということは、まだ近い過去だった震災と原発事故の影を感じさせずにはいない。劇中で語られる「ジョウキゲン」の「花を枯らしてタネにしてしまう」能力は、ベトナム戦争で使用された枯れ葉剤などを思い起こさせるが、この日本の今を生きる観客としては、やはりどうしても原発事故の脅威とシンクロしてしまう。また、大量殺戮兵器を作り出してしまう民、「ビョードロ」は人類そのものにも、その単語の響きのように人類が抱える「病んだ心」にも思えてくるのだ。
だが、今回の作品に限らず、「おぼんろ」の一番の魅力は、救いのない病んだ現実を見据えながら、夢を紡ぐことをやめないことで、人間のあるべき姿、あるべき美しさを提示し続けてみせることだろう。世界はもしかしたら、いやたぶん間違いなく破滅に向かっている、としてもその最後まで誠実さと愛をもって生きること。世界が終わる瞬間まで愛を信じ続けること。そんなメッセージがこの『ビョードロ』のラストからも伝わってきて、痛みや悲しみをも超える限りない優しさで心を解き放ってくれるのだ。

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そんな物語の核の部分を生きる語り部たちは5人。
半分だけ「ビョードロ」の若者ユスカを演じるのは客演の鎌苅健太。素朴でナイーブな資質がタクモへの篤い友情や父への切ない思慕に生きて、初出演とは思えないほど「おぼんろ」の世界にも違和感なく馴染んでいる。
町に住む金持ち階級「シーラン」の娘リペンは黒沢ともよ。「ビョードロ」のユスカとタクモの幼なじみとして、分け隔てなく彼らと付き合う真っ直ぐな心を、明るく自由な個性で表現。軽やかな動きも魅力的だ。
リペンの父で「病原菌」を売り込むジュペンは、さひがしジュンペイ。悪の象徴でありエゴイズムの塊のような人物なのだが、どこか人間臭さと哀れを感じさせることで、物語世界にリアリティと深みを加えている。
病原菌の「ジョウキゲン」は、わかばやしめぐみ。彼女の自在で豊かな表現力には毎回魅了されるが、今回の「ジョウキゲン」は文字通り「上機嫌」な中に、渦巻く様々な感情が見え隠れして、その傷ついた魂を見事に表現してみせる。 
作・演出家の末原拓馬は「ビョードロ」のタクモ役。どちらかと言えば受け身の、周囲に振り回される役どころだが、その役割りに必要な懐の深さと大きな愛で、作品のテーマを十二分に担っている。

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最後になったが、今回の『ビョードロ〜月色の森で抱きよせて〜』の大きな見どころに、ムーヴメントアクターたちのパフォーマンスがある。初演には5人のキャストだけで紡いだ物語を、より広汎な観客へ届けたいという作・演出の末原の想いもあって、一大エンターテイメントに仕上がった。
その原動力となっているのが、9人のムーヴメントアクターたち。アクロバットやコンテンポラリーダンス、軟体技であるコントーション、エアリアルやバトントワーリングなどを、個々の技術だけでなく、ときには集合体となり、あるいは静止画になり、物語の一部となって視覚化してみせる。人間離れしたといってもいい彼らの技術と身体が、「おぼんろ」の世界観を壊すことなく、さらに想像を飛躍させる手助けになっている。この優れた表現者たちを『ビョードロ』の世界に見事に融合させて、物語を空間全体に構築してみせた末原拓馬の演出力に拍手を送りたい。
 
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〈公演情報〉
劇団おぼんろ第17回本公演
『ビョードロ〜月色の森で抱きよせて〜』
作・演出◇末原拓馬
出演◇鎌苅健太 黒沢ともよ
末原拓馬
わかばやしめぐみ さひがしジュンペイ 
Rina. 武子 展久 渡辺翔史 茉莉花
miotchery 田中翔 松本聖也  齋藤のどか 権田菜々子 
●2/14〜17◎新宿FACE 
〈料金〉一般参加チケット5,000円 当日5,500円 トリオ割チケット12,000円(3人セットチケット) ひよっこ(高校生以下)3,000円(税込)
当日別途ワンドリンク500円
〈お問い合わせ〉お問い合わせ おぼんろ制作部 info@obonro.net
〈公式サイト〉https://www.obonro-web.com/
〈公式ツイッター〉@obonro



【文/榊原和子 舞台写真/MASA】




『僕のド・るーク』


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栗山民也演出、田中圭主演『CHIMERICA チャイメリカ』ついに開幕 !

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ローレンス・オリヴィエ賞受賞作品を、栗山民也演出で本邦初演することで話題の舞台『CHIMERICA チャイメリカ』が、2月6日、世田谷パブリックシアターで開幕した。(24日まで。そののちツアー公演あり)

本作『CHIMERICA チャイメリカ』は、1984年生まれの英国の若手劇作家ルーシー・カークウッドによって書かれたもので、2013年5月アルメイダ劇場で初演され、2014年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀プレイ賞を含む5部門で受賞した社会派戯曲。ユーモアにあふれた軽快な会話劇でありながら、重大な歴史的悲劇を背景に、空間・時代を行き来する複雑な構造の本作へ、日本を代表する演出家・栗山民也のもと、映像や舞台など多方面で幅広い活躍を見せる実力派・田中圭をはじめ、力強く魅力的な出演者が挑む。 

02.『CHIMERICA チャイメリカ 

2013年ニューヨークマンハッタンのギャラリーでの写真展、1989年の天安門事件に居合わせたアメリカ人ジョー・スコフィールドがとらえた一枚の写真が人々の目を引いている。
 
────1枚の写真、それはアメリカ人によって撮影されたもの。白いシャツを着て、買い物袋を二つ下げた中国人の男が隊列を組む戦車の前に立っているそれはヒロイズムの写真であるそれは抗議の写真である。それはある国を別のある国がとらえた写真である。
 
2012年現在のニューヨークと1989年の天安門。時代と国を行き来しながら、ジョーと彼の中国の友人ザン・リン、そしてその周囲の人々が、写真に収められた瞬間から断ち切れない運命のうねりにのみこまれていく。

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【コメント】

この作品の演出家・出演者の初日コメントが届いた。

栗山民也(演出)
やはり、とんでもない作品だった。そんな予感は充分にあったものの、稽古が進むうちにそれははっきりと証明された。38景の場面が、カメラのシャッターを連写するかのようなスピードで、その原色の光景を次々と炙り出す。そして、巨大なアメリカと中国を往還しながらも、そこに見えてくるものは、ただただ小さな人間たちの必死な姿なのだ。「自由とは」「人間とは」「世界とは」などの大きな問い掛けが、頭の中を駆けめぐる。
初日の朝、熱くうごめくマグマを前に、俳優やスタッフたちとともに今も格闘は続いているが、それも承知の上でとても頑丈だが、とても豊かで楽しい。フェイクばかりの今の世の中に、物語の中の一枚の写真が捉えた時代の真実とは何かを、しっかりと見つめたい。

04.『CHIMERICA チャイメリカ』 
田中圭(ジョー・スコフィールド役)
作品の持つパワーの凄さを改めて実感しました。栗山さんの感覚、僕たち演者の感覚。そして見てくださる皆さまの感覚。全て一本に通してみたいなとワクワクしました。個人的には台詞では取りきれないジョーの本質をなんとか伝えたいです!
難易度は高いですが、まだまだ初日!ここからです! 
アメリカと中国。2つの場面の差異も深く楽しんでください!
 
05.『CHIMERICA チャイメリカ』 
満島真之介(ヂァン・リン役)
劇場に新たな風が吹いた、日本初演の初日公演でした。記念すべきこの日を胸に刻みたい。演劇の力、戯曲のもつ力を信じ、信頼できるカンパニーと共に千秋楽まで自分に与えられた使命を全うします。
 
06.『CHIMERICA チャイメリカ』 
倉科カナ(テス・ケンドリック役)
沢山の方に支えられて、初日を迎えることができました。とても素晴しいルーシーさんの脚本、そして栗山さんの豊かな演出。その中でテスという人間を見つけ、舞台で生きるのに、私だけの力ではどうにもならないと痛感しました。沢山みんなに甘え、田中圭さんとは特に一緒のシーンが多いので圭さんに頼り、エネルギッシュで芯のあるテスが生まれれば良いなと思います。
またジョーに出会い、感化されテスが行き着く先にも是非ご注目下さい。
 
07.『CHIMERICA チャイメリカ』 
眞島秀和(ヂァン・ウェイ役)
まず、無事に初日を迎える事ができて感謝しております。
これからこの座組で「チャイメリカ」を深めていけるのが楽しみです。
 
03.『CHIMERICA チャイメリカ』 
08.『CHIMERICA チャイメリカ    
09.『CHIMERICA チャイメリカ』 
11.『CHIMERICA チャイメリカ』撮影=細野晋司 
10.『CHIMERICA チャイメリカ 

〈公演情報〉
世田谷パブリックシアター×パソナグループ
『CHIMERICA チャイメリカ』
作◇ルーシー・カークウッド   
翻訳◇小田島則子
演出◇栗山民也
出演◇田中 圭 満島真之介 倉科カナ 眞島秀和
瀬戸さおり 池岡亮介 石橋徹郎 占部房子
八十川真由野 富山えり子 安藤 瞳 阿岐之将一 田邉和歌子
金子由之  増子倭文江 大鷹明良
●2/6〜24◎世田谷パブリックシアター
〈料金〉S席(1・2階席) 8,300円  A席(3階席) 6,000円(全席指定・税込)
高校生以下・U24は一般料金の半額 ほか各種割引あり *当日券あり

ツアー公演
●2/27・28◎愛知 東海市芸術劇場 
〈お問い合わせ〉メ〜テレ事業 052-331-9966 (祝日を除く月〜金 10:00〜18:00)
●3/2・3◎兵庫 兵庫県立芸術文化センター
〈お問い合わせ〉兵庫県立芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255 (10:00〜17:00 月曜休み※祝日の場合は翌日)
●3/6◎宮城 多賀城市民会館 大ホール 
〈お問い合わせ〉仙台放送 022-268-2174 (平日 9:30〜17:30)
●3/9・10◎福岡 福岡市民会館 
〈お問い合わせ〉スリーオクロック 092-732-1688 (平日 10:00〜18:30)

〈公演HP〉https://setagaya-pt.jp/performances/201902chimerica.html


【撮影/細野晋司】


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J-WAVE30周年×ゴジゲン10周年企画公演、舞台『みみばしる』開幕!

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-WAVE開局30周年プロジェクトとして、10周年を迎える松居大悟率いる劇団ゴジゲンとコラボレート、ラジオと舞台のJUMP OVER(越境)を目指す新作舞台がスタートした。
作・演出は、劇団ゴジゲンの作・演出・主宰をつとめている松居大悟。映画『君が君で君だ』や、ドラマ『バイプレイヤーズ』シリーズのメイン監督であり、ミュージックビデオ制作など数多くの作品を世に送り出している。
松居がナビゲーターを務めるJ-WAVEの番組「JUMP OVER」では、“稽古場ラジオ”と題して、創作の様子をリスナーに発信し、リスナーの声を創作に反映させる取り組みが行われている。舞台作品のロゴマーク選定からオーディション、稽古まで、普段は参加することのできない舞台制作の過程を公開し、リスナーと一丸となって本多劇場のステージを目指すという企画だ。

同番組のオリジナルテーマ曲も担当した石崎ひゅーいが、今回のコラボで舞台の音楽監督に初挑戦。さらに映像のみならず、昨年は妄想歌謡劇団『上を下へのジレッタ』など舞台でも活躍する本仮屋ユイカが主演。キャストは800名以上から選ばれた多彩な経歴のリスナーなど、個性豊かな出演者たちが集まった。

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 【囲みインタビュー】
 
その舞台が本日、初日を前に公開フォトコール及び囲み取材を行った。  

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ゆうたろう 玉置玲央 前田航基
松居大悟 本仮屋ユイカ 石崎ひゅーい

 
松居大悟(作・演出)
昨日のプレビュー公演は観てくれた人たちは興奮している様子で、僕たちのラジオ愛が伝わったのかなと。ラジオを信じる思いをもっと伝えたいと思いました。「みみばしる」という言葉は造語で、普段受信しかできない耳で聞いたことから「口ばしる」ように行動し、発信する側になるという意味です。この作品を観て、何かを感じて、受信者から発信者になるきっかけになればいいなと思います。SNSをやってる人も多いと思うので、観た後は必ず1ツイートは必ずしてくれるとうれしいです(笑)。

石崎ひゅーい(音楽監督)
最初に松居くんからプロットを貰い、僕の家に来て特製の「ひゅーちゃん鍋」を作りながら、ああしたいこうしたいと相談して、作っては松居くんに投げてを繰り返すのが楽しかったです。自分で作った歌がセリフに反映されたり、舞台のセリフが歌詞になったりと、音楽と舞台が今回のテーマでもあるクロスオーバーできて満足です。ラジオ発の舞台という初めての試みをチームで思いっきり走ってる姿を見てもらい、一緒に走ってほしいです。

本仮屋ユイカ
今回が舞台初主演ですが、正直あまりピンと来ていないです。キャスト一人一人が熱く、輝いていて、使命感を持って舞台に立っているので、皆が主役だと思っています。演技を初めてする人もいて、その人は本物のリスナーとして舞台上に存在しているというのが不思議な感じ。このチームでいられて幸せです。この舞台に出てくる人たちはラジオがないと生きていけないほどラジオが好きなのですが、これだけはないと生きていけないというものが誰にでもあると思うので、自分の物語として観ていただいて、私が演じる妙子の感じる窮屈さに共感し、彼女がいろんなことを乗り越える爽快感を感じて欲しいです。
 
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玉置玲央
出演者も観てくれる人もいろんなジャンル、年齢、経歴の人がいて、バラバラな人たちが垣根を越えて一つの場所に集まれるのが、この作品の魅力だと思っています。ラジオの企画から始まって、約1年間、いろんな人がこの作品に関わってくれていて、そうした人たちと、これから観劇する人たちとも平等に同じ価値のある作品にしていければと思っています。

前田航基
幼い時、自分の引っ込み思案を心配した親に養成所へ入れられたのが芝居を始めるきっかけで、主人公の妙子と同じように僕ももともと受信者で、似ているなと思いました。今年、成人で、成人式と成人式には出席できなかったけれど、稽古場で祝っていただいたので、後悔はしていません。稽古を通して、たくさん悩んでたくさん落ち込み、この舞台の千穐楽が自分の成人式だと感じられるであろうくらい成長させてもらいました。千穐楽が成人式になるように頑張っていきます。

ゆうたろう
前田くんと同じように成人を迎えて、節目でこの作品に参加できて嬉しいです。僕も元々、内にこもる性格でしたが、洋服がきっかけで発信者になれました。顔合わせの時に松居さんから一人一人受信者か発信者か聞かれたのですが、出演者それぞれのその回答が役にも反映されていて、そこも面白いと思います。誰でも発信者になれるSNS、ネット社会に生きる現代の人にこそ観てもらいたいです。

〈公演情報〉
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舞台『みみばしる』
作・演出◇松居大悟 
音楽監督◇石崎ひゅーい
出演◇本仮屋ユイカ(以下50音順)
市川しんぺー(俳優/劇団「猫のホテル」) 祷キララ(俳優・大学生) 工藤真唯(保育士) 小松有彩(会社員) 鈴木翔太郎(大学生) 鈴政ゲン(俳優) タカハシマイ(ミュージシャン/Czecho No Republic ) 玉置玲央(俳優/劇団「柿喰う客」) 仲山賢(高校生) 奈良原大泰(アルバイト) 日高ボブ美(俳優/劇団「□字ック」) 藤井克彦(楽器屋店員・ブロック塀研究家) 前田航基(俳優・大学生) 三浦俊輔(俳優・大工) 宮平安春(庭師) 村上航(俳優/劇団「猫のホテル」) 目次立樹(俳優/劇団「ゴジゲン」) 本折最強さとし(俳優/劇団「ゴジゲン」) ゆうたろう(モデル・俳優・ショップ店員) 
歌・演奏◇ワタナベシンゴ (THE BOYS&GIRLS)
●2019/2/7〜17◎下北沢 本多劇場
〈公演HP〉https://mimibashiru.com
●2019/2/23〜24◎福岡 久留米座(福岡県久留米市六ツ門町8-1)
●2019/3/1〜3/3◎大阪 近鉄アート館 (大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43あべのハルカス近鉄本店ウイング館8階)







音楽劇『ライムライト』


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新派・松竹新喜劇、あわせて200年記念公演『二月競春名作喜劇公演』新橋演舞場にて開幕!

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新橋演舞場の2月公演は、明治・大正・昭和の古き良き日本の美しさを現代に伝え続ける、創始130年の「新派」、笑いと人情が詰まった演劇として、長きに亘り関西の笑いをリードし続けてきた、創立70周年の「松竹新喜劇」の合わせて200年達成を記念して、『二月競春名作喜劇公演』を上演中だ。
 
日本演劇史の一端を担う歴史ある両劇団の夢の競演の演目は、長年にわたり愛されてきた両劇団の名作2本立て。新派が半世紀以上にわたって大切に上演し続けてきた『太夫(こったい)さん』を原題にした『華の太夫道中』は、京都の島原遊郭を背景に藤原紀香と波乃久里子が初共演。また、親子の情愛を描いて温かい涙と笑いの世界へと誘う新喜劇の名作、『船場の子守唄』を、『おばあちゃんの子守唄』として渋谷天外、水谷八重子、藤山扇治郎の共演で上演する。
その公演の初日が2月2日、幕を開けた。

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『華の太夫道中』
原題の『太夫さん』は、昭和30年(1955)花柳章太郎によって初演され、以降半世紀以上にわたり、劇団新派が大切に上演し続けて来た作品。京都の島原遊郭で、人々がたくましくも美しく生きてゆく姿が描かれた、人情味溢れる感動作を、今回は、情味の溢れる女将おえいを波乃久里子が、ひたむきで純粋な心のきみ子を藤原紀香が勤め、初の太夫道中に挑んでいる。

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『おばあちゃんの子守唄』
初演は昭和29年、「日本一のおばあさん」というタイトルで、舘直志(二代目渋谷天外)が“名おばあさん役者”といわれた曽我廼家十吾のために書き下ろした作品。その後、数多くの名優たちに演じ継がれ、今回は新派の水谷八重子が、新たな風を吹かせます。親子の情愛を描き、見る人の心を揺さぶる温かい涙と笑いの世界となっている。

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藤山扇治郎、渋谷天外、水谷八重子、波乃久里子、藤原紀香

初日を前に2月1日、公開舞台稽古が行われ、劇団新派の水谷八重子、波乃久里子、松竹新喜劇の渋谷天外、藤山扇治郎、そしてゲストの藤原紀香が意気込みを語った。

藤山扇治郎
明日から初日が始まります。今回はゲストとして藤原紀香さんを迎えて、初めて共演させていただきます。そして、八重子さん、久里子さんのお姉さん方とも、こんな大舞台で共演できるのが本当に楽しみです。

渋谷天外
右に同じです(笑)。競春公演として、新派と松竹新喜劇が共演するところを是非見て頂きたい。伝統を抱えながら進んでいく、我々のパワーを感じてほしい。パワーといっても僕は大分衰えてますが(笑)、若い人たちのパワーを感じに来て下さい。

水谷八重子
松竹新喜劇と新派は親類のような関係だと思っています。西からわざわざ出向いてきてくれたことが嬉しい。これで私の責任が軽ければもっと嬉しいんですけれど(笑)。藤山寛美先生が遺したお役なので、今年一番緊張しています。皆さん、ぜひ応援してください。

波乃久里子
松竹新喜劇と新派はなかなか一緒になることがありません。今回は特別出演として藤原紀香さんがいらして下さいました。器量も良く、心も綺麗で、本当に天使のようなお方です。役柄も天使のような子なので、皆さんにぜひ観に来ていただきたいです。

藤原紀香
『華の太夫道中』という素晴らしい作品に出会えて、きみ子という素晴らしいお役を頂けて嬉しいです。いよいよ明日から初日の幕が開きますので、少しドキドキしております。この二本立てのお芝居を是非たくさんの方にご覧頂きたいです。

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【『二月競春名作喜劇公演』節分追儺(ついな)式レポート】
また初日の次の日は節分とあって、『華の太夫道中』が終演し、その艶やかな太夫道中に、客席が大いに盛り上がった後、再び幕が開くと、劇団新派の水谷八重子、波乃久里子、松竹新喜劇の渋谷天外、藤山扇治郎、そしてゲストの藤原紀香をはじめとした出演者が、扮装で豆が入った升を持って登場。
出演者の中で、音頭を取ったのは水谷八重子。「今日は節分でございます。鬼は内にいるもので、こうして劇場においでくださった皆様は全部『福』でございます。ですから、今回は『福は内」の掛け声だけでいこうと思います。」と声がけにより、「福は内」の音頭をキッカケに舞台上から一斉に豆まきを始まった。多数の出演者による豆まきで客席からは大歓声が上がり、大盛況のうちに幕が下りた。

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〈公演情報〉
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『二月競春名作喜劇公演』
一、華の太夫道中 三幕 
二、おばあちゃんの子守唄 二場
出演◇水谷八重子 波乃久里子 春本由香 瀬戸摩純 
渋谷天外 藤山扇治郎 眦勅]
井上惠美子 曽我廼家八十吉 曽我廼家寛太郎
藤原紀香 曽我廼家文童 丹羽貞仁
●2/2〜23◎新橋演舞場
〈料金〉1等席12,000円 2等席8,500円  3階A席4,500円 3階B席3,000円 桟敷席13,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹0570-000-489(10:00〜18:00)
  チケットWeb松竹 http://www1.ticket-web-shochiku.com/t/



【写真提供/松竹】


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入江雅人×池田成志 バカバカしさと怖さの中に命の儚さを突きつける『帰郷』上演中!

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福岡県出身の俳優・作家・演出家の入江雅人と俳優・池田成志が、20年も前からあたためていた企画がついに実現、1月25日から俳優座劇場で上演中だ。(2月3日まで。2月8日〜10日は福岡・イズムホールにて上演)
出演者は、入江と池田に加えて田口浩正、坂田聡、尾方宣久、岡本麗といった実力派が顔を並べる。福岡出身の個性豊かな役者たちによる本物の福岡弁で、青春の終わりをセンチメンタルタッチに描く新作だ。

【あらすじ】
1980年、福岡。真夏の暑い夜。映画監督を志すしげお(池田成志)は、クラスメイトの向井(入江雅人)、香月(田口浩正)、長崎(坂田聡)、竜彦(尾方宣久)と、学校のはずれの部室で、秋の文化祭に上映するホラー映画を撮影していた。そこで彼らは不思議な出来事を体験する。
2021年、日本中がゾンビパニックに見舞われる。東京で暮らす向井と竜彦、地元残ったしげお、香月、長崎。かつての仲間たちにも運命の時が迫っていた。夏の終わり、帰郷した向井はしげおの家を訪ねる。友の願いを叶えるため、青春に終わり告げに。「しげちゃん、ドライヴ行くばい」そして車は走り出す。あの海に落ちる夕日を見るために…

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入江雅人が一人芝居で何度か演じてきた物語を、彼らの高校時代からの前日譚を書き足して、どこか長閑な80年代と、ゾンビパニックに襲われた2021年という2つの時代を、福岡と東京を舞台に描き出している。
舞台上はパイプ椅子だけというシンプルさ。だがそこに6人の俳優が登場して動き出すと、福岡の高校生の青春と、そこから30年以上経って中年になった男たちそれぞれの人生、そして変わらない友情が生き生きと浮かび上がる。まさに役者を楽しむ舞台であり、役者で見せる芝居だ。

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ゾンビパニックに日本中が巻き込まれるというシュールな設定が、バカバカしさと怖さとともに命の儚さを突きつけ、災害の多発している日本の現実にも重なって、絵空事ではない怖さがある。だがその重苦しさを、福岡弁のなんともいえないおかしみと温かさが救ってくれる。どこかシャイで突き放したような物言いにも聞こえるのだが、だからこそ愛情が伝わってくる不思議な言葉だ。

青春の輝きの中でいつも流れていた80年代のポップス、その音楽を沈んでいく夕日を目の前に聴く寂しさ切なさ…。センチメンタルなまでのノスタルジーにどっぷりと浸かりながら、生と死を見つめる男たち。入江雅人の、そして彼の作りたい舞台に集まった4人の男優と紅一点の岡本麗。それぞれの心意気がどのシーンにも命を通わせて、胸に沁みる舞台となっている。

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〈公演情報〉
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『帰郷』
企画・作・演出◇入江雅人
出演◇池田成志 田口浩正 坂田聡 尾方宣久 岡本麗 入江雅人
●1/25〜2/3◎東京・俳優座劇場、
2/8〜10◎福岡・イズムホール
〈料金〉6,800円(全席指定・税込) 




【文◇榊原和子 写真提供◇エイベックス・エンタテインメント】


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