演劇の現場で活躍する人材は、幅広いフィールドから生まれてきているが、その動きを大学というアカデミズムの場でも積極的に取り入れる流れは、ここ数年ますます盛んになっている。
このF/Tの上演企画も、そんな大学を取り上げて、作品の上演とフォーラムを通じて、その動きを体感してもらおうという意味付けで行われる。今回は、桜美林大学、京都造形芸術大学、近畿大学、多摩美術大学の4校が公演を展開する。

その各大学からのアピール文が届いたので、2回に分けて紹介しよう。

 

●多摩美術大学公演
『ファスナー』『氷山のイッカク』『健康少年』
作・演出・出演◇多摩美術大学在学生
12/1(火)19時、12/2(水)14時◎シアターグリーン

ご覧いただく舞台は、いずれも2009年度の上半期に多摩美術大学映像演劇学科上野毛キャンパスで生まれ落ちたエンゲキたちです。今回はF/T版として、3本立てに再構成しての上演です。
映像演劇学科のカリキュラムの中核に“Field Trial”と称している、企画立案から制作、公開発表をおこなう科目群があります。ここから映像演劇学科の演劇や映画の作品が生まれます。
『ファスナー』『氷山のイッカク』は、09年度前期“Field Trial”からの選抜。『健康少年』はこの7月に学内で自主企画公演として初演。8月にはオープンシアターミュージアム[But-a-I](芸劇前アトリウム広場)にて再演。授業以外でも自主企画公演が目白押しの中から選抜したものです。
『F/T09秋 演劇/大学』の参加4大学の中で、唯一在校生の作・演出作品です。全く違ったテイストの3作品ですが、今日の若者が見ている世界、感じている社会に対する感情が、通底していると思います。
ショートピース3本を休憩無し80分で疾走します。
初日に向けての、全ての大騒動を力にして、総勢40名の大一座の幕が上がります。
作品が生まれ落ちる現場に是非ともお立ち会い下さい。

(多摩美術大学 映像演劇学科 加納豊美)

 

 

●京都造形芸術大学公演
『木ノ下歌舞伎ー伊達娘恋緋鹿子』
作◇菅専助ほか 演出◇木ノ下裕一 出演◇京都造形芸術大学生
12/5(土)15時、12/6(日)13時◎シアターグリーン

 

—たとえこの身をつらぬかれ、ほね骨はこ粉となれはい灰となれ、こん魂はこの世にとどまりて—

大火に類焼した八百屋の娘・お七は避難先の吉祥院の小姓・吉三郎と恋仲になってしまう。店の再建がなって別れた後も思いはつのるばかり。
一方、江戸の町では相次ぐ火災を警戒し、次々と火の見やぐらが建てられ、夜間は全ての木戸を閉め、通行が禁じられることになった。同時にそれは、火事ではない時に火の見やぐらの半鐘を鳴らせば、いかなる理由があろうとも火あぶりの刑に処すという法であった…。

いくつかの有名な作品を残しながら、作家としては近松などの影に隠れて、今まで注目されることのなかった菅専助(すがせんすけ)を取り上げた、長期プロジェクト「菅専助—見知らぬ作家—」。
木ノ下歌舞伎が08〜09年まで3回に渡り、京都で実施したこのプロジェクトの集大成として上演された『伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)』を、東京バージョンへと進化させ上演します。木ノ下歌舞伎の主宰・木ノ下裕一が演出を担当し、メンバーであり演出家で「サミット」ディレクターでもある杉原邦生が美術、京都造形芸術大学の在学生・卒業生によるキャストとスタッフが「八百屋お七(やおやおしち)」で有名なこの物語に、新たな視点をもたらします。

(京都造形芸術大学 制作)

 

 

フェスティバル/トーキョー09秋

『演劇/大学 09秋』
桜美林大学『カサブタ』12/5(土)18時 12/6(日)16時 ◎東京芸術劇場小ホール
近畿大学『腰巻お仙〜義理人情いろはにほへと編』12/2(水) 19時 12/3(木) 14時 ◎東京芸術劇場小ホール

<料金>¥1000《自由席》

問合せ◎F/Tチケットセンター03-5961-5209

http://festival-tokyo.jp/(パソコン)

http://festival-tokyo.jp/m/(携帯)