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「旅の恥はかき捨て」とは、よく言ったものだ。国内旅行では、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」に代表される。これが1800年代初頭。海外旅行では1970年代の農協団体ツアーが知られている。筒井康隆氏が1973年、短編集「農協月へ行く」を 発表して農協ツアーを風刺しているが、ではバブルに湧き、一般の人々がどっと海外に遊びに出かけた1980年代はどうだったのか。なにせ1985年のプラザ合意で、1ドル240円だった為替相場は、数年後には倍の120円に高騰した。バブル経済を生む原因になったとはいえ、この円高でツアー料金は安くなり、買い物もお得感が満載。

「Suka-suka aja de!」は、インドネシア語で「私の好きにさせてよ!」の意味だそうで、急に“金持ち”になり、ウキウキ気分の日本人旅行者が海外で巻き起こすエピソードをオムニバスでつづっている。

「ハナコ・ケイコ」は、東南アジアにやってきた2人のOLが、冒険心から民泊オプショナルツアーに参加したも のの予想外の展開に。「貴重品はホテルに預けて」と注意され、貴金属類は持ってこなかったが、大事な“貴重品”に 気づくことになる......。

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砂漠の真ん中で車が故障し、オアシスの町まで歩くことになったビジネスマンを描いた「井戸のほとり」。本社か らやってきたエラソーな部長と、早く東京に帰りたい若い現地駐在員の会話に引き込まれる。ノスタルジアに浸る部長、スレカラシの駐在員の対比には、意外性があって面白い。

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あるときはシニカルに、あるときはブラックユーモアに、展開は多彩。作・演出の倉田淳氏がバブルのころ、実際 に東南アジアを旅行した体験を元に構成したとか。それから25年、日本人の海外旅行はどう変化したのか。農協ツ アー時代よりルールを守るようになり、街歩きをしたり文化を楽しんだりする人が増えたことは間違いない。さらに カンボジアで小学校建設に汗を流したり、地雷撤去のボランテアに参加したり、旅の目的も多様化している。さて、 次はどんな旅物語が生まれるだろうか。

文化庁・日本劇団協議会主催の新進演劇人育成公演で、スタジオライフの劇団員のほか流山寺★事務所、イッツフ ォ ーリーズ、青年座の俳優が参加している。

文◇堀内浩一郎(演劇ジャーナリスト)
 
〈公演情報〉
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『Suka-suka aja de!』(スカスカアジャデ!) 
脚本・演出◇倉田淳(スタジオライフ)
出演◇若林健吾・田中俊裕・千葉健玖・江口翔平(以上、育成対象者 スタジオライフ) 宇佐見輝・澤井俊輝・久保優二・古川創太・堀川剛史・関戸博一・藤原啓児(以上スタジオライフ) 中野亮輔(青年座)・大塚庸介(イッツフォーリーズ)・甲津拓平(流山児★事務所)ほか ※一部ダブルキャストあり。
●7/15〜25◎ウエストエンドスタジオ(中野)
〈お問い合わせ〉スタジオライフ 03-5942-5067(平日12:00~18:00)
 www.studio-life.com/






歌謡倶楽部『艶漢』




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